表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
288/292

第190話 魔霊武器とは何ぞや?

お待たせしました~♪

咲希ちゃん、登場! 久しぶりだけど、書きやすい主人公(笑)

夜、チャンネル通話中の、あたしと優香ちゃん。現在、優香ちゃんが居るのは、天族の国。一緒に向かったのは、ウィリアム王子とその側近、勇者の侍従のリリーさん。後は実質的な外交官である侯爵様である。他数人が一緒だったはず。

とはいえ、どうも私室からの通信らしい。辺りに人気がない。


「えっと、優香ちゃん? 魔霊武器って、何??」


あたしは、初めて聞く言葉だ。というか、優香ちゃんととこは安心してたのに、いきなり問題勃発は聞いてない!!


『実は・・・』


優香ちゃんとこであった事を聞いて、思わず頭を抱えたのは許して欲しい・・・。

いやはや、何故に安心してたのに、二日目でトラブルにあった上に、自分から向かっていくってさぁ!?


「うん、状況は分かったわ・・・で、魔霊武器って何?」


優香ちゃんの説明も、今一詳しい訳じゃなかったから、もう一回、同じ質問を入れる。まぁ、優香ちゃん自身も、あんまり分かっている訳じゃないみたいだけど。

と、いつの間にかイーリスが顕現してた。


『よりにもよって、魔霊武器に当たるとは・・・ご無事で何よりです』


「イーリス、魔霊武器って何なの? 知ってるんでしょ?」


画面向こうの優香ちゃんも、興味津々って感じだ。この様子だと、あんまり詳しく説明を受けてないのかも。


『まぁ、我々に取っても、かなり危機的な物ですから、ある程度長く生きている聖霊は、知っていますよ・・・ユーカさんの契約した二人は、まだ若いですからね、詳しく知らないのは仕方ありません』


あー、だから、あんまり詳しくないのかな? 向こうの画面には、いつの間にか興味津々の幼い二人が映っていた。


『まず、前提として、聖霊武器が魔に染まって、瘴気を発する事、聖霊の姿は見られず、魔力を際限なく吸収し暴走している事、これがあって、初めて魔霊武器と呼ばれます』


前提が明らかにおかしい。おかしすぎるから!!


「ちょっと、聖霊武器は勇者しか使えないんでしょう? なら、おかしいじゃない! 魔に落ちる訳ないじゃない」


そう、前提からしておかしい。聖霊武器が、魔に落ちるという事態が、起きる事が難しい。勇者しか持てないはずよね? だから、勇者専用の武器庫があるんだし。


『サキ様、我々は勇者だけしか契約しないわけではありません、相応しい心を持つ者が居れば、契約したりもします、召喚という方法もありますし』


「・・・召喚、出来るの?」


初めて聞いた情報に、目をパチパチさせる。


『呼ぶ者が相応しい者ならば』


イーリスの説明が正しいならば、相応しい存在に召喚される事がある。それって、逆を言えば、相応しくない存在には、召喚出来ないって事よね?


「でも実際、魔霊武器による被害が、天族の国で出てるわよ?」


魔族が聖霊武器を召喚したとは、思えないんだけど? 勿論、人間だけが使えるとは思わないけど、ちょっと腑に落ちないのよね。


『サキ様、我々は相応しい存在には、召喚できるのですよ、種族は問いません・・・つまり、召喚だけさせて、呼んだ存在から奪えば、聖霊武器を魔に落とす事も可能、かもしれません、理論上は、ですが』


予想は予想でしかないって言うのは分かる。

でも、魔霊武器を手にしたら、強制的に魔力を、足りなければ命まで吸いとられるのは、明らかに危険過ぎる。そんな危険をおかしてまで、やる必要あるの・・・?


『あのね、咲希ちゃん、こっちで保護した魔族の人は、まだ目が覚めないの・・・それにね? 凄く衰弱してたの、遅かったら死んでいたかもしれない・・・』


優香ちゃんの視界が、揺れている。泣くのを我慢してるんだろうなって、直ぐに分かった。


「結構、ギリギリだったんだね・・・優香ちゃん、頑張ったね」


『うん・・・でも、悔しい! 私一人じゃ、結局、助けられなかった・・・!!』


あぁ、そっか。優香ちゃんの中にも、モヤモヤした物があるんだ。何だか、優香ちゃんて、いつも日だまりの中にいるような、そんなイメージをしていたから、初めて優香ちゃんの心を感じた気がした。

