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第19話 二つの選択肢

本日はてんしろを読んで下さり、ありがとうございます。



えー、只今、あたしは式神の皆様にも説教を受けております☆


…………って明るく言ってますけども、既に心はボロボロです。誰か彼らを止めてくれ。あたしゃもう保たないよ…………。




「あ、あのー」




恐る恐るといった感バリバリの、それもメチャクチャ腰が引けてるのに、声をかけたのは、翔太。

よくやった! 翔太!


「あんたら神様だよな?」


ええ、そうです。式神は神格を持った正真正銘の神様です。但し、神格は最底辺だけどね? よく知ってたわね、翔太。

でもさー? こんな場所で言う事かなぁっ!?


「そうだが…………ふむ、お前達、そろそろ説教は終わりじゃ」


樹英のストップがかかって、ようやくあたしの説教は終わりました。

本当にごめんなさい。勿論、反省はしていますが、絶対にやらないとはいえません。それは譲れない(笑)


「はぁー、主よ、何かあったら呼びなされ、我々は主のために動こうぞ」


その瞬間、完全に場の空気が凍った。それはもう、バキッという音が聞こえるんじゃないかというくらいに。

その中でいち早く立ち直ったのは、やはりブラオさん。


「サキ様は、神様と契約なされているのですか!?」


その後は、もう居たたまれなかった。動向してきた神官の皆様は、揃ってこちらに祈りを捧げ、魔術師の皆様はどうやったらそんな事が出来るのか〜って、それこそ唾が飛ぶ勢いで始まり………。


うん、これ、もう収拾無理。カオスとかしたこの場を止められるのは、果たしているんでしょうか??



―――――バンッ!



いきなり部屋のドアが、凄い勢いで開いた。そこから息汗切った中年の兵士さんがいましたよ。



うん、これ、フラグだー!!




「大変ですっ! 近くの町にドラゴンと思われる魔物の襲撃があり、大至急救援を求める使者がきています!!」




はい、皆様おわかりの襲撃イベント(現在進行形)です。


「助けに行かないと!」


優香ちゃんが一番に声を上げる。


「僕も行くよ! 怪我人をほおって置けないよ!」


和磨くんもやはり先の戦いに思った部分があったみたい。拳を握りしめ、高らかに宣言した。


「俺も、行く…………今度は足手まといなんて絶対にならない」


翔太はやはり、あたしの説教がきいたのかしらね?(笑) 鋭い視線すら見せて、格好よく決まっている。まあ、その姿が似合っているんだけどね。


「ふふっ、勿論あたしも行くわよ? それにしても、タイミング的に怪しいわね? この辺りはいつもこうなの?」


不思議に思って聞いてみると、ブラオさんの顔が曇る。


「いえ………今年は例年以上の被害が出ています」


「…………魔王復活の影響かしらね」


ボソリと呟いたけど、誰も気付いてないみたい。あ、式神は例外よ? 神様である彼らは、聴力もずば抜けて良いのだから。視線は寄越されたけど、うなずくに留めた。


「外に馬車を用意いたします、サキ様は如何なさいますか?」


既に疲れ切ったのか、ブラオさんはスルーする事に決めたらしい。扱いが粗雑になった気はするけど、多分、馴れてきたんだよね?


「あ、悪いけど、あたしは別行動させてもらうわ、ちょっと気になる事もあるし」


「気になる事ですか?」


怪訝そうにブラオさんに問われるけど、これはあたしの感のようなもの。まあ、陰陽師の感は大体あたるから、十中八九問題は起きるだろうけどね。


「今回のドラゴン種の襲撃は、普通じゃない…………だとしたら、何か原因があるはずなの、あたしはそっちを調べに行こうと思うんだ」


「しかし、別行動をせずに、ドラゴンから町を救ってからでも…………」


確かに普通の時なら、あたしも間違いなくそっちを選ぶんだけどね。今のあたしは、一人では歩けない体なのだ。


「あたしは今、一人では歩けないわ、代わりに(たつ)を使うけど、町の人はどう思うかしら? 勇者が魔物に見える存在を連れていたら、民衆は勇者が魔物を町に連れてきてと思うでしょうね、逆に神様を連れて行ったとしても、大きな混乱が起きるし、それを利用しようとする(ばか)があらわれるかもしれない」


