第156話 侍従達とのお茶会です♪
間に合ったー!!
次回も誠意執筆中です。宜しくお願い致します!!
「皆さま、今日は侍従たちと、勇者様たちのお茶会です、楽しくやりましょう!」
そんな開会の言葉と共に、我々は小さな庭園で、お茶会が始まりました。そう、無事に全員が揃ってのお茶会ですよ。実は全員が揃うのって、初めてだったりします。まったく、お陰で仕事を怒涛の勢いで終わらせる羽目になったよ・・・・・。
まあ、皆も似たり寄ったりだったみたいだけど。あたしと翔太は、魔術師たちと一緒に、徹夜で騎士たちのところの結界張りですよー。勿論、魔術師たちも一緒のお仕事ですよー。原因はクラリオン王子と翔太の模擬戦。アホか、こいつら。本気でやっちゃう奴がどこにいるのさ!! お陰様で、魔術師の皆様が過労でヤバい事になって、あたしにまで協力要請がきた。勿論、元凶の片割れの翔太には、きっちり手伝ってもらったけど(笑)
「まずは、自己紹介からいきましょう」
進行役らしい、ファイさんの言葉で、それぞれが名乗り始める。勿論、最初はあたしら勇者から☆
「天城 咲希よ、魔術師だから後衛は任せてね♪」
そう言ったら、何故か一部の人達が、サッと視線を逸らした。アハハ、あたしの性格とか知ってる皆さんですねー。特に男の騎士さんたちや、君たちが一番早く視線を逸らすから、警戒しちゃう人達も出たじゃないか! あたしは敵にしか、攻撃しないよ? 安全よ? 敵にならない限り。
「天上 翔太だ、大剣使う二回目勇者だな! よろしく!」
翔太はね、既に問題児と警戒されてたから、特に反応らしきものはなかった。何故かしら? あたしよりも、翔太の方が危険だと思うんだけど? だって、特大魔法なんて、あたしは知らないからね!?
『主人よ、自業自得じゃ』
樹英さま、影から言わんで宜しい。何か悲しくなるから!
「白鳥 和磨です、最近は薬室に居るから、怪我とか病気の際はちゃんと見せにきてね」
ギャラリーから、ちょっとした感嘆の吐息が聞こえた。おいおい、明らかに、あたしと翔太とは、反応が違わないか!? 和磨君、品行方正だけど、切れたら、あたしと同類だよ? ジワジワと相手を苦しめる方を選ぶよ?? ・・・・・気付いてないだけ? それとも、あれか。正統派の美男子だからか!?
「神白 優香です♪ 治癒室に居ますから、宜しくお願いしますね~♪ 剣を使いますから、たまにはお声がけくださいね」
優香ちゃん、そういえば行きたいって言ってたっけ。忙しさで忘れてたわ。今度、誘っていってみようかな? 女性だけのメンバーでも、今は結構いるから、行けそうだし♪
しかし、どうも男性陣からアイドルに向けるような視線が飛び交ってる気がするんだが? あたしには来なかったし、やっぱり正統派美人だからか? そうなのか!?
まぁ、うちらの中では、一番まともな人格してるからね、優香ちゃん。優しいし、気遣い出来るし、何より正義感が強い。可愛くて綺麗で、性格も良いとか。・・・・・そりゃぁ、反応も違うか。あ、何か落ち込むわ。
「では、次に騎士の皆さんお願いします!」
ファイさんの進行で、次は騎士さん達みたい。最初は勿論、統括側に置かれて半泣きのファイさんだよ!
「・・・・・サキ様? 何か?」
「え? 何でもないよ? いやいや!? ジトーと見られても、本当に何でもないから!!」
全力でキッパリ言いましたとも! つーか、勘が鋭いな、おい!?
「はー、まぁ、後にしましょう、─────ファインリード・アブンセルと申します、今は一時的に統括のような真似事をしておりますが、後程、正式な侍従統括官が任命されるとの事です、更に本日は司会をさせて頂いております、皆さん、宜しくお願いします」
礼儀正しく頭を下げたファイさんに、拍手が上がる。人望暑いんだよね、ファイさん。更にカッコいいんだよ! もろ、あたし好みなのだ。
しかしさー? 今の会話の一部がおかしかったよね!? え? 正式に任命されたら、ファイさんはどうするんだろ?
「サキ様? どうされました?」
「え?」
ヤバい、顔に出ちゃってたみたい! あー、本当にあたしの表情筋よ! 仕事してー!!? 昔はこんな事なかったのにー!!
「いや、ほら・・・侍従統括官が来たら、ファイさんはどーすんのかなー、とね?」
「今まで通り、皆さんの側におりますよ?」
あ、はい。つまりは、統括官が来たら、元々の仕事、うちらの側に付くってヤツに戻ると。思わず、ホッとしちゃったわ。
「はいはーい! 次は僕達がやります! ジーク・ジェメオスです!」
「ローグ・ジェメオスです!」
次は双子がしてくれるらしい。皆の視線が双子に移ったからね。緑色の髪を、右に分けているのがジークさん。左がローグさん。最初は見分けるの大変だったんだよねー。更にこの二人、無類の武器マニア! ビックリしたわよ? ガラー山に向かう時の、あの武器へ愛を延々と聞いた時は!! ファイさん達が呼んでくれるまで話してたからねぇ。この二人は。だから、二人には武器に関する事は話さない。トラウマだからね?
