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特別閑話 ようこそ、クラリオン王国へ?2

今回も、SHIN様のところの、猫耳女王から、ミリアム様とナキちゃんが主演してくれています。

ミリアム様と、ナキさんが召喚されてから、魔術師達と神殿側は、ずーっとバタバタしてるらしいわ。

まぁ、事故か暴走か、はたまた、何かの影響で、異世界人が召喚されたんだもん。仕方ない。

魔術師達は、あたしがしっかりとオハナシアイしておいた。皆さん、涙を流して、分かってくれたわ。

神殿は、神様からの返事待ち状態。どうも、やっぱり、何かあったらしいしねー。

さて、二人が召喚されてから、半日。時刻はお昼頃。


「さぁて、許可証も出たし、買い物に行きましょうか!」


なお、今日は、あたしと優香ちゃんで、町に向かいます。勇者の侍従には、お客様を考慮し、ファイさんと、リリーさん、ユリーさんをお願いした。三人とも、気遣いが上手いから、ミリアム様やナキさんのフォローを頼んである。


「まずは、此方でお忍びの服へ着替えましょうか♪」


二人が着ているのは、城内では通じるけど、城下町では目立ってしまう。だからこそ、城から出てすぐ横にある洋服屋さんは、大変助かる場所なんですよ。あたしらは、既に着替えてるから、二人のものだけよ。


「「・・・・・えっ?」」


何やら顔をひきつらせている、ミリアム様とナキさんには悪いけど、郷に入っては郷に従えって教えがあるのよ? つ・ま・り☆


「・・・またですか!」


「にゃぁぁぁ~~~~!? ちょ、ひんむくなんて、無しにゃ!??」


色気のない、悲鳴が一つ。ミリアム様は、諦めというより、悟りの境地、かしら?? 一応、リーズナブルなお品で、耳を隠す帽子も準備。

他にも、着替えを買って、しめて、金貨8枚。うん、滞在日数不明だから、下着とかの着替えや、洋服を買ったら、こんなもんよね。なお、このお金は、優香ちゃんから。


「咲希ちゃんがお世話になったんだもん! 私も何かしたい!」


という、大変親切な彼女からの、プレゼントである。


「次は・・・工房へ行ってみませんか?」


流石に、あたしも二人のぐったり具合に、申し訳なく思うわよ? でも、目立つのは、色々な意味でヤバい。自衛出来ても、馬鹿は何処にでも居るからね。なんせ、ミリアム様、姿勢が綺麗だから、ちゃんとしたら美人さんなのである。ナキさんは、多分、大丈夫かも?


「・・・あれは?」


ミリアム様が途中、足を止めた。視線の先には、とある施設がある。


「あれは、軍の人達の待機場です、交番みたいな物ですね」


「まぁ、治安が良いのは、こういう場所があるからですか、国民の皆さんが笑顔で穏やかなのは、素晴らしい事です」


「あれは何にゃ?」


ナキさんが気になったのは、意外にも、宝石店だった。そういえば、あちらでは宝石は安かった気がする。なお、知らない優香ちゃんは、普通に説明してた。知らないって、素晴らしい?


「あそこは、宝飾店ですよ、綺麗な宝石類とかが、沢山あるんですよ♪」


なお、宝飾店と聞いて、二人はあからさまに視線を反らしていた。多分、普通に説明している優香ちゃんに、気を使ったと思われる。


「にゃ! 武器があるにゃ!」


嬉しそうにナキさんが向かったのは、この辺りでも老舗の大きな武器工房。二人は勇者じゃないから、あの例の部屋には入れなかったわけ。だから、護身用は持たせようと思っていたんだけど・・・。


「ナキさんや、何故にそれを手に取った!?」


ツッコミを全力で入れたわ。見た目こそ、目立たないようにしたけど、マイペースなナキさんが、大人しくなるわけなかった!!

手に取ったのは、安全第一の文字が入った、黄色の工事用ヘルメット・・・。多分、ダンジョンで出たやつ? 他にもあるのに、真っ先にそれ・・・。


「いいにゃ~♪ これもいいにゃ~♪」


色違いを手に取っては、ご満悦なナキさん。辺りは、生暖かい視線が漂う・・・。フォロー要員が、彼らになった訳、それはツッコミを入れない貴重な、心広い方々だからである。


「にゃ~♪ 小判みたいにゃ!」


他にも、明らかに変わり物防具ばかりを手にするナキさん・・・。今度、手に取ったのは、小判みたいな装飾だらけの、変わったヘルメットだった。


「・・・うちのナキが、お世話をかけます」


頭を押さえるミリアム様。妙に慣れてる・・・。日常茶飯事だったもんね、あっちでも。


「これが欲しいにゃ!」


結局、小判の装飾ヘルメットと、頭に花が咲いたヘルメット、更に武器として、巨大なけん玉を購入した。なお、代金はあたし持ち。だって、金貨1枚銀貨3枚よ? 店主も扱いに困っていたらしく、まさかの値引き品・・・。まぁ、ダンジョンから出たやつだしね。うん。気にしたら負けだ!


