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特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?18

お待たせ致しました! 今回も、SHIN様のところから、ミリアム様とナキさんが、ゲスト出演中! 別視点は、SHIN様のところの猫耳女王をチェック☆

気持ちいい眠りは、衝撃で呆気なく吹き飛んだ。


「いったぁぁぁ~・・・龍~、普通に起こしてよ・・・」


こうなったのは簡単よ。龍が立ち上がり、背中に居たあたしを落としただけだから! もうっ! 昔からこうやって起こすんだから。


『主が中々、起きないからだろう・・・』


呆れたような口調で言ってから、龍は姿を消した。むー! あたしは昔から、寝起きが悪いのよ!!


「・・・咲希さん、よく寝れますね?」


ミリアム様も呆れていたわ。仕方ないじゃん! 疲れちゃったんだもん。


「フカフカですし、昔から寝てますから慣れてます!」


「・・・・・昔から? 慣れて・・・? そ、そうですか」


ミリアム様に、完全に引いている気がするのは、気のせいかしらね。おかしい事を言ったかしら? 子供の頃から、陰陽師として活動してんのよ。夜中に! 当然、寝るのは朝方だから、背中で寝るのに、あたしは慣れてしまったわけ。


「にゃ? フカフカにゃ??」


ナキさんは、龍の毛並みが気になるみたいね。ウフフ、龍の毛並みはフカフカで、気持ちいいのよ。


「しかし、このダンジョンは不思議ですね? 意志があるように見えるのに、中は無機質です、意志は本当にあるのかしら?」


「いや、無いでしょう!? あっても分からないって」


あたしのツッコミが入る。そもそも、ダンジョンとはなんだろう? と、ファイさんが口を開く。


「ダンジョンは挑む為のものであり、実力に応じて報酬がある場所、とされていますよ、だからよく、腕試しに使われますし、貴重な物も発見されるのです」


「貴重にゃ? 欲しいにゃ!」


「さて、そろそろ次の攻略へ行きましょうか?」


二人の視線がちょっと怖い・・・。


「次のゴールドアイアントクイーンは、物理、魔法が効きにくいので、気を付けて下さい」


ファイさんが情報をくれたけど、多分、大丈夫よねぇ?? 二人がヤル気満々だもん。


「これが終われば、クリスタルアイアントですねぇ」


「楽しみにゃ~♪」


あぁ、既にトリップしてた。確かに、あたしらもゴールドアイアントの蜜袋を飲んだけど、ブラックアイアントの蜜袋よりも、格段に美味しかったわ。レインボーアイアントの蜜袋が、王室に献上されるって、冗談とは言えないくらいに美味しかった!


「さぁ、さっさと終わらせてしまいましょう!」


ミリアム様は、勢いのままに、ボスの扉を開いた。なお、戦闘準備万端である。

扉を開いた先には、やはりと言うべきか。クイーンと、それを守るように居る、幼虫、成虫のアイアント達・・・。


「にゃぁ~♪ 何度見ても、いい光景にゃぁ~♪」


ナキさんがご満悦だった。隣のミリアム様が、思いっきり引いていたけど、ナキさんはどこ吹く風である。


「・・・芸術家の感性って、やっぱり分からない」


和磨くんの呆れたような言葉に、後ろに控えている騎士の皆さんも頷いていた。うん、あたしも同感だわ。


「行くにゃぁ~~~~~~♪♪」


なお、やはりと言うべきか。戦闘は、此方側の一方的な蹂躙で終わった。ゴールドアイアントは、捨てる所は少なく、我々が持ってきた収納の半分が、これでいっぱいになったみたい。


「さぁ、クリスタルアイアント! 待っていて下さい!」


そんな掛け声と共に、次のフロアへ。階段を下りた先は、とっても綺麗な、水晶の廊下だったわ。


「わぁ、綺麗・・・」


思わず言っちゃうくらい、凄く綺麗なところ。ミリアム様やナキさんも、ここは引き込まれたらしい。


「綺麗ですねぇ・・・構造はどうなってるのかしら?」


「すげぇにゃ、これで彫刻してみたいにゃ・・・」


まぁ、感想は推して然るべしかな? 流石、お二人とも。ちょっとずれてた。


「ここは、クリスタルアイアントのフロアです、罠の他、クリスタルアイアントは擬態をしますので、気を付けて下さい、あと、物理と魔法が効きにくいので、ご注意を」


例に漏れず、ファイさんのナビゲーションを聞きつつ、やはり罠探知、罠解除を進めていく。下がった分、罠が増えたし、何よりも面倒過ぎるくらい、密集してるのよ。何か悪意を感じるわ!


