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特別閑話 トリック オア トリート !? ………ん?

本日は、この前おこなったハロウィン企画の特別小話です♪

お楽しみ頂けたら、幸いです。

皆様、こんにちは〜♪

異世界に来たあたし達も、半年を過ぎて、すっかり勇者が板に付いてきた今日この頃。

本日は、フランツ様にあるお願いをしに来たの。部屋には、フランツ様と、側近二人、あたし、翔太がいる状態。


「フランツ様〜、実はこういう催しをしたいんですけど、許可を頂けません?」


「ん? 何だい?」


不思議そうなフランツ様に、詳しく書いた説明書……企画書かな? それを渡したら、何故か目がキラキラ輝いた。

あ、何か嫌な予感! 隣に居る翔太は気付いてないようだけど、側近二人は気付いて、慌て始めてる。う〜、何かごめんなさい!


「面白い計画だね! 是非ともやろう! どうせなら、皆も巻き込んで、盛大にやりたいね♪」


いやいや!? あたしが考えたのは、お菓子を交換しあう、日本のようなハロウィンよ!?

明らかに、それ以上をする気でしょう!?


「あの、フランツ様? ささやかな企画のはずですよ? 盛大にやるのは結構ですが、羽目を外してまでやる必要はありませんからね!?」


流石にこれはヤバイだろうよ!? 少しならまだしも、ガッツリ羽目を外して楽しんだら、色々大変な面が出てくる。あたしは、城の皆で楽しもうぜ〜なノリなのに、明らかに大事にしようとしてるわよね!?

慌てて止めようとした、あたし。隣には、ばか騒ぎが大好きな、厄介者が居たのよっ!


「いいじゃん! 面白そうだしさ!」


「よくない!」


即答で止めたあたし、ナイス☆ 側近二人も止める気のようで、首振り人形ねように、首を縦に振っているわ。

だって、考えてみてよ!

あたしが考えたのは、少しの仮装――――制服に何かを足す―――と、お菓子の交換と、恋の催しを出したに過ぎないわ。

でも、フランツ様が張り切ったりしたら、間違いなく大事になるのが確定するわ!


「うん、仮装するなら、仮装パーティーをしよう! 国内の貴族を招いて…」


「「「却下!」」」


とんでもない事を宣うフランツ様に、あたし、リゼス様、トーヤ様が、即答で止める。


「あの、リゼス? 僕は変な事を言ったかい?」


キョトンとしてしまったフランツ様は、リゼス様に聞いてるけど、言ってるわよ!


「別に楽しいんだし、いいんじゃねぇの?」


此方にも分かっていないバカが居たわ。バカこと翔太には、あたしが鉄拳制裁しとく。痛いとか騒いでいるけど、自業自得よ!


「殿下、失礼ながら、この企画は身分が下の者達も楽しめるようにされております、仮装パーティーは次の日に行い、働いている者達が楽しめる日を設けるのも必要かと」


上手いわよ、リゼス様! あたしの計画と、フランツ様の思い付きが上手くミックスしてるんだから! 何せパーティーとなると、朝から忙しいからね〜。せめて前日くらい、楽しみたいわよね。少しくらい♪


「殿下、たまには働いている者達にも、楽しみを与えないとさ、気晴らしは重要だろ?」


ウインク付きで、トーヤ様が締めくくったんだけど……………ちょっと背筋が寒いのは、あたしだけかしら? 男へ向けてのウインク………其方の世界が好きな方には、ご褒美かしらね?(笑)


「それもそうか…………分かった、この日の前日に催しを行い、この日は仮装パーティーをしよう」


あ、仮装パーティーは、確定なのね(笑)


