表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
272/292

特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?22

お待たせ致しました! 本日も、SHIN様とのコラボになります。猫耳女王より、ミリアム様とナキちゃんが出演中です! 別視点を、SHIN様のところで連載中。気になる方は、猫耳女王をチェック!

会場は、一番広いホールである。今日招かれた人々で、一杯になっていた。座席は満席、王家の意向とはいえ、凄いものである。とはいえ、今日は伯爵家以上の者達しかいない。要人のみの晩餐会である。


「思ったより、少ないにゃ?」


「安心しました、色んな意味で」


不思議そうなナキさんと、安心したようなミリアム様。視線がナキさんへ向いているから、ナキさんを心配したらしい。


「さぁ、皆さん、こちらへ」


案内されたのは、王族や重要な客人が座る、上座。横に並んだ机と、目の前には貴族達・・・。うわぁ、凄い視線。


「勇者様は此方へ」


あら、うちらは貴族側らしい。頑張ってね、お二方♪ そう思って二人を見たら、凄い顔をしてた。ははっ、そんな助けを求める顔をしなくても・・・。ナキさんは、緊張で固まってるけど、ミリアム様は、面倒そうね。まぁ、フォローしてくれる人は近くに居るみたいだし、大丈夫じゃないかしら? 何せ、フランツ様とエリー様の間だもん。フォローバッチリよ?

そんな感じで始まった晩餐会は、王様の挨拶から始まり、長い有りがた~いお話に、ナキさんがウトウトする危機的状況はあったものの、無事に乾杯へ漕ぎ着けた。その時のミリアム様の顔が、真顔で怖かったけど、何故かナキさんが涙目だったのが不思議だわ。


「「「「「乾杯!」」」」」


これが合図となり、執事さんとメイドさんが動き出す。美しい仕草で、一品目が配膳される。


「うわぁ、綺麗!」


思わず、小声で話してしまうくらい、出された前菜は、美しい芸術的な一皿であった。食べるのが勿体ない!


「っ!」


食べたら、思わず目を見開き、固まるくらい美味しかった。流石、王家のコックさん!! 素晴らしい腕前だわ。

一皿一皿、ちゃんと紹介されながら、フルコースが進んでいく。

がっ、ある一角は違った。


「うわぁ・・・」


ナキさんやミリアム様の方を、チラリと見たら、驚きや呆れが出た・・・。なんせ、明らかに遠目でも分かるくらい、お皿に盛られた量が多い。おかしい、明らかに普通より多い量である。まぁ、食べ方は綺麗なので、文句はない。淑女教育に、食べ方の作法も入っていたんだろう。ザマース先生って方は、本当に素晴らしい先生らしい。


「次に参りますは~」


また、一皿が終わり、飲み物をいただく。飲み物は、使用人さんが回り、あたしもピンク色のジュースを頂いた。事前に、エリー様から晩餐会のルールを教えてもらったから、助かったわ。男性はお酒を、女性はジュースを配っているらしい。


「ようやくメイン料理・・・」


高級なお肉を使った、ステーキだそうで、幾つかのソースが付いていた。うわぁ、色んな味に変わって美味しい!

なお、少量盛りの女性陣に対し、男性は一部を除き、普通盛りである。とはいえ、今日の晩餐会は気合いが入っているから、15品の料理が出る。お品書きの記載には、合間にお口直し等が出るらしい。


「咲希ちゃん、ミリアム様達、大丈夫かな?」


隣の優香ちゃんがコソッと聞いて来たので、ミリアム様とナキさんを見てみる。コルセットを装着しているのに、まーったく食欲は変わっていない二人。あれ? お肉の量が男性陣よりも、倍の量・・・。凄いわ、これは。

とはいえ、まともな量だろう。エリー様の作戦は、見事に当たったみたいで、高位の貴族である皆さんは、素知らぬふりをしてくれている。大丈夫みたいね。


「では、次に参ります料理は~」


次は、お肉の後だからか、さっぱりしたジュレの付いたサラダだった。なお、ミリアム様とナキさんは、微妙な顔だった。お品書きを見ていたわよね? ナキさん、凄く真剣に見ていたし。

なお、書かれているのは、この世界共通の言葉、日本語である。クラリオン王国辺りで使われる言葉もあるけど、古書に使われてるみたいだから、あたしらは半分くらいしか分からないわ。魔法言葉は、また別だしね。


「しかし、コルセットを付けていて、あの量が良く入るわねぇ」


二人とも、美味しそうに食べてるけど、量はあたしらよりもとにかく多い。エリー様が、コルセットを装着させたから、異常とは成っていないだけ。それでも男性よりも量は多いのよ?


「本日、最初のデザートは~」


また、アナウンスが入る。これまた、美しい芸術的な盛り付けをされた、最初のデザート。まさかの、和菓子(笑) あたしも驚いたんだけど、前に来た勇者が故郷の味を広めたらしい。まぁ、懐かしい味だからこそ、勇者も必死だったのかも。今回は、透明で綺麗な葛餅だった。フルーツとかも用意されていたけど、きな粉は無いらしい。代わりに、黒蜜がかかっていた。

違和感この上無いデザートだけど、クラリオン王国では普通なのか、皆は普通に食べていた。

次はフルーツケーキが出されたから、本当に馴染んでいるらしい。


「美味しいね、咲希ちゃん」


「そうだね、優香ちゃん」


穏やかな会話をしつつ、ミリアム様達を見れば、普通に食べていたけど、ナキさんは直ぐに完食しており、追加でフルーツの盛り合わせが来ていた。勿論、ミリアム様にも。

そして、またしても有りがたい長い話を王様が行い、今日の晩餐会は終わりを告げた。

あたしらも直ぐに後ろへ引っ込み、ミリアム様とナキさんと合流した。


「やっぱり・・・」


そこには、ドレスを速攻で着替え、コルセットの要らないドレスに着替えた二人が、控えの間にて、更に食べている姿だったのだ。

思わず頭を天に向けたのは、仕方ないと思って欲しい。


「足りなかったんですね?」


優香ちゃんの確認に、名も知らぬ巨大な魚を食べ終えたナキさんが、ハッキリと答えた。


「勿論にゃ! コルセットの分はここで食べるにゃ!」


・・・・・。

うん、だよねぇ。食欲を無理矢理コルセットで抑えたから、仕方ない。エリー様は既にわかっていたからか、この部屋に案内し、追加を用意するように、指示を出していたらしい。

お見事です、エリー様!


「ふぅ、お腹一杯にゃ!」


「ご馳走さまでした」


ナキさんは、大きくなったお腹をポンポン叩きながら、対してミリアム様は上品に布で口を拭いていた。対照的な二人である。


「明日は朝食後に、馬車で神殿へ行きます」


エリー様の説明に、二人とも嬉しそうである。まぁ、大丈夫じゃないかな? ほら、濃い一部の方々を除けば、真っ当な方々しかいないしね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] たぶん、ナキの食べた魚は、ナイルパーチ?←知らないなら、Wikipediaで調べてちょ。バステト様が昔釣ってた魚。ナイル原産。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