その言葉に、場が一気に静かになる。多分、誰も考えなかったんだろうね。その可能性に。


「まあ、調べるだけだから、あたし一人でも問題はないでしょうし……」


しかしそれには待ったがかけられた。ファイさんである。


「問題大有ですよ!? サキ様! その体で単独行動など、何を考えていらっしゃるんですか!?」


うん、正論です。でもさ? 式神もいるから一人ではないんだよ?


「勿論、僕も同行させていただきます! サキ様の侍従ですから!」


「………あ、はい」


あまりの勢いに、条件反射で肯定してしまったあたし。しょうがない、ファイさんは連れていこう。


「サキ様、出来ましたら、もう数名おつけください、サキ様の証言を肯定するためにも、ファイだけでは弱くなります」


確かに、それは考えられるんだけど…………誰を連れていこうかしら?


「んー、連れていくのはいいんだけど、出来れば前衛の人の方が助かるのよね…………あ、後衛の人もいるといいんだけど」


前衛と言った瞬間の皆様の反応が、あたしの予想以上に、凹む姿が多く、あたしは後衛の人にもオーケーを出した。

うん、不可抗力だ、これは。


「でしたら、私が参りましょう」


名乗りをあげたのは、今迄、静かに成り行きを見ていたジュビアン・ロワールさん。

…………マジですか?


「確かに、今のサキ様にはジュビアン神官殿がついて頂ければ安心ですな」


納得しているブラオさんには悪いんですが、昔にらまれた記憶の有るあたしには、ちょーっと精神的にキツいものがある。

確かに一流の神官様が同行するのは、賛成なんだよ? 気持ちが反対するだけで。


「後は前衛ですね」


あら、あたしの意見はいらないんですか。そうですか…………。


「誰がいいかしら?」


真面目に悩み始めると、ふと、ある事を思いついた。


「ねぇ、じゃんけん大会しない?」


『『『は―――っ!?』』』


勿論、全員一致の大合唱(笑) この世界の人達って本当にノリがいい。

さて、ルールを説明し、いざ始まりました、じゃんけん大会。まさかの真剣勝負となりました。

うん、こんな気迫の迫る大会になるとは思わなかったんだ。すまん。


「最初はグー! じゃんけん」


ポンの部分は大合唱になり、前衛希望の方は皆さん、上に向かって自分の出したのを見せる。

王様じゃんけんにして正解だわ。人数多すぎる。


………………


……………


………



そして勝負は繰り返され、とうとう決勝戦となりました。

まあ、残ったのが、二人って話なんだけど。さて、どうしたものか。

実は前衛は二人を考えていたのである。

つまり。


「じゃあ、君達二人で決定で!」


こうして、ようやく出発する事になりました。

この下らない茶番劇により20分の時間が過ぎたのは、まあ、うん。ごめんなさい。


翔太達は、助けを求めて来た近くの町に。

あたしとジュビアンさん、ファイさん、二人(実は双子)と、式神の皆さんで、山へ。


さあ、冒険の始まりだ!(笑)



読んで下さり、ありがとうございますm(__)m


秋月煉です。


本日は如何でしたか? ブラオさん、いい意味でサキちゃん達の扱い方を覚えてきたもよう。いやはや、苦労がうかがえますね。


さて、次回からですが、本編ではサキちゃん視点。

閑話ではショータとカズマとユーカ視点でドラゴンフラグにいきます。

先に閑話からいきますね!


本日は、ミニ小説お休みです。


では次回、4月9日です。多分、お昼かな? 感想、ご意見、誤字脱字などいつでもお待ちしております。

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