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第170話 お披露目はインパクトありました(笑)

お待たせしました!

次回は誠意執筆中です!!

狙い通りに、元婚約者を釣って、ダンスをしながら、会話をしている訳だが。これ、以外と難しい(笑)


「何でも、とある伯爵家で、実の娘を虐げ、血の繋がらない妹を可愛がっていたんですって! 血の繋がりがない事が分かった伯爵は、妹と騙した後添え夫人を、追い出したんですって! 信じられます? 社交界では、この話で持ちきりなのです」


あたしが話せば、元凶の婚約者は、顔をひきつらせた。ふん、この程度で終わらせるつもりはないっ! 貴様らのせいで、あたしは仕事が増えたんだぞ!? 愛しのヒマリとの時間、他の子の世話も、時間に追われて、最小限にされたんだぞ!? この恨み、晴らさずにおくべきか!!


「アマギ殿?」


おっと、いけない。考え込んでしまったようだ(笑)


「申し訳ありません、あまりの酷さに怒りが沸いてしまって・・・」


悲しそうにしてやれば、元婚約者は顔をひきつらせつつも、あたしに下手に反論出来ないためか、当たり障りのない会話をしている。


「仕方ありません、酷い方々のようですから・・・」


そうそう、酷い方々なんだよ? 勿論、君もだからね?


「元の婚約者も、最低な方と伺っていますわ・・・妹の言う事を鵜呑みにばかりして、最後には妹の方に乗り換えたそうです、本当に最低な方でしょう?」


顔を青ざめさせ、更に顔をひきつらせる、元婚約者! やったぜ! 勝ったわよ☆


「でも、妹は実の娘じゃなくて、母親の実家に帰るそうですわ、姉の方は元婚約者より素敵な男性と婚約したんですって! 王妃様が、姉の実のお母様と仲が良かったそうで、婚約者の居ない実家の甥と婚約させたんですって! 政略かと思ったんですが、お互いを思いやる素敵な恋愛をしているそうですわ♪」


今度はうっとりとしてみせたら、知らなかったのか、顔が白くなっていた。ふんっ! 貴様には、男爵家の妹の方がお似合いよ? 貴様が伯爵を継ぐなんて、絶対にさせてあげないんだから。相手は、公爵家。伯爵家の君では、太刀打ち出来ないし、確か、こいつの実家はマトモな一族らしく、こいつは肩身が狭いらしい。伯爵になる予定が、男爵家の娘と結婚・・・だもんねぇ?


「・・・詳しいですね、アマギ殿」


必死に絞り出したらしい声は、かなり震えている。


「あら、だって、王妃様が話して下さったんですもの」


そう、嘘は言ってない。今回の事、あたしは表向き、関わっていない事になっている。だからこその、王妃様! フランツ様、保護はしてくださったけど、そこまでよ? 他諸々は、事態を知った王妃様によるもの、らしい。あたしも、知らなかったけど。この前、エリー様経由で、暴露されましたとも! 知らぬ間に、大事になっていた・・・・・。

そりゃあ、フランツ様が頭を抱えてしまう訳だ。


「お、王妃様が・・・!?」


「えぇ、そうですわ、王妃様は元婚約者さんにカンカンに怒ってましたから、これから大変ですわね・・・」


止めを刺すと、元婚約者さん、顔から血の気が完全に引けていた。まぁ、自業自得よね? だって、未来は暗いよ、って言われたようなもんだからね?


「あら、終わるましたよ、それでは」


カーテシーを綺麗にきめて、あたしは愛想笑いのまま、その場を後にした。見事に彫像とかした、元婚約者を残したまま。



◇◇◇◇◇


side:天上 翔太


咲希を元婚約者に渡しつつ、俺は熱い視線を送ってくる、非常識娘を、笑顔でスルーし、あの指輪のご令嬢を目指す。スルーした際、俺の笑顔に頬を染めた馬鹿妹は、スルーさせるなんて、思わなかったからか、凄まじい顔になっていた。当然、元婚約者にも見られ、叱られている。咲希がわざと怯えた姿をしたせいだが。芸が細かい事で。

つーか、婚約者が居るのに、熱い視線を送るなんて、非常識娘と言われても、文句は言えないからな?


