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第141話 朝から予想外です!

次回は17日の予定です。


久方ぶりに、緩やかで穏やかな感じで、自然と目が覚めた。


ん………………?


動かない頭で思ったのは、知らない天井だなぁってこと。あたし、何でここに居るんだろう? まだボケてる頭で、目を擦ろうと手を動かそうとして、……………違和感を感じた。

何かを握ってる?? てか、右側が暖かいような………………っ!??? んっ!?? んんっ!!?

滑りの悪いような機械のように、あたしは右側へ視線をやれば……………………そこには、穏やかな寝顔のリゼス様。

ご丁寧な事に、あたしのすぐ横に寝ているのよ。この方は!!!

何故にここに居るの!? てか、何故に一緒に寝てるのよっ!?? 意味分からないんだけど!!!??

一応、確認すれば、あたし、パジャマである。リゼス様は服のまま寝てるのよ。

うん、何も起きてない、起きてないわ! ………………よね?

でも、パニック状態になるのは、仕方ないわよねぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜!!?

何でこうなってるの!? ワッツ、どうして!? 意味分からんわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!


『おぉ、主、起きたかの?』


この声は、お爺ちゃんこと、樹英様! いいところに!!


「お爺ちゃん、何が起きたの!? 何でこうなってるの!?」


リゼス様を起こさないように、小声で聞くと、明らかに楽しそうな気配が複数、御札からするのよ! おいっ! 楽しむなぁぁぁぁぁ!!


『原因は主殿じゃよ? ほっほっほっ、いやぁ、若いとは良いのぅ』


原因、あたし!? 何をやらかしてるんだ、あたし――――――!!? もう泣きたくなってきた……………。


『ん? ちと遊び過ぎたかのぅ? 安心せい、未遂じゃ』


いやいやっ、何がっ!? 何が未遂なの――――――!!?


『主人様、落ち着いて下さいませ』


春〜〜〜〜! 春が優しいよ〜〜〜〜! 心に染みる優しさよ!


『主人様は混乱されておりますゆえ、翁も、あまり遊ばれませぬように』


春に指摘されて、お爺ちゃんは、きっと困惑してるんだろうなぁ。渋い顔して、指で頬を掻いてそう。

何て考えていたら、ようやく冷静な思考が帰ってきた………………。朝から、心臓に悪い出来事よね、これ。美形と一緒に寝ていたとか………………あぁ、穴があったら入りたい! 気を抜き過ぎでしょ、いくらなんでも! あっちじゃ、こんな事無かったけどさ〜………………はぁ。


『主人様は昨日、リゼス様とご歓談中に寝てしまわれたのです、リゼス様は主人様を抱き上げ、お部屋へ連れてきて下り、部屋を出ようとしたところ、主人様がリゼス様の服を離さなかった為に、リゼス様は無理矢理離す事はせずに、主人様の世話を女性の使用人に頼み、起きていらっしゃったのですが、夜半にウトウトされておりまして、寝てしまわれたので、気を効かせた赤が横に寝かせたのです、責めるならば、赤に』


―――――ほう? 朝からドッキリの原因は、貴様か! 緋ノ斗っ!


『うわっ、姉さん! バラすなよっ!』


『わたくしめは、真実を言ったまで』


『注意を聞かない、赤いのが悪いんじゃよ』


お爺ちゃんにも言われて、気配で拗ねたのが分かった。アホか、緋ノ斗。


「取り敢えず、リゼス様を起こさないとね、はぁ…………気が重いわ」


まずは、正攻法で、声をかけてみる。


「リゼス様〜、朝ですよ〜、リゼス様〜? おーい! 起きて下さいなー!」


そこそこ大きい声で、起こそうとしたけど、起きない。熟睡してるみたい……………。


「揺すってみるか? おーい、リゼス様〜、起きて〜、朝ですよー!」


ゆさゆさ、ゆさゆさ、ゆさゆさ、ゆさゆさ………………。

お、起きない!? どんだけ熟睡してんのよ!?


『主人様、急がぬと、今朝には翔太様がいらっしゃるのでは……………?』




あ……………………、忘れてた。



朝からドッキリしてたし、記憶の彼方へと、飛んでいたわっ! 春の言葉で思い出したわ。


「急ぐわよ、仕方ない、起きない方が悪いのよ!」


行くわよ! 朝から迷惑かもしれないけど、大声でなら起きるでしょ!


「スー、リィィィゼェェェスゥゥゥ〜〜〜〜〜〜様〜〜〜〜〜〜!!! 起きろ――――――――!!!」


それなりに大きい声で言ったにも関わらず、微動だにしないとか………………ん? いや、起きた、起きたわ!!


「ん……………」


まだ寝呆けているみたいだけど、起きたわ。ならばさっさと、リゼス様には起きてもらって、自分の寝室へ向けて………………ん? リゼス様?

リゼス様は、何故か、何〜故〜か〜、あたしの方へ手を伸ばしてきたのよ。ん? んん??


