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第143話 到着と再会と希望です

おまたせして、申し訳ありませんでした。不定期ではありますが、また水曜日投稿を再開します。

待っていて下さったみなさま、本当にありがとうございます!

朝食後、何とか復活した伯爵様と共に、ランクSの冒険者と会う事に。

勿論、あたしとリゼス様、侯爵夫人とユト様も居ます。伯爵夫人は、夫に付き添ってますが、伯爵様は顔面に血の気がない。大丈夫かしら?

此方の心配を余所に、執事さんに連れられて、二人の人物が入ってくる。

一人は我等がバカ…ゴッホンゲッフン、二回目勇者、翔太。旅人の服装だが、バックはあたしと同じく無限収納バックよ。有りふれた外見だけど、すぐに分かったわ。意外にも小綺麗にして来たから、心の中でホッとしたのは内緒よ?

そして二人目は、意外や意外! ユリーさんなのよ! 相変わらずの可愛らしさ……だけど、見ない間に、少し背が伸びてる。この世界、平均身長が皆そろって高いのよね~。チビはあたしだけか…………くっ!


「よ、ようこそ、おいで下さった、我等は皆さまを歓迎致しますよ」


顔が青白い伯爵様、大丈夫かな?


「いえ、此方こそ、急な面会を許可頂き、ありがとうございます、そちらにいる、俺………私の仲間が色々とご迷惑をかけているようで、此方こそ、申し訳なく存じます」


おいっ! 翔太、一言余計だっ! あたしはまだ、迷惑はかけてないはずだ! それに、問題児は翔太もだろう!!


「こいつに言われて、ユトさんの御家に関する事をお願いされたのですが、詳しく説明をお願い致します」


そう言えば、詳しくは説明してなかったんだよね。あははは……………………。

てな訳で、伯爵様から現状を説明してもらい。真剣に聞いている翔太は、バカの意味合いが逃げて行ってしまう程の、真面目っぷり。本当にこいつは、あの勇者の問題児、翔太なのかしら?


「咲希、何か失礼な事を考えてないか?」


「イエイエ、メッソウモゴザイマセン!」


「何で片言なんだよ!? …………………はぁ、まぁいいや、咲希だしな」


ん? 何故か納得されたんだけど? てか、あたしだから何なのよ!?


「そうですね、サキ様ですから」


ユリー様にまで、納得された。解せぬ、何故に皆はそれで納得するのよ!?


「さて、まずはこっちで何が起きてるのか、詳しく教えてくれ、それによっては、俺も予定を変えなきゃいけないからな」


関係者が居るこの部屋で、あたしは翔太、そして伯爵様を中心として、今の町の状態を説明していく。


「現時点では、町にかけられている魔方陣は、破壊不能よ、効果は町の中に居る命全てを代償に、何かを召喚する、かしら? 色々やろうと思って調べたんだけど、中々に考えられててね、町の住民を避難させるくらいしか対策が出来ないのよ、術も罠が満載でね、解呪は現時点では無理よ」


あたしの淡々とした説明に、翔太が珍しげに目を瞬きする。たっぷり10秒程してから。


「え? 別に呪文を動かせばいいじゃん」


………………………………………

………………………………

………………………

………………

……は?


「あの、翔太? 人の話を聞いてる?」


術を移動って、そんなに簡単には出来ないと思うんだけど!? 実際、まわりは唖然としてるし、空気がおかしな事になってるわよ!?


「町は動かせないんだし、だったら術を動かせばいいじゃん、幻影を纏わせた土の町でも作ってさ、霧でも出れば、わかんねーだろ?」


た、確かに、言い分としては、筋は通ってるけどさ!? 問題は、どうやって術を移動させんのよ! 罠が満載なのよ? 一歩間違えば、即発動しちゃうわよ!!


「ん? まさか気づいてないのか?」


「何がよ?」


「あの術、移動できるぞ?」


…………………………………………はぁ!?


「翔太、あんた、出来るって、何で分かったわけ?」


あたしは何度か、この町にかけられた魔法に触れて、探ったけどさ。あまり目立つ事は出来なかったわよ? 罠があるし、慎重にやるしかなかった。何より、同じ場所での調査は、極力避けたわ。警戒されたら、洒落にならん。なのに、何で翔太は気付いたわけ?


「いや、何でって、見てたら分かった」


…………………………………………はぁ!? んな馬鹿な!

この場の皆さん、お口あんぐりよ? 誰が思うよ、こんなあっさり解決法が見つかるなんて!!

