第191話 情報を共有しよう♪
明けましておめでとうございます。新年一発目でございます!
明るい話題になったかな?(笑)
今年も宜しくお願いします☆
突然の事に、ビックリしたあたしと翔太。間抜けな声が響いたけど、取り敢えず、和磨くんと改めてお話し中である。
『ごめんね、ちょっとブラックバードの群れと交戦中だったから、出れなくて・・・』
それはまた、とんでもない時に、あたしはかけちゃったみたい。
「ごめん、和磨くん・・・忙しい時にかけちゃって」
これには、罪悪感が込み上げてきたわ。流石に、和磨くんが何をしてるかは見えないからねぇ。申し訳ないわ。
『そっちからじゃ分からないんだから、仕方ないよ』
ありがとう、和磨くん。罪悪感がヒシヒシするわ・・・。
『で、何の用?』
「うん、緊急連絡なの」
『お前からってーのが、シャレにならん・・・何があった?』
うろんげな翔太に、そういえば肝心な部分がまだだったと思い出す。タイミング良く、和磨くんが出たから、まだ話してないのよねぇ。
「うん、優香ちゃんとこからだよ」
『ハア~!?』
『えっ? 優香さんとこ?』
そうよね? 普通にビックリするわよねぇ。あたしもビックリしたもの。絶対にやらかすのは、翔太のとこだと思っていたからねぇ・・・。
『・・・何か失礼な事、考えてねーか?』
「別に・・・」
鋭いわね、翔太。思わず視線をスッと反らしちゃったわよ。
『あのさ、漫才はいいから、本題を話して』
スパッと和磨くんに切られた。た、確かに、今は野宿だったわ。本題に行くべきよね。
「ごめん、漫才のつもりはないんだけど、そうね・・・実は、優香ちゃんの向かった所、天族の国に、魔族から新手の敵に襲われたのよ」
『新手だと?』
『大丈夫だったの? それ』
訝しげな翔太と、心配そうな和磨くん。やっぱり、性格が出るわね。
「大丈夫よ、怪我人は出たけど、治せる範囲だったそうよーーーーー問題は、魔族が持っていた武器の方よ」
『・・・何か不味い物だったとか?』
流石、鋭いわね。和磨くんはやっぱり、頭脳明晰タイプね。
「えぇ、あたしも実物を見た訳じゃないけど、聞いた限り、かなりヤバイ物よ」
『おいおい・・・お前が言うと、シャレにならん!』
翔太が頭を抱えているけど、緊急事態なのよ。こっちもね!
「まぁね、あたしも聞いた時は驚いたもの・・・優香ちゃんの所に向かった魔族が持っていたのは、“魔霊武器”ーーーーー己の全てを捧げて使う、禁断の武器よ」
『『魔霊武器?』』
「えぇ、装着者は意識を奪われ、魔力を全て吸われ、魔力が無くなれば、命を捧げて使う物よ」
『・・・何だよ、それっ! 胸くそ悪いな』
『命って・・・そんな武器があるの?』
二人の反応も当然よね。聞いたあたしだって、作ったヤツに対して、腹が立ったもの。
「魔霊武器に関しての詳しい話は、それぞれの聖霊武器に聞いてちょうだい・・・問題なのは、優香ちゃんとこに出たって事はよ? ドワーフの国、獣人の国、それぞれに出ないとは言えないって事よ、間違いなく、あんた達にも接触がある可能性がある」
『・・・マジかよ、勘弁してくれ』
頭を抱えてしまった翔太。そうよねー、これから会うなんて、絶対に嫌だわ。
『咲希さん、優香さんはどうやって、その魔霊武器を倒したの?』
あら、和磨くんは超冷静だったわ。
「確か、浄化しながら、剣を遠くに手放すようにしたそうよ、剣事態には浄化、光の魔法を使ったって」
『うーん、僕にも対処出来そうだけど・・・気を付けておくね』
『おいおい、和磨なら光があるからいいかもしれねーけど、俺はこの世界の光魔法は使えないんだぞ!? どーしろと!?』
あっ、そっちの問題があったわ。とはいえ、翔太の肩書き的に、問題無いと思われる。
「あんた、光魔法は前の世界のヤツを使えるでしょーが」
『・・・そりゃ、そうなんだが』
何とも歯切れが悪い翔太。不思議に思い、首を傾げるあたし。おかしい、翔太なら、大丈夫とか任せろくらいは言うはずだが?
「どーしたのよ? あんたらしくない」
『翔太、何か懸念でもあるの?』
和磨くんにも聞かれて、翔太はかなり険しい顔をしてる。何て言うか、言いにくい感じ?
『・・・あんなぁ、俺は攻撃専門なんだよ、浄化は正直なところ、微妙なんだよなぁ』
頭をガシガシかいてる様子から、本当に困ったみたい。そういえば前に、優秀な仲間のお陰で助かった、て話をしてたわね。もしかして、浄化も優秀な仲間がしてたパターンか!??
「大丈夫なの? 優香ちゃんは手から離してから、浄化したみたいだけど」
『・・・そっちはな、ファイも居るし、心配はしてないんだ、浄化だけだな』
確かに! 物理は問題ないわ。あー・・・何か心配だわ。
『あー、そっか、そうなると僕は、手から離す方が難しいかも・・・浄化は大丈夫なんだけど』
ちょっ、和磨くんも!? そっちは物理か! そういえば、一緒のメンバーはユリーさんだわ・・・。
これはメンバー選考、ちょっと失敗したかしらん?
「あぁ、確かに・・・ん? 他のメンバーは? 王子とか側近とか護衛とか、使えないの?」
ふとした疑問で聞いたら、何故か二人が揃って沈黙した。
「えっ? どういう反応??」
こっちが戸惑うじゃない!! 何で沈黙すんのよ!?
先に口を開いたのは、翔太だったわ。
『こっちはな、全員戦えるぞ?』
何か、含みを入れた答えだった。
そりゃ、こんな世界だもん。戦えるでしょうよ。護衛が居ない場合もあんだよ? 普通に鍛えてはいるでしょう。最低限、護身できるくらいは。
『咲希? 俺んとこ、獣人の国だぞ? 戦えないヤツを連れて行くわけないだろ??』
ん? あれ? 何か反応が違うような??
『とはいえ、魔霊武器とやらの相手は、多分、俺とファイくらいか? 王子の護衛を外せないしなぁ』
あの、翔太? 今更ながらなんだが、そもそも、あんたが向かってる獣人の国って、どんな国なの?? そこが分からない!!
『僕の方は、多分、魔霊武器となったらキツいかも・・・さっきも、戦闘は何とかなったけど、経験は不足気味だからね』
あー、和磨くん達も不安があったわ。
「和磨くん、不安だと思うけど、気を付けて・・・とにかく、二人とも! 魔霊武器に気を付けてね? あたしからは以上よ」
とはいえ、殺伐としたまま終わらせたら、何か気まずいので、ここは癒しの天使達に任せよう!
「さぁ、カイト、ヒスイ! 存分に甘えなさいな(笑)」
『『!?』』
あたしからの、癒しのプレゼントよ☆
これから先、間違いなく、殺伐としてるだろうからね。