特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?24
お待たせ致しました! SHIN様とのコラボは、本日が最終日。楽しい時間は、早々と過ぎていってしまいます。本日も、SHIN様のところから、ミリアム様とナキちゃんが特別出演しています。別視点をSHIN様の猫耳女王にて、連載中です!
素敵なコラボ、ありがとうございました!! 楽しませて頂きましたm(_ _)m
「痛いにゃ~・・・」
「痛くしとるんじゃいっ!! バカナキッ!!」
えー、二人のいつものお約束を無事に終わらせ。その後は、ミリアム様が立ち会わせた神官長様に、平謝りしていた。まぁ、謝罪を受ける神官長様は、苦笑していたけど・・・。苦笑で済ませた神官長様、心が広いわ。
何でも、昔から、あの通路に悪戯や暴走した芸術家が何かをしようとする度に、あの通路では、顔が現れて脅かすらしい。大抵は、それに驚いて止めるらしいが、気付かずにいる大物もいるらしく。それらは、壁にパクりと食べられるとか、何とか・・・。
いや、何故にホラー!? 神殿だろうがよ、ここ!
「お茶目な神様も、いらっしゃるでしょう?」
・・・神官長様? そこは、笑う場所ではないでしょう!? あたしの度肝を抜いたわ、この方。常識が違いすぎない!? おおらかすぎるでしょうが。
「我々も調べましたが、怪しい気配も無いので、神様のお茶目な悪戯だと思っていますよ」
朗らかに笑う神官長様。だから、何か違うと思うわよ!?
「そもそも、何でここに書こうとするんだろうね?」
和磨くんの冷静な指摘は、多分、今は要らないと思うわよ?! てか、明らかなホラー事案じゃない!!
「さぁ、未だに良く分かって無いんですよ」
朗らかに笑う神官長様に、あたしは頭痛がしてきた。多分、これはツッコミ案件なんだけど、スルーすべき案件なのよね。
なんて疲れる会話をしつつ、あたしらは控えの間に戻り、時が来るのを待つ。
「そろそろね」
天上に美しい満月が輝き始める。あたしらは、神殿の奥にある控えの間に案内された。
「お別れですねぇ」
「やっと帰れるにゃ~、楽しかったにゃ!」
「ご飯が美味しかったわぁ」
「・・・もう食べれないのが、惜しいにゃ」
「そこは、同意するわ」
ミリアム様もナキさんも、楽しそうに会話してるけど、こっちの方は、涙が溢れそうである。優香ちゃんは既に、涙が止まらないらしく、ハンカチを何度も目に当てていた。
二人は、美しい神聖陣の前に立つと、クルリと此方を見る。
「皆さん、お世話になりました」
「楽しかったにゃ! ありがとうにゃ!」
「それでは、お元気で!」
二人は良い笑顔である。
「・・・お元気で、ミリアム様、ナキさん!」
「また、お会いしましょう」
「お元気で、あなた方に出会えて本当に良かった」
「うえーん、寂しいですよー!」
あたし、和磨くん、フランツ様、優香ちゃんの順番で挨拶し、二人は満足げに笑って、神聖陣へ入った。それは、一瞬眩しく輝くと次の瞬間には、すぅっと消えていく。二人は最後まで、笑顔だった。涙が止まらないのは、此方だけ、かぁ。
バイバイ、ミリアム様、ナキさん! 本当にありがとう!!
「・・・無事に帰られましたね、さてさて、また忙しくなりますよ」
フランツ様、それは今、言わなくてもいいんじゃないかな!? ちょっとは、余韻に浸りたかったよー!
◇◇◇◇◇
side:空の神
我々の全力のバックアップにて、安全に神聖陣を設置でき、やっと、お二人を此方の神域へ呼ぶ事が出来ました。着いた二人は、何故か固まっていましたが。
「ようこそ、ミリアム殿、ナキ殿、この度はご迷惑をお掛け致しました、私は空の神と申します」
私としては、穏やかに会話をしているつもりです。実際に二人は、リケ神を見付けると、急に肩から力が抜けたようですから。
「こ、こちらこそ、ご丁寧に」
ミリアム殿は、顔がひきつっておりますね。はて、我々に不手際があったのでしょうか・・・!?
「にゃぁぁぁ、落ちないにゃ?」
尻尾をブワリと膨らませたナキ殿の発言に、ようやく理解しました。すいません、私の領域ですから、忘れていました!