「……………サリー…」


何故に、そっちを呼ぶよ!? いや、確かに、確かに! 髪を染めているから、仕方ないんだけどさ〜!? 何か悪戯してやろうかしら?(ニヤリ


「兄さん、おはよう、いい加減に、お・き・て☆」


何て可愛いらしく、茶目っ気たっぷりに言ってみたのよ。


「サリー………かわ…」


そう言うやいなや、リゼス様の手により、腕を捕まれて、引き込まれる。


「わっ! ちょっ、リゼス様!?」


何故か抱き込まれ、首元をスリスリ……………。あ、これ、あかんやつや!


『こんれぇー! 何をやっとるか! この不届き者がぁぁぁ―――――――!!』


ゴッチン!


樹英様の怒号と共に、何かがぶつかる派手な音がした。けど、あたしの方は、頭が沸騰しそうよ!! 勘弁して! は、恥ずかしい…………、そ、それに、異性に抱き締められた! 首に、す、スリスリ、された!!

今のあたしを見たら、間違いなく、真っ赤に熟れた林檎みたいに、赤くなってると思う。


「いてて…………、あれ? 何でここに?」


ベットから落とされたリゼス様は、何が起きたか分かって無いようで、痛むらしい頭を右手で押さえつつ、上半身を起こしていた。足は片足だけ、立てている。


『覚悟は良いかっ!』


お爺ちゃんが勝手に権限して、杖をまさに天誅、と言わんばりに、構えていた。


「えっ!? ご老体、どなたですか!? えっ!? ここは…………ん? サリー?」


ようやく正常に動き出したらしい、リゼス様の頭。取り敢えず、お爺ちゃんを強制的に止めて、影に戻す。グチグチ言われたけど、これで怪我されたら、不味いからね。


「お、おはようございます…………」


「え、おはよう…………あの、何故に顔が赤い…………あ………」


正常な動きを始めた頭は、最高のタイミングで、先程までの事、恐らく昨夜からの事を思い出したらしい。


「サキ殿! 申し訳ない! あれ程、注意されておきながら!」


………………何故か、土下座されました。それも大変、素晴らしく綺麗な土下座。何だか、デジャブだわ。でも、注意された? 誰によ?


「えっと、まぁ、未遂でしたし……………?」


ゴモゴモと話すあたしを尻目に、綺麗な土下座を続けるリゼス様。これをどうしろと?


「取り敢えず、着替えますんで、えーっと、出て貰えますと…………」


リゼス様、あたしの姿を見て、パジャマ姿と気付いてくれたらしく。あたしより赤くなって、クルッと背中を向けて、ドアに行ったんだけどさぁ。

今日はどこまでも、ついて無かった………………。


「失礼致します、お客様、起きていらっしゃい…………」


リゼス様と鉢合わせした。あたしもリゼス様も、赤い顔だったが、正常に動かない頭で、それでも何とか、リゼス様は足早に部屋を出た。


「あー、起きてます…………着替えたら、降りて行きますので」


「畏まりました」


そう、メイドさんは普通に行ったから、安心したのだけれど。


『主人、先程の者、話してしまったようだぞ?』


影に居た龍から、爆弾発言があって、我にかえる。あ! 口止めすんの忘れた!

………………あー、また一波乱おきるの?


嘘でしょー!



◇◇◇◇◇



慌てて身支度をして、階下に降りたら、何やら生暖かい空気、及び慌てた様子のリゼス様。

あぁ、やっぱり〜?


「本当に違います! 魔術師殿とは、仕事仲間であり、恋仲ではありません!」


必死過ぎて、あまりの慌てぶりに、逆に本当かと疑う方々も居るみたいね。しっかし、好きだねぇ、どこの世も。恋に関する話は、世界すら越えて共通かい!


「あら、魔術師殿、いいところへ!」


あのー? 伯爵夫人? 何故に目がキラキラ、いや、ギラギラしてるのかな!?


「リゼス様と一夜を共にしたとか! どこまで進みましたの? 本当に何も無かったの?」


あって欲しいと語る目に、あっちの…………陰陽師として、動いていた頃を思い出して、苦い気分になる。


「残念ながら、何もございませんよ……………? 何かご期待したようならば、どういった事をご期待したのでしょうか? 此方が逆に伺いたいのですが? どうぞ、教えて下さいませ」


あたしが問えば、逆に皆は困ったように、目線を泳がせる。当然だ、あたしは今、マントを羽織ってないから。まだ幼さ残る顔立ちのあたしには、卑猥な事は言えないわよね?(笑)

ウフフ、確信犯ですけど、何か?

でもね、ふと思うのよ。こんなに普通に終わる訳がないのよ。必ず、何か厄介事が起きるよ! 本当にどーなってんの、朝から!!


「旦那様っ、大変でございますっ!」


老齢な執事さんが、見事に慌ててる。

つ・ま・り〜♪

厄介事ですよねぇ〜〜〜〜〜!


本当にあたし、何したよ!?


お読み頂き、ありがとうございます♪

ちょっと、やってみたかったんです。こういう展開☆ 楽しんで頂けましたか?

次は嵐が起きる予定です(笑) そろそろ来るぞ〜! 台風の目が(笑)


次回も波乱の予感です♪ 宜しくお願いしますm(__)m

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