いや、少し前にも、確かに感じてた。でも、あの時は、あたしも初めての事で手一杯で、優香ちゃんにまで手が回らなかった。和磨くんや、周りに頼むしかなかった。

今は違う。ちゃんと、画面越しとはいえ、お話をする事が出来るから。


「優香ちゃん、間違いなく、優香ちゃんが助けたんだよ、魔族の人を・・・・・だから、今やるべき事を、間違えないで」


『えっ?』


泣きそうな優香ちゃんの視線が、あたしに真っ直ぐに向いた。・・・大丈夫そうかな? これでも陰陽師。顔を見れば、相くらいは分かる。あんまり得意じゃないけど、これが意外と役に立つのよ。

だって、優香ちゃんの相は、決断が出てた。これが出てる時は、間違った道へ行ってしまう可能性がある。ならば、あたしがやるべきは、先への助言。


「優香ちゃんは、殿下の付き添いでしょう? これからの行動には、どうしても話し合いが必要になるし、優香ちゃんのやりたい事を、皆に相談しなくちゃ、一人じゃないのよ、優香ちゃん・・・泣いてる暇はないわよ?」


少し茶化して言えば、ビックリしたような優香ちゃんの表情。先の事まで考えてなかったみたいで、指摘されて、あっ! て、感じみたい。うん、気付いて何より。

・・・・・少し、脳筋疑惑が上がった瞬間だった。えっ? まさか、ねぇ?


『咲希ちゃん、ありがとう! だよね、まだまだやる事あるもんね!! よし、頑張らないと』


あら、相が変わった。うん、大丈夫ね、これなら。


「翔太と和磨くんには、あたしから注意喚起しとくわね」


『うん、ありがとう! じゃあ、またね!』


優香ちゃんから、プツリと切れた。うん、最後は嵐だったわね・・・。

直ぐに、翔太と和磨くんに、連絡しないとなぁ・・・。時刻は既に8時をまわり、すっかり夜の気配がしてるわ。翔太も和磨くんも、未だに絨毯移動をしていたはず。明日のお昼に、どちらも港に着く予定だったから、今は野宿の準備辺りかしら? いや、既にゆっくりしてるかも?


『サキ様、かけないんですか?』


「・・・あー、うん、確か同時にかけれたわよね? 面倒だし、一回で終わらせるわ」


チャンネルを操作して、二人同時にかけてみる。先程よりも少し、魔力の消費が多いけど、恐らく二人なら問題ないでしょう。


「出ないなぁ~・・・」


おかしい・・・。鳴らしてるんだけど、まーったく出ない。翔太なら、寝てるでも納得するけど、和磨くんまでとなると、ちょっと不安になる。


「・・・何かあったのかしら?」


流石に、心配になってきたところで、片方の画面が映る。


『ふぁあああ~~~・・・、おう? 咲希か?』


明らかに寝ていたらしい翔太が、寝惚け眼な状態で、画面に出た。やっぱり、寝ていたらしい。


「ごめん、翔太、寝てるとこ悪いけど、緊急連絡事項よ」


『はぁ? 何かあったのかぁ?』


まだ、頭が働かないらしい。目を何度もこすっている。とはいえ、辺りは少し明るいし、既に寝てたのは翔太だけに見える。


「優香ちゃんから、連絡あったのよ」


『は? あそこは、一番大丈夫なとこだろ??』


あぁ、やっぱり、翔太もそういう認識だよね。あたしも、最初の連絡は、翔太か和磨くんだと思ってたしね!


「あたしも驚いたわよ!」


さて、先に説明をしようとした、まさにその時。隣に画面が映る。慌てた様子の和磨くんである。


『ごめん! お待たせしました!』


「わぁ!?」


『うおっ!?』


急だったから、驚いたあたしと翔太の、間抜けな声が響いた・・・。

うん、お約束をありがとう・・・??



いつもお読み頂きまして、ありがとうございます! 皆さんのおかげで、もうすぐ300話♪ いつまで書くんだろう?


今日は久しぶりにネタが下りて来たので、ミニ小説復活~♪


咲希:久しぶり~♪

翔太:だな、今日は疲れたぜ。

咲希:いやぁ、侍従の皆さんが居ないと、面倒ね!

翔太:何かあったか?

咲希:勇者の侍従狙いの輩がね、煩いのよ・・・。

翔太:今は、一人だからなー・・・。

咲希:もうっ! 面倒っ!


どうやら城では、苛烈な、勇者の侍従争いが起きたもよう・・・。頑張れ、咲希ちゃん!


咲希:しつこい輩は、飛ばそうかしら?


うん? 何だか不穏な流れだなぁ。しつこい皆さん、多分、物理で空に飛びますよー!? 逃げて~!?



お粗末さまでした。

感想、コメント、ポイント、いつでもお待ちしております♪ なお、秋月は吹けば飛ぶようなメンタルなので、甘口でお願い致しますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この「通話」って何を使ってます?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