特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?15
只今、SHIN様の猫耳女王とコラボ中です☆ ミリアム様とナキちゃんが、特別出演しています。SHIN様の方でも、別視点を連載中です。気になる方は、そちらもチェック☆
side:空の神
勿論、心配ですから、私も付いていきます。リケ神は、若い神と伺っています。うちの創造神様は、善意ですが、それが善意ととれるかは、人次第でしょうし。なお、年齢順とした場合、創造神様、空の神、アマテラス様、リケ神の順番になります。
「にやぁ・・・未熟な世界って、向こうでは言ってにゃ・・・子供の創造神様は、予想外だったにゃ・・・だから、科学が発達してないにゃ?」
リケ神は、心から驚いているようです。
当然です。世界は、少しずつ成長するものです。一気に成長させれば、どこかに歪みが生まれます。ですから創造神様は、ゆっくりと世界を成長させているのです。こちらは、あちらほど、神様と人の距離は近くありませんから。
それと、科学神は、こちらではしばらく誕生しないかもしれません。魔法神は居ますが、今は魔王関連でバタバタしていますからね・・・。
「・・・・・未熟な世界? 僕の世界が? ふーん」
おや? 創造神様の顔は、笑顔なんですが・・・ちょっと、怒ってます? 珍しい・・・クラリオン王国の辺り、雷雨とか起きてないでしょうか?! 大丈夫なんでしょうか?
「・・・ちょっと、抗議が必要かな? 現地神に創造神が嘗められるなんて、ねぇ?」
発言が物騒です、創造神様。リケ神は、あまりの恐怖に、固まっています。顔まで青ざめています。アマテラス様も、これには真っ青になっていました。基本的に、異世界の神同士での喧嘩は御法度なんですがねぇ。それもこれ、最高神たるこの世界の創造神へ喧嘩を売った訳で・・・。まぁ、世界は違えど最高神様の怒気です・・・。若いリケ神には、キツいでしょう・・・。私達もしんどいですから、これは。
多分、何気ない言葉だったのでしょう。まさか、それが巡り廻ってこうくるとは、思っていなかったのでしょうし。あちらで、それらを話題にしていた神々や人々は、どうなることやら・・・。厳しい天罰が下らなければいいんですが。
強さで言えば、創造神(始まりの一柱)・・・越えられない壁・・・作られた現地神(その世界で混沌神や創造神に作られた神々)ですからねぇ。あちらは、こちらよりも、神々が人々と近いですし、仕方ない部分はあるんですが。それぞれに、メリットがありますし。
「創造神様? リケ神を、ご案内するのでは?」
私が促せば、創造神は直ぐに笑顔に戻りました。怒気も消えています。リケ神も、アマテラス様も、ホッとしたようです。
「ナイスよ、空の神! やっぱり、創造神様のお相手は、貴方が一番ね!」
風の神、それはちょっと違う気がします。私が微妙な顔になります。
「リケ神、創造ゲームしない?」
これの意味が分かる我々と、アマテラス様は、固まっています。えぇ、知ってますから、我々は。それがどういうものか。
「にゃ? ゲームにゃ?」
リケ神は知らないから、呑気に首を傾げています。
「面白そうにゃ! やるにゃ!」
あぁ、リケ神? 貴女、大丈夫なんでしょうか?? あれ、ヤバいですよ。色んな意味で。
「さぁ、どうぞ、ご案内します」
その優しい微笑みが、我々には、悪魔の微笑みに見えたのは、許して欲しいです。あぁ、リケ神、逃げて。本当に逃げて下さい!!
