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閑話 天の国へ参ります1

お、お待たせ致しましたぁぁぁm(_ _)m

まさかの2カ月ぶり・・・。本当に、お待たせ致しました。

思いの外、他の作品がはかどりました。

今回からしばらく、優香ちゃん視点で参ります!

side 神白 優香


私は今、不思議な銅像が二つ並んでいる部屋に居ます。これから天族のご招待で、空に浮かぶ城へ向かうところです。今回はありがたい事に、向こう側が開いてくれるそうで、私達はこの部屋で待機しています。


「ちゃ、ちゃんと、上手く出来るかなぁ、僕」


既にガタガタ震えて、不安そうなのは、一応名目上の代表であるウィリアム王子です。その側で、側近であり、お兄さんのような、グレン様と、嬉しそうなルキ様が居ます。


「落ち着け、ウィル、大丈夫だ」


「そうだよ、ウィル、挨拶だけしちゃえば、後は外交官の侯爵が何とかしてくれるから、ね?」


二人に励まされても、ぎこちないままです。しかし、本当にウィリアム王子は、自信が無いんですね。幼い頃からの教育係、それと半年違いの兄弟達によって、すっかり自信が、何処かへ行ってしまったようです。


「そうですぞ! 我輩が上手く采配いたしますので、心配はご無用ですぞ、殿下」


何だか明るくて、憎めない小太りな方が来ました。恐らく、彼が侯爵様なのでしょう。


「う、うん、侯爵、お願いします・・・うぅ、緊張するよ・・・」


未だに顔色が悪いウィリアム王子です。こういった、大きなお仕事は、初めてだそうです。


「ウィル、落ち着け」


「大丈夫だよ、ウィル、ほら、勇者様と会話でもしたら?」


側近二人の励ましも、どうやらこの状況では、無意味に近いみたいです。


「あ、光始めましたよ!」


緊張しているウィリアム王子のお陰で、逆に我々はすっかり落ち着いてしまい、逆に謎の連帯感が出来ています。


「ま、まだ、心の準備が~・・・」


「はいはい、さぁ、行くよ~」


ルキ様に押されながら、ウィリアム王子は進んで行きます。私も後を付いて歩きますが、何だかキラキラしていて、不思議な感じがします。一瞬とも、長くとも感じる時間、その通路を歩くと、気付けば、全く見たことがない、キラキラした不思議な部屋に居ました。


「うわぁ! 綺麗ですね!」


思わず、はしゃいでしまった私は、周りに人が居た事を思い出して、恥ずかしくなっちゃいました・・・。子供みたいですよね!?


「ユーカさん、綺麗ですよね! 僕もそう思います!」


あら? いつの間にか、ウィリアム王子は緊張を忘れているようで、キラキラした目で辺りを見ています。良かった、私だけではありませんでした。内心、ホッとしちゃいました☆


「はい! キラキラしていて、まるで幻を見ているみたいです」


思わず同意した私ですが、そこに、知らない方々が数人、入って来ました。あ、通路はそこにあったんですね。キラキラしていて、気付きませんでした。


「ようこそ、地上からの翼無き客人方、我々は皆様が来るのを楽しみにしていました、心より歓迎いたします」


「まずは、お疲れと思いますので、客間に案内いたします」


その方々は、誰もが柔和な美しい顔立ちをしていました。金髪に、青の瞳、そして揃って、同じような白いゆったりした背中の開いた、服を着ています。

最初に我々側から、口を開いたのは、やはり外交官の侯爵様。頼りになります!


「ありがとうございます、今回、我々の代表を務めますウィリアム王子です、私は補佐を務めます、ニッコリーノ侯爵です、外交官をしております」


「これはご丁寧に、ありがとうございます、今回、我々の代表者は、あいにく、別の島におりますので、明日改めて、ご挨拶致します、私は次席の者で、名をツバキと申します」


「同じく次席のサクラと申します」


丁寧に頭を下げるお二人は、どうやら御偉い方のようですが、意外にも名前が和名っぽい事に、驚きました。

とはいえ、既に建物から出るため、案内されていて我々は部屋の外へ出ました。少し暗い通路を進み、扉を開けた瞬間、あまりの眩しさに、私は目を細めました。光に慣れた頃、目に見えたのは、どこまでも続く青空と、草原、そして、あちらこちらに浮かぶ、島々でした。まるで、物語に出てくるファンタジーな浮島のようです。


「わぁぁぁ! 凄い・・・」


感嘆の声しか出ませんでした。目を見開いて、辺りを見渡す私に、天族の方々は、優しく誇らしげな顔をしていました。


「凄い! こんな綺麗な景色、初めてです!」


ウィリアム王子も、瞳がキラキラしていて、本当に心から感動しているのが分かります。

側近のお二人は、そんなウィリアム王子を、少し驚いて見ていました。でも、次の瞬間、ホッとしたような、でも、泣きそうな、そんな複雑な表情でした。

・・・・・直前まで、緊張されていましたし、何よりも気弱な彼が素直に感想を言えているからでしょうね。側近のお二人は、ずっと、ウィリアム王子を心配して、苦心していたみたいですから。


「気に入って頂けて、嬉しく思います。我々の自慢の国です」


次席のツバキさんが、嬉しそうに微笑んでいました。他の皆さんも、何処か誇らしげに見えます。


「さぁ、皆さまのお部屋へご案内致します」


そうして、案内されたのは、バルコニーのある、こじんまりしたお屋敷でした。


「こちらは、客人用の建物です」


中は広々とした、木で出来た落ち着いた空間でした。

更に案内された個室は光溢れる、落ち着く部屋です。窓は広々ですし、壁は木ですし、置いてある家具類も、木で出来た上品な物です。タンスにベッド、机に椅子、ローテーブルです。布で出来たソファーもあります。他に、きらびやかな、キラキラしたガラスのランプ、木で出来た長めのローテーブルには、ガラス細工の花瓶に、色鮮やかな花が生けられていました。カーテンは空色で、ベッドも空色なので、不思議な調和を感じました。


「素敵な部屋ですね」


「ありがとうございます、我々、天族は布織物が得意なので、こちらの館には沢山飾られていますよ、楽しんで下さいね」


サクラさんも、嬉しそうです。

この後の事は、話し合いで決まりました。色々と聞かれたので、あちらも人の事が気になるのでしょう。

どうやら、この後は、食堂へ案内してくれるそうです。天族の食卓が楽しみです!

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