特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?16
今回も、SHIN様とのコラボです! 猫耳女王より、ミリアム様とナキちゃんが出演中です♪
別視点は、SHIN様のところで連載してます! 気になる方は、そちらもチェック☆
side:空の神
ようやく私の仕事部屋に戻ってきました・・・。今頃、創造神様は、ストレス発散として、また仕事をやりまくっているのでしょうね・・・。
あぁ、また仕事が増えます・・・。過労で倒れる神々が、現在続出していますからね。リケ神の下さった、あのネクタルは、我々には非常に、ありがたいものですね。
・・・異常に不味いのを除けば、ですが。
「疲れたにゃ・・・」
お疲れのリケ神に、紅茶を渡します。神界で取れた蜂蜜は、神の疲れを少し回復する効果があります。多少ですが、疲れは取れるでしょう。まさか、ネクタルを渡す訳にもいきませんし。
「そういえば、何で陛下とナキ閣下だったにゃ? あの二人が召喚っていうのも、変にゃ・・・」
ふと、リケ神が言った事に、あくまでも私の推測を言ってみました。
「それは、少し前に勇者二人がそちらに召喚されたから、かもしれませんね」
「にゃ?」
「それは、どういう事です?」
リケ神と、アマテラス様が、気になったようです。ただ、これを話すと、リケ神は居たたまれないかも、しれませんが。
「少し前に、こちらの勇者二人が、そちらに召喚されました、原因は事故との事ですが、恐らくは、そちらの何かが作用して、召喚されたのでしょう、そこでミリアム殿とナキさんに、接点が出来ました」
実はこの召喚、こちらは完全にとばっちりを受けました。勇者の異世界召喚を、世界としては無かった事にせねばならず、それで活性化してしまったのが、火山なんです。故に地神が火山にかかりきりになった訳です。火の神は頭を抱えていましたね。火山は地神の支配下ですから。皺寄せが、地神に全て行った形です・・・。あの穏やかな地神が、あちらの神々に、珍しくキレていましたし。
「そして、こちらでも、運命の皺寄せが召喚に繋がり、勇者に関わりがあったお二人が呼ばれたのでは、と、私なりに推察します、ある程度の強さがあったのも、理由の一つでしょう」
「にゃ!? では、始まりはこっちにゃ!? ・・・・・あっちでボロスカ言ってる皆に、どう説明するにゃぁ」
おや、リケ神が涙目になっておりますが、こればかりは仕方ありません。
お二方が来る満月は、月の神の加護が一番強いのです。私も空の神ですから、加護を渡せます。なので、一番安全に渡れる都合がいい時なんです。
「さぁ、秘蔵のお菓子を用意しましたので、皆さんで食べましょう」
これ、創造神様の大好物、神界のお取り寄せスイーツです。神ブドウと神メロンのゼリーです。黄金の神メロンをそのまま器に、神ブドウと神メロンの果肉を入れた、特別なゼリーです。仕事が増えるのですから、食べても問題ないでしょう。お土産にもなりますし。
因みに、あちらの混沌神様にも、お詫びに手紙と一緒に送った物です。最高神様は、世界から離れられませんからね。ちゃんと、礼儀は通した形ですよ。
前に勇者があちらに召喚された時は、アマテラス様にご協力を願いました。何せ、接点が何にもありませんでしたから。
あちらの神々には、寛大な心でお許し願いたいです。
・・・・・我々の仕事が、膨大な量に増えたんですから。過労死フラグが、ちょっと見えてきているんですよ!?
医療神と、知識神が、頭を抱えるなんて、久方ぶりの緊急事態です!!
・・・・・後で医療神に、胃薬をお願いしないといけませんね。
◇◇◇◇◇
ミリアム様とナキさんは、意気揚々とゴールドアイアント狩りへ、向かって行ったんだけど・・・。いい加減、思い出して欲しい。
こ こ は 、 罠 の あ る ダ ン ジ ョ ン だ と い う 事 を ! ! !
