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特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?6

今回もSHIN様のところから、ミリアム様とナキちゃんが登場しています♪ 気になる方は、猫耳女王をチェック☆

コアの壊し方が分かったところで、先程から気になっていた、ミリアムの動きに注視する。何か、手に装着してるんだよねー?


「ふむ、サイズはぴったりでしたね、ようは魔力を使いながらぶっ叩けばいいと」


何やら猫さながらに、目を細めるミリアム様。おかしい、シャドウボクシングみたく、シュッシュッと手を動かしているし。


「あれ? それは・・・」


ミリアム様の手には、あのお店で買った、メリケンサック・・・・・。あぁ、つまり。


「ミリアム様、やりたいんですね?」


あたしが聞いたら、とても嬉しそうだった。ミリアム様、ストレス貯まっていたんだね・・・。

ミリアム様は、メリケンサックをした手で、空手に似た構えを取る。ゆっくりと息を整え始めると、何やらオーラのような物がミリアム様から立ち上ぼり、ゆっくりとメリケンサックをした手に、集まり始める。それが更に巨大化した瞬間。


「シャイニングインパクト!!」


パンチが炸裂した。辺り一面が、光輝いた瞬間。凄まじい轟音が鳴り響く。とっさに、目を閉じ、腕を交差して、顔を守る。しばらくして、目を開けたら、とんでもない光景があった。


「・・・へっ?」


間抜けなあたしの声は、無視して欲しい。まさに、それだけ凄い光景だったんだ。


「凄い・・・」


「えっ? これ、やりすぎじゃ・・・」


優香ちゃんは、素直に称賛。和磨くんは、顔をひきつらせていた。


「一発で・・・ですか・・・」


ファイさん、唖然としてた。後から聞いたら、何度か、力を貯めて、行う予定だったらしい。


「ま、まあ、ほら? 直ぐに終わったし、後はコアの欠片を片付けて、帰りましょう!」


コアが壊れると、しばらくして、ダンジョン自体が消えちゃうらしい。うわっ、早くしないと!


「・・・・・でも、誰も怪我しなくて良かったよ」


ホワホワした優香ちゃんの一言に、何とも微妙な空気が流れる。

とりあえず、ダンジョン破壊は、上手くいったのだった。


◇◇◇◇◇


side:空の神


その日、私は急に連絡を頂き、アマテラス様と、知らない神様をお迎えしていました。


「空の神よ、急に連絡をして、申し訳ありません」


礼儀正しいアマテラス様が、何故かぐったりしていたのが気になりますが、何より知らない方が気になります。


「いえいえ、こちらこそ、未だに良き報告が出来ず、申し訳ないばかりです、あの、そちらの方は?」


「・・・こちらは、“別次元宇宙” “猫座銀河“、”惑星リシテアール“ の平和神リケ・ミケランジェロさんです」


「こんにちはにゃ、うちの二人が迷惑かけてるにゃ」


明るく元気の彼女は、変わったローブをかけおり、フレンドリーな感じの女神でした。猫耳が可愛らしいです。


「空の上が仕事場にゃ? 見晴らしがいいにゃ」


どうやら、私の仕事部屋が気に入ったようです。が、やはり、アマテラス様のお疲れ具合が気になります。


「そうにゃ! テンテル様! 記念撮影しようにゃ!」


えっ!? て、テンテル様!? そんな呼び方を、あの世界の中でも、最上位の方ですよ? もしや、アマテラス様がお疲れなのは・・・。


「リケ神? わたくしの名前は、アマテラスです! 珍妙なあだ名で、呼ばないでちょうだい!!」


「にゃーははははは!」


ばか笑いとは、これを言うのでしょう。アマテラス様の美貌に、ありありと見える、疲弊の影。更に、眉間には、くっきりとした皺の後。


「・・・・・えー、とりあえずですが、お二人が来るまで、お茶でもいかがでしょうか?」


私はとりあえずですが、二人を雲で作った、テーブルとイスに案内します。


「にゃー、ファンタジーにゃ!」


リケ神のお気に召したようです。そこに、此方の神界で流行り始めている、クッキーや紅茶を出します。紅茶を入れるティーカップは、華奢な美しい白磁のもの。ティースプーンも、美しい銀細工です。紅茶は、琥珀色に輝く、最高級の物です。


「どうぞ」


二人も座って、ゆったりと紅茶を手にします。ふぅ、ようやく落ち着いて、話し合いが出来ると、安心した時でした。


「ブゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーー!!?」


せっかく飲んでいた紅茶を、リケ神が盛大に吹き出したのです。勿論、正面にいた私に。


「・・・・・」


「そ、空の神!? 大丈夫ですか!?」


アマテラス様が慌てて、ハンカチで私を拭いてくれました。そもそも、何故に私はこうなっているのか、理解が出来ませんでした。


「にゃ・・・、ご、ごめんにゃ・・・、そ、そこに、幽霊が居るのにゃ・・・」


はっ?? 私の神域に、幽霊なんて、居る訳が・・・。そう思い、リケ神が指差す後ろを振り返り、その理由を知ったのです。


「運命の神・・・?」


そう、そこには、元の面影すら、殆どない、幽霊のようになった、運命の神が居たのです。


「空の神ィィィ~~~~~~~~!!」


元は美しかったはずの彼女は、幽霊と間違う程に、やつれ果てていました。更には、泣きながら、私の名前を呼んでいます。はぁぁぁ、またですか!


「また、何かあったんですね?」


彼女は真面目な部分があります。故に、限界まで頑張ってしまうのです。最近は、運命が何者かの手によって、書き換えられており、よくさ自分の神域を飛び出し、私のところへ泣きに来るようになりました。


「最近、また運命が変わって、直したばっかりなのに、あの二人が来てから、またおかしくなって、何度直しても、本来ならあり得ない未来ばっかりなの!! どうやったら、戻るのよぉぉぉ~~~~~~~!!?」


そのまま号泣して、泣き出してしまいました。困りました、お客様がいるのですが・・・。


「・・・その、運命の神、ごめんなさいにゃ」


ばつの悪そうなリケ神。まぁ、図らずも、彼女を泣かせている原因の一欠片は、彼女の世界の住人ですからねぇ・・・。しかし、あの二人が召喚された理由は、私には見えていました。


「その、実は・・・あのお二人が召喚された理由は、何となくですが、分かったのです」


そう、運命の神が来る前に、説明する予定だったんですが。仕方ないでしょう。


「この世界では、何者かにより、運命を変えられる事件が起きており、そのせいで、運命の神はこうなっています、しかし、運命を治していっても、いずれはひずみゆがみが出来てしまう・・・今回は、それが二人の召喚になったのでは、と考察いたします」


「えっ!!? じゃあ、これは私のせい!? そんなぁぁぁ~~~~~~~~~」


あぁ、また泣いてしまいました。こうなると、私一人では無理に近いんですよ。だから、風の神にも同席をお願いしていたんですが。


「これじゃあ、話が出来ないにゃ、仕方ないにゃ、これを飲むにゃ!」


おもむろに、リケ神が何かを運命の神に、渡そうとしていた。リケ神の手には、「ヘルメス製薬・神族用ネクタル」と書かれたビンが握られていた。


「神力が弱ってるにゃ、回復はするにゃ」


何故か、ちょっとだけ、視線が動いているのが気になりますが、今は緊急事態です。ありがたく飲ませて頂きましょう。


「さぁ、飲んで下さい」


運命の神は、疲れはてた姿のまま、ぐったりしています。

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[一言] ミリアム:「魔法力系」奥義としましょう。 リケ:やはり、マズかったにゃ…
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