特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?14
只今、SHIN様のところから、ミリアム様とナキちゃんがゲスト出演中です。SHIN様のところでも、別視点を公開中!
シルバーアイアントの攻略も、さくさく進み。今は、無事に見つけたセイフティーゾーンで、お休みを取ってる最中である。長めの休憩予定で、食事と仮眠をしてる。流石に、罠探知と罠解除をしていたメンバーは、疲れすぎて、あたし含めてダウンしてるわ。
勿論、入り口は結界を張って、魔物は入れないようにしてるから安心よ。
「シルバーアイアントは、さっぱりするにゃ、ゴールドアイアントはコッテリにゃ?」
さっそく、蜜袋を両手に持ち、飲み比べを始めるナキさん。どうやら、味が違うらしい。
「この後は、ゴールドアイアント、次がクリスタルアイアント、最後にレインボーアイアントですが、時間的にクリスタルアイアントまでかと」
「なら、サクサクッと行くにゃ!」
ナキさんが、そう言うけど、実は攻略にはあんまり時間を使っていないの。一番時間を使うのが、罠なのよ。下になるにつれて、罠も増えてきており、あたしも騎士の皆さんも、戦闘は二人に任せ、罠の感知と解除に時間を割いている状態・・・。うーん、複雑だわ。
「一番、ナキが罠に引っ掛かってますしね・・・」
呆れたようにナキさんを見るミリアム様。確かに、必ずナキさんが引っ掛かっているわね?
「偶然にゃ!」
確かに、偶然だろう。あたしらが必死に探知、解除してるけど、まぁ何故か、ナキさんさ、まだ探知していない場所へ進んで行ってしまうんだから・・・。罠に引っ掛かるのも、仕方ないわよねぇ。で、救助するまでがセットだから、妙な流れ作業になってきてる。意外とこれが時間を取る。
「このペースですと、レインボーアイアントまで、行けるかもしれませんね」
ファイさんの一言に、ミリアム様とナキさんの目の色が変わる。勿論、例えだけど。
「これより旨いにゃ?」
「レインボーアイアント、是非とも目指しましょう!」
ヤル気満々である。余りの勢いに、我々の方は、引いてしまったわ。
休憩も数時間後には終わり、この後も、シルバーアイアントをサクサクっと倒しまくり、ナキさんが罠にまたハマるというオチはあったものの、無事にクイーンシルバーアイアントの居るボス部屋にまで来たわ。
「ナキ? あんた罠にはハマらないでよ?」
何故か、ミリアム様が静かにキレていた。ナキさん、涙目である。
「不可抗力にゃぁ~・・・」
耳をペタンとして、反省を見せるナキさん。まぁ、調べる前に行かれては、我々もどうしようもないしね。
「レインボーアイアントまで行けなくなるわ」
「それは嫌にゃ!」
「そっちかいっ!!」
思わず、全力でツッコミを入れてしまったわ。イーリスを、ハリセンにするか悩んだけど、馬鹿馬鹿しいから、そちらはしなかった。
「さぁ、さっと行って終わらせるにゃー!!」
ナキさんの掛け声に、扉を開き、シルバーアイアントクイーンを討伐に行く。勿論、ミリアム様とナキさんが、張り切ったのは言うまでもなく。シルバーアイアントクイーンには、魔石があり、そこそこ強いらしい。うん、ブラックアイアント女王よりは、強い。でも、確実に二人よりは、弱い。
「あ、物理には強いので、魔法をお使い下さい、お二人ならば大丈夫でしょうが」
ファイさん、既に諦めモードである。
「うわぁ・・・フルボッコ」
「一方的な展開だよね・・・」
あたしと和磨くん、絶句。それもそのはず。ミリアム様とナキさんの、容赦の無い攻撃が、シルバーアイアントクイーンにヒットしてるから。
「ふぅ、こんなものでしょうか」
「物足りないにゃ」
とは、二人の言葉である。まぁ、そんな事もあり、無事に次の階へ続く階段を発見した我々であった。
次の階からはゴールドアイアントである。
◇◇◇◇◇
side:空の神