「にゃぁ~、しっかし、綺麗なフロアにゃ」


キョロキョロと辺りを見ながら、罠解除のメンバーに素直に着いていく。あたしも勿論、探知と解除をしてるんだけど、ふと、水晶と視線があった。ん? 視線!?


「ミリアム様、ナキさん! 敵よ!」


水晶に擬態したクリスタルアイアントが、数匹現れた。やだ、これ。分かりにくいから、怖いわ!


「ふむ、面倒ですねぇ」


「擬態、これじゃ分からないにゃ」


なんて、呑気に言いつつも、二人は難なく倒していく。


「綺麗にゃ」


「蜜袋も、綺麗ですね」


素材も美しいからか、幾らか渡す形になった。とはいえ、やはり、蜜袋は確定らしい。


「しかし、擬態は厄介ですねぇ」


ミリアム様が思案していると、ナキさんが楽しそうに、その横を通過し、先へ進んでいく。勿論、あたしらは罠解除したわよ?


「簡単にゃ!」


その手には、巨大な金づち・・・・。身の丈程もある、巨大なそれを、何故か壁に向かって振り下ろす。なお、金づちには、300トンの記載がされていた・・・。多分、そこまで重さはないと思う。


「「「「「はい?」」」」」


何故にそうなった!? ツッコミ入れる前に、ナキさんが金づちで壁を思いっきり叩く。


カァァァァァァァーーーーーーーーーーーン!!


透き通った、甲高い音が辺りに響いていく。と、何か、あちこちの壁が動き始める。

・・・・・もしかして、これ、全部がクリスタルアイアント!??


「・・・こんな解決策があるなんて」


ファイさん、絶句。いや、普通は思い付かないでしょ!?


「これで戦闘が楽チンにゃ♪」


ある意味、天才だと思うわ。ナキさんは・・・。なお、この後の攻略は、罠さえ気を付けていけばいいため、めちゃくちゃ早く進んだ。罠探知、罠解除のメンバーがちょいちょい休憩を取った以外は、本当に順調である。敵を探す目的で、ナキさんが定期的に金づちを壁に打つぐらいである。


「ふむ、面倒ですねぇ」


このフロアになってから、ミリアム様とナキさんも、流石に戦うのに、少しだけ時間をとるようになった。まぁ、ブラックアイアントよりも、強いから仕方ないんだけど。とはいえ、一発撃沈から、三発撃沈になった、くらいの差だけどね。


「ん? これ、宝箱かしら?」


上の階にもあったけど、流石、クリスタルアイアントのフロア。宝箱も、かなり小綺麗なご立派なもの。


「にゃ? ゲームみたいにゃ!」


ナキさんは、止める間もなく、喜んで向かって行った。と、ナキさんが宝箱を開けようとした矢先、宝箱がガバッと開き、その牙でナキさんの頭を挟んだ・・・。まさに、一瞬の出来事で、誰も動けない。


「ナキさんっ!!」


あたしの悲鳴じみた声が上がった訳だが、何故か、宝箱の魔物の方が、下に落ちた。よくよく見れば、牙が全て折れていた・・・。すげぇ、ナキさんの頭の兜!!


「えいっ!」


ミリアム様がすかさず倒していたけど、ナキさん、キョトンとしていて、何があったのかすら、分かってなかった!


「宝箱、どこにゃ?」


「・・・ナキ、あんた、頭を噛まれたのに、何で分からないのよ!?」


ミリアム様がナキさんに詰めよってるけど、あたしは何となく分かった。多分、冗談みたいに被ってる兜が、頭を守った上に、宝箱の魔物の牙をへし折ったんだと思う。ミリアム様、気付いてないっぽい??

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― 新着の感想 ―
[一言] いや? すっぴんのほうが、強いのですがね!?
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