「ここは、私の領域です、落ちる事はありませんよ」
申し訳なく思いつつ、リケ神の元へ案内します。まさか、こんな反応をされるとは、予想外でした。
「陛下、ナキ閣下! 迎えに来ましたにゃ!」
二人に気付いたリケ神が、満面の笑みを浮かべています。
「リケちゃん、久しぶりにゃ!」
「久しぶりですね、変わりはありませんか?」
ミリアム殿がそう聞いた瞬間、リケ神の視線が、分かりやすくさ迷ったのです。あぁ、やはり、あちらでは色々あったようです・・・。本当に申し訳なく思います。きっかけは、向こうですが、巻き込まれたのは、彼女達も同じですからね。
「・・・まぁ、いいわ、ところで何をしていたんです?」
彼女の居たところには、山のように重なった、色々な器が・・・。
「・・・にゃ、にゃははは・・・その、陛下を見ていたらお腹が空きましたにゃ」
恥ずかしそうなリケ神は、未だに視線をさ迷わせています。フルコース並みに食べましたからね(笑) 提供したこちらとしても、良きおもてなしが出来ましたから、ホッとしていますし、彼女の食べっぷりに風の神が喜んでしまい、見事に収集が付かなくなっておりました。
「こっちは、何を食べても美味しいですにゃ!」
おや、嬉しい事を言ってくれますね。お土産のアレは、見事に喜ばれそうです。
「確かにそうよねぇ」
「旨かったにゃぁぁぁ~♪」
二人とも思い出したのでしょう。特にナキ殿が、ヨダレをダラダラと垂らしています。そんなキティルハイムの方々を尻目に、アマテラス様がスクッと立ち上がりました。
「さぁ、いつまでもは居られませんわ、厄介な事態に成る前に、帰還しましょう、わたくしが道を繋げます」
凛としたアマテラス様。流石、上級神様です。しかし、次の瞬間、見事に霧散しました。
「テンテル様っ! 待ってにゃ! まだ、ご挨拶してないにゃ!」
リケ神の一言に、凛とした姿が一瞬で、鬼神の姿に変わります・・・。その姿には、リケ神も驚いたようで、尻尾の毛がブワッと成っています。流石に怖かったみたいです。ミリアム様は、瞬時に防御を。ナキ殿は、えー・・・尻尾をブワッと膨らませたまま、気絶して・・・えっ? 気絶してます!?
とにかく、アマテラス様を落ち着かせなくてはっ!
「何度言えば、お前は分かる・・・?」
ドスの聞いた声は、普段の穏やかなアマテラス様とは違います。
・・・・・そういえば、アマテラス様等の地球の一部の神々は、二面性がありましたね。凪御霊と、荒御霊が・・・。不味いですよ、荒御霊は、生け贄さえ出させる程に、ヤバい存在だったような・・・・・。
とにかく、お土産を出して、直ぐにお帰り願いましょう。この神気は、地上に被害が出そうですし、地神がまた、愚痴をぶつけて来そうです。只でさえ、今は機嫌が最悪なのに・・・!
「アマテラス様・・・? あのぉ~・・・」
丁寧にお伺いを立てます。礼儀さえ、ちゃんとしていれば、アマテラス様は穏やかな神様なんです。
「・・・何でしょう、空の神」
一瞬で元に戻りました。よ、良かった・・・! まだ真顔で怖いですが、鬼神姿ではありません。なお、リケ神は余りの恐怖からか、固まっていました。
「ち、チビったにゃ・・・マジギレだったにゃ・・・」
と、心臓を押さえて、ブツブツ呟いていました。
「・・・お土産をご用意しました、先にお渡ししたのとは別に、此方をお納め下さいませ」
これは、アマテラス様とリケ神用の、通販カタログです。此方の食べ物一式が載っています。かなり分厚くありますが、まぁ、問題ありませんでしょう。リケ神に渡したのは、二冊。彼女用と、あちらの神々用です。食べ物を相当気に入られたのか、向こうの神々から、カタログが欲しいと連絡が来ていました。
「ミリアム殿とナキ殿は、リケ神経由でお使いになれます、お金はそちらので振り込んで頂ければ、問題ないそうです」
この通販カタログは、創造神様のご両親神が経由して渡してくれた物です。これ、本来ならば、こちらの神々しか使わない物ですから。
・・・・・また、仕事に逃げそうなので、少し仕事の量を考えねば。
「では、改めて、お世話になりましたにゃ・・・」
リケ神は涙目のままの帰還となったようです。丁寧に頭を下げています。アマテラス様に睨まれつつ、繋げてもらった扉から帰還されました。風の神は、それを見届けると、直ぐに帰られました。俗に言う、逃げた状態です。
・・・ふぅ、四人が帰られましたが、まだまだ仕事はあります。風の神に手伝って貰いたかったです!
まずは目下の悩み、先程のアマテラス様の神気の残り香をどうしましょうか・・・。
頼みの綱の創造神様は現在、ご両親神が御神域より来られ、色々と説教をされていますから、頼れませんし。当分、無理でしょうから。
そうです、知識神にお知恵を頂きましょう。うん、ついでに私の愚痴も聞いてもらいたいですね。
それに今回の出来事の余波、どうしましょうか・・・。そちらの対策も必要ですし。無意識に胃に手を当てます。あぁ、薬神に頼み、胃薬を処方してもらいましょう。
しばらくは、缶詰め状態で仕事になりそうです。
なお、しばらくしてから、アマテラス様から、あちらの甘いメロンと、サクランボとイチゴが送られてきました。流石、アマテラス様。お詫びとのことで、不機嫌だった創造神様がご機嫌になりました!
ありがとうございます! これで仕事が減ります♪