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第175話 発表と対策と王子様です

お待たせしました!

今回は、はぃ、こうなりますよねー。


ーーーーーーーーーーえ?


今、この方は何を言いました?? あたしが聞き間違いじゃなければ、間違いなく、こう言ったわよね・・・・・?


『魔王が誕生した』


と。そう、言ったわよね!?


「宰相殿・・・、聞き間違いでなければ、魔王が誕生したと、そう聞こえたのだが・・・」


席に座っている一人、多分、大臣様が、顔をひきつらせながらも、宰相様に問い掛ける。うん、あたしも信じられないわ。


「間違いなく、言いましたよ」


そう、さらりと言った瞬間。





『『『『『はぁぁぁぁ~~~~~~~~~!!??』』』』』





盛大にハモった。いやー、懐かしいわね。この国、本当にノリがいいわぁ。思わず遠い日を思い出しちゃったよ! 現実逃避というか、なんというか・・・。


「咲希さん、黄昏てる場合じゃないよ! 魔王が生まれたって事は、僕らは戦いに出るって事でしょ!?」


和磨君、大いに慌ててるけどさー? 辺りを気にして、一応、小声だったけどさ。その為の場所でしょうが、ここ。それに、神殿側では何かを隠してるみたいだし?


「大丈夫、その為の話し合いだものーーーーーさて、神殿の皆さんは、何か話してない事あるでしょ? 誕生したのは、白き魔王で、神様から協力でも求められたかな?」


「な、何故、それを!?」


あ、やっぱり合ってた(笑) それに、これ、神殿側にはかーなーりー、不味いんじゃないかな?


「神殿長様、貴方、神様を騙そうとするなんて、凄いですね? わざと言わないで、魔王を両方倒せたら・・・なんて、考えてません?」


ニッコリと笑顔と共に、殺気も送ってみる。多分、神殿にいるから、殺気なんて縁も所縁もないかなー? って、思ったんだけど、やっぱりそうだったみたい。明らかに動揺したものね? ついでに、回りにも飛ばしておく。余計な事を言われたら、困るしね。


「神様から協力を言われたのに、言わないなんて・・・神様は貴方を許してくれるんでしょうかね?」


クスクスと、笑いながら言えば、彼らも不味い事態だと、やっと気付いたらしい。いや、本当に知らんよ? あたしは、夢で神様に会っているからねー? あの方が、君らを赦すかは、あたしも分からないし。


「まぁ、神殿からしたら、神の敵である魔王と協力なんて、嫌なのは分かるけどね? 神様に使えるならば、やったら駄目って分かるでしょ?」


呆れて言えば、流石に思うところがあるのか、神官様達は俯いてしまったわ。まぁ、こっちはいいとして。いや、よくはないけど。あたしはこれには関係ないからね~。まぁ、がんばれ?

神殿も一枚岩じゃないって事かな?


「サキ殿、正直言いまして、我々は、白き魔王とどうすればいいか、分からないでいます」


宰相様の言葉に、辺りも同感だからか、皆でうんうんと頷いている。本当に揃うな、ここの人達!(笑)


「確かにそーよね? 今更、白き魔王と仲良しにって、言われてもねー」


とりあえず、今回の事は、これに尽きる。当たり前だ、この国もだけど、各国も、魔族による被害が多かったのだから。特に、クラリオン王国は、あたしらが召喚される前から、色々と被害を受けていたのだ。今更、神様から仲良くと言われても、頭を抱える案件になるわけですよ。

宰相様も、これは中々に無理がある話なんだと、理解できているから、頭を抱えていた訳である。


「そういう訳で、我々は、今後の方針を早急に決めなければならないのですよ」


宰相様は、これがこの国にとって、かなり不味い事態である事を分かっている。だからこそ、早急に対策をと考えている。あたしもこれは、賛成だね。

ーーーーーでも。


「魔族の動きが、分からない以上、あたしらは動けないわね」


この一言に尽きる。

まさか、魔族の住む大陸に、殴り込みをかけるなんて、危険な真似は出来ないしね。交流がない以上、あたしらは危険を置かす訳にはいかないの。自分達の国が優先だもんね。

と、何やら廊下が騒がしい。緊急の場合、ある程度は見逃されるんだけど・・・。その割には、おかしいんだよねぇ?