「「畏まりました」」


リゼス様とトーヤ様の綺麗な礼が、美しく揃った。

……………隣の翔太のアホ顔は、見なかった事にするわ。



◇◇◇◇◇



あれから時間は過ぎ、ハロウィン“前日”。

フランツ様のご提案(笑)通り、今日は城に勤める皆の、楽しむ一日よ。制服に軽い仮装、お菓子を配るくらいだけど、若い皆さんには恋のイベント☆

先程から、楽しそうにキャッキャ、ウフフの皆さんが、あたしに挨拶しながら、通り過ぎて行く。やはり城に勤めるだけあって、皆さんセンスがいいわぁ。制服にピンやリボンを着けて、髪にも普段は使わないだろう、小さいながらも控えめな可愛い飾り。うんうん、目の保養だわ。

ハロウィン定番の文句は、流石にそのままだと使えないので、あたしら勇者で考えて、違うものにしたの。


「ハッピーハロウィン! お菓子下さいな♪」


シンプルな掛け声にしたのは、此方の皆さんが楽しめるように。以外とあっさり受け入れて貰えたのは、こっちも嬉しい限り。悪戯はちょっとコワイので、やめたの。悪戯で死罪とか寝覚め悪いものね。

でも、お菓子も頂けて、あたしもホクホクよ☆


「ハロウィンて嬉しいわ! 公認でお菓子を食べれるんだもの!」


なんて話す、強者も居たけど…………やはり、乙女の皆さんは、自分の好きな人と〜って考えている人が多くて。


「あの! アブンセル様! は、ハッピーハロウィン! お、お菓子下さいませ!」


完全に緊張して、裏返った声の少女は、赤い顔のまま、期待のこもった夢見る顔に、ファイさんは曖昧な笑顔を浮かべつつ、用意していたお菓子を渡す。


「ありがとうございます!」


キャー☆ なんて言いながら、夢見る少女のように、去っていく。


「モテモテね、ファイさん♪」


冗談の感じで言ったら、ファイさんが、げんなりしてしまった。


「僕よりも、彼方が大変かと………」


と、同情気味に、其方を見たファイさん。そこには、女性の人だかりが出来た場所が3つ。

勿論、侍従の皆さんですよ(笑)

ユリーさん、ジーク&ローグ、レイヴァンさん達ね。特に、ユリーさんの集まりが凄いの何の……………コワイわぁ。

勿論、違うとこでは女性の侍従達も人集りが出来てるわ。此方は、女性騎士なので、男性騎士達と和気あいあいなのが、まだ救いだと思う。


「仕事しながらだけど、皆楽しそうね」


笑顔が溢れた催しは、こうして和気あいあいと終わりを迎えた…………とは、問屋が許さなかった。もう! 何でお約束が来るのよ!?

始まりは、この言葉からだったの。


「あら? ねえ、あれは何かしら?」


そう、一人のメイドが言った、その言葉とほぼ同時に、あたしの背筋に冷や汗が滴る。体は昔の癖か走りだしていた。影から、龍と緋ノ斗を呼び出して、春に結界を張らせる。

―――――――この間、五秒。


「何でこんな時に、魔族が現れるのよっ!」


そう愚痴りたくなるのは、許して欲しいわ。龍の背に乗りながら、空中にいる魔族を目指す。

………………あっちも気付いてるみたいだし?

と、下から、翔太の姿が見えた。


「咲希っ! どうなってんだ!?」


何て本人は、慌てた様子だけど……………頬っぺたのキスマークに殺意が湧いたわよ?


「見ての通り、よ? ―――――そちらは随分、お楽しみだったようね、翔太」


怪訝そうな顔をしてるけど、キスマークの所為で真面目さが台無しよ!


「何だよ、咲希」


「頬っぺた」


ちょいちょいと頬っぺたのキスマークを教えたら、顔をリンゴみたいに赤くして、翔太ったら、慌てた様子でごしごし擦ってる。恥ずかしがっても、もう遅いと思う。飛び出した時に、バッチリ皆が見たはずだもの。明日の噂が楽しみだわ♪


「〜〜〜〜〜!! んな事より、魔族!…………………ん?」


話題をそらそうとした翔太が、二度見した。だよねぇ〜…………、あたしも、だから、翔太をからかっ…ゴッホン、翔太に注意したわけだし。

本日、要らない時に来訪しやがったのは、ハロウィンらしく、ジャックオアランタンを“頭”に被った、変人とも言える魔族だったのだ…………………ブフッ!

