特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?10
本日も、ミリアム様とナキちゃんがゲスト出演中です♪ 気になる方は、SHIN様の猫耳女王をチェック♪
ミリアム様とナキさんが、クラリオン王国に滞在して、4日目。
今日は朝から、蟻塚とダンジョンに行く予定である。朝一番にギルドからの依頼書と、ナキさんとミリアム様の仮ギルドカードが出された。二人のが間に合わなかったらしく、仮のカードが発行されたらしい。たまに、無くすアホがいるため、ギルドでは時々発行しているそうだ。まぁ、正規のギルドカード出したら、二人はあたしらより上、確定だもんね。あちらもパニックになるだろうし、仮ギルドカードの方が無難かも。なお、色は白のキャッシュカードサイズであった。
さて、本日のメンバーは、あたし、和磨くん、ファイさん、ユリーさん、リリーさんに、ジークさんにローグさん、他、騎士の皆さん。翔太は残念ながら、書類作成のために、連れていかれた。また、サボったな!?
優香ちゃんは、念のため、城へ残って貰った。今日の討伐相手と相性が悪かったからである。
「さぁ、行きますか!」
「待つにゃ! これ何にゃ!?」
「絨毯・・・ですよね? 馬とか、飛行魔法とか、馬車とか歩いて行くのでは?!」
あ・・・、説明忘れてた(笑) そこは、ファイさん、頼んだ!
「はぁぁぁ、サキ様? たまにはご自分で如何ですか?」
呆れた様子だけど、あたしは視線をサッと反らした。実は上手く説明できる自信がない。あたし、基本的に乗った事がないんだよねぇ。ほら、龍にばかり、乗っていたから。
「・・・えー、ご説明致します、絨毯は此方では、長距離移動等で使われます、魔法道具の一つですね、魔力と操作を覚えれば、比較的誰でも乗れます、まぁ、町中等は禁止されていますから、初めて見るのは仕方ないかもしれません」
確かに、町中は馬や馬車、徒歩だかりだった。あー、確かに初めて見るかも?
「・・・落ちないにゃ?」
腰が引けてるナキさんは、未知の物に見えたらしい。人差し指で、ツンツンつついている。
「大丈夫ですよ、絨毯は特殊な魔法がかかっていまして、ターンしようが、逆さまに運転しようが、基本的に落ちません」
「あれ? 大きい絨毯てことは、皆で一緒?」
「はい、騎士達は別の絨毯で参ります」
こうして始まった絨毯の旅は、かなり快適であった。なお、ミリアム様から普通の質問が出た。
「何故、飛行魔法を使わないのですか?」
使わないんじゃなくて、正確には、使えないんだけどね。
「実はね、飛行魔法って、風の魔力持ち以外は使えないのよ、更に上級魔法だから、魔力の強さでは使えない人も居てね、だから、昔の勇者が考えたらしいよ?」
それまでは、馬車や馬を使っており、徒歩もあったらしい。風の魔力持ちは、緊急の伝令役等をしていたらしい。
今は、絨毯のおかげで、大人数の移動もしやすくなったそうだ。
「・・・映画みたいにゃ」
「・・・ロマンでしょうか?」
二人の呆れた顔があったけど、取り敢えずは、納得したらしい。なお、途中、ナキさんがお約束をしてくれた(笑)
「やっぱり、落ちそうにゃ!」
隅に居たから、ビビったらしい。興奮してるからか、尻尾が膨らんでいた。
「だから、大丈夫ですよ? あ、見えて来ました!」
ファイさんの言葉に、あたしらは首を傾げた。最初は蟻塚だったよね?
・・・・・どうしよう、何処にも見えない。
あたしらは今、森の上を絨毯で飛んでいる。魔物とも、未だに出会っていない。只今、快適な絨毯の旅のまま、2時間程飛行したところである。普通にピクニックみたいに、先程までワイワイしてたからね。最低限の警戒はしてたけど。
「ファイさん、何処にあるんでしょうか?」
和磨くんも、分からなかったらしい。辺りや下を見るが、森の上ってだけ。目の前に、木の生えていない、急な山ならあるけど・・・・・ん? 山?? 森の中に、木の生えていない、山、だと?!
「・・・まさか!」
気付いた全員がガン見したわよ!! つーか、これって普通は思わないわよ!? どんだけでかいのよ!? 普通に見て、東京タワーくらいはあると思うわよ?
「はい、あれが、今回の狙い、ゴールドアイアントの蟻塚です」
・・・・・・あー、うん。作られたら、緊急措置が取られる意味が分かった。これは、あまりにも危険過ぎるわ。ゴールドアイアントは、確か単体でもB以上の獲物だったはず。それが、集団でいる蟻塚。危険過ぎるでしょう!!
「・・・・弱点は?」
結構本気で、ミリアム様とナキさんに、お願いしようかなぁ。多分、二人なら、蜜袋の為にも、本気で狩りをやりそうだし?
「弱点は、氷になります、なので冬になると蟻塚が壊れて、別の被害が出ますから、蟻塚も処分しないといけません」
うわぁ、傍迷惑な!
なお、ゴールドアイアントの蜜袋は、一般的に飲まれているブラックアイアントやホワイトアイアントの蜜袋よりも、美味しいらしい。それを聞いた二人の目が変わった。
あ、本気だわ。
「それは是非とも、お土産にしましょう!」
「上手いなら、全部頂きにゃ!」
いきなり立ち上がり、動こうとする二人。さて、皆さんや? 覚えてるかな?
・・・・・ここ、木が小さく見えるくらいの高所。
で、我々は、忘れてるかもしれないが、空の上。
足場は不安定な絨毯。
・・・・・いくら落ちなくても、やっぱり、揺れるわけで。
「二人ともっ! 落ち着いてぇぇぇ~~~~~~~!??」
二人を覗く、全員の内心を、あたしが代弁した。二人は飛べるけど、あたしらは無理だからね!?
「こ、これは、すいませんでした!」
「・・・ごめんなさいにゃ」
この後、二人はちゃんと座ってくれたのでした。なお、飛行魔法を使うつもりらしく、あたしらは、二人に攻略を任せる事にした。あたしら、足手まといになりそうだしね。
勿論、森を火事にしないという条件と、蜜袋の取り方等のサポートは付ける旨をちゃんと説明して。
・・・・・うん、何か楽しそうですね、御二人とも。