閑話 魔王様爆誕します!? 4
長らくお待たせ致しました!
早3ヶ月が経過とか・・・。本当に申し訳ありません!
今は、『ハッピーエンドへ向けて』を中心に書いております。
こちらが終わり次第、大至急で書きますので、ご容赦くださいませ!m(_ _)m
詳しくは秋月の活動報告まで。
「この国で、一番強い者を、僕の側近にしてください!」
辺りが一瞬で静かになった。まぁ、やらかした感はある。でも、必要な事なのだ、これは。
「何故か聞いてもよいか?」
未だに混乱しているだろう父上は、流石、国王と言うべきか。一番冷静かもしれない。いや、もしかして、考えるの放棄した?
「いやだって、僕、魔王ですよ? ストッパーは必要でしょう?」
多分、加護のお陰で何とかなるとは思うけど、絶対はないのだ。僕自身が安心できないし、何よりも。
「僕に相応しい側近が、必要なんですよ、だから父上? 武道大会、開いてくれません? 強くて頭がいい側近を、数人見つけたいので・・・あ、全員参加で!」
いい笑顔で言ったら、次の瞬間。会場の中が、ドッと湧いた。多分、ノウキン故の単純さで・・・・・。うん、予想外! まさか、ここまで喜ばれるなんて!!
「そうか、そうだな・・・よしっ! 直ぐに準備にかかれ! 我が子たっての願いなのだ! 任務中の者達も呼び戻せ!」
おっ、これは助かる! 武道大会は、人間大陸に向かっているらしい奴等も参加させるために、頭を捻った結果、出たものだ。我ながら、よく考えたよ!!
「えっと、ところで、先程の巫女さまは?」
気付けば居なくなっていた巫女さま。救世主なのか、破滅なのか分からないが、取り敢えずは神様からの神託を受けて助けてくれた存在。あんまり近くには寄りたくないけどな! ーーーーー何か怖いし。
「ん? あぁ、巫女ならば、既に祈りの間へと戻ったぞ」
なーんだ。ちょっと残念。だが、場所は聞いたから、今度いってみよう! 魔王城の探検とか、楽しそうだしな!
「そうでしたか、お礼を言いたかったんですが・・・」
主に、黒い歴史の一ページを、一応、免れた・・・・のか? まぁ、最悪の事態ではないし、お礼でいいかも?
「後で案内させよう」
王様なマイパパは、かなりノリノリで、ビックリしたが。顔がダラーンとした父のだらしなさは、先程までの王様然とした姿が幻にすら思える。
「とにかく、まずは話を聞かせてくれ、我々はイマイチ理解が追い付いていないようだからな」
という訳で、王様たる父と、王妃たる母、召し使いが数人という、少人数で部屋へ移動した。重鎮たちは残念ながら、武道会の方を選び、此方は丸投げされた。王家の問題とされたらしい。まぁ、詳しい事情よりも、目先の娯楽を取った形だな。なお、アクダッチャーは、あちらに残って貰った。誰かが手綱を引かないと、暴走しそうな勢いだったからだ。それに、僕はこいつが苦手だ。気配が怖すぎる!
「さて、まずは我が子よ、そなたスラスラ話しているが、いつから会話やら理解出来るようになったのだ?」
あっ・・・・・。まずは、そこから説明が必要なのか! うっかりしていた自分である。
という訳で、神様からの説明を必要な部分だけして、協力を願ってみたのだが・・・・・・。
「まあ! 愛しい子は、神様のお気に入りなのね!」
「凄いぞ! 我が子は、神の愛し子か!」
・・・・・予想外の方向へ、話が飛んだ。おかしい、僕の両親は、どうやら、そこに興奮してしまい、他の話は流してしまったらしい。うーん、大丈夫なんだろうか? 神様にあって、使えなくなった魂の代わりに、ここに生まれました。魔王と呼ばれるはずなのに、魔王らしくありません。前世の記憶があるから、基本的に平和主義者です!
・・・・・脳筋しか回りに居ないって、結構、国としては危ない気がするのは、僕だけだろうか? いや、平和に向かって進めるか??
「とりあえず、戻ってきて下さい、父上、母上、話が進みませんので」
そう、二人に言えば、今度は何故か、ウルウルと涙を溜めている・・・。えっ!? 僕、なんかした!? 注意しただけだぞ!?