ナキさんは、本当に当たりを引く。ただし、今度はミリアム様を巻き込んで・・・。
「にゃぁぁぁ~~~~~~~!? またかにゃぁぁぁ~~~~~~~!??」
「私まで~~~~!?」
近くにいたミリアム様に、ナキさんが、ガシッとしがみついたみたい。
「翠嵐っ!」
本当に、何度目!? いい加減、学んでくれっ!!
あたしの式神様をフルに使い、二人を救助すると、落とし穴は終わりとばかりにしまっていく。
くぅ! 罠、頭に来る!!
「罠には、気を付けて下さい!」
流石に、あたしもイラッと来ちゃったわよ!?
「ごめんなさいにゃ・・・」
「くぅ・・・不覚です!」
今回は、ミリアム様、巻き込まれているからねぇ。本当にナキさん、当てるわねぇ? 兜が立派すぎて、視線を独占してるわ。
「しかし、この階は、ゴージャスですね? 大理石ですか」
ゴールドアイアントの階層は、大理石になった。ちょっと削ってみようとしたら、固すぎて太刀打ち出来なかったわ。大理石、もっと柔らかいはずだから、似た何かみたい? ミリアム様とナキさんが興味津々で、壁を色々調べていたんだけど、ナキさんがやらかした。罠のスイッチを見事に押したわけ。ガコンッて、嫌な音がしたわ。
「・・・また?」
思わず口に出したら、次も漏れなくナキさんが対象だった。
「にゃ!? またかにゃ!?」
罠に好かれているんだろうか?? と、その前に。
「翠嵐!」
「にゃぁぁぁ~~~~~~~~~、目が回るにゃぁぁぁ~~~~~~!?」
下から吹く風に、上手く乗れないのか、回っているナキさん。相変わらず、床に座ると、目が回って動けないみたい。
「ナキ、もっと慎重に動きなさい・・・」
珍しく、ミリアム様が頭を押さえながら、お小言を言っていた。
「目が回るにゃ・・・あちしだって、こんなの嫌にゃ!」
確かに。そりゃそうだ・・・。罠はナキさんばっかりだからね(笑) しかし、何でナキさんだけ、なのかしら? 近くにはミリアム様や、あたしらだって居るのに。不思議よねぇ?
「まるで、呪われてるみたいだね」
とは、和磨くん。まさかぁ! あたしが居るのに、気付かない訳ないでしょう? 式神様も居るから、そんなのがあれば、直ぐに気付くわよ?
「・・・ナキ、まさかと思うけど、何か隠してない?」
ミリアム様の疑いの目が、珍しくナキさんに向く。
「隠してないにゃ! ちゃんと鑑定してもらってるにゃ!」
そう、我々が一度鑑定してから、二人に渡してるから、危ないやつとかは、無い筈である。が、鑑定漏れがあれば、話は別。
「・・・ナキさん、何か拾ったりしてません?」
「にゃ・・・? 蟻塚で見つけた奴は、全部鑑定してもらったにゃ、それに、ここで見つけた奴も、お願いしてるから、にゃいにゃ!」
そっか、無いか。ならば、あり得ないかな? そう思って、先へ行こうと促す前に、ナキさんの顔色が変わった。
「あるにゃ・・・、鑑定してにゃいやつが・・・」
ナキさんがおもむろに、異空間から取り出したのは、真っ黒い親指の爪くらいの石。若干透明感のある、綺麗な石だ。ーーーーーー見た目だけならば。
「ナキッ! なんちゅーもん拾ってんのよ!?」
「・・・呪われてる石を持っていたから、罠にあんなに引っ掛かっていたのね」
ミリアム様とあたしが直ぐに構え、騎士の中に居る鑑定出来る人達は、ぎょっとして後ろへ後退した。それだけ、ヤバいヤツである!
「サキ様、効果は『持ち主の幸運を不幸に変える』石だそうです!」
うわぁ、幸運を下げるヤツか! 流石、ファンタジー・・・えげつない呪いの石である。
「にゃ!? これ、どうすればいいにゃ!?」
「解除しましょう」
この先、こんな物を持っていたら、間違いなく怪我人続出である。ヤバいヤツは、さっさと解決するに限る!