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閑話 魔王様爆誕します!? 2

魔王視点、続きます!

まぁ、こんな訳で、神様に言われて、転生したんだけどさー。

それがまさかの、お腹の中からスタートとは思わなかった。神様、流石に早すぎんだろーが・・・。

文句も言えないから、暇潰しに、色々やってみたら、流石はハイスペックな魔王だけあって、出来てしまった・・・。流石、魔王の体。恐るべし。

で、この中で気付いてしまった。嫌な気配がするやつに。大抵は、気にならないんだが、一人だけ、強烈なやつがいる。そいつが来たときだけは、母には悪いが、暴れまわる。まさか、魔法は使えないし、それなりに狭くは感じるから、臨月までもう少しの時期だろう。そんな時に、暴れまわるから、母親はキツイだろうが、少しでも、そいつから離れたくて、動く事を選択したわけだ。

しかし、まわりは気付いてないのか? あんだけ、気味の悪い気配をしてるっていうのに・・・。

時々、母親の優しい声と、父親らしき男の人の声がする。母親は、優しい声で、話し掛けているのが分かって、父親はおっかなびっくりが丸分かりの声だった。残念ながら、子供の声はまだ聞いた事がない。

つまり、だ。自分が、最初の子供ってことなんだろーな。


しかし、暇だ・・・・・。


母親が公務をしているのを、俺はいい子で聞いていたりするんだが、結構、ファンタジーな単語が聞こえてくる。何故か、日本語で・・・・・。後から気付いたんだが、この世界、多分だけど、日本語が共通語なのかも?


『孤児院への訪問は、代理を出しましょう・・・流石に、今の状態では、城を出るのに許可が降りないでしょう』


母親はかなり、思慮深い人のようで、父親も指示を出したりしてるのが僅かに聞こえる。どうやら新しい両親は、偉い人のようで、ちょっとばかし、不安である。


はぁ、早く外に出たい!


新しい両親は、優しい人たちなのは、分かったけどさ。たまに来る、嫌な気配のやつ、こいつは嫌いだ。母には悪いけど、あいつが来ると、暴れてしまう。この度に、辛そうな母には申し訳ないが、あれは無理だ! こう、気持ち悪い気配なんだよ、こいつは! 生理的に無理!


『愛しい子、大丈夫だから、暴れないのよ? 大丈夫、大丈夫よ』


自分が一番苦しいだろうに、優しい声でお腹を撫でているのが分かる。

ーーーーーごめんよ、母さん。親不孝な子供で。


『大丈夫かっ!!』


あ、父親の声がして、何かフワッと浮いた気がする。多分、父親が母さんを抱き上げたんだと思う。おぉ、父親は筋肉ありありの人らしい! 生まれたら、楽しみだ☆


『陛下っ・・・だ、大丈夫でっ・・・!?』


『少し横になりなさい、お前も大丈夫だから、落ち着きなさい』


優しい温かい物が、お腹に触れたのが分かった。母さん、本当にごめんよ。臨月に近いのは、中にいる自分が良くわかっているんだ。結構、狭いからな。多分、もうすぐ生まれるくらいは、何となくな。


『早く生まれてきてね、愛しい子』


優しい母さんの声が、胸に染みる・・・! 本当にすまん、母さん!



◇◇◇◇◇



それからしばらくは、穏やかな日々が続いた。

断片的に聞こえた話では、臨月に入ったらしく、母さんは部屋で大人しくしている事が増えた。たまに歩いてるのは、揺れるから分かるけど、何より嬉しいのは、アクダッチャーとかいう宰相が来ないので、僕は安心して穏やかに過ごしていた。

・・・・・んだが、先程から何かおかしい。

今まで俺を守ってくれていた膜が、段々と小さくなってきているんだ・・・・・。

これ、産まれるって事か!? やべぇ、頭がイテェ・・・・!!? 小さくなっても、早く出ろって言われるみたいに、狭いところを俺は通ってる。痛い! それに尽きる!

長い拷問のような痛みを味わいつつ、俺は無事に外に出た。勿論、産声もしっかりとやりましたとも!!


いてぇ!! もう、ぜってぇ、やだっ!! 神様、やっぱりこれは早すぎだよ・・・・・!!


内心、グチグチ言っていたら、気付けば綺麗な姿で、ベットに寝ていた。アハハ、早いねー・・・。

と、目の前に、綺麗な紫色が見えた。


「フフフ、お母様ですよ? やっと会えましたね、愛しい子」


まだ上手く見えない視界でも、紫色は意外と目立つ。優しい声も、表情も、それが本当と思うくらい、慈愛に満ちていて、聞いていて安心する。


「父上だぞ? まだ名前が決まっておらんのだ、愛しい子よ、本当に小さいなぁ、抱き上げるのが怖いわい」


「あら、名前は早く決めないと、抱っこはゆっくり慣れましょう?」


父よ、お腹の中でも思ったが、尻に敷かれてないか・・・? 家族仲がいいのは喜ばしいが、母には逆らわない方が良いかもしれない。何て、呑気に思っていたが、いやー、僕、ようやく気付いたんだよ。


自分が、王子様ってさー・・・・・。ありえねぇ。


まぁ、魔王とは言われてたよ? でもさー、魔族国の王様の息子、つまり正真正銘の王子様!!


はあ、これから恥ずかしい羞恥プレイをやらないといけないのかぁ・・・・・。


いつもお読み頂き、ありがとうございます♪

作者の秋月煉です!


魔王視点、次回も続きます。咲希ちゃんたちとの出会いまで書いたら、本編に戻ります。皆様、薄々気づいているかもしれませんが、黒の魔王様も、そろそろ出すかもです。

さてさて、咲希ちゃんたちまで、長い気もしますが、次回も宜しくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 絶対の王という訳でなく、「国王」とか「大統領」的立場なんですね。
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