特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?21
お待たせ致しました~☆ 本日も、SHIN様のところより、ミリアム様とナキちゃんが、特別出演中! 別視点を、SHIN様の猫耳女王で連載中です。気になる方は、そちらをチェック☆
ミリアム様とナキさんが、クラリオン王国に来て、7日目。今日は帰還する二人の為の、パーティー当日である。
つまりは、朝からエステやら何やらを受ける日、な訳で・・・。
あっさりした朝食の後、エリー様監修の元、我々、つまりは、ミリアム様とナキさん、あたし、優香ちゃんがエステやら何やらを受けている。いやはや、美に関する女性の意気込みは凄い。
「・・・やっぱり、この姫様、アニエスにしか見えないにゃ!」
「ザマース先生もチラチラ見える気がします・・・」
げっそりした二人だけど、基本的なマナーはちゃんとしてるし、そちらは何も無かった。問題は、日頃の手入れをしていない故に、あたしや優香ちゃんよりも、エステメニューが多い事だろうか・・・。
「さぁ、無駄毛の処理ですわ」
メイドさん達の本気を見た。あたしと優香ちゃんは、濃い訳ではないため、頻繁にはしないけど、この世界の無駄毛処理は、ワックス脱毛に近かった。特殊な樹液を固めて、無駄毛を抜くアレであったのだ。勿論、痛みがある。が、これが凄くて、やればやるほど、無駄毛が薄くなっていく優れもの! だから、少しずつ脱毛の量は減るし、何より肌にダメージ無し! 異世界、素晴らしいわ!
「にゃぁぁぁ~~~~~~~!?」
「さ、流石に、それは・・・!?」
ナキさんの悲鳴と、青ざめたミリアム様。仕方ない、郷に入っては郷に従え、というしね。あたしは、さっと視線を反らした。
なお、あたしと優香ちゃんは、エリー様に指示され、近くで昼食を取っていた。マンゴスチンに似たフルーツで、味はライチみたいかな? 殻から取った身は、赤いけどね。
「お二人も終わったら、昼食にしましょうね」
エリー様は、余裕の笑みを浮かべて、指示を出している。なお、エリー様の支度は、午後にまとめてするらしい。普段からしているから、そこまで焦らなくてもいいって、ちょっと羨ましい。
「さぁ、お昼にしましょうね」
エリー様の指示が出る頃には、何やら二人揃って、虚ろな目をしていた。まぁ、仕方ないかなぁ。全身脱毛だしねぇ。
「メシにゃ・・・」
「やっと、ご飯ですか・・・」
何か、虚ろな目が怖い! とはいえ、二人のご飯は普通に出された。あたしらは、コルセットがあるから、調整したけど、二人はいいのかな?
「上手いにぁ~」
「やはり、美味しいですね」
パクパクと食べる二人。先程までの、悲壮感は何処かへ行き、すっかり元気になった二人は、デザートにあたしと優香ちゃんが食べたマンゴスチンみたいなフルーツを食べていた。しかし、この細い体の何処に消えているのかね??
ペロリと平らげ、食後のお茶を飲んでいる。今日はリラックスする香り高い紅茶である。
「さぁ、コルセットを絞めてしまいましょう」
エリー様の一言により、穏やかな時間は終わりを告げた。
「にゃ!? コルセットにゃ!?」
「・・・えっ? やるんですか!?」
多分、二人は、コルセットをするの、知らなかったみたいなんだよねぇ。というのも、城に滞在中は、ドレスだったけど、コルセットをしていなかったから。必要ないタイプしか、着てないしねぇ。
「サキ、ユーカもしてしまいましょう」
エリー様の容赦ない一言が、此方にも来た。はぁぁぁ、諦めないと駄目か。
その後、色気のない悲鳴が幾つか上がったが、誰が上げたかは黙秘させてもらうわ。
「今回は、ダンスパーティーではなく、正式な晩餐会になります」
あれ? てっきり、ダンスパーティーかと思っていたわ。あたしらの顔を読んで、納得気味のエリー様。理由を話してくれた。
「お客様は、この世界のダンスをご存知ありませんでしょう? ならば、気に入って頂けた食事で、おもてなしをするのはお互いにとっても宜しいでしょう」
「なら、コルセット要らないにゃ!」
ナキさんのごもっともな提案は、エリー様にも分かっていたらしい。が、これにも正当な理由があった。
「お二人の食事量は、我が国の女性陣が気絶しかねない量ですの・・・つまりは、我々側の皆様の精神を守る為ですわ、勿論、お二人の皿は、多くしてもらうように、既に話はつけてありますわ、ご安心下さいませ」
あ、成る程ね。確かに仕方ないか。つまりは、お互いのためと。
「にゃ~・・・大食いしたいにゃ」
「バカナキ! 晩餐会で大盛にしてくれるのよ? ありがたく食べましょう」
何やらミリアム様は、納得したらしい。助かったわ。
「さぁ! 着替えを終わらせてしまいましょう」
結果、我々はフル正装となった。
「重いにゃ・・・」
「ナキ、我慢なさい、美味しいご飯の為よ!」
なお、ナキさんは真っ青な優雅なドレスで、全体的にシンプルだった。何か、大人の色気を感じる。
ミリアム様は、流石女王、赤いドレスをしっかりと着こなしていた。ナキさんの色違いだけど、まったく別物である。
えー、あたしは黄色の可愛い系ドレス、優香ちゃんはミントグリーンの落ち着いたドレスだった。
「あら、もういい時間ね、会場へ行きましょう」
エリー様は、見事にピンク色の花柄のドレスを着こなしていた。うわぁ、モリモリの正装だ!?
「重くないにゃ?」
不思議そうなナキさんに、エリー様がこの日一番の笑顔を見せる。
「ウフフ、これくらい慣れてますわ、王女ですもの」
ミリアム様とナキさんは、何とも言えない顔で、王女の誇りに満ちたエリー様を見ていた。
・・・・・ミリアム様が何か言ったように思ったけど、直ぐにナキさんの我が儘で場が変わった。
「にゃー! やっぱり正装より、戦闘服の方がましにゃ! 着替えるにゃー!」
「ナキっ! 我が儘いわない!」
あっさりと、ミリアム様に鎮火? されていたけど、ミリアム様?
「上手い飯の為よ!」
それは、言わない約束じゃないかな!??