第173話 事情説明と始まりの神託です?
お待たせしました! とりあえず、ようやっと、当初の予定に戻りました!
ウフフ、さぁ! 始まり始まり~♪
王様からお叱りが各家にあった後、ざわめきの中、パーティーは未だに続いていたり・・・。
で、あたしは王妃様の元、お話中。うん、逃げられなかった! フランツ様に、エリー様までいるし、他の王子や王女様方も、興味深そうに、こっちを見てますとも。
・・・・え、あたしは見せ物かい?
「そういえばフランツ様? 気になる事があるんですが」
「なんだい?」
「よくあの継母は、実家に帰れましたね? 普通は拒否しません?」
気になる事を聞いたら、何故か、ニヤリと見える笑顔をされたんですがね? 思わず、顔が引きつったんわ! 何があった!?
「あそこ、男爵一家はまともな人達なんだ、本当に、血の繋がりがあるのか、気になるくらいね?」
ん? 血の繋がりがある・・・? まさか!
「出戻りで、訳ありで、色々問題ありな人が、ありえないはずの実家に帰省できたのが不思議でした、そこにはまともな一家がいて、確かに疑問がありますね? まともなら、拒否しますでしょ? でも、実際は出戻りが出来た」
こんな問題児親子、いらないよ? 普通はね! 笑顔で言っちゃうわよ♪
「だから、だよ・・・まともな一家がいるんだ、彼女が本当に血を引いていたとしても、今後は兄一家と比べられる、血の繋がりがなければ、追い出されるだけだ」
うわぁ・・・、確かに、まともな一家を知ってる皆さんは、彼女達を受け入れないだろう。家単位で、彼らを見る人達は、最初から付き合いがないだろうし、ここは男爵家。大事にすら、ならないだろう。まぁ、娘は婚約者も居るし、母親は片田舎で暮らすしかないだろう。今後の社交界に、彼らの居場所等ないのだから。
「あの継母、まだ諦めてませんでしたが、大丈夫なんでしょうか?」
先程の遠目で見た継母は、未だに諦めてなかったように思う。まぁ、あれだけ冷たい視線と、色々な悪口を言われ続けて、未だに諦めていないその根性には、あたしも拍手喝采だよ?
「まぁ、男爵には引き受ける代わりに、ご褒美をあげるからね、管理をしっかりしてくれるだろう、あの妹も婚約者と結婚すれば、家を出るんだから、問題ないよ」
あぁ、そういえば、まだ未成年でしたっけ。元妹さんは。あれ? でも、男性はちゃんとした成人なのかな?
「あの、フランツ様? 元婚約者って、成人してますよね?」
「ん? まだ、18歳には成っていなかったんじゃないかな?」
そういえば、この国って、成人は18歳でしたっけ? オリビア嬢も、17歳って言ってたから、同い年での婚約だったのか。ってことは、だ。
「元婚約者って、ロリコン・・・?」
思わず、顔をひきつらせたあたしは、悪くないと思う。だって、元妹は14歳な訳で・・・。まだまだ、子供なんだよ? 成人間近な人が、子供にそういう感情を持つのは、危険なんじゃ・・・?
「サキ殿? ロリコン? とは、何だろうか?」
フランツ様に聞かれて、慌てて意識を戻す。おっと、これは説明しないといけないか。まぁ、あの元婚約者には、素敵な今後になるだろうし♪
・・・・・誰も、特殊性癖の人となんて、関わり合いなんて嫌すぎる! 特に、対象の娘を持つ父親は、必死に距離を取るだろう。娘が可愛いならば、尚更に。
「ロリコンとは、我々の国の言葉で、幼女や子供に恋愛感情を持つ方々を言います」
そう言った瞬間、空気が凍り付いた。此方に聞き耳を立てていた方々も、余りの意味に凍り付いたみたいだね、一緒に。
「・・・・・え?」
聞いたフランツ様も、余りの意味に呆然としているわ。まぁ、ねぇ?
