特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?7
今週も、SHIN様のところから、ミリアム様とナキちゃんがコラボ出演☆ 原作が気になる方は、SHIN様の猫耳女王をチェック☆
ぐったりした、運命の神は、リケ神に渡されたまま、呆然とビンを見ています。うん、何が何かすら、多分、あまりの事態に理解すらしていないと思います。
「さぁ、勢いよく、一気に飲むにゃ!」
先程から、何故か、視線がさ迷っているのが気になりますが、まぁ、大丈夫でしょう。変な物を渡す必要性は、無い訳ですし。
「い、いただきます・・・」
言われた通りに、ぐいっと飲んだ運命の神。飲み終わった瞬間・・・。
「まっずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいッッッ!!!??」
歴代で、こんなに騒いだ女神は、居ないでしょう。それくらいに凄い、声量でした。しかし、効果は本当のようで、一気に、運命の神は、元の姿に戻りました。
「もうやだっ! なにこれ、意味が分からないわ、不味い! 口が可笑しくなりそう!」
恐らく、わかっていたんでしょう。視界の隅で、アマテラス様が蜂蜜を準備していました。
「とりあえず、運命の神、口直しをして、少し休んでいっては?」
雲の椅子をもう一客準備して、私は皆さんを机に案内します。運命の神は、座ってから、蜂蜜を舐めて、口直しをしています。
「うぅ、酷い目にあいました・・・」
とはいえ、幽霊のようになっていた運命の神は、すっかり元気な姿です。凄まじい効果と言えるでしょう。・・・・・難点は、異常に不味い事、みたいですが、それさえ目を瞑れば、今の我々には、大変ありがたいものです。
「テンテル様の依頼で、一箱持ってきましたにゃ!」
「テンテルと呼ばないで下さいまし!」
誇らしげなリケ神と、正反対に青筋を立てるアマテラス様。これは、早くあの二人を帰した方が、いいかもしれません。
「下に神託を下ろします、準備をしてからになりますから、もうすぐ帰ってくるかと」
「分かったにゃ! にゃ! ならば、社会化見学したいにゃ!」
「・・・人の話を聞きなさい」
あぁ、アマテラス様がまた、青筋を!!
・・・・・そういえば、リケ神はまだ若い神でしたか。下手したら、ここの中で一番若い訳ですし。社会化見学、大いに結構! と、言いたいところですが、今は無理です!
「・・・主神に、相談致します、少し席を外します、あぁ、何ていいところに、風の神! 少しお客様のお相手をお願いできますか? 主神様に、伺いを立ててきます」
「・・・? 分かったわ、あら? 運命の神ったら、元気そうね?」
風の神は好奇心大勢で、リケ神には、よい知識を与えてくれますでしょう。しかし、はぁぁぁ、内心、私はため息しかありません。今は、主神様は、繁忙期よろしく、機嫌は最悪です・・・。あの怖い雰囲気の主神様に、伺いを立てなければならないのです。
「・・・早く終わらせて帰って頂きましょう」
最近、胃薬が手放せなくなってきました。私、空を司る神なんですよ? 地上の事は本来、地神様の管轄なのに! 理不尽です!! まぁ、地神様は今現在、火山を押さえるのに精一杯と聞きますから、仕方ないですが。本当に、最近はどうなっているのやら。
◇◇◇◇◇
「疲れたにゃ・・・」
「同じく・・・」
ぐったりした、リケさんとミリアム様。先程まで、エリー様とパーティーの打ち合わせ・・・まぁ、正確には、ドレス合わせをしていたわけ。あんまり得意じゃないらしく、二人は疲労困憊中。
「エリー様、張り切っていたわね・・・」
「そうだね? どんなドレスか、楽しみだね!」
優香ちゃんの、キラキラ笑顔が眩しいわ。
今現在、あたしらはダンジョンの後始末を終えて、城に帰ってきた。思ったよりも、余裕ありありのダンジョン攻略になったから、帰宅もまさかのその日だったわけ。普通は、1日がかりらしいよ?
「・・・パーティー、必要にゃ?」
「堅苦しいのでしょうか?」
二人の疲労感が、ちょっとヤバい!? でもなー、下手に案内も出来ないし、このあと、あたしらもエリー様の餌食だし(涙) うーん、どうしよう?
なんて考えていたら、メイドさんが呼びに来た。次はあたしらしい・・・。
「あ、翔太に頼んどいて! 二人のこと!」
優香ちゃんに頼んだら、満面の笑みで送り出してくれた・・・。あたしにも、エリー様は容赦ないからなぁ。
◇◇◇◇◇
エリー様とのドレス合わせを終わらせて、慌てて翔太が居るらしい、騎士団の練習場に行く。
「・・・何であたしが呼ばれるわけ?」
おかしい、二人は翔太に頼んだはず。町案内くらいはしてくれると思ったのに、何故か場所は騎士団の練習場。嫌な予感しかしない!!
「ナキ様ぁぁぁ~~~~~、いい加減に止めて下さいよぉぉぉ~~~~~!!?」
えっ? 今のはユリーさんの声?
「嫌にゃ! 今は創作中にゃ!」
今度はナキさんの声? 創作中!? いや、ここ、騎士団の練習場だよ!??
で、走っていくには面倒な距離だから、龍を召喚して、乗っていく。すれ違う皆さんの、生暖かい視線と、何事だと言う視線が、煩いけどさ。
着いて早々、頭を抱えたのは、許して欲しい。おかしい、翔太とミリアム様が居ない・・・。居るのは、ユリーさんとファイさんだけ。そっか、あたしらに女性の侍従さんが着いていた理由が今わかったわ。客人に不自由が無いように、多目にこちらに付いていたらしい。
「ですから、創作は違う部屋で!」
ユリーさん、泣きが入っていた・・・。ファイさんは、羽交い締めにして、止めていた・・・。何やってるんのよ、ナキさんや。
「ナキさん、何をしてるのかな?」
思わず、遠い目になったのは、許して欲しい。
「創作にゃ! ここは広いから、大きい作品が出来るにゃ!」
満面の笑みで言い切った。おかしい、翔太、ミリアム様、あんたらどこ行った!?
「ここは騎士団の練習場です! 創作なら、別の場所で!」
思わず、声に力が入ったわ。だからか、さっきから、騎士の皆さんが困っていたのは。後で謝らないと・・・。
「嫌にゃ! 今やるにゃ!!」
ミリアム様ぁぁぁ!? 何でよりにもよってナキさんを、一人にしたよ!!? 聞き分けなさすぎ!!
と、タイミング良く、翔太がミリアム様と帰ってきたらしい。
「おーい! 咲希~、外出許可取ってきた・・・ぞ? え? 何事だ??」
カクカクシカジカ・・・説明したら、翔太は珍しく、ポカーンとして、ミリアム様は頭を抱えてた。うん、何か分かるよ、ミリアム様。
「ナキっ! 人様に迷惑かけんじゃない!!」
バキッ!
いつぞやのバットが、また二つに割れた!? ナキさんは、痛そうだけど、それでも、動かない! どんな頭をしてんだ!?
「痛いにゃ、陛下・・・創作は爆発にゃ!」
「まだ言うか!」
とはいえ、このままという訳にもいかないため、結局、町へ行く事になった。本当に、ナキさんたら、言えばその為の部屋を準備くらいさせるからね?