私はヘロヘロになりながら、リケ神とアマテラス様が居る、私の領域へ戻って来ました。予想外の方を引き連れて。
「・・・只今戻りました、風の神」
「あら、お帰りなさい、空の神・・・大分、お疲れのようね?」
心配そうな風の神が気を効かせてくれ、紅茶を入れてくれました。
「ありがとうございます、風の神、もう一つ、入れてくれますか? ・・・・・創造伸様も、いらっしゃいました」
「・・・えっ?? 今は手が離せないんじゃ?」
「息抜きだそうです」
何とも微妙な顔になった風の神は、言われた通りに、紅茶を用意してくれました。
「空の神、そちらは、まさかっ?!」
「にゃ? 子供?? 凄い綺麗な子にゃ・・・」
アマテラス様は驚愕と共に固まり、リケ神は不思議そうに、私の後ろに居る、子供の姿の上司を見ています。
そう、この方こそが、我が上司である、創造神様です。誰が何を言おうと、正真正銘、創造神様です。こう見えて、我々よりもお年は上。更に言えば、アマテラス様よりも神としての格は、とんでもなく上というお方です。あくまでも創造神様ですから、力は、この場の誰よりも強いです。世界が創れる程に。
「息抜きに来ちゃった♪」
こういう挨拶が素直に出来るくらい、未だに子供ではありますが、この方、立派なワーカーホリックでもあります。金色の髪を肩で切り揃え、クリっとした可愛らしい青い瞳。顔立ちは誰よりも美しい、十歳くらいのお子様です、見た目は。服は、貴族の子供が着るような立派なものではありますが、実用重視で、無駄な装飾はありません。
創造神としては、下から数えた方がいいくらい若い方ですが、責任感がある、真面目な立派な方でもあります。自慢の上司です。
「久しぶりのお客様だから、息抜きついでに、様子を見に来たんだ、アマテラス様はいつ以来かな? 久しぶりだよね? そちらの神様は、初めまして、僕がこの世界の創造神だよ、宜しくね♪」
ニッコリと可愛い笑顔付の、この挨拶に、アマテラス様はスッと頭を下げて、上位の神々へする最上位のご挨拶をしています。流石、礼儀正しいアマテラス様。一方のリケ神は、どうすればいいのか分からなかったらしく、アマテラス様の真似をしています。
とはいえ、うちの神様は、アマテラス様のところの創造神様よりもそこら辺は、ユルユルです。必要な時はちゃんとしますが。
「創造神様には、ご機嫌麗しく、拝謁賜り・・・」
「あぁ、固くならなくていいよ、アマテラス神、リケ神、こちらこそ、僕の世界が、君のところの子達を巻き込んでしまって、ごめんなさい、まだ生まれて少しの世界だから、不安定さがあるんだ、そちらからしたら、迷惑だと思うけど、本当にごめんなさい、君のところの混沌神様には、連絡をしてあるよ、・・・世界の管理について御高説を聞かせてもらったよ」
どうやら、向こうの最高神である混沌神様より、お小言を頂いたようです。苦虫を噛み潰したような、微妙な顔になっています。
「満月の日は、ちゃんと安定するから、安全に来れるし安心してね? 何だかお土産に危ない物も入ってるけど、僕の権限で持ち出しを許可するよ、お詫びとしてね」
クスクスと苦笑気味のお子様創造神様は、スッと右手を振ります。そこには、創造神様の仕事部屋に通じる扉がありました。おや?
「今、僕の世界はバタバタしていますが、よかったら創造神である僕の部屋を見学してください」
恐らく、善意からの意見、なんでしょうが。果たしてリケ神は、大丈夫なんでしょうか? 我々でさえ、胃痛がするくらい、大変なんですよ??
「ちょ、ちょっと、大丈夫なの!?」
風の神が心配して、こそっと私に聞いてきますが、仕方ありません。被害だけは、最小限にする、努力だけは致します・・・。なお、アマテラス様は、逃げました。風の神との紅茶を所望のようですから。知ってますしね、アマテラス様は。以前の被害者様です。
・・・・・リケ神、骨は拾ってあげますから、頑張って下さいね?