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第168話 皆で悪巧みをしてます?

お待たせしました!

いやー、あれから書類地獄を片付けて、諸々の手配やら準備やらしていたら、パーティー前日になっちゃったわよ。

どんだけ忙しいんだ、あたし・・・・・。うら若き乙女よ? 残業上等な、サラリーマンでは決してないっ!!

・・・・・はずである。

さて今日は、役割を終え無事に帰ってきた翔太と和磨くんを交え、あたしと優香ちゃん、フランツ様、エリー様と関係者が揃い踏みの、情報交換会を開催中な訳よ。前日になったのは、二人が昨日の夕方に着いたから。会場は、本城の一角にある、フランツ様所有の離宮、その一室を借りたの。極秘の会談には、最適な場所なのよ。ここ、許可の無い人は入れないからね。

で、今は翔太の報告を聞いたとこなの。


「咲希、今は抑えろ」


「あら、バレた?」


翔太に速攻でバレたけど、あたしを含め、この場にいる全員が、同じ感じよ? 普段は穏和な和磨君や優香ちゃんでさえ、目が冷ややかだし。エリー様なんて、笑顔なのに、目が怖い。

まぁ、翔太と和磨君の報告を聞いたからこその反応なんだけど・・・・・。


「だって、父親は今はマシとはいえ、妹が理解してないお花畑で、元婚約者は勘違いバカで、母親は未だに諦めてないとか・・・・・、流石というか、何ていうか・・・・・」


言葉がない、これに尽きる。

継母は、修道院には行ったものの、直ぐに実家へ帰って、社交界へ復帰する機会を虎視眈々と狙っているらしい。彼女の心は、鋼鉄で出来てるんだろうか?? あの夢は、そんな生易しいもんじゃないと思うんだけど?

義理の妹は、夢で寝込んだものの、急に変わった父親の態度が分からず、部屋まで変わったからか、混乱している状態で、未だに寝込んでいるみたい。でも、社交界には出る気満々らしい。・・・・・この親に、この子ありかしら? まぁ、母親は実の娘である妹を、使う気満々らしいから、流石というか、何ていうか。今回は、伯爵令嬢じゃなくて、母親の実家の男爵令嬢として呼ばれてるんだけど、大丈夫かしら?

さて、元婚約者に至っては、念願の妹と婚約したのに、あの夢以降、態度がガラリと変わり、妹を蔑ろにし、姉にアタックする気満々ときた・・・・・。はぁ、本当にバカだわ。現在のオリビア嬢の婚約者は、公爵家のご子息様よ? 三男とはいえ、現在は近衛騎士。部が悪すぎるでしょう・・・。

でも、へこたれない辺り、三人共に残念な方向で、同類とか・・・。


「伯爵家を潰さない為とはいえ、面倒ですわ」


不愉快を隠さない、イライラしたエリー様。手にした扇子が、ギリギリと悲鳴を上げてるけど、大丈夫かしら? そんなエリー様を止めたのは、口元を優雅な笑みに変えたフランツ様。


「落ち着きなさい、エリエンヌ、今回のパーティーで決着を付ける為にも、必要な事なんだよ、陛下が決定を出せば、外野は煩く言えないからね」


そう、これが今回の目的なのよ。伯爵家を潰すのは簡単だけど、少し前に上位の貴族が、数件潰されたばかり。またとなると、貴族達が煩くなるからね・・・・・。まぁ、潰れた分、新たに新興貴族が出来てるんだけど。今回のパーティーは、この方々達のデビュー戦でもあるからね。・・・・・一番のメインは、やっぱりオリビア嬢の話なんだろうけど。

オリビア嬢と同じ境遇のご令嬢や、子息も居るから、家族(笑)は大変だろうね。痛いところをつつかれるんだから。


「オリビア嬢は今回、公爵家の別邸に泊まるそうだ、父親も一緒だから、問題はないけど・・・」


翔太の言葉に、近くに座るエリー様が口を開く。


「まぁ、保護者は必要ですわね、婚約者も男ですから」


微妙な顔のエリー様。お隣のフランツ様も、意味が分かっているからか、苦笑してるし。


「ショータ、カズマ、オリビア嬢の方は大丈夫だったんだね?」


「あぁ、フランツの指示通り、問題なし!」


「ショータ、それだけじゃないだろ、ちゃんと交渉までしてみせたんですから、オリビア嬢はかなり、逞しいですね・・・」


何故か、和磨君からジトッとした視線を貰ったんだけど、何故に??


