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第174話 始まりの神託と誕生です

お待たせしました!

やっと、書けました!! やっと、予定通りに戻ったー!!

式神様との会話で、神殿で何か起きたのは分かったけど、神託とやらの内容が分からないと、こちらはどうしようもない。うん、後回しね。急ぎなら、王城に来るでしょう。

あたしの後ろでは、ファイさんが、勇者の侍従として、控えていたり。ファイさんは、式神様に何故かあっさりと慣れ、今も会話に入らないで、静かに控えている。まぁ、王様には報告されそうだね。どうせ、式神様の声とかは聞こえないんだけど。あたしらは、勇者とは言え、監視対象だからね。


「内容は仕方ないとして、不審者とかは大丈夫かしら?」


『・・・そちらには、我々の出番はないかと』


『うちらかて、あれは哀れに思うさかい・・・』


何故か力ない二人の言葉を不振に思いつつも、ふと、そういえばあたしが結界のエラーを全部、根性で直した事を思い出したわ。アハハ、そういえばこの城、とんでもない結界が張られてたんだよねー・・・。作ったやつ、絶対に性格悪いだろう!

そこまで思い出して、背筋に冷や汗が。


忘 れ て た !


「ま、まぁ、侵入者だもんね! 敵に情けは必要ないよね!」


うん、ごまかそう! あれはそーゆうもん! あたしは本来の姿に戻しただけよ。うん、決して関係ない!


「二人には悪いけど、もう少し、見回りをお願いね」


『『御意』』


そのまま、風に消える翠嵐と、影に消える龍。さて、ファイさんと一緒に、会場に一回、戻りますかね。


「ファイさん、一回戻ろう」


「はい! では、エスコートさせて頂きます」


ニッコリ笑うファイさんは、本日、夜会用にちゃんと着飾っている訳で。勿論、勇者の侍従の夜会用制服です。ファイさん、イケメンさんなんですよ! カッコいいんですよ! だから、エスコートしてもらうと、やっぱり恥ずかしい・・・。複雑な乙女心なのよ。


「あ、ありがとう・・・」


照れ臭い・・・。まぁ、そこは、貴族生まれのファイさんな訳で。大変スマートにエスコートして頂けました。はい、カッコいい! 勇者の侍従用制服夜会バージョン、大変目の保養なり~♪ 藤色は、勇者の侍従のみ着れる色だから、一発で分かるからね。

ファイさんと一緒に戻ると、何やら会場に漂う空気が違う。


「あら、随分と穏やかね?」


さっきは、まだ賑やかだったのに。


「既に皆様、別室に向かわれたかと・・・」


しれっと言ったファイさん。何やら静かにお怒り中かな?

でも、成る程。お叱りを受けた皆様は、別室に行ったと。会場に居ても、ねぇ? 恥ずかしくて居られないわ。それに多分だけど、今現在、別室では取り調べ中なんじゃないかな? 今回の事は、国王の顔に泥を塗った訳だし?

・・・・・果たして、国王の顔に泥を塗った皆さんは、どんな取り調べが待っているのやら。何故か、騎士の皆さんがヤル気をみなぎらせているし・・・。ヤル気が、殺る気、じゃないことを祈りたい。ファイさんまでが、視線が冷たい。忠誠を誓った方の顔に泥を塗った。まぁ、楽な取り調べじゃないよねー。

うん、あたしは貝になろう。自業自得だもんね。


「サキ様」


うん? 会場に入ったら、呼ばれたんだが、誰に呼ばれたのか、分からないんだよねぇ。辺りをキョロキョロしてたら、藤色の制服が見えた。あぁ! やっと見つけた!


「ユリーさん?」


こっちの世界の皆さんは、背が高い。だから、背が低いと、見つからないなんて事が起きるんだよねー。ユリーさんこと、ユリアスさんは、未だに成長途中だから、周りよりも身長が低いんだよね。侯爵家の末っ子で、中級魔術師。かなり優秀な子で、その年で中級は異例の速さなんだそう。今日の服装は、魔術師の夜会用制服。うん、こっちも美形だから、目が幸せだわ(笑)


「サキ様、探しました」


「何かあった?」


探すなんていうから、思わず身構えちゃったわよ。顔が笑顔だから、ちょっと気が抜けたけど。


「よろしければ、休憩室へ如何ですか?」


「・・・・・分かったわ」


何故に休憩室? というか、今、バルコニーに居たのに、また休憩??

