閑話 魔王様爆誕します!? 3
いつもありがとうございます!
羞恥心プレイをする、はずだったんだけどなぁ・・・。
残念ながら、それは大変短い期間だった。まぁ、恥ずかしいに変わりはないから、短いそれは大歓迎なんだけど。
僕が生まれて、3日目。
その日は、僕の御披露目の日らしい。朝から綺麗にされて、立派なおくるみを使われて、更に立派なゆりかごに入れられて、僕は玉座の隣にいる。
そう、何故か玉座の隣なんだよ!? 僕、中身は一般庶民よ!? きらびやかな世界の住人じゃないの!
無理だわー・・・・・。
なんて、赤子のくせに、遠い目をしていた僕は、急に体が温かい物に包まれた感じがして、キョロキョロとしたら、何と父親に抱っこされてた・・・・・。未だに下手くそな抱っこの仕方に、何か落ち着かない!
誰かヘルプ!!
・・・・・無理なのは知ってるけどさー。
何せ今、儀式の真っ最中! それも、紹介されているため、僕、かちんと固まってる。
「これにて、魔王陛下が誕生した祝いの祝典を終了する!」
ほっ、正直助かった! 長いのなんのって。半分寝てたわ(笑)
さてさて、式典が終わったら、合図が来るんだが?
『やぁ、魔王くん、準備が整ったよ! 始めようか!』
何だかノリノリな神様が気になったが、心の中で了承を伝えると、直ぐに異変が起こった。
「ま、魔王陛下っ!? 息子よ、どうしたのだっ!!?」
明らかに動揺した父親には悪いが、僕はこれから重要な任務があるんだよ。神様いわく、今の成長速度では駄目なんだとか。諸々間に合わないから、長い寿命を鑑みて、少しだけ体の成長を早めるらしい。勿論、負担の無い範囲で、だけどな。
「これは一体っ!? 愛しい子、愛しい子!! 大丈夫なのっ!?」
取り乱した母には、本当に申し訳ないが、これは世界の為。まぁ、体の負担はほぼ無いし、安心していい。なんせ神様からの依頼だ。何が起きても、神の奇跡で済ませられると、ご本人様から言われているし。
急に光出した僕に、皆がビックリしてるのが、無駄にいい耳で聞こえてくる。まぁ、それは後程、説明しますよ。体が宙に浮いた。光の中で、僕はぐんぐん成長していく。勿論、無理の無い範囲で。時間にして、永遠にも似た感じがしたけど、多分、そんなになってない。
光が薄れて、僕が目を開けて回りを見ると、皆が固まっていた。まぁ、成長したしね?
・・・・・そのわりに、視線が低いし、体もあんまり成長してない。まぁ、立てるんだけど。手も小さいままだし。多分、5歳くらい?
「・・・我が子、か?」
唖然と言う言葉がピッタリの、マイ父。
「そーですよ? ちちうえ!」
満面の笑みで、問いかけて来た父に言ったら、父が固まった。うん? 何かしたか?? もしかして、呼び方間違えた?
「愛しい子なの・・・? その姿は一体・・・」
母も、まだ体が辛いだろうに、周りに支えられながら、必死に此方に来ようとしていた。
「?? はいっ! ははうえ!」
「きゅん!?」
ん? 母にも同じ事をしたら、顔を真っ赤にして、固まってしまった。あれ? おかしいぞ?? 何か変な声が漏れていたような・・・???
うん、触らない方が良い気がするから、放置で!
謎の空間になった広間で、どうすべきだろ?? ヤベェ、考えてなかったわ!
だが、この謎の空間を変えてくれる、救世主が現れた!
「これは一体、どうなってるの?」
優しい感じの女性の声がした。見れば、魔族特有の特徴を持つ、何処か浮世離れしたかのような、不思議な雰囲気をしている、女性がいた。年の頃は、20歳いくかいかないか、くらいに見える。
「巫女よ、如何した?」
どうやら、固まっていた親父が我に返ったらしい。てか、巫女よ? この国、巫女様いるの!??
「・・・神様からの神託が降りて来てみれば・・・・・、はぁ~~~~~、兄上、いえ、陛下、しっかり為さってください!」
うわぁ、清楚な見た目に騙されたら、怖いやつだ、これ。綺麗な人だけに、怒ると怖い! そんで、その人の視線が俺に狙いを定めたのが分かった。つーか、視線がかち合った!
「成る程、神様よりの神託で、白き魔王陛下を成長させるから、説明を頼むと言われたから来てみれば・・・白き魔王陛下? いつまでそのお姿でいるつもりですか? 直ぐにお着替えを、それからまた話しましょう」
へっ・・・?
話が分からない部分があった。その姿? 僕、どんな姿でしたっけ?? 思わず、ハテナをいっぱい飛ばした自分だが、視線はしっかりと下を見た。そう、いきなり成長したから、今の自分は、丸裸だったんだよっ!!
「うわぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~!!???」
全力で悲鳴をあげた!!
未だに子供でも、中身大人? な、僕には無理だぁぁぁーーーーー!!!
「「あっ・・・」」
流石に、母も父も気付いたのか、声が重なっていた。いやいや、気付いてたなら教えてよ!? つーか、神様っ!! 巫女様に教えるなら、僕にも教えてよ! 流石に泣きが入ったぞっ!?
「す、直ぐに着替えを用意せよ!」
この一言で、僕は物凄い勢いでメイドさん達に連れられ、凄い早さで着替えを終わらせ、驚異の早さで広間に戻った。うん、何かあっという間だから、よく分からなかった。
戻った広間では、ザワザワしていて、何か居心地が悪い。うん、自業自得なんだけどさ。
「・・・息子よ、神様から神託が降りた、正式にそなたは白き魔王となる、さて、聞きたいのだが、何故に成長したのだ? 巫女からは、神の意思と聞いたが」
皆が気になっていたんだろう。会場には、恐らくだけれど、魔族の顔となるような、高位の奴等が来てるんだと思う。彼らも、聞く気満々なんだよなぁ。
「あぁ、はい、神様から必要だから、成長させるといわれました!」
そう、僕が話せないと困るからね。戦争起こすなんて、絶対に嫌だっ! アクダッチャーが言った、魔王は世界を望んでいる、ってやつを、先手を打って壊した形だ。勇者となんて、戦いたくない! 平和が一番だ。
「で、父上、お願いがあるのですが・・・」
そう、これが本題。まずは、魔族を人間が住む大陸から、帰還させないといけない。皆が帰ってきた訳じゃないらしく、一部の魔族は、人間大陸に捕まっているみたい。お腹の中に居た時に、父上が話していて、母上に相談してた。実力主義だからって、家族の情がない訳じゃないんだ。囚われた家族の心配くらいはする。
「何だ? 急に」
いきなりのお願いには、流石に変な顔をされたけど、理由を話したら、分かってもらえるはずだ。
「この国で、一番強い者を、僕の側近にしてください!」
辺りから、音が消えた瞬間だった・・・。
長らくお待たせしました(;^_^A
すいません、本当に降りて来なくて、スランプになっていました。
次回で、粗方のフラグは回収し、魔王様視点のお話は終わりです。
本編にやっとこさ、戻れます! 長かった、危うく設定を忘れかけ、何度か見直し、読み直しをすることに(笑)
はて、しばらくぶりの咲希ちゃん視点、ちゃんと書けるかしら!?
次回も宜しくお願いしますね♪