「交渉・・・ですの? オリビア様が??」


違和感があるらしいエリー様の、戸惑いを含んだ声に、翔太がしっかり頷いた。


「マジだぞ? 和磨は誤魔化し要因で部屋に居て貰ったが、俺が話した内容にもきちんと答えていたし、何よりも、目が違った・・・・・あれは、狩る側の目だ、間違いなく、オリビア嬢は大丈夫だぞ? つーか、咲希は一体何をやらかしたんだ?? マジで以前の面影がなかったんだが!? 聞いていた印象と違ったぞ!?」


へっ!!? あたし!? 原因、あたしなの!?


「あたし、普通にやっただけよ!? マジで知らんわ!」


「んなわけあるか! お前だろ、どう考えても!」


「だから、知らないってば!」


「あの前向き思考は、お前だろ?」


ん? 前向き思考?? はて、確か、戻した時に、そんな暗示をかけたような・・・・・???


「その顔は、心当たりがあるんだな?」


「・・・・・いや、あの、魂を戻す際に、暗示をかけたのよ、その・・・前向きに行けるようにって、あの子、心が死にかけていたから」


そう、あの子の心は死にかけてた。心が弱ると病気になるのは、心が体と繋がっているから。だから、暗示をかけたのよ。前向きに生きていけるように。自然な形で。

あたしの言葉に、彼女の事を思い出したのか、皆が痛ましげに下を向く。


「それは・・・咲希ちゃんが正しいと思う」


皆が沈黙する中、優香ちゃんが強い、まっすぐな視線であたしを見てた。


「やらなかったら、オリビアさんは、治らなかったんでしょう? 必要な事だったんでしょう? だったら、良いことなんだよ、きっと」


うん? これは、意味が少しずれてないかな!?


「優香、誰も咲希を責めてない、やり過ぎた感はあるが、な」


「咲希さんがやったのは、正しい事だよ、ただ、暗示が今回は効きすぎちゃった事が、原因かな?」


翔太、和磨くんと、二人が言ってくれるんだけど、責められているように聞こえるわ。あたし、最新の注意を払って、頑張ったのよ? ひどくない!?


「さて、話を戻そう」


フランツ様の言葉に、皆も姿勢がピンと伸びた。話が脱線したからね(笑)


「明日のパーティーでは、新たに出来た貴族達が集う、間違いなく、オリビア嬢にやらかす輩が来るとしたら、明日だからね・・・相応しくない輩には退場願うとしようか」


「そうですわね、相応しくない方々には、来てほしくありませんもの、せっかくの晴れの舞台を汚す輩には、退場願いましょう」


フランツ様とエリー様、息ピッタリ☆ 明日は血の雨ならぬ、視線の雨が降るんだろうなぁ。王家を敵にまわした輩は、はてさて、どうなるやら。


「オリビア嬢には、カズマとユーカに付いていてもらいたい、サキとショータには、個別にお願いしても?」


「おぅ! 任せとけ!」


「ウフフ、溜まった鬱憤、晴らさせてもらうわーーーーー全力で☆」


笑顔で答えたら、皆に引かれた。えぇ・・・、そりゃないよ。


「ははっ、明日が楽しみだな!」


翔太の声が、明るく響いた。そうね、明日が楽しみだわ! 全力で頑張っちゃうんだから!



◇◇◇◇◇


side:空の神



あの衝撃の訪問以来、こちらは神託を降ろす準備で、大忙しです。私も、予想以上の忙しさに見舞われています。

そして、客人として来た響弧さんは、思わぬ戦力になりました。あまりの忙しさに、目が回る程でしたが、最低限ではありますが、書類の整理、休憩の為のお茶やお菓子、更には掃除まで。響弧さんは、可愛い顔で、仕事をてきぱきこなす、とても出来る子でした。

私が預かっていますが、他部署でも即戦力になったらしく、来てきてコールが来ています・・・。


「風の神、スサノオ様は見つかりませんか?」


「ごめんなさい、空の神・・・私達は神託には関わらないから、こっちをやってるのに・・・・・まったく見つからないのよ、気配が微かにする時もあるんですけど、直ぐに消えてしまうから、見つからなくて・・・・」


はぁぁぁと、盛大な溜め息をした風の神。アマテラス様がいらっしゃった時から、必死に探しているんですが、こんな感じなのです。

響弧さんにも、説明しましたが、彼女もまた、気配を掴めていないようです。

本当に、どうなるのやら。


「今回の神託は、荒れるかもしれませんね・・・」


そう、気づけば私は呟いていました。嫌な予感を抱きながらーーーーーー。

お読み頂きまして、ありがとうございます♪

今回は皆さんで、悪巧み(笑)してます。さぁ、次回はどうなるやら。

神様の方でも動きがありそうですね。

次回も宜しくお願いしますm(_ _)m


今、猫キャラ企画を開催しています! よろしければ、活動報告まで!

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― 新着の感想 ―
[一言] うーん… 響狐ちゃん、やはり真面目です。
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