ファイさんも何も聞いてないからか、顔は笑顔だけど、何処かいぶかしんでいる。てか、耳元で話してるから、人目が殺到して恥ずかしいんだけど。


「何かあったのでしょうか?」


「・・・さあ?」


そして、案内されたのは、明らかに休憩室じゃなかった。


「ユリーさん? どこ行くの?」


あたしが立ち止まって、険しい顔で聞くと、ユリーさんはようやく話してくれた。


「申し訳ありません、陛下よりのご命令です、詳しくは付いてからになりますが、他の勇者様も向かっております」


成る程、何かあったのね。急に我々を呼ばなくてはいけない何かが。恐らく、神殿絡みよねー。タイミング的に。


「分かったわ、確かにパーティーでこれ以上の話題提供はしないほうが、得策だわ」


あの会場では、間違いなく、今回の騒動の噂が、尾ひれや背鰭や胸鰭まで付いて、加害者側に付きまとうだろう。今回、バレなかった家は、あたしが告発出来るだけの証拠を握っているからね~♪ あたしのストレス発散に、付き合ってもらうんだ~♪♪

と、話題がそれた。


「此方です」


開けられた扉の先には、既に席に付いた、国の中心の上層部の方々。うん、一斉に見られると、ヒヤヒヤしますわ。


「ふむ、勇者サキよ、すまんな、急な呼び出しで」


「いえ、お話があるとの事ですが?」


「全員が揃ってからとなる、席に着かれよ」


あら、やっぱり、神殿絡みっぽいわよね? 明らかに、顔色が悪い神官様が数人、部屋の隅に控えているんだもの。席に案内される途中、辺りをそっと見渡す。部屋の中は、かなり広く、会議室だと思う。広い円卓があり、国王が一番奥の席に座り、その近くに宰相様が座ってる。王妃様やエリー様は居ないから、呼ばれてるのは、ほんの少しなんだと分かったわ。あたしの席は、入口近くだから、観察には持ってこいね。

あたしの近くには、勇者であり仲間である、優香ちゃん、和磨君、翔太が座っている。


「咲希、何で呼ばれたのか、分かるか?」


翔太も分からないみたいね。


「うーん、予想はあるんだけど、よく分からないのよね・・・」


そう、神殿絡みは予想出来たけど、肝心の内容は分からないし、それに、神官様の顔色が悪いのよね。それが気になるのよ。

そして、全ての席が埋まった。


「さて、皆さん、お集まり頂き、ありがとうございます」


宰相様の言葉で会議が始まった。思ったより、宰相様が落ち着いてるのが気になるわ。


「実は先程、神殿で神託が降りました、その事で、火急の会議が必要なのです、神殿の皆様、内容をお願いします」


やっぱり、神殿絡みか。って事は、内容はあたしでも予測できる。


「み、皆様・・・、わ、わたくし、神殿に務めます、神官長のリーバスと、も、申します・・・」


ん? こっちは動揺し過ぎじゃない?? 大丈夫なのかしら?


「さ、先程、神殿に神より神託が降りました・・・」


余りの顔色の悪さに、神殿の神官達が、神官長を心配そうに様子をチラチラと伺っていた。大丈夫よね?


「内容を申し上げます・・・」


『白き魔王が誕生する、祝福せよ、世界の平和のため、黒き魔王を探しだし、何としてでも倒せ、黒き魔王は世界を滅ぼすだろう』


「との、事です」


辺りがシーーーーーーーーーンとなった。勿論、あたしも思わずポカーンとしたわ。誰だって、予想外なのよ。


何よ!? 白き魔王って! つーか、黒き魔王!? なに者よ、それ!!

多分、皆様の内心はほぼ同じだと思う。

そんな微妙な沈黙が漂う空間に、宰相様の冷静ながら、何処か疲れた声が響く。


「更に悪い知らせが、来ています・・・はぁ」


深いため息を吐いた宰相様は、何だか老けたみたい。後で何かを差し入れしましょうかね。でも、次の宰相様の言葉で、あたしの中からそれは綺麗に吹き飛んだ。


「魔王が誕生したと、魔大陸で発表されましたっ!」




ーーーーーーーーーーえっ?



お読み頂き、ありがとうございます♪

作者の秋月煉です!


お話は、いよいよ、最終章に参りました! そう、皆様。やっとこさ、魔王様、誕生なんです!

・・・・・随分と遅くなったなぁ。

さて、次回はどうなるやら。次回も宜しくお願いします♪

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[一言] えっ!? 白き魔王!? 誰それ!?
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