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閑話 風雲、急を告げる(2 )

今回も閑話です。

不定期で申し訳ないです(汗


では、スタート!

Side 和磨


盛大なお見送りを受けて、僕達は四頭仕立ての立派な馬車に乗った。朝早くだというのに、王都に住む多くの人達が見送ってくれた。但し、のんびり出来たのは、王都の門を出るまでだった。


「では勇者様、オーヴェストの町に着くまで、こちらの教科書を読んでおいて下さい」


そう言って渡されたのは、一つ一つが元の世界の辞書並みの厚さの本達だった。この方、ブラオさんは魔術の先生をする方で、優香さんの先生役もやるそうだ。しかし、この量は多すぎる気がする。咲希さんなんて夕食が終わった後から、ずっと勉強していたらしいし。全ての属性を持つのも大変なんだな。そういう僕も、昨日から大変だった。

僕が選んだ槍は、老人の姿の聖霊が宿る、持ち手が白い槍で、刃の根元には緑色の拳大の玉が埋まった杖の役割も持った槍だった。僕の思った以上に彼は優秀で、すっかり馴染んでしまったのもある。だから昨日は、寝る時間まで槍を振るっていた。部活で使う物より重いけど、この分なら何とかなると思う。

そして馬車の中に戻るわけだが、聖魔術は思ったよりも複雑で簡単には覚えられそうにない。咲希さんは既にこの聖魔術を終わらせたそうだけど、僕には信じられそうにない。僕は元の世界では優秀な子だったと思う。テストの順位も1位が当たり前だったから。家は医者の家系の事もある。しかし咲希さんは、一般家庭だったはずだ。なのにこれを昨日で全て終わらせたと聞き、僕は背中に冷や汗が止まらなかった。だって有り得ないだろう。いくら分かりやすくても、出来る事と出来ない事はあるのだ。僕にとって、彼女は未知の存在に思えた。


「まさか、いきなり実戦とはね〜」


ボソリと呟いた咲希さんは、僕より分厚い本を読みながら話していた。それも読むスピードが有り得ない位に早い。僕の倍の早さで読んでいるのだ。


「まあ、行きながら、昨日に続いて色々と教えてくれるそうだし、何とかなる……と思う」


そうは言ったけど、僕は不安だった。翔太みたいに剣を上手く使えるわけでも、優香さんみたいに剣道を習っていたわけじゃない。恐らくこの中で、僕と咲希さんは足手纏いになるだろう事には、気付いている。


「俺は感覚さえ戻ればいいけど、お前等は大丈夫か?」


ふいに翔太が問い掛けて来た。確かに翔太は、この中で一番強いだろう。元勇者であり現勇者なのだから。


「私は、剣は何とかなるけど、魔法は習わないと分からないし…………」


とは優香さん。確かに魔法は分からない。僕は聖魔術しか習っていないし。


「咲希、お前は戦えんのか?」


「んーと、多分、大丈夫かな? あたしは魔法だけだし、遠距離タイプだからね〜、それより和磨君の方が大丈夫? 槍の経験ないでしょう?」


そう言えば、槍の話をしてなかった。


「槍なら薙刀を部活でやってたから、ある程度は使えるよ、昨日も少しやったし」


そう言うと、皆が驚いていた。僕はどうやら、皆から勉強しか出来ないと思われていたらしい。言ってはなんだが、これでも大会でそれなりの業績は残している。心外だ。


「サキ様、お話も宜しいですが、着く迄には、こちらの本全てに目を通しておいて下さいね」


優しい口振りとは裏腹に目は全く笑っていないブラオ・アズラクさん。


「大丈夫です、あと3時間くらい貰えれば全部読めますよ」


その言葉に、僕は頬が引きつるかと思った。彼女が読んでいるのは魔術書の中の本。初級の本も確かかなり前、1時間位前に読み終わったばかりのはず。読むスピードが早すぎる。僕は既に中の本に入っていたけど、咲希さんよりも薄いからだ。何故そんな早さで読めるんだ!?


「僕も同じくらいの時間を貰えれば、何とかいけます、少し実際に使って試してみたいですが…………」


何とか平静を装って言ったけど、実戦に使うためには、確かに使ってみたい。


「………お前等、よく平気でそんだけの本を読めるな……」


呆れている翔太には悪いけど、翔太は初級しか読んでいない。優香さんでさえ、中級まで読んだのに。


昨夜、ドラゴン退治が決まってから、僕には違和感がある。翔太である。彼は確かに強いだろう。しかし、相手はドラゴンだ。それなのに、翔太のしている事が少なすぎる気がするのだ。


「もうすぐお昼ですから、その時の休憩で実戦といきましょうか」


どうやら、お昼になったみたいです。やっと休憩が出来る。


「サキさまは本日中に中級呪文、ユーカ様は中級及び剣を、カズマ様は中級の神聖魔法と槍の復習を、ショータ様は剣と魔法の初級を、それぞれお願いします」


やっぱり、翔太だけ少ない気がする。


「翔太、何であんただけ初級?」


咲希さんも不思議そうに翔太に聞く。僕も是非とも聞きたい。何で翔太だけこんなにノルマが少ないんだ? 問われた翔太は、こう呑気に宣ったのである。


「ん? あー、オレ、魔法使えるし」


そうだった! 翔太は異世界2回目だったよ!!


「初級だけでしょ?」


確認と多分だけど僅かな殺意を込めた視線を翔太に向けた咲希さん。背中が何だか物凄く恐かったんだけど。


「いや、破壊級魔法がね、前の世界で覚えたやつがあるんだよ………この世界でも使えるし〜、だからこっちの呪文は覚えられるけど、今回は剣を中心に…って痛い、痛いからハリセンをしまえー!」

やっぱり咲希さん、ちょっと?お怒りだったみたいだ。それにしても世界一強い杖を、ツッコミ用ハリセンにするんて………それも素晴らしく良い音がなってるし。


「皆様、お昼です」


騎士の人から呼ばれ、お昼が始まった。お昼はシチューモドキとパン。シチューは僕等が普段食べているものより甘かった。けれど嫌な感じはしない。純粋に美味しかったと思う。パンは凄い歯応えのある物だった。柔らかかったけど、僕の顎は悲鳴をあけだ。

異世界、おそるべし。



どーもー! 疲れすぎてなんだがテンション可笑しい秋月です(=・ω・)/


いやー、早く本編やりたいんですが、どうしましょう? 時間が無い! 執筆時間がガリガリ削られてまして、只今睡眠時間を削ってチマチマ書いてます。

年末の忙しさは、馬鹿には出来ませんね? 皆様は大掃除はお済みでしょうか?

秋月は……実は終わってません(笑) 最後に大騒ぎしながら、怒濤の如くやるのが我が家です(汗

ミニ小説は本日もお休みします。楽しみにしてくださっている方、申し訳ありませんm(__)m そこまでの体力が只今、秋月にはありません。しかし! 正月休みには、復活いたします(笑) お楽しみに☆


では本日はこれにて(;^_^A


感想、誤字脱字、ご意見、ご指摘等々、いつでもお待ちしております。お返事も早めにご返送致します。

……………多分。

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