吹き出しそうになるのを、必死で押さえているんだから、肩が揺れるのは許して欲しいわ(笑)

まぁ、それ以外は、タキシード姿であり、ステッキを持っている事から、まともに見える…んだ……けど…………ブフッ、フフフ!

何で、何でカボチャを頭に被ってるのよ〜(笑) あー、ダメ。笑いが我慢出来ないわ!


「ブフッ、アーハッハッハッハ………も、もうダメ! 笑いが止まらないわ!」


「咲希、笑い過ぎだっフフッ………失礼だろう…………ブフッ!」


そういう翔太も、笑いを我慢して肩が揺れていた。頭とその下の対比が凄まじいのだから、仕方ないわ!


「貴様等〜〜〜〜〜! 笑いやがって! 失礼だろう!」


あ、変人がぶちギレた。でもさ? そもそもの話。


「だって、その格好が悪いんじゃない!」


「カボチャを頭に被るヤツはいないだろっ!」


あたしと翔太に、大爆笑され、勿論、正論を言われた訳なんだが、どうやら、魔族にとっては言ってはいけない禁句だったようで……………。


「貴様等〜〜〜〜〜!! 我が一族の家宝に何たる侮辱か!」


そういうなり、杖を振りかぶり、その先端からは黒い魔力が球状に集まり始めて、かなりヤバい雰囲気を醸し出しているし!?


「うわっ〜、逆ギレって…………お前、モテないだろ?」


何故か分からないけど、どっかでグサッと何かが突き刺さる音がした……………。翔太、流石にそれは、相手が哀れよ………………?


「貴様に言われたくないわっ! 俺だって、俺だって、モテモテになりたいんだよー!!」


と、同時に、魔法が発射される。


「だったら、そのカボチャを外して、まっとうな魔族になってから、出直しなさいな!」


あたしは正論と共に、魔族の魔法を光魔法で相殺☆ 初めてやったけど、意外と出来た(笑)

んで、そのままお札を用意して、とある呪いをプレゼント(笑)

魔族よ、女の恐怖を思い知れ!


「な、何!? 貴様っ、何をした!」


慌てて、あたしから逃げるけど、遅いわよ? 呪いはかかったから♪ 何かされた気はしたようで、ヤツは逃げる選択を選んだようだ。


「覚えとけよ!?」


何て三流の捨て台詞を残し、ヤツはあっさりと帰ったのだった。


さーて、ハロウィンの続きしよ〜。

しかし、何だったんだ? あの魔族。



◇◇◇◇◇



次の日、まさかあたしまで仮装パーティーに強制参加するとは思わず、泣きそうになるんだけど、翔太を引っ張り込む事には成功した。

あたしは何故か、妖精の格好………うん、笑ってくれ!(涙)

んで、翔太は楽団の格好。何か似合っていたし、何気にリュートの演奏が上手だったのがムカついたわ。


「なぁ、咲希? あの魔族に何をしたんだ?」


「ん? モテモテにしてあげただけよ?」


翔太は裏に隠した意味を、正確に読み取ったみたいで、呆れた顔をしていた。まぁ、あの呪いは、女性が彼に対して、素敵な方♪ と思わせる、軽い魅了の術である。それで追い掛けまわされる事や、目の前でバトルをしたりして、女性を怖く感じるかもしれないが……………モテモテになるんだから、大丈夫だろう。夢は叶うんだから。


「………………お前、えげつないな」


何て会話がありつつ、仮装パーティーの夜は更けたのでした。


お読み頂き、ありがとうございます(^ω^)/

そして、ご参加下さった皆様、ありがとうございました!

こんな感じになりましたが、お楽しみ頂けましたか?


今度は年末企画を計画中です☆

皆様、またの参加をお待ちしております♪

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