「ふむ、何事だ!」


この場の決定権がある陛下の言葉に、扉に控えていた騎士さんが、廊下へ向かう。しばらく静かになってから、先程消えた騎士さんが入ってきた。ただし、顔には困惑がありありと書いてあるけどね。


「陛下に申し上げます、只今、北のウエステリア国の勇者様、スザリオン・デル・ウエステリア様が要らしており、陛下に火急の面会を願い出ております」


聞き耳を立てていた皆に、一気に微妙な空気が流れる。あたしも同じく。いや、普通ならあり得ないからね? 神殿から連絡が来たのは、多分、他国とて同じタイミングだったはず。今頃、会議してると思うんだ。何処の国でも。共闘するか、国を優先するか、対応はまちまちだと思うし。

まぁ、共闘するにしても、ちゃんと手順があるんだよ?

まずは、うちらが今現在やっている、今後の為の話し合い。方針を決めなきゃ、駄目だからね? で、もしも、共闘するならば、そこで使者を出す訳よ。その次は両国を含めた話し合い。

だからこそ、今来るのは違和感なんだよね~。多分、スザリオン王子の独断だと思うわ。


「ふむ、スザリオン王子だけかね?」


「いえ、ここにいらしているのは、スザリオン王子様とグリズー団長殿です」


「ふむ、あい分かった、通せーーーーー意見を聞いてみたい」


陛下の許可が下り、スザリオン王子とグリズー団長が通される。ただし、彼の立ち位置がいまいち分からないため、皆の顔は歓迎モードではないけどね。

通されたスザリオン王子は、あたしとは初めましてにあたる。まぁ、部屋から基本的に出ないあたしと、客人であるスザリオン王子は、基本的に会うことはない。だから、今が初めましてである。

スザリオン王子は、かなり顔立ちが整っている方だと思う。まぁ、着ている物も、今は王子様らしい服装だし、後ろに控えるグリズー団長も、その、熊さんみたいに見えるけど、やっぱり、王子様に使える人なんだなぁって思う。


「クラリオン国王、急な面会に許可を頂きまして、ありがとうございます、スザリオン・デル・ウエステリアです」


おぅ、まだ7才って聞いてたけど、凄いわ。ちゃんと、礼儀正しく動けるのは、教育の賜物だろう。同い年の頃、あたしは何をしてたっけ?

・・・・・あ、その頃は修行の日々だわ。思い出すんじゃなかった!


「ふむ、してスザリオン王子? 至急の面会、何事かな?」


あたしが、過去を思い出して、げんなりしている間に、話はトントン拍子に進んでいたらしい。


「・・・・・成る程、魔王誕生の報告により、国に帰国すると」


話をまとめると、そういう事らしい。まぁ、今は何処の国でも、魔王誕生の報告で、国で対策を練っているからね。勇者には、国に居て欲しい訳だ。


「・・・咲希さん、さっきから百面相してるけど、大丈夫?」


近くに座る和磨くんに、呆れたような、心配するような、微妙な顔を向けられた。えぇ? 何その顔。ショックなんだけど。なお、回りに気を使って、小声での会話である。


「取り敢えず、微妙なその顔やめて・・・何か凹むから」


げんなりしてたら、彼方の話は終わったらしい。スザリオン王子の挨拶が聞こえて来た。


「陛下、お許し頂ければ、その・・・勇者様方にご挨拶してから参りたいのですが、宜しいでしょうか?」


やはり、ストレートに、はい、さようならとは行かないらしい。まぁ、顔見知りも居るからね。スザリオン王子としては、挨拶だけはしたいんだろう、帰る前に。


「ふむ、構わんぞ、勇者殿方は少し挨拶してくるといい、しばらくは忙しくなり、会えんだろうからな」


ちらりと見た王様は、優しい目付きだったから、気を使ってくれたみたい。うん、何か恥ずかしいな。


「ありがとうございます!」


嬉しそうなスザリオン王子に、犬の尻尾と、耳が見えた気がしたわ・・・。

そんな訳で、あたしら四人は、スザリオン王子と一緒に、別室に案内された訳なんですがね? 勿論、勇者の侍従たる、ファイさんと、今日はユリーさん、リリーさん、ジークさんが一緒である。

そして、部屋を皆で訪れた部屋で、あたしは内心絶叫した。



・・・・・お約束は、いらないと思うんだ! あたしは、普通を希望します!!




お読み頂きまして、ありがとうございます!

今回は難産でしてね? ようやく書けて、ほっとしております。

次回は、ウフフな展開を出すつもりです! 

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― 新着の感想 ―
[一言] おおう・・・ めんどくさいなあ・・・ でも、「白の魔王」って?
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