特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?12
今回も、SHIN様のところから、ミリアム様とナキさんがゲスト出演中☆ SHIN様のところでも、別視点で連載してます。気になる方は、猫耳女王をチェック☆
途中、美味しいと評判の魔物を狩りしつつ。
・・・その際、二人が真っ先に向かったのは、既に恒例行事になりつつあるが。
さぁて、着きましたよ! 次の目的地たるダンジョン、『地底の塔』。アイアント系の魔物しかいない、変わったダンジョンなの。そこは、地下へ続く階段がある入り口しかない、シンプルなダンジョンだったわ。
「行くにゃー!」
いきなり行こうとしたナキさんを、ミリアム様が母猫よろしく、首根っこを捕まえて止めていた。
「先程、慎重にと言われたでしょう!」
「何とかなるにゃ!」
早く行きたいのは分かるけど、その前にお約束。
「何故にそれを選んだの、ナキさんっ!?」
そう、ツッコミを入れざるおえない装備だったんだよ!!
「兜にゃ!」
そう、頭にはいつの間にかヘルメットから、戦国時代に使われたような、由緒あるあの黒塗りの兜様が、ナキさんの頭にあったのである!
満足そうだが、いつの間に手に入れていたんだ??
「さっきの蟻塚で見つけたにゃ♪」
流石、異世界。ファンタジーあるあるだったわ・・・・・。
「・・・えー、罠があるので、解除出来る人の前には行かないで下さい、お願いします」
ファイさんからの、妙に達観したようなセリフに、二人は一応、頷いてくれた。多分、実物見ないと、ナキさんはやらかしそうな気がするなぁ。
なお、ミリアム様の服装や武器は変わっていない。
蟻塚にてゲットしたらしい、宝石や武器は、一度鑑定の為に、渡して貰っていたけど、いやはや、あの蟻塚は当たりだったらしく、出てくる出てくる・・・。流石、蟻というべきか、溜め込んでいた物に溢れていた。危険物は無いし、二人が要らないといった物は此方で引き取り、欲しいと言われた物だけ渡している。今回は、兜、一部の謎の宝石類・・・多分、拳くらいのやつ、後は勿論、蜜袋である。他は全て、此方で使っていいと言われたけどさぁ・・・。量がヤバい・・・。
借りてきた騎士団からの収納袋が、一つが満タンになった。後も、半分が埋まったらしい。果たして、もつんだろうか?
「皆さん、罠には、無属性魔法の罠感知と罠解除が必要です、これを持たない者は、決して前には行かないように!!」
ファイさんから、厳命されたわ。それだけ、落とし穴は怖いらしい。実はあたしも、罠は初めてだったり。まだ、経験ないんだよねー。
「さぁ、出発しましょう、予定よりもかなり早いので、予定よりも下に行けそうです」
確かに、あの蟻塚は、かなり早かった。ミリアム様とナキさんが、超楽しそうだったし? 大変だったのは、解体とかしてた、騎士団だったわ。あたしらは、まぁ、お手伝いだけだからね。比較的、暇だったわ。
「レインボーアイアントまで、行けたら嬉しいですね」
何処かうっとりしながら、ミリアム様が言うけれど、上品である。ナキさんは明らかに、入りたそうなので、あたしらも入る事に。
中は土を固めただけの、洞窟みたいね。階段は石で出来ていて、ちょっと違う。
「ここからしばらくは、ブラックアイアントが出ます、幼虫も居ますが、蜜袋はありませんので、糸にだけご注意を」
ファイさんからの説明に、皆で耳を傾けつつ、階段から土を固めただけの、地面に降りようとした矢先。ナキさんが、スキップしながら、真っ先に向かおうと先陣をきった。
ーーーーー皆さんは、覚えているだろう。ここは、罠があるダンジョン。だから、罠感知と罠解除の人の前には行かないでと、注意を受けていたのを。
「にゃ~♪ 蜜袋大量ゲットにゃ~♪♪」
幸せそうに、スキップを踏むナキさん。その数歩目に、ガッコンという、嫌な音がした。
「にゃ・・・? なんにゃ!!?」
「罠です!! 気を付け・・・」
て、とあたしが言いきる前に、ナキさんの辺りの地面が、一瞬で消えた・・・。いや、中央からパカッと、下に開いたらしい。所謂、典型的な落とし穴の罠である。
「ナキッ!」
ミリアム様が、手を伸ばすが、ナキさんが落ちるのが早い。ヤバい、かなり深い落とし穴だわ。
「翠嵐!」
あたしの式神様が一瞬で顕現し、神力を放出する。すると、穴の中から強烈な突風が吹き上げる。
「にゃぁぁぁ~~~~~~~~~~~ッッッ!!? 目が、目が回るにゃぁぁぁ~~~~~~~~~!!?」
・・・・・無事、らしい。かなり目が回ってるみたいだけど、特に目だった怪我はしてないようだ。
「咲希さん、ありがとうございます・・・本当にうちのナキがお世話をおかけして・・・!」
申し訳なさそうに、ミリアム様が頭を下げる。ただ、目があたしの式神に釘付けだけど(笑)
「ありがとう、助かったわ」
お礼を言うと、翠嵐は優雅に一礼して、式札に戻った。
「今のが式神という存在ですか、優雅で美しいですね」
普通にお褒め頂き、あたしは微妙に苦笑いになる。うん、あたし、ナイスチョイス! 戦闘バカを出さなくて済んだし、個性豊かな他のメンバーを出して、先の発言があるとは思えない! 結果、苦笑いするしかない。
「にぁぁぁ、死ぬかと思ったにゃ・・・」
ようやく、目が回ってるのが治まったようである。が、あたしは気付いた。ミリアム様の目が、怖い。ちょっと、本気で怒ってないかな・・・!?
「ナキッ! 蜜袋を取るんでしょうが!? 罠があるんだから、余計な事をしない!」
「ごめんなさいにゃ・・・」
えぇ~・・・、そっち!? ナキさんの行動じゃなくて、あくまで蜜袋優先なのね・・・。ぶれないなぁ・・・。