「ごきげんよう、美しい指輪をしたご令嬢、よろしければ、ダンスを如何かな?」


丁寧に話しかけると、最初は警戒したようだが、相手が俺と見ると、パッと嬉しそうに頬を染めた。うん、変わり身の早い事で。


「まぁ、勇者様から、誘われるなんて光栄ですわ!」


嬉しそうに手を優雅に乗せた辺りは、間違いなく、良いとこのご令嬢なんだがな。因みに年齢は、俺より5歳も上。うん、無いな。俺は年上好きって訳じゃない。

曲に合わせて、ダンスを始める。


「しかし、凄い指輪ですね」


自然な会話をしつつ、指輪の話を振る。明らかに一瞬、顔をひきつらせたな。


「ありがとうございます、・・・最近のお気に入りですの」


気まずいようで、スッと視線をそらす。あぁ、一応、悪いとは思っているわけだ。


「何だか、引っ掛けてしまいそうですね、美しい指輪ですから気をつけて下さい」


「え、えぇ、ありがとうございます、気を付けますわ」


その後は、少し雑談をして離れたが、そっと伺えば、流石に俺に言われたからか、指輪を外していた。まぁ、今だけは大丈夫か?


「ん?」


何やら、少し騒がしい。そちらを見れば、やっと理由が分かった。


「咲希のやつ、和磨なみにへし折ったんだな・・・」


ダンスホールに、顔色の悪い男が棒立ちになっている。あぁ、明らかに、咲希だろうなぁ。何せ、棒立ち男は、オリビア嬢の元婚約者なんだから。あ、妹が連れに行った。うん、ありゃ脱落だな。心配の一つは消えたと言っていい。ここまで心をへし折られて、立ち直るメンタルがあるとは思えない。

まぁ、変な恨みを持たないか、だけは気をつけていた方がいいかもしれない。


「さてさて、向こうは大丈夫か?」


和磨に優香、公爵家の三男、しっかり者伯爵令嬢が居て、絡む馬鹿は居ない気がするが・・・・・。無性に心配になったのは、気のせいではないだろう。主に心配なのは、絡んだ側だがな! 再起不能者を量産しないよな!?


「・・・・ストッパー、居たか?」


考えたが、俺は思い付かなかった。まぁ、今回は必要な犠牲として、割り切るべきなんだろうな。

さてと、俺は肉でも食いにいきますかねぇ~♪ 今日は国内の貴族しか呼ばないから、気楽なもんだぜ。



◇◇◇◇◇


side:白鳥 和磨



何度招かれても、このきらびやかなパーティーは慣れそうにない。


「和磨くん、今日は宜しくね」


綺麗に着飾った優香さんは、今日の僕のパートナーだ。その為、ネクタイとハンカチは優香さんのドレスと同じ、黄色になった。似合うかな? 優香さんは、可愛くなったけど。


「此方こそ、宜しくね、優香さん」


僕らの今日の任務は、オリビア嬢の護衛。僕はオリビア嬢と面識があるから、おかしくはない。


「あれ? 咲希ちゃんと翔太くんは?」


入口までは一緒に居たから、気になったみたいだね。


「さっき、挨拶に向かったみたいだよ?」


「あ、そっか! 大切な事だもんね、私もちゃんとしないと」


小さく手を握って、自分を奮い立たせるのはいいけど、優香さん、ここはパーティー会場だよ? 淑女は、そんな事しないはずだけど・・・。


「あ、オリビア嬢ペアが来たよ」


「わぁ! 綺麗な人・・・婚約者さんとお似合いで素敵!」


優香さん、キラキラした目で、二人を見てるから、大丈夫そうだね。視界の端で、翔太と咲希さんが動くのが見えた。あの二人に獲物認定された人物は、大丈夫なんだろうか?


「挨拶に行こうか、優香さん」


「は、はい!」


あれ? 緊張してる? まぁ、無理もないかな? 優香さん、悪意には鈍感だからね。逆に、悪意を向けた側が恥をかくなんて場面が出来上がるんだよね。


「ごきげんよう、オリビア嬢、ご婚約、おめでとうございます」


「あら、勇者様・・・ごきげんよう、わざわざありがとうございます」


お互いに、穏やかな挨拶と、相方の紹介をする。


「はじめまして、神白 優香です」


「公爵家三男、ジークフリートと申します、普段は近衛におりますので、勇者様方の活躍はかねてより伺っております」


挨拶が終わってから、やはりと言うべきか、翔太いわく、フラグが立ったらしい。厄介事は、自らやってきたのだった。


お読み頂きまして、ありがとうございます♪

今回は、読者の方から応援があって、筆が進みました!

ちょっと危なかったけど(笑)

本当に、皆様の言葉は励みになります!

これからも、宜しくお願いしますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[一言] えぐい! 心を殺しまくってる!
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