第179話 皆で話し合いです♪
長らく、お待たせ致しました・・・。
それから直ぐに、白き魔王様と、王様、他の皆様との面談が実現した・・・・・。
いやはや、何てスピーディー!(笑)
翔太が誘ったんだけど、その後は、固まった皆さんを動かして、謁見の間ではなく、先程まで居た会議室へ。皆さん、まだ居たしね。
・・・・・使い物になるかは、分からないけどさぁ。
魔王様襲来は、皆さんがビビるには十分な事だったらしい。騎士と魔術師の皆さんが、更に厳戒体制になってた・・・。平和な白き魔王くんなのに、何か申し訳なかったわ。
あ、白き魔王くんへ、ちゃんと入場届けは発行してもらいましたよ。後からとやかく、言われたくないしね☆
「・・・・・え、遠路はるばる、よくぞ来られた、ふむ、クラリオン王国の王として、歓迎致す、ふむ」
「此方こそ、お気遣いありがとうございます、魔王国に生まれました白き魔王です、此方こそ、突然の訪問をお許し下さいませ、うちのバカが本当に、本当にっ!! お世話をおかけしました・・・」
白き魔王くん、まだ幼いのに、かなりの苦労性なのか、“本当に”の部分が、やけに力が入っていたわ。
・・・・・将来、頭皮は大丈夫かな? ストレス多そうだもんね。
えー、只今の状況、自己紹介中なんだけど、王様は最初、意味が分からなかったみたいで、混乱してたわ(笑) 勿論、皆さんも。で、翔太とあたし、和磨くん、優香ちゃんの説明で、ようやく理解して頂けた。因みに、フランツ王子は、自己紹介の中、ようやく理解したみたい。まぁ、側近の二人も、ハテナを飛ばしていたから、仕方ない。
なお、神官の皆さんは、突然の事に慌てていたけど、ちゃんと神託の意味を理解できたみたいで、涙を流して喜んでいたよ? 良かったわねー。神様の言っていた事を裏切らないで・・・。
でも、何で急に慌てた様子になったんだろ? 何人かの神官さんが、急に青ざめて、謝っていたし・・・・・。神様が何かしたのかな?
まさか、神託・・・・・?
いや、まさかねぇ? でも、神官の皆様の様子を見るに、有り得るわよねー?
「さて、挨拶はそこまでにしてもらって、俺、第一勇者から提案がある」
やっぱりね、翔太の狙いは、あたしも何となく理解はしたから、根回しくらいは手伝うつもり。和磨くんも気付いたみたいだけど、ちょっと憂い顔。おかげで、色男に見える。・・・・・男性が頬を染める姿なんて、見たくないんだけど?
因みに、女性の皆様は、そんな男性陣に対し、二通りの視線を見せた。明らかに引いた方と、何かに期待するような、キラキラした視線よ。・・・・・次の薄い本の犠牲者は、和磨くんかな?
「ここで不可侵条約、結んだらどうだ?」
翔太の発言には、さすがに会場がざわついた。当然よね、それだけの威力のある発言だもの。
「何せ、重役の貴族、王族、勇者が居るんだ、これを利用しない手はないだろう? 更には、白き魔王様という、こちらの味方が居るんだ、俺達の敵は共通だろ? 敵は“黒き魔王”だかんな」
そう、これは恐らく魔国にも、神託として何か降ろされているはずだ。だからこそ、動けるわけ。何せ、魔王の影響力は、かなり強いみたいだし、これで連携できれば、お互いにメリットが大きい。特に白き魔王様、身の安全は保証されるからね。
「し、しかしだね!? 不可侵条約は、簡単に出来るようなものでは・・・!」
椅子に座った大臣の一人が、ギョッとしたように、声をあげた。まぁ、当然の声だと思う。普通はもっと準備して、周りに根回ししてから、行うからねー。こんないきなりするもんじゃない。ただ、翔太はこんな事、考えなしでやる訳じゃない。
「まぁ、そっちの大臣さんが言うのは、もっともよね? 翔太、何かあるんでしょ?」
フォローくらいはしてやろう。あたしらだって、無駄な戦いをしたい訳じゃないしね。
「まぁ、当然だな、今回は無理は言えないのは、俺だって分かってるぜ、だからこそ、今回は内密の契約のみとするのさ」
やっぱりねー。翔太よ、本当にあんた、前の世界でどんな教育を受けたのさ・・・。教育したらしい王族の方、凄いわ。
が、そこに思わぬ提案が入った。
「ショータ、ならば、他の種族にも声をかけるべきだ」
我らが王子様、フランツ様ですよ! てか、他種族って何さー!? うちら聞いてないよ?
