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閑話 天の国へ参ります4

長らくお待たせ致しました!!

ようやく物語が動きますし、出したかった設定も出せます☆

今、私達は、緊張に包まれた状態で、天族の長様を待っています。

ここは、天族の方々にとっては、広間と呼ばれる場所で、何と、天族のほとんどの方々が、ここに集まっているんだそうです。かなりの数の方々が居るため、私達は先程から、緊張しっぱなしです!


「うぅ、緊張します・・・」


「うん、僕も・・・」


予想外に、人が多くて、すっかり私とウィリアム王子は、固まってしまいました。


「ウィル、もう少しだから、頑張って」


ルキさんに言われて、ウィリアム王子はぎこちなく頷きます。小さな小さな一歩ですが、ウィリアム王子はちゃんと前を向いています。でも、緊張は別物のようです。


「お待たせ致しました、長がご到着されました」


係りの方が、声を上げます。我々は、人間側の形で頭を下げましたが、天族の皆様は流れるように、両膝を床に付けて、頭を下げていました。おぉ! これが、天族の皆様の正式な挨拶なんですね! 勉強になります。

残念ながら、私はカーテシーですから、相手が見えません。気配で、正面の一段高い玉座のような場所へ、長様が来たのは分かりました。


「皆さん、顔を上げて下さい」


優しい穏やかな男性の声に、我々は直りましたが、他の方々も合わせたかのように、頭を上げます。両膝立ちは直さないようです。


「ようこそ、翼無き方々、我々は皆様を歓迎致します」


あら、サクラ様とツバキ様、お二人と全く同じ台詞でした。ちょっとビックリしたのは、内緒です。こちらからは、外交官の侯爵様、ではなくて、一番身分が高い、ウィリアム様が挨拶します。


「あ、ありがとう、ございます、このような場で、皆様に歓迎を頂き、大変嬉しく思います」


時々、上擦ったりしてますが、概ね落ち着いて挨拶しています。やっぱり、ウィリアム様、やれば出来る子なんです。多分、他の方々と比べられているため、良さが見えなかったのではないでしょうか?


「丁寧にありがとうございます、私はこの天族の長をしています、サカキと申します、今日、お会い出来るのを、楽しみにしていました」


そう仰ったのは、我々からは中年に入ったばかりに見える、思ったよりも若い方でした。美しい顔立ちは、この中の誰よりも輝いているように見えます。髪は腰よりも長く、艶々していますし、着ているのも、ゆったりした天族の民族衣装であり、少し立派な感じがします。


「我が国クラリオン国王より、おさ様へ手紙を預かっております」


ウィリアム王子の後ろへ控えていた侯爵様が、銀のトレーに乗せた、立派な封筒を長様へ献上する形で渡します。


「これは御丁寧に、いやはや、翼無き方々は素晴らしいですね、封筒一つ取っても芸術的です、何と美しい封筒でしょう」


嫌味やそういった含みもなく、封筒を愛でる姿は、本当に感心していらっしゃるようです。勿論、国の威信をかけての書状ですからね。立派な物を使っていますよ。


「確かに受けとりました、中は後程、ゆっくり拝見致しましょう」


穏やかな空気のまま、式典のような物は終わり、我々は、長様直々に、島を案内して頂いてます。


「我々が居るのは、一番島です、ここには重要な施設と、居住区があります」


二番島は、居住区の島だそうで、商業が発達しているそうです。

三番島は、農業の島だそうで、農業に従事している方々が、家族で暮らしていらっしゃるそうです。

その下は、放牧や農業に使用しているんだとか。


「空の上ですから、小さな島には基本的に危なくて、人は住めません、ですから、あまり小さな島は、自然のままにしていますよ」


確かに空は、鳥系の魔物が居ますから、危ないでしょう。だって、鳥系の魔物は、群れで活動しますから。


「島には結界を張っていますが、たまにブラックバードが来ますから、討伐隊が常駐していますよ」


・・・・・思ったより、デンジャラスな所のようです。


「まずは、一番島をご紹介しましょう」


既に、この広間と、我々が借りている、迎賓館は紹介を受けています。と、控えていたサクラ様が、一歩前に出て、提案をしてくれました。


「我々の学校とかは如何でしょうか? 皆様のところの学校とは違うかもしれませんし」


確かにそうですね。天族の方々の学校には、興味があります。チラリと見れば、ウィリアム様も侯爵様も、興味津々のようです。お仕事ではありますが、学びの場ですからね。ウィリアム様にとっては、かなりの良い経験になるはずです。


「是非とも、お願い致します! 天族の方々の学校には、興味があります!」


目をキラキラさせて、ウィリアム様はお願いしています。実はウィリアム様、かなり好奇心が旺盛な気がします。そのキラキラした姿に、後ろに控える側近のお二人、ルキさんとグレンさんが、何処か嬉しそうに、眩しいものを見るような、安堵したような顔で、ウィリアム様を見ていました。安心されたのでしょうね。

多分、比較される事も無いから、だと思います。クラリオン王国に居たら、無理な事だったでしょう。あそこでは、どうしても、他の二人の王子様方と比べられてしまいますから。

本当に、今回の訪問は、ウィリアム様にとって、良い機会だったのでしょう。


「フフッ♪ 楽しそうで良かったです」


サクラ様も、嬉しそうですね。提案は我々にとっても、嬉しい提案ですし。


「では、ご案内致します」


サクラ様に促され、外へ出たそこは、意外にも、舗装された場所でした。ちゃんと綺麗な街並みがあり、これには驚きました。自然と街が綺麗に融合しています。


「わぁぁぁ! 凄く綺麗な町ですね!」


「ありがとうございます、自慢の街ですよ」


サカキ様が心からの感謝を下さいました。周りの方々も、嬉しそうです。これなら、穏やかな視察になるのではないでしょうか? そんな、和やかな空気が場に流れている、そんな時でした。


「おや? 何やら騒がしいですね?」


我々が来る事は、既に通知されているそうですが、明らかに騒ぎの種類が違います。険しい感じの、ピリッとした、私も知っている、そんな空気です。

クラリオン王国では、よくある、あの空気です! えっ? ここは、天族の国ですよ!??


「何かあったのですか?」


長様に聞かれ、騒ぎの方々が、前に出て来ます。何やら、キッチリ武装した三人の方々が、翼を出したまま、険しい顔で出てきました。


「ご歓談のところ、申し訳ありません! 長様、四番島で緊急事態です!」


代表が言った瞬間、穏やかな空気は、霧散しました。あぁ、嫌な予感がします!


「四番島にて、正体不明の賊と戦闘中です! 只今、民の避難を優先しています、急ぎ援護をお願い致します!」


これは、かなりの緊急事態です!

次回、久しぶりの戦闘シーン、入ります!

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