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特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?オマケ

オマケ話を入れました。今回で本当にコラボは終わりとなります。

次週は、別の作品を更新しますので、詳しくは活動報告をご覧下さいませ。

ミリアム様とナキさんが帰ってから、あたしらは忙しくなった。当然と言えば、当然かな? あたしらは、二人を優先していたからね。貯まっていた仕事を、片付けていた。


「・・・で、何で俺だけ終わらないんだよ!?」


涙目で書類と格闘している翔太。そう、ファイさんに連行されてから、ずっとこの調子なのよ? どんだけ貯めていたのやら・・・。まだまだ、山になった書類達が、翔太の机には二つある。


「あんたが貯めていたからでしょうがっ!」


呆れたから、ツッコミ入れちゃったわよ。一緒に来ていた、優香ちゃんですら、うんて頷いているからね? 翔太、味方はいないようだよ?


「で、このくそ忙しい時に、何の用だ?」


睨まれた。手は止めるらしく、ペンを元に戻した。冗談はこの辺にして。あたしらは翔太をからかいに来たんじゃなくて、呼びに来たのよ。とある、難解な問題が発生したから・・・。


「悪いけど翔太、会議室に来てほしいのよ」


「何かあったのか?」


翔太の顔が、急に明るくなった。多分、書類作業から逃げられるとか、思ってそうだわ。勿論、そんな簡単な訳もなく、戻ってきたらまた、やるんだと思うよ。頑張れ、翔太!


「・・・来たらわかるわよ?」


思わず視線を反らした、あたしの気まずい反応に、翔太は訝しげにしてるが、とりあえず、来たら分かる。という訳で、早速来てもらったら、翔太も固まっていた。


「・・・ナキさんの作品か?」


どんよりした翔太の、この言葉が答えである。そう、ナキさんが滞在中に、いつの間にか作成していたらしい、作品があちこちから発見されたのである。その数、十数点程。帰還まで、誰も気付かなかったらしい・・・。


「ほとんど持ち帰ってもらった筈なんだけど、置いて行ったヤツが問題なのよ・・・」


そう、ナキさんの際どい作品達は、素晴らしい技巧にも関わらず、一部以外はとにかく人気がない・・・。例をあげるなら、決めポーズを決めたマッチョな亀の像、王様のムキムキポーズのハンサムな像、くねくねした謎の植物の像・・・等々、とにかく際どい。

一番の問題作は、上半身裸でムキムキの騎士が剣を掲げる像・・・。理想的な姿なのか、一部の騎士がムキムキになろうと、上半身裸で訓練を始めてしまい、現在密かに問題に成っているのだ。目のやり場に困る! 若い女性もいるんだよ!! 

なお、夏場は流石に、薄い服を着用で訓練するらしい。裸は流石に、ね?


「・・・王様の像もあるのか」


これも問題。純度の高い水晶で出来てるから、価値が高いけど、モデルが王様・・・。理想的なのは、王様にこうなってもらう事だけど、現状は無理かなぁ。若い頃と今が、見事に融合してるらしい。


「だな、どーすっか? 無駄に良く出来てるから、壊す訳にもいかんし、送り返すか?」


「神殿もビックリよねぇ」


結局、良き案は出ず、神殿へ送られたのだった・・・。勿論、幾つかの作品は残された。中には、陛下の作品もある。流石に、陛下の像は、一つだけ他と一緒に残されたのだった。

後に、『王様のご乱心』と呼ばれる作品達は、クラリオン王家の末裔達の頭を、盛大に悩ませる事になるのだが、まぁ、これは遥か未来の話。別の物語である。


「後はミリアム様とナキさんが残した、書類作業ね・・・」


二人が残した色々な意見書は、現在、王城を騒がせる程の革新的な物である。慎重派の事もあり、まずは取っ掛かりとして、最低賃金法を進めて行くらしい。他にも、働く環境や、虐待等の隠されがちな部分に関しても、色々と変更するらしい。

やることは山だけど、勇者たるあたしらもお手伝いは出来るからね。頑張るわよ!


「さぁ、ショータさま、書類作業に戻りますよ」


「ゲッ、ファイ!?」


優雅に現れたファイさんに、またしても連行されていく翔太。首根っこを捕まれた姿は、ナキさんを思わせる。


「・・・頑張れ、翔太」


最後はお決まりだった・・・。流石、翔太。外さなかったわ。



◇◇◇◇◇


side:空の神



ふぅぅぅ・・・。深いため息は、ようやく一息付けるからです。


「取り敢えず、アマテラス様が残した神気は、響弧さんにお願いしましたし、地神の仕事も捌きましたし、地神様のご機嫌伺いはアマテラス様が贈って下さった果物で成功しましたし、後は創造神様関連ですか・・・」


一つ一つ確認しつつ、未だに片付かない仕事に、更に深いため息を吐きます。新しい知識に、技術、他諸々は、創造神が帰ってきたらになりますね。創造神様は、未だにご両親からの説教が終わっていません。恐らく、歴代最長ではないでしょうか?


「アマテラス様には、感謝ですね・・・」


ご機嫌最悪な創造神様の、複雑な心を癒す、あちらの果物は、創造神様の大好物ですからね。大量に贈って頂いたので、他の神々も有りがたくご相伴に預かりました。久しぶりに、元気な顔を見ましたよ。


「後は、アマテラス様からの依頼ですが・・・響弧さん次第ですし・・・・・」


大層な、いたずらっ子らしいスサノオ様。神気は直ぐに消えてしまうため、特定までは行かず。響弧さんが、日に日に怖い気配を出し始めています。


「しかし、クラリオン王国ですか・・・、全てはそこを起点にしていますし」


いつの間にか、クラリオン王国は、我々に置いても、重要な地となっています。全ては、黒き魔王を倒し、ウイルス感染した魂を回収するため。全く、転生させたアホのせいで、我々の仕事が爆発的に増えました。あ、勿論、アホは一番忙しい場所で働いていますよ。

と、私が管轄している神殿から、何か要請が来ている事に気付きます。


「うん? ナキ殿の作品!? はっ? 返品!??」


どうやら、クラリオン王国に置いて行った作品は、確かにあまり良い未来は来ないようですねぇ・・・。仕方ありません。アマテラス様に配達をお願いしましょう・・・。幾つかは残されたようですが、まぁ、まだ、マシな作品でしょうね。あれなら、大丈夫・・・では、ありませんね? 王様のご乱心、とは(笑)


「取り敢えず、アマテラス様に返品に関するお願いしましょうか・・・」


はぁぁぁ、まだ、良い返事も返せていないのに、頭が痛いです。仕事も、まだまだ、山ですし!!


創 造 神 様 、 早 く 戻 っ て 来 て く だ さ い ! ! ! 


なお、返品された作品を拝見し、返品になった理由を悟ったのでした・・・。芸術の神だけが、歓喜していたのには、ちょっと引いてしまいましたが。貴方の感性・・・ちょっと心配します。

未来の芸術家達は、まともな感性であれと願うのは、必要な事と思って下さい。

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[一言] 一芸に秀でた人は、人間も神も、そうなるんですかねえ?
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