「フランツ様、あたしらは聞いてないわよ?」
「教えてないからね、エルフ達は予想外だったんだよ・・・」
この答えから、教えるつもりがなかった事がわかる。フランツ様としては、自国の勇者に他国を教える必要はないんだ。自国を守って欲しいんだから。
「はぁ、・・・人、エルフ、魔族の他に、獣族、天族、ドワーフ族が居るんだ」
あらまぁ、結構いたんだ。ファンタジー定番の皆様じゃん。
「とはいえ、ここは人の大陸だから、人しかいない・・・たまに、旅の他種族が来るくらいだ、それぞれの種族は、自分達の大陸に住んでいる、ドワーフは島国だが、やはり大陸と同じくらいの広さはあるだろう、天族は天上にある浮き大陸に住んでいるんだ、彼らは穏やかな種族で、大陸からは滅多に出ないと聞く、獣族は一番好奇心があり、旅をするが、やはり、自分達の大陸にいるし、何よりも龍王がいるゆえに、人の大陸にはあまり来ないのだ」
知らない単語が次々と出てくるんだけど・・・? 何故に、一気に話すかね? フランツ様、本当に教えるなら、早くしてよ・・・。
ここで、何かを思い付いたらしい、王様がポンと手を叩く。
「ふむ、この際、協力は良き事だろう、勇者たちよ、親書を届けてくれるか? ふむ」
「・・・・・えっ?」
あら、これもしかしなくても、新しい旅の始まりのフラグよね!?
ドワーフ族、天族、獣族、かぁ。どんな出会いになるかしら?
「・・・いや、陛下、ここは王族の王子か王女がいいと思うぞ?」
ん?? 翔太が渋い顔をしてる。何で??
「勇者はいくらでも偽物が用意できるが、王族は偽物を用意なんて、安易に出来ないからな!」
妙に実感が困った翔太の発言に、あたしはある仮説が浮かぶ。大体、翔太がこうなるのは、前の世界に関係する場合って、いい加減に学んだわ。
「あぁ、前に勇者の偽物騒動が起きてな・・・」
妙に疲れている姿に、何故か周りの大臣さんや神官の皆様にまで、同情されていた。翔太の哀愁が半端ないわ・・・。どんだけ大変だったのかしら?
「ふむ、ならば、勇者と王族に一緒に行ってもらおうかのぅ? ふむ」
あら嫌だ、王様が変な提案してきたわよ!? これは、新たな旅の予感・・・。そして、新たな騒動の予感がするんだけど!?
「陛下、王族が他国へ向かうのは構いませんが、仕事が止まります!」
あ、大臣さんの中から、声が上がったわ。恐らく、ちゃんと仕事が出来てる方の発言ね。かなり、危機感がこもっていたもの!
「ふむ、確かに仕事が止まるのものぅ・・・ふむ、如何するか、ふむ」
と、ここで、今まで黙っていた、お妃様が口を開いた。後から知ったけど、この方が正妃で、フランツ様と、エリー様、ローズマリー様、他兄妹のお母様だそう。うん、そっくりだもんねー。なお、この国では、側室の子供も、正妃様の子供として、教育を受けるんだとか。まぁ、こんだけ兄弟姉妹がいたら、次代を競う争いが起きてしまうもんね。ならば最初から、お妃様が母親としたほうが、ほぼ争いは起きないもんね。
「陛下、簡単ですわ、彼らの仕事を陛下がすればいいのです」
「!? ちょ、ちょっと待て! ふむ、我には我の仕事が・・・山のように・・・のぅ? ふむ、これ以上は・・・」
真っ青な王様に、何故か素晴らしくいい笑顔のお妃様・・・。おかしいな、笑顔なのに、凄まじい圧力を感じるんだけど?? お妃様、もしかしなくても、マジギレしてるよね・・・? 王様、何をしたのかな??
「最近、おかしいと思ってましたのよ? 仕事は少しの残業だけ・・・寝室へは来ないですし、何をコソコソしてるかと思えば、側室の部屋へとは・・・よっぽど暇なんでしょう?」
「・・・い、いや、あのな? ふむ、別にコソコソは・・・ふむ」
脂汗をダラダラと流しながら、何故か真っ青なまま、必死に言い訳する王様。おかしいなぁ、我々は、何を見せられているんだろうか?
「・・・フランツ、兄弟と話し合い、獣族、天族、ドワーフ族へそれぞれ、勇者と共に旅立ち、協定に参加してもらうように親書を送りなさい、内容は陛下に書かせます」
お妃様があっさりと決めてしまったけど、あの、お妃様? お怒りの意味が分からないのですが・・・??
「ウフフ、陛下? 側室の君が、わたくしに泣き付いてきました、助けてと・・・貴方はナニをしているんです? 女性を泣かせるなど!」
あ、はい。色々と察しました・・・。恐らく、周りの皆様も。唯一、分かっていないだろう皆様は、取り敢えず、陛下が叱られている事だけは分かったらしい。うん、それでいいと思う。あたしも、人様の操の事なんて、知りたくないわぁぁぁ!!
「・・・取り敢えず、ここにいる皆で、協定を結ぼう」
フランツ様のその声が、妙に疲れていたのは、気付かない事にしておこう・・・・・。
「じぃ・・・・・、何で皆は疲れた顔をしているんだ?」
スザリオン王子ィィィ~~~~~~!!! グリズー様、お子様王子を止めて下さいよー!
・・・・・この後、無事に締結したものの、しばらく微妙な空気が流れたのだった。
お久しぶりです・・・。なんと、約2ヶ月ぶりでした。
お待たせしてしまい、申し訳ありません・・・。
今回は無事に筆がのり、書けました!
次回はまたお待たせ致しますが、どうか次回も宜しくお願い致しますm(_ _)m