あたしはこの魔法陣を調べる際、魔法陣に干渉して、少しずつ調べていたわ。魔法陣に触れることは、相手の術者にあたしの存在を教える事になるから、本当に慎重にしていたのに。

それを見るだけで分かった!? んな訳あるか!!!


「咲希、何も触らなくても、魔法陣そのものを見れば、どんなのか分かるだろ? あれ? この術ってこの世界にもあるよな?」


確認を取るように、翔太がユリーさんに聞いたけど、彼も困惑した顔になってるわよ。


「………………いえ、初めて聞きますが」


「えっ!? マジか!? いやだって、いや、待てよ、そういえば城の結界を咲希が直すとき、そういや一々、術式に干渉してたな、もしかして、魔法陣そのものを見るとかしないのか?」


「いえ、見たりはしますよ? ただ、魔法陣を見るには干渉してからの方が見やすいので、ただ見るというのは、あまりしませんね、そのまま見ると弱い部分とかが見えにくい場合があるので、事情がない限りは干渉しながら見ます」


ユリーさんの説明を受けて、翔太は面食らった顔をしてた。こうして見ると、あたしと年は変わんないのよね。でも、翔太が勉強をさぼったのは分かったわ。後で、フランツ様にいいつけないと。翔太って、王族の方達のいうことは、意外と素直に聞くのよね~。前の世界で、何かあったのかしら?


「そうなのか、知らんかったわ」


まあ、今回はそのおかげで、解決策が練れそうね。でも、その前に。


「翔太、その魔法陣を詳しく見る魔法、どうやったか教えて、改めて確認したい事があるの」


「ん? いいぞ? てっきり咲希なら出来ると思ってたから、びっくりしたわ」


「悪かったわね、あたしはこの世界の魔法しか知らないし、すっかり思い込んでいたのよねぇ、触らないと見れないって…………」


あたしとしたことが、すっかり思い込んでしまっていたとは。だって、もしもこの方法に気づいていたら、早々と終っていたのよ? この面倒な仕事が!! そしたら、今頃はのんびりと魔導書を読んで、------------いや、やっぱり仕事を頼まれるから、意味ないかしら?


「おーい、咲希! 戻ってこい!」


「あ、ごめん、ちょっと考え事を……………」


「だいたい分かった」


「何で分かったし!?」


「顔に全部、出てたぞ?」


マジか!? 本当にあたしの顔、どうした!? こっちに来てから、たるんでないか!?

なんて、二人で和気あいあいといつものやり取りをしていたら、隣から真面目なリゼス様の声が飛び込んできた。


「あの、お二人とも、そろそろ本題に戻って来て下さい、これから確認でよろしいんですね?」


「「すいませんでした!」」


思わず、二人で謝ったのは、多分、リゼス様の冷ややかな視線だけだと思いたい。勇者の侍従である、ユリーさんや、周りの皆さんの固まった笑顔なんて、ワタシタチミテナイ。


「と、取り合えず、翔太も一緒に来て、魔法陣を見てほしいんだけど」


「分かった」


あたし達は、その場から、とりあえず逃げるしかなかった。恥ずかしいわ!


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


side:???


もうすぐ完成する! この私の最高傑作が! 人間と有象無象の命を対価に、人間達を滅亡させる………………いや、減らすのだ。自分達の命を使って呼び出された、最高の化け物によって!!

最高だろう! 傑作だ!


「ふんっ! あんな稚拙な成り代わりごときに、負けるつもりはない、今までの輩は知能が無さすぎたのだ、私のような選ばれし知能を持った、特別な存在が作戦には必要なのだよ」


魔王様誕生までに、準備をしておかねば。アクダッチャー様の素晴らしい計画は、この私が完璧に遂行してみせます! あんなガキやら、脳筋やら、二枚目男等に任せるから、いつまで経っても遂行できないのだ。この私のような知恵者こそ、今回の完璧な計画に相応しいのだ。


待てよ、もしかしたら、あの方の側近になれるやも!? やはり、この知恵者である吾輩が相応しいのだ!!


読了、お疲れさまでした。

久方ぶりのテンシロ、いかがでしたでしょうか? 半年以上、間をあけてしまうとは、お恥ずかしいかぎりです。何とか、不定期ではありますが、水曜投稿を再開したいとおもいます。

また、宜しくお願いします!


咲希:秋月はスマホに苦労してたもんね~。

翔太:だよなぁ、投稿の仕方とか変わったから、戸惑ってたし。

咲希:パソコンでも投稿をしないといけないし。秋月、機械は強くないのに大丈夫かしら?

翔太:現に、今も頭から煙が出そうだし?

咲希:水魔法で冷やす?


秋月:結構です!


何やら、心配されてますが、これからもよろしくお願いします!

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