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第185話 準備せよ、勇者と一緒に2

お待たせ致しました・・・。

なお、次回より特別閑話を投稿致します!

side:神白 優香


何やら、翔太くんの方が盛り上がっているみたいです。フリードリヒ王子は、かなりプライドが高いようにも見えますが、翔太くんなら大丈夫でしょう。


「まずは、自己紹介をしませんか?」


かなり、ビクビクしているウィリアム王子には、頑張って頂きましょう。何だか、自信が無いようですし、お使いをしっかりとやれば、彼にも自信が付くのではないでしょうか?


「は、はい・・・そうですよね、すいません、えっと・・・」


アワアワと、いっぱいいっぱいなウィリアム王子。その頭に、ポスンと手が置かれ、ワシャワシャとかき回していきます。


「ちょ、ちょっと!?」


「落ち着け、ウィル」


そう、声をかけたのは、ウィリアム王子の私から見て右側に居る方です。高身長な方で、ウィリアム王子よりも更に、身長が頭ひとつ分あります。服装は、軍服であり、気配からして、中々に腕が立つようです。赤毛に紫の瞳、顔立ちは整っていて、人懐っこい感じがして、お兄ちゃんみたいです。側近の方、でしょうか?

ウィリアム王子は、彼のお陰か、少し落ち着いたようです。


「もう、グレン! ウィル様の頭がグシャグシャじゃん! 勇者様がビックリしてるよ!?」


今度は、そんな彼らのやり取りに、左側に居た方が、やっぱり口を出しています。身長はウィリアム王子より、少し高いくらいで、金髪に鮮やかな金目の方です。


「ほら、ウィル様、ジッとして! 今、直しますから」


「あ、ありがとう・・・ルキ」


そうして落ち着いた三人、主にウィリアム王子は、ようやく二人を紹介してくれました。


「彼らは、僕の側近をしてくれている、グレンとルキです」


「宜しく、勇者殿、俺はグレン、主に護衛をしている」


グレンさんは、正式な軍人さんの挨拶をしてくれました。


「僕はルキです、宜しく、勇者様」


ルキさんは、文官様の正式な挨拶をしてくれました。

二人とも、ウィリアム王子を大切にしているのが、直ぐに分かりました。何だか、上手くいけそうな気がします。


「神白 優香です、宜しくお願い致します」


私も丁寧に頭を下げました。彼らの絆の中に、私がお邪魔するのです。礼儀正しくするのが、筋でしょう。


「いやー、ユーカ様で良かった、ウィリアム王子は控えめな性格ですから、他の勇者様になったらとヒヤヒヤしていました」


ばか正直な発言を頂いたのですが、ルキさんはかなり正直な方のようです。


「私こそ、仲良くしてくれたら嬉しいです」


私も、丁寧に挨拶しました。二人とも、ウィリアム王子の事を大切にしているのが、初めての私でも分かります。


「うんうん! やっぱり、本当に良かった良かった」


「ルキ・・・嬉しいのは分かるが、ウィルが困ってるぞ」


グレンさんの呆れた言葉に驚いて、そちらを見たら、確かに、困ってるウィリアム王子がいます。えっと、何か困らせてしまったでしょうか?


「すいません、ユーカ様・・・二人は、僕を心配してるんです」


「心配、ですか?」


ウィリアム王子は、確かに不安そうな感じではありますが、話してみるに、ちゃんと受け答え等が出来ています。何と言いますか、側近の二人が大げさに心配しているように感じるのです。


「・・・その、昔から、兄弟間で色々ありまして」


一瞬ですが、瞳から、ハイライトが消えていました。直ぐに、元の優しくも頼りないような、いつものウィリアム王子に戻りましたが、恐らく、過去に何かあったんでしょう。

とはいえ、今に、それは関係ありません。これからいくらでも、未来は変えられるのですから。


「頑張りましょうね! ウィリアム王子♪」


満面の笑みで言った私に、三人とも、キョトンとした不思議そうな顔をしていました。



◇◇◇◇◇


side:空の神


あぁ、またか。そう思ってしまう程、最近は運命の神が、私の管理する領域に来るのが日課となりつつあります。




「空の神ィィィ~~~~~~~~~!! 響弧ちゃぁぁぁ~~~~~~~~~ん!! 聞いてよぉぉぉ~~~~~~~~~!!!」




「いちいち騒がなくても、聞いてますよ、運命の神」


涙を流しながら、女神の美貌すら霞ませて、ボロボロの姿の運命の神が、フワフワした雲にダイブしました。余程、お疲れのようです。


「運命の神様、粗茶ですが」


響弧さんが、ススッといって、湯気が立ち上がる緑茶を置きます。流石、響弧さん。気遣いの出来る、有能な方ですね。本当にスカウトしたいです・・・無理なんですが。


「うぅ・・・響弧ちゃんが優しい! もうっ、またなのよ! でね? 直してるんだけど、何だか、運命が落ち着かないのよ~・・・最高神様にも報告したんだけど、何か起きるかも~?」


愚痴を言って落ち着いたのか、身綺麗に整えたようです。・・・・・響弧さんがしたんじゃありませんよね?


「そうそう、響弧ちゃん、見付かった? スサノオ様!」


「・・・まだなのです、でも、ある程度の範囲は分かりました! クラリオン王国辺りに居るのは、私目にも分かるのですが、気配を掴みにくい状態で・・・あの方は、知恵だけは働く為、捕まえに下界に行く訳にも行かず・・・」


ぐぬぬと、下界を映す水鏡を睨み付ける響弧さん。やはり、そう簡単には、捕まりませんか・・・。


「そうよねぇ~、私も見付かるようにしようとするんだけど、何故か上手くいかないのよねぇ、流石、外の最高神の一柱ね、それに最近、やっと運命を変えてる存在を感知したの♪」


「っ! 良かったではないですか」


嬉しそうな顔をしているのに、何故か目が笑っていません。


「例の魂よ」


「!? まさか・・・!」


「そのまさかよ、あれは確かに神の手の及ばない存在、だからこそ、この私でさえ上手くいかないの・・・今回は、想定外が多すぎるわ・・・」


忌々しいとばかりに、下界を映す水鏡を睨み付ける、運命の神。まさか、ここで、あの魂が出てくるとは・・・。何も起きなければいいのですが。


「・・・スサノオ様を見付けたら、只では置かないのです! あの方には、仕事があるんですから、キリキリ働いてもらいます!」


・・・・・可愛らしい響弧さんの、容赦の無い呟きは、聞かなかった事にしました。えぇ、私は何も聞いていません。

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