「我が子に父上と・・・!」
「我が子が母上と・・・!」
あ、そっちね。・・・・・よく、国が滅びなかったな、魔国。多分、一部の頭脳派の皆さんが、死に物狂いで頑張ってきたんじゃなかろうか?? あながち、間違いではないかもしれない・・・・・。
一瞬でも、腹黒しかいないかもと考えた自分が情けない! ピュアな脳筋共をまとめ、プランを考えるのは、中々にハードだと思う。つーか、父上と母上、王族なのに大丈夫か!?
「とにかく、今は神様の望み、黒き魔王を撃退しないといけません、まぁ、武道会は必要ですから、まず最初はそこですね」
参加資格等は、彼方が決めているだろうから、後から聞いて、軌道修正をするつもりである。絶対に、何かしらやらかしそうだから!
「ーーーーーところで、前々から気になっていたんですが、僕の名前、何ですか?」
そう、先程から、二人は絶対に僕の名前を呼ばない。まさか、まだ決まってないとか?? 生まれてから、直ぐに決まってないとは言われたのだから、覚悟はしていたけどさぁ。
やっぱり、名前は欲しい訳で。この際だから、直球で伝えてみたのだ。二人は完全に忘れていたらしく、あって顔をしてる・・・。
「す、すまん!」
「まだ、決まってないのよ・・・ごめんなさいね、愛しい子」
両親には、急いで決めてもらう事を約束してもらい、僕達は謁見の間に移動した。白熱した決議により、武道会は大いなる盛り上がりを見せ。
こうして、僕に出来る時間稼ぎを無事に行った訳である!
なお、余談だが。
今回の武道会は、あまりの熱狂ぶりを見せたため、数年に一回、今後も行う事になった。側近には、5名を選んだ。頭脳派も入れての人数であり、今後も増える予定だ。
但し、優勝したのが将軍様だったので、側近には入れられず、上位数名の若者と実力者を選んだ。それと文官タイプの方々にも試験を行い、二人を迎え入れた。頭脳派は必要だと判断した。脳筋のやつらを操る自信は、残念ながら無かった・・・。
これが諸々、落ち着いた頃、ようやく人間の皆さんのところへ、神託が降りた。神様、僕へ気を使ってくれたみたい。ありがたい事である。
神託が降りた頃、僕はそっと神様に教えてもらった、転移魔術を使う。まぁ、一度だけでも自分が行った事がある場所じゃないと、本来は使えないらしいんだけど、初めて使う場合だけ限定で、神様が指定をして使えるようにしてくれた。一応、特例措置だとか。
これでようやく、よ う や く !
人間の勇者達と協力体制が出来るかもしれない・・・。
思わぬ期待に、僕はガッツポーズをしたまま、何故かキラキラした王城内にいた。
・・・・・無意識って、怖い。何で発動しちゃってるんだよー!!?(涙)
僕はこの日、完全なる黒歴史を生産してしまったようだ。唯一の幸いは、誰にも見られなかったこと、かな。
◇◇◇◇◇
side:空の神
ふぅ、ようやく、神託も終わりを告げ、我々も一息をついたわけですが。
やはり、運命神が直ぐに現場へ行ってしまいました。また、未来が書き換えられたらしく、カンカンになっていましたね。どれだけ、未来を紡いでも、途中を書き換えられたら、やり直すしかありません。
何人かの運命が変わり始めたために、神託も慎重に動くしかありませんでしたし。
「うーん、おかしいです・・・」
珍しく、響弧さんは、下界を見ながら、不思議そうにしています。
「どうしました? 響弧さん」
私が声をかけると、ようやく、私に気付いたのか、ハッとしたように、居住まいを正す。どうやら気付かなかったようです。
「申し訳ありませぬ、空の神様、スサノオ様の気配で不思議な事がありまして」
「不思議な事ですか?」
「はい、この気配がすると、運命神様が必ず呼ばれるのです、今回も神託の後に少し気配がしていました」
何と! ここに来て、未来を書き換えているのが、スサノオ様かもしれないという、まさかの事態になりました。
「・・・・・これは、一刻も早く、探さねばなりませんね」
下手な事になれば、・・・・・世界が大混乱になるかもしれません。異世界の神様、それも、最高神様の一柱だけあって、力が強いのでしょう。
はぁ、我が世界の最高神様に連絡せねば。また胃薬が必要ですね・・・。