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第177話 魔王様、いらっしゃいませ?

いつもお読み頂き、ありがとうございます!


『こんにちは! 勇者さん!』


このカオス漂う場を、見事に凍りつかせた声は、元気いっぱいなご挨拶でした。うん、挨拶は大切だよねー。

って、ちょっと待て!?



こ の 声 は 、 ど っ か ら 聞 こ え た ?



「隠れてないで、出てきてくれないかしら?」


思ったよりも、硬い声が出た。当たり前でしょう? いくら、カオスな現場に居ようと、あたしらは、特に、あたしと翔太は、気配が読める。翔太を盗み見たら、気付いた翔太に首を横に振っていた。そんな二人が揃って、気配が読めないなんて、おかしいどころか、異常よ!?

ちなみにだけど、優香ちゃんはもう少しで習得しそうなんだよねー。流石、道場の娘さん・・・。


『あっ! ごめんなさい! 失礼でしたよね』


そんな言葉と共に、あたしの真ん前に、ポンッという音と白い煙と共に現れたのは。




「「「「「子供?」」」」」




そう、まだ幼さが残る、本当にお子様でしたよ。多分、3才とか、そこらへん。まぁ、誰も警戒を解かないけどさ。だって、このお子様、おかしいもん!

まず、髪色。綺麗な白い髪なのよ。こっちの世界に来て、初めて見たわ。それに、髪がさらっさらなの。羨ましいわよ、本当に! 目の色は、淡い紫。キラキラの瞳は、神秘的で美しい。顔立ちは、将来が楽しみな感じに整っていて、可愛らしいの。服装は、ゴシック系のタキシードかな? 白で統一されてるし、アクセントになっている、紫色のクロスタイは、中々にお洒落である。


「君が、話してたの・・・・・?」


思わず、唖然としたまま、小さな子供に聞いてみる。


「はいっ! 僕です!」


元気いっぱいの、小さな子供は、大変いいお返事でした。思わず、いい子だわぁ、と思ったけど、戸惑いが大きいわ。翔太もかなり困惑してるし。殺気も敵意も無い、可愛らしい子供を、攻撃はしにくいのよねぇ。

・・・・・まぁ、殺気や敵意があったら、ちゃんとお相手するけど。


「初めまして! 僕、魔族国から来ました、白き魔王です! 宜しくお願いします!!」





「「「「「「「・・・・・え?」」」」」」」





今、この子、さらりと言ったけど、なんつった!!!?? えっ? えぇ??


「貴方が、魔王・・・?」


驚きに固まったまま、優香ちゃんが呟くように言った言葉にも、魔王くん、うん、魔王くんでいいや。彼は、ニッコリ笑って、はいっ! って、大変元気よく、お返事して下った。

可愛い! 可愛いよ、魔王くん! 威厳や魔王の敵対説どこいった!?


「で、白き魔王様が、何でここに来たんだ? ここには、咲希が張り直した結界があるはずなんだがな?」


呆れた様子の翔太の言葉に、あたしもハッと気付いた。


「そういえば、何で平気なの? ここの結界は、許可無き存在には、入れないようになってるのに」


疑問を聞けば、何故か不思議そうな、魔王くん。はて、おかしな事を聞いたかな?


「ん? えーっと、多分、チート? 神様からの贈り物? とかあるから、かな?」


・・・・・うん? 困った顔で、何やら、此方の世界には無い言葉の羅列が来たぞ??


「お前、転生者か?」


翔太の目が、キラキラしてるのを、敢えて無視して、あたしは魔王くんを見る。


「っ!? え、えーっと、はい・・・、多分、皆さんの居た地球からです」


あぁ、まさかの同郷様が、まさかの魔王! 白き魔王様って、人間と仲良くするって神託が来てたわよねー。でもね?


「・・・話しちゃって良かったの? ここ、勇者だけじゃないわよ?」


フランツ様は王族、それに付き従う側近たる、トーヤ様と、リゼス様。更に護衛の方がチラホラ。更に、他国の王族が居るわけで。自分の事を話すのは、かなり危険じゃないかな??


「あ・・・んー、でも、皆さんなら大丈夫でしょう? 魔族国は、人間界に向かって、世界統一を言ってますけど、僕には正直、荷が重いですし、普通に魔王するのもしんどいのに、戦争とかいらないです」


いやいや、魔王くん!? ぶっちゃけ過ぎでしょう!?


「そういえば、アクダッチャーって宰相がきっかけだっけ?」


前に捕まえた魔族さんから、オハナシアイで聞いたんだよねー。いやー、色々と話したら、感動で泣いてくれるし、あまりの素晴らしさに、騒ぎ出すから、騎士様もビックリしてたわー。最後には、気絶しちゃったし、いつの間にか、脱走されちゃったけどねー(笑)


「あぁ! あの真っ黒男!」


ポンッと手を打つ魔王くん。いやね? 自国の宰相様に、真っ黒男はないんでないかな?


「えっ、魔王さん? それは流石に・・・」


和馬くんから、ツッコミもどきが入るけど、自己だったの秘密を話したからか、魔王くんは妙に饒舌である。


「いやー、あんな真っ黒男、嫌に決まってるじゃないですか! 父と母が庇わなかったら、僕が辞めさせてましたよ!」


・・・・・・何があったのかしら? 妙にアクダッチャー宰相に対して、その、嫌いって感情が、漏れ漏れなんだけど??

あたしらの疑問に気付いたのか、魔王くんは何故かとっても可愛らしい笑顔になる、んだけど、・・・あ、あれ? 目がすわってない??!


「・・・お腹の中に居た時から、気持ち悪かったんですよねー、あいつの気配、だから実物見た時に、神様の言ってる意味が分かっちゃったというか」


あぁ、これ、あれだ。魔王くん、神様にお願いされて来たんだね。で、まさかまさかの、お腹からスタート的な?


「・・・・・う、うん?」


優香ちゃんは意味が分からなかったみたいで、可愛らしくくびを傾げていますよ。和馬くんは、逆に意味が分かったからか、魔王くんに怪訝な表情になってるし。翔太は相変わらず、キラキラした眼差しを向けてた。

・・・・・ヤバい、やっぱりカオスな空気よね!?

取り敢えず。


「詳しい話、座ってやらない?」


勿論、あたしの提案はすんなりと通りましたとも。やっぱり皆さん、混乱してたわね?


「爺は、爺は、どうしたら・・・!」


あ、忘れてた。ま、まぁね? 最初は、この方を落ち着けよう!

読了お疲れ様でした!

やっと、ここまで来ました! 長かった、ここまで本当に長かった・・・・・。

ここまで来れたのも、皆様の応援のお陰です。本当に感謝いたします。

次回も、宜しくお願い致しますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 白の魔王… むちゃくちゃ、友好的なんですが。
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