第157話 侍従達とのお茶会です♪2
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『『『 乾 杯 !!! 』』』
皆で、お茶の入ったティーカップで、乾杯をするけど、そこは貴族の皆様。大変優雅でございました。勇者諸君が戸惑うほどに・・・・・。まあ、ティーカップでやってる以上は、染みついた癖とかはどうしても出てしまうだろう。
「サキ様、良ければ我々とお話しませんか?」
と、気付けばあたし、女性陣にお囲まれてました。流石、女性騎士と女性魔術師の方々。声を掛けられるまで、マジで気付かなかったよ。これでも気配には敏い方なんだけどな・・・? おかしい、なんでだろ? でも、優香ちゃんも勿論一緒♪ 誰が野郎どもに天使をやるかい!
「本来なら、早い段階で同性の侍従が付くんですが、皆さまが未成年者だからこそ、比較的ゆっくりと決める事が出来たのですよ」
とは、リリーさん。おっとりとしてるのに、話す会話がえぐいよ!? あ、意味に気付いちゃった人達の顔が引きつってる・・・。邪魔者は一体、どんな末路を辿ったのかな・・・?
「あら、わたくしとリリーはサキ様かユーカ様に就く予定ですもの、合わない方と、任務とはいえ一緒に行動なんて嫌に決まってますわ、わたくしはお二人で良かったと思っておりますわ」
・・・・・さいですかい。これは褒められたと思っておこう。多分だけど、あたしは魔術師タイプだから、二人には色々な場面で助けられそうだわ。この世界の常識、抜けてるからね、あたしたち。
「ふむ、という事は、外への任務は我々が付くことが増えそうだな」
とは、アイリッシュさん。本人からは、長いからアリーでいいと言ってもらえた。・・・・・さっき、咬んじゃったのバレてたらしい。ごめんなさい、練習してたんだよ、ひっそりと。
「女性メンバーは少ないからねー! 私達も、栄誉職につけるのは嬉しいんだ~」
そういいながら、あたしに抱き着いてきたのは、ユニスさん。オレンジ色の髪が印象的な、元気っこみたいな人。体系はスレンダーな感じ。スピードタイプの前衛さんである。身長はあたしよりも高いけどね!
「まあ、ユニスったら! 勇者様に失礼ですよ~!」
キャメルさん、怒ってるのかな? 可愛らしいから、微妙に威力がない気が・・・・・。
「そういえば、今日って事務の人も来るんじゃなかった?」
あたしの言葉に、辺りを見渡すけど、本当に侍従の人達しか居ないのよねー。皆、あたしは知ってる顔だしね。侍従同士では、挨拶してる人が居るけどさ。遅れてくるのかな?
「確かに最近は、書類仕事が増えましたものね、ファインリード様、随分と目の下に隈がありましたし、事務の方が来るのは嬉しいでしょうね」
リリーさんの言葉、あたしの心にグサッと来たわ。クリーンヒットよ、クリーンヒット!! 心当たりがある、ありすぎる!! あたしら勇者はね!! 其処等へん、本当にファイさんにお願いしまくってたのよ・・・。気づいたのは指摘されてからってね。フランツ様に言われるまで、本当に気づかなかったのよ。本当に申し訳ないわ・・・。
だって、自分たちの分の書類を作るのだって精一杯だったのよ? ほかの書類や、ましてや他の部分まで手が回る訳ないでしょ!?
・・・・・その犠牲者がファイさん。本当にごめんなさい!!
だから最近、勇者の側にいなくて、変な噂が出てたのよねー。解雇されたとか、不況を買ったとか、諸々。それを信じたアホ共が、自推してきたけど、勿論、そんな事実はないので、そういった噂に踊らされた皆様にはご退場願いました。・・・・・うん、騎士団長さんが凄くいい笑顔で奴らを捕縛ーーー実際に鮮やかな手並みで捕縛していたーーー状態で連れて行ったから、今頃は鍛えなおされてるかも? ちょっと自信ないけど、た、多分・・・。
「そういえば、ファインリード殿、何やら疑惑をかけられていたな?」
アリーさんの言葉に、何人かの人が反応した。勿論、諸々の方に思い至ってしまった人だろうね・・・・・。うん、ほら、夜が忙しくて・・・・・とかね。この世界、薔薇とか、百合とかを嗜む方の多い事・・・。呆れたのは記憶に新しいし、そこにあたしら勇者を題材とした本があると知ったら、普通は引く。全力で引く! 実際、勇者仲間では翔太が一番被害にあってる。どちらかと言えば、あたしや優香ちゃんは、恋愛でも王道が多い。・・・・・あたしはロリコンとかの描写が見えた気がしたけど、あはは。
理解が有りすぎるのも問題よねー・・・・・はあ。後で、これ書いた人、探しだそうかしら?
