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第148話 鬱憤はまとめて晴らします♪

次回は誠意執筆中です。


気持ちがいい布団の中、あたしは普通に目が覚めた。こう、パチッと。

えー、おはようございます。あたしは何故に、クルルさんとこじゃなくて、伯爵様のとこにご厄介になってるんでしょうか?

昨日は確か・・・・・ん? はて、術の移動は終わらせたから・・・・・その先が思い出せないから、もしかして気絶したかな??


「あー、春? あたし、もしかして気絶した?」


気まずいどころか、聞きにくいわ・・・・・。一番優しい春を選んだのは、無意識と思いたい。まさか、やらかすとは、思わなかったのよ!!


『はい、主人様は力の使い過ぎで限界だったらしく、気を失われました』


あ・・・・・、春の声が、淡々としている。ついでに、他の式札からも、無言の怒りのオーラを感じる!! ひえー!! ごめんなさい!! 本当に気づかなかったのよ!!


『どなたかが迎えに来てくださり、主人様を部屋へ運んでくださいました』


ん? 迎え? ・・・・・そういえば、気絶するあたりに声が聞こえたような? 翔太かな? 後でお礼しないとね。


『ところで主人様、そろそろ準備をしませんと』


おっと、そうだった。時刻を確認したら、丁度いい時間で、朝の4時。霧の発生にはぴったりの時間だろう。そしてそのまま、術式を壊しておびき出す!! 勿論、魔族をよ?


『どうかくれぐれも、無理はされませんように、お願いいたしまする』


春の言葉に込められた、威圧感? 副音声? が、凄い怖いんだけど~~~~~~!!?


「が、がんばります・・・・・」


としか、あたし、言えないよね!?

まあ、とりあえず、簡単に身支度を整えて、行きましょうか。あたしは勇者なんだもん。この大好きになった町を、救いにいきますか♪


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ふと、思い出したことがある。こちらも早々、何とかしないといけない問題なのよね。

それは翔太の事。

本来、翔太には光属性がない。氷の属性が与えられていて、そちらで傷とかを癒す魔法を使ってる。で、これから行くとこは、ユト少年達の実家のブローティア侯爵家なわけ。あの、白い腕の魔族に魅力の魔法を使われていたわけだし、きちんと解けているのか、確認とかしないといけないのよねー。

で、翔太にそれが出来るかというと、微妙。手が空いているのが翔太しか居なかったとはいえ、ちょっと人選を間違えた気がする。

確認なら、優香ちゃんがいいかも。しばらく城から出てないでしょうし、ちょうどいいんじゃないかしら? 治癒の魔法が得意だし、そろそろ本格的に勇者として外で経験を積んでおかないと、いざというときに危ない気がするのよねー。それに、翔太には別件を頼みたいし。

後で翔太にでも、相談しましょうか。


で、話を戻して。現在時刻、5時でございます。東の空がようやく白み始めたかくらいの感じね。


「それじゃあ、やりますか・・・・・龍、霧を御願いね」


『御意』


「お相手は、緋ノ斗、お前に任せるけど・・・・・絶対に殺しちゃ駄目よ?」


『うん! 分かった! ヤッホーイ!!』


今一、信じられないけど、万が一の時は、強制的に止めないとね。はぁ、頭が痛いわ! この戦乱狂には!!


「それじゃ、まずは人が居ないか確認!」


魔力を放って、人が居ないか確認してみるけど、幸い入り口が無いから、誰も間違って入ったりはしていないみたい。魔方陣も健在だから、アンバランスな感じね(笑)

さて、いよいよ術に干渉して壊していくわよ!


「フフ~ン♪♪ ここにしましょっかねー☆ そーれ!」


バチバチバチ!


凄い音が鳴り響いて、稲妻のような光がそこから放たれる。これは、あたしが無理矢理、術に干渉しているから出る、反発のようなもの。あたしが狙ったのは、術の隙間。そこに干渉して、術を無理矢理、発動させるの。

この魔法陣の効果は大まかにいうと、魔法陣上の人間の命と引き換えに、異界より対価に合うナニかを召喚うというもの。

つまり、魔法陣上に誰も居なければ、何も現れないってこと。


「さあ、召喚の始まりよ♪」


魔法陣が一際光ったと思った瞬間、パッと霧散した。あれ?


