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第15話 気絶と神様と

本日は予告を活動報告にのせてあります。

ミニ小説もありますよ(^O^)/


「サキ様っ!」


あー、遠くからジュビアン・ロワール神官様の美声が響いてくる。あれ? 何かクラクラするんだけど、何で?


「おいっ! しっかりしろ!」


翔太まで慌ててるし、おかしいわねー。


「咲希さん、しっかりして! 今、治癒の魔法をっ」


何で和磨くんまで慌ててるのかしら?


「ゲホッゴホッ」


ベチョっと、また新しい『それ』を吐き出す。

真っ赤にしたたる物を吐き出すと、それは手を伝って、地面へとポタポタと落ちていく。

所謂、『吐血』という現状である。


「ジュビアンさん!! はやくっ!」


ああ、優香ちゃん。何て顔してるの? せっかくの可愛い顔が台無しじゃないか!


治癒(ヒール)を!』


何か暖かい物が、あたしの中に入ってくる。この声はジュビアンさんかな?


「魔力が乱れています! こんな乱れ方……私は見たことがありません! くっ!?」


あれ? ジュビアンさん? ちょっ!? こんなとこで治癒行おうとしたら、当たり前でしょーが!!


「どうなっているんです!?」


ブラオさんまで、顔面を白くしてこちらを見ているし………。


いい加減、気絶していいだろうか?


「ダメです……治癒魔術がきかない!」


和磨くんや、それ当然。ここは今、あたしの場になっているんだから。


あー、何かクラクラするから、うん、気絶します。

皆、後はよろしく♪



◇◆◇◆◇


気が付けば、あたしは不思議な場所にいた。

上も下も何もない。

あるのはどこまでも広がる“空”という空間。

そう、あたしは今、空の空間に立っている。


「はぁー、やっぱり喚ばれたか………」


予想はしていたんだよ。喚ばれる事についてはね?

でもさ?



誰が空のど真ん中に喚ばれると思う??



何か理不尽。相手が相手だから、それくらいしか文句は言えないけど…………。


「あー! やっと見つけた!」


うん、今、誰か喋ったね?


「ごめん、ごめん、座標まちがちゃってさー、急遽だったから、ここの座標まちがっちゃって来るのに時間かかちゃった、てへ☆」



……………………


………………


…………


……。


………………ダレ?


っていうのは嘘で、何となく誰かは想像できるんだけど。

これはノリが必要だよね♪

てなわけで!


「ドチラサマデショウカ?」


うん、まったくの棒読みになったけど、問題ないよね?

目の前に現れた(←文字通り、空中からいきなり目の前に現れた)のは、同い年くらいの青年。綺麗な空色の長い髪に、整った、いや整いすぎた端正な顔立ちに、美しい不思議な色合いの瞳。虹色の瞳を持つイーリスとも違う、本当に不思議な瞳は今、あたしを見て笑っている。


「うん、その反応にはビックリだけど、キミが考えているとおり、僕がこの世界の神様です! 宜しくね☆ 天城 咲希さん、いや、こっちの方が君には馴染み深いかな?“奇才の陰陽師”殿、と」


流石、神様。あたしの黒歴史をよくご存知で。


「よくご存知で、それは異世界の話ですよね?」


あくまで口調は丁寧に。今回は、全面的にあたしが悪いしね。


「そんなに固くならないでよー、君の所の神様は堅い人が多いけど、僕のところはフレンドリーなんだよ? 勿論、神殿ではきちんとしてるけどさー」


何だか、あたしの中の神様の姿が壊れていくんだけど………。


「さて、挨拶はここまでにして、真面目な話をしようか? 話は変わるけど、サキちゃんは何でここに喚ばれたか分かる?」


ん? ここに喚ばれた理由って。


「この世界で存在しないはずの陰陽術つかったから喚ばれたのでは?」


思わず疑問で返した。だってこれしか思い浮かばなかったんだもん!


「あー、それに関しては問題ないんだよねー」


……………はあ?


「実は、君の少し前に来た人が君より凄い事をしてくれちゃってねー、後がめんどくさいから、使えるようにしてあんのよ、地球で使われている術で、この世界に影響がないもの、限定だけどねー」



な ん で す と !?



「だから、キミが考えているような理由で呼んだ訳じゃないんだよー?」


あたし、絶句するしかないんですけど。多分、発狂できる自信あるよ? そんだけビックリなんですけど。


「あれ? 大丈夫? おーい!」


何かあたしの前で手をフリフリしてますけど、本当に神様ですかな?


「失礼だなー、僕れっきとした神様だよ? 創造神様じゃないけど、これでも空を司る神様なんだよー?」


あー、それには納得だわ。髪の色が空色なんだもの。

ん?


「あたし、声に出してました?」


「いや、僕が勝手に読んだ、てへ☆」


…………もーいいです。


「で、あたしをここへ喚んだ理由を教えて下さい」


何だか色々疲れたんだけど。


「あはは、ごめんごめん」


また勝手に読んだな!?

あっ、目をそらした!