なんてどうでもいい話をしていたら、なんだろう。数人の侍従の人達が、ある方向に視線を向けてたのを、確認してしまった。
うん? その視線の先には、慌てたようにこちらに来る、一人の女性。いや、年齢的に女の子? 遠目だからよく分からないけど、確かにこっちに来てる。それも、女性にしては珍しい全力疾走!! 淑女ならば説教案件ですよ、これ。あたしも緊急時にやって、後から叱られたもの。メイドさんとか、世話役の方々に。
それをものともせずに、全力疾走! ある意味で凄いわ・・・。
なんて、観察してたら、本当にここが目的地だったようで、凄く慌ててた。
えっと、誰? どなた??
「アブンセル様! 遅れてしまって申し訳ありません! 引継ぎに手間取りまして・・・」
彼女はまっすぐに、司会という事で小さな台の上にいる、ファイさんの元へ。おやおや、ファイさんのお知り合い? その割に、呼び方が苗字なのが気になるけど。勿論、気になってるのは、あたしだけではなくて、侍従に属する皆さんが観察するように視線を向けてる。勇者一同はあたしと同じ、怪訝顔。
本当に、だーれ?
もしかして、もしかして、ファイさんの知り合いなのかな? 珍しい恋バナか!? それなら、全力で止めるけど。
「あぁ、あなたが派遣されましたか、ですよねー、ここでやるなら、確かに貴方が適任でしょう」
うん? 派遣? 適任?? 意味が分かってないあたしに気付いて、リリーさんが説明してくれたわ。うん、ありがとう!
「サキ様、恐らく彼女が事務として派遣されてきた方、ではないでしょうか?」
あー、なるほど。何だか幼い気がするし、彼女を見てる男性側の侍従たちが、微妙な顔をしてるのが気になるけど。特に、ユリアスさん。それはさて置き。少し、彼女の外見でも観察しようかな?
まずは髪色。綺麗な金髪だけど、肩の辺りで切りそろえているから、凛々しい感じがしようものだけど、全くこれっぽちもない。どちらかというと、可愛らしい感じかな? 体つきは、華奢な感じで、後ろ姿だけ見たら、男の子でも通じると思う。あたしが女の子と思ったのも、文官の制服姿なんだけど、女性用の制服を着ていたから。つまり、下がスカートだったからなんだよね。靴は動きやすいブーツだったけど。年のころは、多分ユリアスさんくらいか、下かな? 背丈も大きくなく、あたしより少し高いくらい。・・・・・成長途中なんだと思う。羨ましいぞ、あたしは!!
今現在、そんな彼女は、ファイさんと事務的なお話中で、後はこっちに混ざるみたいだね。それにしても、さっきのファイさんの様子だと、彼女が来るの、何となく予想出来てたのかな? あたしは一人、何とも言えない微妙な警戒心が湧いてるけど。
「皆は彼女の事、知ってるの?」
そう聞いたら、女性メンバーの皆は何故か困り顔。あ、これは知らないな・・・。一応、男性側にも聞いてみたら、此方からは明確なお答えがあった。-----ユリアスさんから。
「・・・・・僕の姉です」
ん? あたしと、女性陣、皆が固まった。今、ユリアスさん、姉って言った?? それに、返答も間があったし!
え、これって聞いていいの?!
「・・・・・すぐ上の姉なんです」
・・・・・似てない。それになにより、直ぐ上の姉!? それに、また間があった。あんまり仲が良くないのかな? それに、ユリアスさん、ユリーさんて、侯爵家の末っ子だったはず。そのお姉さんなら、侯爵令嬢な訳で。
「姉は、侯爵令嬢でありますが、家の方針で文官として事務をしています、流石に怪我をするであろう部署は、親族一同が全力で止めましたけど・・・・・はあ」
何だか、黄昏てないかな? それに、疲れてるのか、げっそりしてるような? え? 大丈夫!?
「・・・・・仕事は出来ますから、大丈夫ですよ、えぇ、そこは信頼してもらって大丈夫です」
何だろう、この会話の違和感。ユリーさん、お姉さんに対して、あんまりいい感情をもってないみたい。それに、あたしの目がハッキリと捉えてるもの。ユリーさんに絡む、黒いモノ・・・・・。発信源も、ね。
仕方ない、少し力になってあげますか。ほっとくと、悪い事が起きそうだし。あたしは気遣うフリをして、ユリーさんに近付いていく。そっと、肩に手を置くと同時に、霊力で黒いモノを祓っていく。まあ、端から見たら、気遣って手を貸してるようにしか、見えないだろうけど。
「あれ?」
急に楽になったからか、ユリーさんがきょとんとしてる。少し前まで、同じくらいの身長だったのに、今じゃ越されてしまってるからね。
「・・・ユリーさん、これを持ってて」
皆にバレない様に、そっと御守りを渡しておく。こういう黒いモノは、嫌悪感とか、恨みとか、嫉妬とか、負の感情が固まって起きるから、自分で対処が出来ない事が多いんだよね。無意識にやらかしてこともあるからね。
今回は発生源が分かってるだけ、マシかしら? 対処が楽だもの。
お読み頂きまして、ありがとうございます。
長らく、本当に長らくお待たせ致しまして、本当にすいませんでした!
何とか、かんとか、書き上がりましたが、もう少し不定期更新になると思いますが、気長にお待ち頂けると助かります。
これからも宜しくお願い致します。