「・・・ミリアム様は、これで宜しいんですか?」


まさかの、鞭!?


「いえ、ちょっと材質に興味がありまして」


あ、そっちか! 妙に似合う、じゃなくて! 買うのかと思っちゃった(笑)


「買うなら、此方でしょうか? こちらでは、謎の金属のようですね・・・我々は、メリケン粉を使いますが」


・・・・・まさかの、メリケンサック。あの、指に装着して、使うやつ。似合うわぁ・・・。さて、何でもメリケン粉とは、樹脂プラスチックの事らしい。いやはや、本当にこちらと色々違うわ。


「あ、はい」


お値段は、金貨一枚。つまり、日本円で、10000円。平民からしたら、高い買い物だからね。武器も。これは、ちょっと変わり種だけど。


「・・・にゃ! あそこに行きたいにゃ!」


会計も終わって、すぐに。ナキさんが走り出した。ヤバい! 迷子はシャレにならん!


「ナキッ! 落ち着きなさい!」


ミリアム様、一瞬でナキさんの襟首を捕まえて、戻ってきた・・・。早すぎて見えんかった。なお、いざとなったら、式神様を使うつもりだった。安全第一!


「・・・うちのナキが、お世話をかけます」


「陛下っ! 酷いにゃ! 苦しいにゃ!」


ジタバタして、逃れようとするナキさん。が、ミリアム様が何処からか、バットを取り出し、殴り付けた! 何故か、「金属30年」の刻印がされている。えっ!?


「痛いにゃ! 陛下!」


「えっ・・・折れちゃった?」


優香ちゃん、唖然としてるし。他も、あまりの事に、固まった。そういえばここ、人目がヤバい!

あたしらは、慌てて、場所を変え、長閑な公園に来た。ふぅ、人目を忘れてたわ。


「ミリアム様、ナキさん、ここでは、今のやり取りはお控え下さい、皆さんが再起不能になります!」


あたし、物申す! とはいえ、理由はわかってないだろうなぁ。困っていたら、リリーさんが説明してくれた。


「やはり、異世界ですから、常識も違ってきますわ、今の行為は、下手をしたら喧嘩と間違えられ、兵を呼ばれてしまいます、今以上の騒ぎとなりましょう」


リリーさんのフォローで、異世界の常識違いを理解してくれたらしい。良かった良かった・・・。


「・・・喉かわいたにゃ」


まぁ、あれだけ動いて、騒いだら、間違いなく喉が乾くと思うわよ?


「蜜屋さんがあるから、買ってきます!」


ユリーさんが気を効かせて、近くの屋台に走ってくれた。なお、ミリアム様もナキさんも、蜜屋さんと聞いて、ハテナを沢山飛ばしてた。ナキさん、器用にハテナを本当に出してた・・・。

うん、分かるよ、二人とも! あたしも最初は知らなかったからね! ライラさんの優しい視線を思い出したわ・・・。


「はい、どうぞ、ミリアム様、ナキ様」


美少年の笑顔が眩しい!!

・・・・・ミリアム様も、ナキさんも、手元にある蜜袋に、キョトンとしていたけど。

ユリーさんが、実践してくれて、細い部分をナイフで切ってから、飲み始めた二人は、驚いていた。


「旨いニャ!」


「あら、本当に美味しい」


ごくごくと一気に飲み始めたナキさんと、優雅に飲み始めたミリアム様。流石、女王陛下、気品があるわ。

と、案の定、一気に飲み、むせたナキさん。やると思ったわよ!


「大丈夫ですか!?」


慌てて優香ちゃんが、背中をさするけど、ナキさんたら、蜜袋は離さなかった。すげぇわ、その意地(笑)


「おかわりにゃ! 絶対にするにゃ!」


咳が治ると直ぐに、蜜屋さんに突撃しようとして、案の定、またしても、ミリアム様に一瞬で捕まっていた。


「にゃぁぁぁ~~~~~~~~、陛下っ! もっと飲みたいにゃ!!」


「あんたは! もっと落ち着きなさいっ!!」


またしても、何処からか、バットを取り出したミリアム様。だから、どっから出した!?


「はい、ストップ」


とりあえず、一度二人を止めた。


「そのやり取りは、お控え下さい、あと、お気に召したのであれば、お土産にご用意しますから、ご安心下さいね」


そう、この蜜袋。普通に売られているため、比較的、手に入りやすいのである。


「ギルドに依頼を出しておきますから、明日にはかなりの数を確保できますよ」


そう説明したら、二人がキラキラ・・・いや、ギラギラした目をしてた。

あれ? 何か嫌な予感が・・・。


「ギルドがあるんですか?!」


ミリアム様の力の入った言葉に、思わず、首を縦に振る。


「行きたいにゃ!!」


・・・・・ですよねー? あれ、お客様なのに、いいのかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] ぜひ、バットに「金属30年」の刻印をお願いします!(笑)
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