特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?11
お待たせ致しました♪ 今回も、SHIN様とのコラボでお送りします! ゲストで、猫耳女王よりミリアム様とナキちゃんが出演中です♪ SHIN様の猫耳女王でも、別視点で連載してます。気になる方は、猫耳女王をチェック☆
さぁて、ビックリしつつも、発見しました。今回の目的たる、蟻塚を!
「・・・ねぇ、咲希さん、止めなくていいのかな?」
「いや、いいんじゃない? 楽しそうだし・・・」
勇者二人、そして、補佐足る侍従の皆さん、護衛のはずの騎士さん、皆は今、同じく黄昏ている。いや、達観している? 悟りを開いている? 固まっている? とかでも、いいかもしれない。手は動かしてるけどさ。
そ れ だ け 、 二 人 の 戦 い は 、ヤ バ か っ た ! !
これ、護衛の皆さんには、精神的な方を理由に、ボーナス手当てを付けてあげてほしい。まさに、そのレベルなのだ。
実は、最初だけは、ゴールドアイアントは少ししかいなかったから、解体指導まで出来たんだ・・・。でも、流石は蟻塚・・・出てくる出てくる・・・。
んで、蜜袋欲しさに、丁寧に戦いをしているから、あたしらも勿論、応援で戦っていたんだけど・・・。
ナキさんが、面倒になったらしい。んで、いつの間にか、あたしらが裏方、二人は前線になっていた。
で、解体しながら、冒頭に戻る。
あたしの居る場所は、蟻塚より少し離れた森の中。最初、簡単な解体のレクチャーを受けていた二人は、ここにいたんだが、先程、効率が良いからと上空へと行ったわ。飛行魔法で。
・・・・・どれだけ、お土産にするつもりなんだろう?
既に、ブラックアイアントの蜜袋を、かなりの数、お土産に貰ってるはずなんだけど。
「サキ様、解体が追い付きませんね・・・」
ファイさんが困っていた。このゴールドアイアント、蜜袋の他に、足や表面の皮が換金出来る。だから、やってるんだけど・・・・・。
「・・・後で、ギルドに依頼しようか、取り敢えず、蜜袋だけ、お願い出来るかしら?」
多少、お金は引かれるが、重要なのは蜜袋なので、問題はないだろう。皮は、今回の騎士達のボーナスにしてもらおう。
うん、何やら楽しそうな笑い声や、爆発音やらが聞こえるが、まぁうん。楽しそうで何よりだ。
・・・・・ストレス貯まっていたんだなぁ、二人とも。
◇◇◇◇◇
二人にとっての楽しい時間は、一時間程で終わりを告げた。ゴールドアイアントの蜜袋だけ回収し、残りはギルドへ引き渡すために、収納袋へ。魔法道具だから、かなり入るわよ。専用のを、騎士団から借りてきた。
最後に、蟻塚をあたしの土魔法で、綺麗さっぱり無かった事にして、駆除完了である。
「ミリアム様、ナキさん、先に蜜袋を渡しておきますね」
一応、綺麗にしてあるが、残念ながら、収納の箱がないため、そのままである。
「やったにゃー! お土産にゃー!」
「では、ありがたく・・・あぁ、他の部位は興味ありませんし、要りませんので、そちらで上手く使って頂ければ」
あ、はい。実は、経費以外は二人に渡すつもりだったんだけど、固辞されてしまった。何でも、使い道がないため、本当にいらないらしい。うん、騎士さん達へボーナスだな。なお、念のため聞いたら、気持ち悪いから、と、ハッキリ言われた・・・。
確かに・・・。
てなわけで、ミリアム様とナキさんから、蜜袋以外は、あたしらが頂く事になった・・・。
申し訳ないので、あたしは後で、お土産を別に用意しようと、新たに決心したわ。
「あー、時間としては、10時を過ぎたところですね」
ファイさんが時計で確認したら、まだ、かなり早い時間だった。でも、次はダンジョンだし、ゆっくり攻略できるから、いいんじゃないかな?
「蜜袋、いっぱいにゃ~♪」
ルンルン気分で、一つを早速、飲み始めたナキさん。一口、飲んだ瞬間。目をカッと見開いた。
「う、上手いにゃ! 上手すぎるにゃ!」
そりゃあ、ブラックアイアントよりも、上位のゴールドアイアントの蜜袋。味は更に美味しいだろう。
「いい匂いにゃ、何か、何か、すっごい美味しいにゃ!」
・・・・・感想が追い付かなかったらしい。
「んじゃ、次のダンジョン、行きましょうか」
このあたしの言葉を合図に、皆でまた絨毯に乗る。なお、ナキさんは、乗っても、蜜袋を手放さなかった。どんだけ気に入ったのだろう?
次の目的地は、ここから一時間くらいの場所にあるダンジョンだ。
「あそこは、珍しくアイアント系の魔物しか、出ないダンジョンなんです、罠は落とし穴だけが確認されています」
更に詳しく説明を受けた。何でも、各階層毎に、アイアントの色が変わるらしい。今回は下に降るタイプのダンジョン『地底の塔』と呼ばれている、変わり種ダンジョンらしい。
「先に申し上げておきますが、罠は解除しないと厄介なのもあります! 安全第一でお願いします!」
ファイさんがかなり、かーなーりー! 説明をしていたけど、ミリアム様は聞いてくれたけど、ナキさんは、未だに蜜袋を口にして、どこかにトリップしていた。
「ねぇ、ファイさん? アイアントって他にどんな種類がいるの?」
「他に、ですか・・・ブラックアイアント、ホワイトアイアント、シルバーアイアント、ゴールドアイアント、次が、クリスタルアイアント、レインボーアイアント・・・ですね、あのダンジョンは、深くに行けば行く程、強くなりますが、それに比例して、蜜袋が美味しくなっていきます、因みに、レインボーアイアントの蜜袋は、王家に献上されるくらいの品です」
うわぁ、そこまでの品!? なお、それを聞いた二人の目が、ヤル気に満ち更に輝いていた。ヤル気が殺る気じゃないことを願うわ。
とにかく、ダンジョンが楽しみになったわ。