特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?13
只今、SHIN様のところと、コラボしてます! 猫耳女王より、ミリアム様とナキちゃんが出演中! 別視点を、猫耳女王にて連載中です♪ 気になる方は、そちらもチェック☆
ナキさんが落とし穴に落ちるという、ハプニングはあったものの、この後は、二人は大人しく、罠感知の方の後ろに回った。
勿論、戦闘は超楽しそうに、はっちゃけていたけど(笑)
「大量にゃ~♪♪」
スリスリと、ナキさんが蜜袋に頬擦りする。既に、百匹は越したはずなんですけど。
「次から、シルバーアイアントのエリアですね、つまり、最後にブラックアイアント女王との戦闘になります」
ファイさんからの説明に、思わず頭を抱える。そういえば、ボスがいたんだった!!
「・・・どんな敵?」
「ブラックアイアントをそのまま巨大化させ、幼虫と成虫を従えた、まさに女王です、まれに魔石を所持しています、あ、蜜袋はありません」
ファイさんの無い発言に、ミリアム様とナキさんのテンションが、一気に落ちた。まぁ、蜜袋狙いだからね。仕方ないかな。
「では、時間も限られていますし、一気に片付けてしまいましょう」
あれ? ミリアム様の発言に、何故か冷や汗を感じる。もしや、ストレス発散?? これまでも、かなり戦っていたよね!?
「蜜袋がないなら、必要ありませんし、成虫の蜜袋を狙いましょう」
・・・・・ぶれないなぁ、二人とも。どんだけ好きなんだ、蜜袋!!
「シルバーアイアント、楽しみにゃ~♪」
ナキさんは、既にトリップしてて、ヨダレを垂らしている。顔がヤバいけど、いいのかなぁ?
「んじゃ、さっさと次に行きましょうか・・・」
何か分からんが立派な扉の先には、うじゃうじゃと成虫と幼虫がかなりの数いた。その中心に守られるように、数倍もある巨体のアリがいる。多分、こいつがブラックアイアント女王なんだろうね。ご丁寧に、頭に王冠付きときてる。間違いないだろう。扉を開けた此方に、一斉に顔を向けてきた。
「き、気持ち悪い!」
思わず、口走ったけど、あたし以外も顔をしかめてるから、間違いない。そんな中、平然としていたのが、まさかのナキさん。
「いいにゃ! これにゃ! これぞ、芸術的な瞬間にゃ!!」
はっちゃけていた。てか、テンションがヤバくないか!?
「はぁぁぁ、ナキ? 貴女、戦闘なんだから、変な行動は止めなさい!」
とはいえ、ミリアム様が軽く引いていた。多分、理解出来なかったと見える。恐らく、ナキさんの目は、芸術家特有の集中的な事になってそうね?
だからか、ミリアム様は、ナキさんを無視して、さっさと技を出していた。
ーーーーーなお、戦闘は本当に一瞬で、決着がついた。
ミリアム様が、強力な魔法を使い、辺り一面を氷に変えたからである。勿論、蜜袋と魔石の回収は、ちゃんとしたわよ? 本当に器用よねぇ。
「・・・次に行こうか」
次の階層は、シルバーアイアントである。通路がちょっとだけ、ましになった。石の回廊になったから、歩きやすくなったしね。
「シルバーアイアントの弱点も、氷になります」
ファイさんの的確な説明により、此方もサクサクっと戦闘は進んでいく。問題は、罠である。
「ミリアム様、そこは罠よ!」
あたしの指摘に、ミリアム様が素直に止まってくれて、罠解除持ちの人が解除する。
「・・・ふぅ、罠が少し多い気がします」
実は、土の回廊よりも、ちょっと罠が増えて、戦闘中も気が抜けなくなった。上は、罠のある場所での戦闘にならなかったのが、大きいみたい。
「にゃ~、めんどうにゃ!」
ナキさんが腕を壁に、思い切り叩きつける。やはり、ストレスたまってたんだね?
ーーーーーーガッコン
「にゃ!?」
「えっ!?」
「壁にもあるんですか・・・!」
以上、ナキさん、あたし、ミリアム様の順番である。勿論、罠が発動しちゃった訳で。
ーーーーー地面が真ん中から割れた。正確には、下へ落ちる扉が開いた。
対象はやはり、ナキさんだった・・・。
「にゃぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!?」
「チッ、翠嵐!」
あたしの言葉に、お札からまたしても、翠嵐が登場し、穴の下から強風を起こし、ナキさんを脱出させる。
「またかにゃ~~~~!? 目が回るにゃ~~~・・・・・」
地面から出た瞬間、バッチリのタイミングで、下向きの扉が閉まった。地面に降りたナキさんは、未だに目が回っているらしく、和磨くんが治していた。
「ふむ、下手に壁にも触れませんねぇ・・・」
ミリアム様の顔には、面倒と書いてあるが、仕方ない。あたしも罠感知は、あまり得意じゃないから、まさか、壁にあるなんて思わなかった。なお、罠感知に関しては、騎士の方々の方が感知は上だった。悔しいから、今回は感知をやりまくるつもりである!
「にゃ~、あちしばっかり落ちてるにゃ・・・」
「落ち着きがないからでしょう・・・」
ミリアム様が呆れている。
とはいえ、この後の戦闘は、二人とも、見事にはっちゃけていた。罠はガンガン感知しまくったから、引っ掛かる事は無かったんだけど・・・。
「んにゃ? 何か、こいつら硬いにゃ!」
ブラックアイアントには通じた、フォークの攻撃が、まんまり効かなかったのである。で、何故か、ナキさんは、しまい込まれていた、例の巨大けん玉を取り出した。
「ナキさん!? 何故に今、それ!? 狭い通路での戦闘は無理でしょう!??」
思わず、あたしのツッコミが出た。なお、ナキさんはこの場を忘れていたらしい。あっ、て顔をして、すごすごとしまい込み、新しく鉄扇が出てきた・・・。
「にゃーはっはっはっ! 優雅に舞うにゃ!」
・・・・・ご満悦だし、いいだろう。思ったよりも、まともだったわ。なお、ミリアム様が何故か視線を反らしたけど、幸いにも誰にも気付かれなかった。