閑話 とある騎士の心情
いつもありがとうございます!
本日は閑話です。
この方も苦労しているんです。
Side:クリスチャン
私の名前はクリスチャン・ディオール。王家の方々を守る近衛兵の隊長をしている者です。母譲りの栗色の髪を首で結び、父と同じ瞳の色は緑。一応、実家は伯爵家のため、特に何か言われた事はありません。何か言ってきた者は、実力と権力等のあらゆるものを使い、遠方に行って頂きました。
さて、私の事はさておき、今回は私の胸の内を赤裸々に書いていきたいと思います。
今回、魔王復活の予言を言った先見の預言者は、この世界に見事な波紋を広げたのです。本当に愚かな事をしてくれたものです。もう少し、やり用があったものを。お陰様で仕事量が増えてしまって、家にいる妻と子供達に寂しい思いをさせてしまいました。本当にあの愚かな預言者をどうしてくれようか…………。
ごっほん、申し訳ありません。話が逸れてしまいました。
とにかく預言者の所為で、我が国の国王陛下は英断を迫られる事になりました。それは各国にある“召喚陣”に魔力を入れ、勇者を呼ぶ儀式だったのです。
結果は成功でした。
私も護衛として部屋に居りましたが、あの感動は二度と味わえないでしょう。
最初に召喚されたのは、子供に思えるような幼い方でした。後で歳を聞いて驚いたのは、仕方ない事でしょう。可愛らしい顔立ち、髪は黒々と輝く様で肩より少し長い程度で、私にとっては見た事のない服装をしていました。
この時、異世界から喚ばれた少女は、サキ・アマギ様と名乗りました。顔立ちに騙され……ましたが、彼女は何と15歳。更に性格に至っては老中達に匹敵する位の知恵をお持ちでした。お淑やかと思いきや、天然と天才をかねそろえた方だったのです。御見逸れ致しました。
我らが姫は、この方、サキ様を大層気に入られたようで、片時も傍を離れようと致しません。その姿は姉妹の様で、我々仕える者達は微笑ましく思っております。
次に召喚されたのは、普段から美しい人々を見慣れている我々ですら驚く程美しいお二人でした。
片や凛々しい顔立ちで大人しそうな青年。もう一人は、優しい顔立ちをした美少女。このお二方も見た目はサキ様とあまり変わらないようですが、同じ十五歳との事で顔には出しませんでしたが驚きました。異世界の方々は皆様、顔立ちが幼いようです。その中でも、サキ様は童顔と呼ばれる顔立ちのようです。
お二方はそれぞれ、カズマ・シラトリ様、ユウカ・カミシロ様と名乗りました。性格は見たまんまと申し上げましょうか。サキ様と違って、しっかりと勇者らしいお二方でした。お二人を王の連れていく迄に、いくつかハプニングがありましたが、私にとっては些細な事でした。一つ以外は。
ここで我が姫エリエンヌ様をご紹介致します。皆様から慕われ、美しく優しくお育ちになった姫君。お兄様と、今は別煉にいらっしゃるお姉様のお二人に可愛がられ、まっすぐにお育ちになられました。兵士一人一人に声を掛け、下の者達からも人気があります。中には姫様付きを目指し、本気で鍛え始めた強者まで出た程でした。上の姫君は別楝から出る事がありませんし、彼方は専門の者達が着いているため、兵としては付く事は殆んどありませんし。
おや、また話がそれました。
とにかく皆様には姫様の素晴らしさが伝わりましたでしょうか?
その美しく優しい姫君には、一つだけ厄介な癖があります。普段は特に気にするような物ではありませんでしたが、今回はそれがあだと為ったのです。
姫様がサキ様に懐いた事は皆様、ご存知の通りですが、どうも姫君の癖がサキ様にとっては天敵とも言える状態に為ったのです。
姫様の癖、それは抱き癖。昔は気に入ったぬいぐるみを、ぎゅっと抱き締める姿に、多くの者が胸を打たれ、中にはファンクラブまで出てきた程。勿論、奴らは主君である陛下に知られたら大変ですので、急いで片付けさせましたが…………。
失礼、また話がそれました。
それ以降、どうも姫君は抱き癖が付いてしまった様で、等々それで最初の犠牲者であるサキ様が生け贄、もとい被害にあってしまわれたのです。
それも姫君には無自覚のため、注意も殆んど意味をなしません。
姫君のこれからが心配ですが、もう一つ心配事があります。
今回、急に決まったドラゴン退治です。
普通、ドラゴン退治を行う場合、軍を出すか、冒険者の者の中でもΑランクのメンバーを出したりする程、この世界のドラゴンは強いのです。異世界から来た皆様をいきなり巻き込む程の敵ではありませんが、まだ訓練もしていない勇者を出すなんて、本来ならばあり得ません。赤子に狩りをさせるようなものでしょう。
今回、王子は何かを吹き込んだ馬鹿者がいるはずです。
………………とは意気込んだものの、それが四番目の勇者ショータ様の発案と言われ、流石に目が点になりました。
一時は心配させた最後の勇者ですが、何と二回目の勇者であることが分かり、周りを驚かせたのは記憶に新しいです。操る武器は大剣、と伺っております。強さは恐らく隊長クラス……でしょうか。見た事のない業を使うと同じ大剣使いの兵士が言っておりました。
冒険に行きたいのは分かりますが、心配する此方の身にもなって頂きたいものです。
皆様を送り出した後、私は陛下にとある用を仰せつかりました。私にはピッタリの案件と言えるでしょう。
皆様が戻る頃、きっと驚かれるでしょうね。それだけ、陛下のおっしゃった事は重大な事だったのですから。
「隊長、調査終了案件が参りました」
おや、部下が呼んでおります。全く、私の前で気配を消すなとあれ程調教……ゴッホン、訓練したと言うのに。
「分かった、伯爵の方はどうなっている?」
部下の報告書に目を通しながら、私は問います。
「もうすぐ報告が来るかと……」
流石、我が優秀な部下達だ。さて、それではいい加減仕事を始めましょうか。
全ては我が陛下と国のために。
本日もお読み下さり、ありがとうございます!
秋月煉です。
桜が開花した今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?
秋月は只今、スランプに入りました。書いても書いても、全く気に入らないのです。こう、書きたいことを上手く表現できなくて、本当に困っております。
スランプ、早く脱却するために頑張っていきます…………。
さて、次回ですが、次回は4月2日更新です! お間違えの無いように。そして活動報告の方に、小話を載せてありますので、気になる方は覗いてみて下さいませo(^-^)o
咲希:クリスチャン・ディオールさん、すっかり忘れてたわ。
和磨:それは酷いよ……。命の恩人でしょ!?
咲希:だってあんまりにも登場しないから(笑)
和磨:確かに……。作者はしばらくドラゴンフラグを続けるみたいだよ?
咲希:それでスランプなったら、意味ないでしょーに。
和磨:うん、だからさっさと終わらせて、次に行くんじゃないかな?
咲希:次って、まさか……。
和磨:……うん、パーティーのフラグじゃないかな?
咲希:あたし踊れないわよ!?
咲希ちゃん、大丈夫。みっちりしごかれますから(笑)
感想、誤字脱字、ご意見、いつでもお待ちしております! 尚、甘口で下さりますと、嬉しいです!