「うん? 終わったのかな? 翠嵐、ちょっと確認してもらえる?」


あまりのあっけなさに、あたしの方が不安になったわ。普通はこう、何かあるもんじゃないの!?


『特に異常は見られませんわ』


・・・・・期待して損した。すっごい楽しみにしてたのにーーーーーーー!!!

あ、またストレスが。


『主人はん、来たようですわ』


その声が終るかいなかで、空中から一人の男が現れた。魔族なのは確か。紫の髪をしてるし・・・・・うん、男。そうとしか言えないよねー。顔立ちはそこそこ、インテリ風?

今までの魔族は、まともな服装をしていたから、・・・・・一部、変態とかいたけど、ここまでは居なかったと思う。


「・・・・・コスプレ?」


その一言に尽きる。いや、普通のコスプレ好きの皆さんには失礼かもしれないが、今回はこうとしか言えないわ。

インテリ風な眼鏡、きっちりした髪型、で。ピンクの可愛らしい感じのデザインの男性風なゴスロリ風なタキシード。・・・・・もう一度、言おうと思う。

ピンクの可愛らしい感じの、ゴスロリ風なタキシード!! レースフリフリ付き!!!

おまえ、男だろ!? インテリかましてるんなら、シックな色合いのローブ羽織って、それらしい服装しなさいよ!!? 何で乙女っぽい趣味が入ってるのよ!? ギャップが酷すぎるわっっっ!!

・・・・・ある意味、その姿だけで、精神的な攻撃の気がするんだけど、あたしだけ?


「なんでだ!? 私の完璧な計画が!!? 何で勝手に発動して何も召喚されていないんだ!?」


ほう? こいつが元凶かい!? あたしを悩ませたのが、こんな見た目の、キザ野郎とか冗談じゃない!! こんなのにしてやられたなんて、あたしの術者としてのプライドが許さないわよ!!!


「ごきげんよう? 魔族のインテリ変態さん? 随分と好き勝手にしてくれたじゃない」


お陰さまでこっちは本当に大変だったんだから!! この溜まりに溜まった、あたしの鬱憤、まとめて晴らさせて頂きます!!


「ん? 人間の小娘が、何故ここに? ・・・・・まさか! 貴様か!? 私の最高傑作を発動させたのはっ!!」


怒りに顔を歪めるピンクインテリ擬き変態魔族に対して、あたしは勿論、頭にきてますとも♪


「イーリス!」


指輪から杖に戻す。綺麗な杖の姿を、視界の端に入れながら、渾身の怒りを込めて、呪文を放つ。


『雷の鉄槌サンダー・ボルト!!』


ビリビリと言う凄まじい音と共に、ピンクインテリ擬き変態魔族に真っ直ぐ落ちていく。


「グギャ──────────!!?」


直撃と同時に、凄まじい悲鳴が上がった。ついでに何か落ちた音がした。

えっ? えっ?! えぇぇぇ──────────!? ちょっと待って、嘘でしょ!? 今までの魔族さん達って、これくらいは当たり前に防いでいたんだけど・・・・・。

唖然としつつ、煙が晴れて、現れたそこには。


「ブフッ」


ふいたわ、本気で! だって、サラサラした髪が、アフロになってるんだもん!! 笑わない方がおかしいでしょ!(笑)


「貴様ぁぁぁ! 許さん! 闇のダークネス・の・・・」


「フフッ、『秘技・たらい落とし!!』」


ゴー─────────ン!!


「あだっ!?」


術はこっちが早かったからねー。落ちた金だらいは、ピンクインテリ擬き変態魔族の脳天に綺麗に落ちた。大きなたん瘤が出来てるけど、まだまだ怒りは収まらないの!!


「さぁ、魔族さん? あたしと遊びましょう?」


にっこりと笑ったあたしに、ピンクインテリ擬き変態魔族は、顔を盛大にひきつらせたのでした。

・・・・・・全力で、鬱憤はらしてやるわよ────────────────────────!!!

読了お疲れ様でしたm(_ _)m

いつもお読み頂き、ありがとうございます♪

お待たせいたしました! ようやくここまで来ました。やっと、この町のお話の終わりが見えました(笑)

後は、もう少し必要なお話を書いて、ようやく魔王様に登場して貰えます。

いやー、長かった!


では皆様、次回も宜しくお願いいたしますm(_ _)m

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