「それでは、次は私達ですね、私はキャメル・ジルベルトです、宜しくお願いしますね」
あ、次は女性騎士の皆さんみたい。あたしは初めてお会いします。確か、優香ちゃんと仲がいいんだっけ? あたしも優香ちゃんから聞いたからね。キャメルさん、可愛い感じの人だね。でも、あたしよりは年上だし、出るとこ出て、引っ込むとこは引っ込むな、つまりはナイスバディなお姉さんなのだよ!
「はーい! 次は私がしまーす! ユニス・コラートです、宜しくね!」
次のユニスさんは、一言で言うなら、元気ッ子かな。オレンジの髪をショートにしていて、ピョンピョン跳ねる姿は、何だか微笑ましい感じだ。ほっそりした体からみて、スピードタイプかな?
「次は私だな、アイリッシュ・キンバリーという、宜しく頼む」
キリッとした、凛々しいという言葉が似合うであろう、アイリッシュさん。銀髪を三つ編みにして、後ろに流してるんだけど、カッコいいという言葉が本当に似合うわ。同じ女性に対して、ドキドキするとか・・・・・。おそろしや、美形の皆様!
さて、これで騎士側は終わりみたいだね? 次は魔術師さん達だね。こっちも凄い豪華面子だけどね。
「では、次に魔術師の皆様、宜しくお願いします!」
ファイさんに言われて、挨拶を促された皆さんは・・・何故か困惑してた。えっ? 何で!?
「ほら、レイヴァン様! 早くお願いします!」
「い、いや、ほら、私は、あ、後で」
必至に手をバタバタさせて、遠慮してるけど。明らかに、嫌がってないかな? まぁ、ユリアスさんがさせようとしてるし。あたしも手伝う?
「あたしも手伝う?」
「いやいや! いやいや! やります!」
えっ? 要らない? あたしにやらされるよりは、自分でやる!? ならば最初からやれよ!! ジト目で睨んじゃうぞ!?
「え、えぇ、レイヴァン・イグレシアスです、宜しく・・・」
え? それだけ?? ほら、大の虫嫌いとか、気絶するくらい嫌いとか、実戦経験豊富とか! まだあるでしょう? え? 悪意満載?
さぁ、何の事やら・・・・・。心の声よ、絶対にバレませんように。
「次は僕ですね! ユリアス・ナインゲーンと申します、気軽にユリーと呼んで下さいね」
あぁ、可愛い感じのユリーさんも、一年で背が伸びて、あたしは見上げる方になっちゃった。でも優秀な子で、最年少で魔術師になった実力者だし。あ、女性メンバーが、ユリーさんのキラキラ笑顔で、ノックアウトされた。・・・・・恐るべし、ユリーさん!
「次は私ですね、リリスティーナ・カレンディーと申しますわ、これでも中級魔術師ですの、お出かけの際は是非、お声掛け下さいませ」
綺麗なカーテシーと礼儀正しく頭を下げる、優しい雰囲気の美女の姿に、野郎たちはガン見。おいおい、あんたら、優香ちゃんにもしてたよね!??
「サキ様、リリスティーナ様は魔術師団でも、こんな感じですよ?」
ユリーさんがヒソッと教えてくれたけど、つまりアイドル的存在と。確かに可愛いし、美人さんだし、性格も良さそうだもんねー。恋い焦がれる奴等が、目に浮かぶわ。
「次は私ですわね! カディエンナ・トライトスですわ、皆様、宜しくお願い致しますわ」
おぉ! こちらは気が強い感じが、全面に出てるわ。あたしも、魔術師達の仕事場たる塔に行くから、この二人とも顔馴染みよ。だって、考えてみてよ。ここ数日間、あたしと翔太も、あの結界騒動に巻き込まれてたんだから!! 主犯は翔太だしね。スザリオン王子と手合わせして、うっかり本気を出して、結界を壊すとか・・・・・。どんなウッカリよ!! お陰さまで大変だったんだからね!? まともに仕事回すのも、一苦労したんだから! 魔法バカを諌める立場の魔術師長が、率先して動いて居たときは、キレそうになったわよ?
まぁ、無事に終わったからいいんだけど。
「さぁ、名乗り終わりましたし、親睦をはかりましょう、これから我々は、勇者の侍従を名乗る仲間なんですから」
あら? 乾杯とか、しないのかしら?? だったら、あたしがやっちゃうわよ? ニヤリと笑ったあたしに、それを見ちゃった一部の人達が、慌てたみたいだけど、おかしな事をするつもりはないわよ?? 信用ないなぁ、あれか。普段の行いか! あたしは翔太ほど、無鉄砲にやらかさないわよ!?
「ねぇ、せっかくだから、乾杯しましょうよ!」
「おっ、いいな!」
最初の賛同は、勿論、翔太。周りもこれには、異存がないみたいで、反対の声は上がらなかった。
さぁ、それじゃ、これからを祈願する意味で!
「それじゃ、これからを祝して! 乾杯!!」
『『『 乾 杯 ! ! ! 』』』
久方ぶりの当日投稿になりました。間に合って良かった~♪
今回のお話は、前々から書きたかったお話です。次回も、お茶会をお送りしますが、普通のお茶会になる訳がありません! ウフフ、お楽しみに~♪