「じー」


じとめで神様を見ると、冷や汗をダラダラだしたあと、あっさり頭を下げた。


「ごめんなさい、えっと………話を続けても?」


「どうぞ」


どこかホッとしたようで、顔つきはすぐに真面目になった。


「君をここに喚んだ理由は、まあ色々あるんだけど、一番はやはり、イレギュラーな存在だから、だね」


「イレギュラー? それなら翔太も入りますよ?」


翔太は二回目勇者だ。それ故に、異世界の魔術や剣術を使える。それなら分かるけど、あたしもイレギュラーに入るの?


「翔太くんはね、色々と前の世界の神様がやってくれたから問題ないんだけど、君の場合は………その前に、君は天照大神様をご存知かい?」


あれれ?


「知ってますけど」


「逢った事は?」


「何度か……」


そう言うと、はぁーと盛大なため息をついた。あれ? 何か黄昏てませんか?


「こちらに召喚された時に、何か声がしなかった?」


召喚された時に?

頭の中で思い出してみる。

確かあの時、いきなり下に穴が開いて、そしてその穴に落ちて………あっ!


「聞こえました! そっか、あの声………天照様の声だったんだ」


そう呟くと、何故か目の前の神様が、苦虫を何匹も潰したかのように、盛大に顔をしかめた。


「あー、あのね? 君は知らないだろうけど、君は天照大神って、君の所の天皇?一族しか加護を出さない事で有名なんだよ、そんな彼女が初めて血筋以外から加護を出したんだ、その人物が君ね?」


あらら………やっぱり? 何か変だと思ったんだよねー。だってさ、あたしが呪文唱えると、上位の神様がわざわざ顕現してまで、あたしに挨拶しにくるのよ。おかしいとは思ったわよ。


「で、だよ? この世界はね? 君の世界より、下の世界なんですよー、だからね? 神様も君の世界より下の人が多くてね?」


だから何がいいたいの?


「君の加護は、この世界ではとんでもなく強い加護になるんだよ」


…………。

ま さ か !!


「だからね? 君は多分、多くの事を引き寄せるだろう、良いことも悪い事も……前の世界のように、神様があらわれたりするかもね?」


あー、だろうね。前の世界でも色々あったもん。


「この世界で君は完全なイレギュラーになるわけ、とんでもない加護をもらっているからねー」


また前みたいになると? うわー、あり得ない………。


「君はね、神様の愛し子………まあ、前の世界じゃ、バランス的にまずかったんだけど、この世界なら大丈夫だからね、君に加護を与える事を誰にも文句を言わせる事が出来なくなるんだよ、いやー、良かったねー☆」


よくない!!

って事はまさか!?


「えっと、まさかですけど、あたしこの世界で人ではなくなるなんて………ことは………」


「あ、それはない、この世界にはそんな技術ないし、ちゃんと人として生涯を終えるよ? ちなみにこの世界では愛し子は沢山いるから、君も安心していいよ、皆、下級神や中級神、上位でも君より下になるんだけど、君は勇者だから特別扱いですむんじゃないかな?」


「はー、でもイレギュラーなんですよね?」


「加護を与える人が、最高位の神様だからね、注意しとかないと、君の場合、運命に飲み込まれてしまうかもしれない、まあ、そんなことあの方がさせる訳がないんだけど、―――――さあ、そろそろ時間だよ、お帰り」


かれが言うと、意識がふわふわしてくる。多分、体に戻ろうとしてるんだろうね。意識が。


「最後に一つだけ………式神は絶対に手放さないようにね☆」


◇◆◇◆◇


Side:空の神様?


すぅーっと消えるように戻った少女に、神である彼はやれやれと肩をすくめた。

彼女には事実しか話さなかったが、本当に大切な部分は伝えなかった。

………言える訳がなかった。


「まさか、彼女を守るために愛し子にしたけど、こっちの世界に渡さなければならないなんて、皮肉だねー」


少し前に来た天照大神が真っ青な顔でお願いに来た時はビックリしたものだ。

………まあ、こちらもお願いがあったので、都合的に助かった部分もあるけど。


「さてさて、天城 咲希さん? この平和で残酷な世界で、君はどんな物語を生み出すんだろうね?」


ニコリと微笑んだ彼の顔は、どこか遠くを見据えるようだった。



どーも! 秋月煉です(´∀`)


本日は、活動報告にミニ小説ものせてあります♪ 楽しんでもらえたら嬉しいですね!


最近の話ですが、秋月、風邪をひいちゃいました(汗 げほげほと咳をしていますが、ようやく最近おちつけました(^O^)

朝に声が出ないのは、ご愛嬌ですね(汗


感想、どなたか下さいませんかね………。マジで凹みそうです(T_T)


さて、本日はミニ小説ありますよー♪



優香:こんにちは!

咲希:お久し振りでーす。なんか優香ちゃんとやると久しぶりね♪

優香:うん、そうだね。私はあまり出ないから………。

咲希:忙しいもんね、優香ちゃん。

優香:うん♪最近ね? お城の侍女さん達と色々やってるんだ。凄く楽しいよ♪

咲希:あのさ、まさかだけど、この前の廊下であったメイドさんて………。

優香:……………あは☆

咲希:優香ちゃん……?



まさかの事実、城で優香ちゃんはメイドをしていた!?


感想・誤字脱字・ご意見、いつでもお待ちしております。感想下さると、秋月マジで嬉しいです。

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