・・・・・とは、言えないです。創造神様は、善意なんですから。
「楽しみにゃ~♪」
嬉しそうですね、リケ神・・・。こうして連れていかれたゴッホン、案内されたのは創造神様の、仕事部屋です。ここは、宇宙世界のど真ん中にあるお部屋なんです。
「にゃ~・・・、凄い部屋ですにゃ・・・」
「そう? 空の神のところみたいでしょ? 気に入ってるんだ! 先輩の創造神様を真似したんだよ」
いやいや、私の領域なんて、そんなに広くもないですよ? 創造神様の部屋に比べたら、おこがましいです。それにしても、ご機嫌なんですから。誉められたら。そこら辺は、やはりお子様ですね。
「リケ神、こっちこっち! これだよ、創造神だけが所有を許される、創造ゲーム」
私はお客様といるとき、何度かこのゲームを見せて頂いています。上に巨大な透明のドーム状の幕があり、下は四角い箱のようになっています。今は中に、小さな世界が広がっていました。許可なき者は、触れる事すら許されず、使用するのも、多大な力を使うのです。まぁ、若い創造神は、これで世界を作る体験をして、学ぶ訳です。
「これですかにゃ? なんていうか、予想外ですにゃ」
いつの間にか、リケ神の言葉が丁寧になっています。どうやら、余程怖かったようです。
「これはね、先輩の科学が栄えている創造神様が、プレゼントしてくれたんだ! さぁ、リケ神、やり方を教えるね!」
サクサク説明していく創造神様。まぁ、簡単と言えば、簡単でしょう。自分の力を流して、世界を作るだけのゲームなんですから。
「お手本を見せるね!」
幕の中に手を入れて、力を放っていきます。これは、あくまでもゲームです。ですから、実際に力を放って、世界を作っても、仮初めの世界なんです。まさか、本物で練習は出来ませんからね。
「はい、リケ神、初心者モードにしておいたから、やってみるといいよ?」
あぁ、創造神様のキラキラ笑顔に、私は背筋が凍りそうです! リケ神は、騙されていますよ? まぁ、ゲームに夢中で、気付いてないみたいですが。初心者モード
は確か、作り方を説明してくれるのです。
「では、失礼しますにゃ、・・・にゃ? 世界の元を作るにゃ? ・・・・・にゃ!?」
急にビックリした声を出すリケ神。・・・・・始まりましたね、恐ろしいゲームのスタートです。
「なんにゃ? 何かごっそり持っていかれるにゃ!? にゃ? こんだけ力使って、これしか作れにゃいにゃ!? ・・・にゃ? 次は世界制作にゃ? 神様を作るにゃ?!」
あぁ、リケ神。このゲームは、力を使って行いますが、創造神という方々は、かなりの力をお持ちです。現地神であるリケ神とは、桁が違うんです。それを、リケ神がやったら、当然、力をガンガン使うため、終わる頃にはヘロヘロになるでしょう・・・。
「も、もう、無理にゃ!」
神様を2柱作って、リケ神は終わりました。うん、やはりあまりお力をお持ちではないようです。ヘロヘロです、予想以上に、頑張ってしまったようで、立てないようですね。
「リケ神、休まれては? 創造神様も楽しいのは分かりますが、リケ神はお疲れのようですから、そろそろ戻らせて頂きます・・・あちらへ、ご用があるようですし」
私がスッと視線を机にやれば、創造神様も気付いたようです。机には、書類の山があります。やはり、サボりましたね!? ついでに、私の神力で、まっさらな紙を机に用意しておきました。
「では、失礼します」
ヘロヘロのリケ神を連れて、私はさっさと自分の神域へ戻ってきました。ふぅと全身で息を吐きました。あそこは本当に苦手なんですから。リケ神を椅子に座らせて、私もドカッと座ります。
「お帰りなさい、やっぱり疲れて帰ってきたわね?」
苦笑する風の神は、気付いていたようで、甘いお菓子に紅茶を用意してくれたみたいです。
「世界を作るのが、あんなに大変なんて、知りませんでしたにゃ・・・」
おや、まだ口調が硬いですね? お疲れのようです。
「良かったではないですか、貴重な体験ですわ」
アマテラス様は、前に同じ目にあっていますからね。同情的ではありますが、やはり、テンテル様呼びの弊害か、厳しい気は致します。
ふと、創造神様が気になりました。
「・・・・・抗議文は、礼儀正しいといいんですが」
私はこの時、知りませんでした。創造神様が、大変ご立腹だったことを。故に、抗議文がかなり手厳しい物であったことを・・・。
『そちらでは、大人は子供を苛めるのが当たり前なんですね』
・・・・・どうやら、へそを曲げてしまったようです。言った方々への天罰が、軽い物で有ることを私は祈ります。