「これから大変ですねぇ? 彼女は成長しますし、ロリコンだった場合、今の婚約者を捨てて、新たな恋に生きるかもしれませんし? 実際、彼はそれを平気で行っているわけですし・・・・・両思いと言う訳でもないみたいですから」
説明してみたら、今後のその可能性に、気付いてしまったんだろう。慌てふためく一部の方々と、未だに唖然とする方々に、綺麗に別れた。他人事じゃないわよ? 確かに、虐待はいけないことだけど、婚約破棄は家にダメージを与える場合とてある危険があるのだ。これは契約、守れない家にいい評判なんて、絶対につかないんだから。
「ですから、ご教育は大切でしょうね、家の評判を落とす、バカに成ったら大変ですもの・・・娘が虐待親になったら、旦那と親の責任ですし、婚約破棄を平然とするなら、親の教育が疑われますからね」
あたしがそう言えば、辺りは考え込んでしまった。今回の騒動は、他人事じゃないのである。今日は帰ったら、教育に関して、かなり話し合いをするだろうなぁ。学校も他人事じゃないからね。授業内容に、変更とか出るんじゃなかろうか? 貴族の義務、意味とか、基本的な部分を見直すかもしれん。
なお、この国の学校は、平民は地方の民間学校。貴族は王都の貴族学校に別れる。唯一、例外なのは、騎士等を目指す人達の学校と執事やメイドさんを専門にする学校。こちらは貴族も民間も入るため、完全実力主義である。騎士は全部で5学校あり、競争率はかなりのものらしい。執事やメイドさんの専門学校も5学校あるものの、こちらも中々に難関らしく。実力主義ゆえに、貴族であっても授業に付いていけず、辞める者までいるらしい。うん、この国のメイドさんが皆さん、素晴らしい仕事な意味を見た瞬間だった。
「サキ殿・・・? やけに理解があるようだけど・・・??」
フランツ様、顔が引きつりつつ、それでも気になったらしい。まぁ、ねぇ?
「あたし、向こうで色々と、社会の闇を見てましたからねぇ・・・こればかりは、立場ゆえですから、お気になさらず」
こうとしか言えないよねぇ。陰陽師なんて、皆さんは知らないし、あたしも説明できる自信がないし。別世界の事だからね。だから、こうしか言えないんだよね。世界の壁は厚い!
「そ、そうか」
「はい、・・・あ、フランツ様? ちょっと、バルコニーに行きたいのですが・・・」
「構わないが・・・何かあったかい?」
急に言ったから、不思議そうにしてるわね。アハハ、すまないわね。式神様の気配がするから、ちょっと報告を聞きたいのよね。
「いえ、所用に行くだけです、あぁ、勇者の侍従を連れて行きますから、ご安心を」
近くにファイさんが居たから、ちょうどいいわ。王家には報告が上がっているだろうけど、式神様を直接、見せたくないのよねぇ。この世界にない技だから。
「あぁ、構わないよ・・・すまないね、疲れただろう、少し休んでくるといい」
「はい、ありがとうございます」
全然疲れてないけどね! 穏便にやるなら、ナイスな手だ。フランツ様、ありがとう! ・・・・・多分、王族と一緒に居たから気疲れしたと思われたんじゃないかな? ごめんなさい、全く違います! あたしはピンピンしてます!
とはいえ、無難に退場出来るから、直ぐにバルコニーへ行く。
「達、翠嵐、報告を」
あたしがパーティー前に、情報収集の目的で放したんだけど。さてさて、何の報告かしら?
『では、我が・・・どうやら、神殿で何かあったようです、神官達が慌てておりました』
『うちが聞きました内容なんやけど、どうも、久しぶりに神託が降りはったみたいや』
うーん、神託ねぇ? そういえば、神託を降ろすって、夢で聞いたような気がするわね?
「神託の内容は分かる?」
『残念ながら』
『流石に奥の声は聞こえんよ・・・それに、神殿は別の神の住処や、うちらもルールがあるさかい』
あぁ、確かにそれは無理だわ。うーん、神託なら、最終的に王城へ来るだろうし。あんまり焦らなくてもいいかな?
必要ならば、呼ばれるだろう。
お読み頂き、ありがとうございます♪
作者の秋月煉です。
いやー、予定に無かった話を入れたら、神託のお話まで、時間がかかりました(;^_^A
次回からは、ちゃんとした路線に戻ります。さぁ! 魔王誕生編スタートです☆