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閑話 ファイのお見合いミッション!(3)

お待たせ致しました! これにはファイさん視点は終わりです。

次回は、予定が出来しだい、活動報告にあげますので。宜しくお願いしますm(__)m


あの会食から、兄上はリュート様と仲良くなったようで、度々、ハナガラス子爵家に行くようになりました。いや、いいんですよ? リュート様方御家族は、兄上を気に入ったようですし、兄上が来ると必ずユリスティーナ嬢と、偶然を装って会わせてくれているようですから。

しかし、しかしですよ!?

兄上と話していても、リュート様の事は出て来ても、ユリスティーナ嬢の事が一言も出て来ないのですよ!


「父上! このままでは、平行線です!」


「そうですよ! あなた、何か策を練らねば…………」


家族が緊急会議をする程度には、危機感を募らせる訳です。


「ふむ、向こうもあまりの進まない展開に、頭を抱えておった…………」


家族三人で、深い溜め息を吐きます。本当に、我が兄上ながら、手強い! 恋愛に関して、ここまでてこずらせるとは!


「そうだわ、外堀は埋めていますもの、パーティーのパートナーにすれば、多少は進むのでは?」


母上、目が据わっています…………。温厚な母上に、ここまで言わせるなんて、兄上、貴方凄いです。


「そうだな、知り合いのパーティーに、パートナーとして出てもらうか」


父上も賛成のようです。私も、強引な方法でもしないと、進まない気がします。早くしないと、この話が流れてしまいそうです……………。


「父上、どうでしょう? 兄上とお揃いの服装をお願いしてみては………………勝手に外堀が埋まりそうですし」


ニッコリと微笑みを浮かべれば、両親もニッコリと素晴らしい微笑みを見せます。心は一緒です、皆。使用人達も同じようで、皆さん頷いています。この事に関しては、兄上に味方は居ません!


「素晴らしい考えだわ! ファイ! すぐに準備しなくては!」


「そうだな、そうしよう!」


兄上、どうやら味方は居ないようですよ? いい加減、ユリスティーナ様に落ちて下さい。早く結婚してくれないと、私が結婚出来ません!

貴族である以上、恋愛結婚は出来ないものです。しかし今回は、分かり合う猶予があるのです。勿論、本人の心を変える事は出来ませんけれど。ただ、この話が流れたら、兄上には恐らく、もう二度とチャンスが来ないと断言できます。

実は、兄上には社交会で、とある噂があるのです。………………ブラコンの噂が。あくまで噂ですが、事実な為に苦笑いするしかありません。

さて、そんな噂がある兄上に、ハナガラス子爵家の縁談が流れた、なんて噂が立ったら……………いくら嫡男でも、結婚相手を探すのに、と・ん・で・も・な・く! 苦労するはずです。名門中の名門、ハナガラス子爵家が流した縁談相手。よっぽどの奇跡が起きない限り、兄上にまともな相手が来る事は無いでしょう。

だからこそ、今回の縁談は何としてでも、成功してもらわねばならないのです!


「では、作戦開始で」


その場の皆で、頷き合ったのでした。



◇◇◇◇◇



次の日、父はハナガラス子爵家に話を通してくれたそうで、あちらからは翌日に、了承の手紙が来ました。

その日から、兄上にとっては、地獄の始まりとなったようです…………。

私は仕事で家にいない為、久方ぶり…………正確には一週間ぶりだったのですが、兄上に食事に誘われ行ったのですが。


「ファイ、助けてくれ…………母上が怖いんだ、ダンスにマナー講座、はてには衣装だぞ? 確かに、ハナガラス子爵家からも、ユリスティーナ嬢のパートナーを頼まれたから、しっかりやるつもりだが、こう毎日母上に言われては適わん」


ぐったり&ゲッソリした兄上に、かなり同情します。母上、本当に焦っているんですね。後で諫めておかなくては。


「しかし兄上、凄いではないですか、ユリスティーナ嬢のパートナーなんて! 尊敬しますよ、応援してますね」


励ましていくと、兄上の顔が明らかにキラキラと輝いて来ました。ん? はて、おかしな事を言ったでしょうか?


「尊敬…………そ、そうか! うん、お兄ちゃんは頑張るからな!」


あまりの勢いに一歩下がります。兄上、気付いていないのか、目がキラキラとしてますよ?


「は、はい…………しかし、このままユリスティーナ嬢が姉となってくれたら、僕としては一番嬉しいのですが……………」


なんせ、向こうの方々と我が家は、兄上とユリスティーナ嬢の結婚を望んでいるのですから。願わくは、両思いになってくれたらとも。


「ユリスティーナ嬢をか? 確かに素晴らしいご令嬢だが、今は破棄をされた直後だぞ? 不謹慎だろう」


思わず、ぎょっとしましたよ! あの、母上達をてこずらせた兄上の、あまりにまともな言葉に、魂が昇天するかと思いました。


「兄上、やはり疲れているんですね、母上には私から申しておきますね」


うん、きっとそうですね? そうに決まってます!


「確かに疲れてはいるが、ユリスティーナ嬢の事は別だ……………その、確かに素敵な令嬢だが、私とは無理だろう? あれ程素晴らしい令嬢だからな、結婚ともなれば破棄された事を除いても、伯爵家辺りが妥当だろう」


あ、兄上が、ユリスティーナ嬢に対して、そんなふうに思っていたなんて! え? これ、脈ありなんでは!?


「えっと、兄上? それはつまり、ハナガラス子爵家から縁談が来たら、受けて下さるんですか?」


「は? そんな話、あるわけ無いだろう? うちはあちらと違って、歴史はそこそこだし、ファイ以外目立つ要素ないしな、あるわけ無い!」


兄上、断言してる場合ではありません!! つまりそれは、ユリスティーナ嬢を自覚無しに、思っているって事ですよ!


「だから、もしもですよ! どうなんですか!!」


私の勢いに、兄上が仰け反りますが、知った事ではありません!


「ま、まあ、正式に来たなら、そしてユリスティーナ嬢が私で構わないと仰るなら、それならば………………」


……………皆様、聞きましたね? こうなったら、意地でも父上達に頑張ってもらわねば!!

その後、自宅に寄った私は両親にこの話をすると、二人は揃って号泣……………。やはり、そういう事になりますよね。本当に兄上には、てこずらされてますから………………。


「では、向こうにも話をしておこう!」


今にもスキップしそうな勢いの父上と、キラキラした幸せそうな母上。たまに娘も欲しかったと、淋しそうに言ってましたからねぇ。夢が叶いますし、義娘はアノ、ハナガラス子爵家の娘、ユリスティーナ嬢。最高ですよねぇ。

さて、どうやら心配したような、一波乱はなく、無事に婚儀にたどり着ける………………なんて訳がありませんでした。


「はあ!? ユリスティーナ嬢側から、お見合い!? 父上、何かの冗談ですよね!?」


話が来てからの開口一番、兄上の本気の叫びが、屋敷にとどろきました……………。そう、兄上は本気で来ないと思っていたようなんです。声が動揺しまくっています。

あ、私が居るのは、たんに休みだからです。進捗状況を陛下に報告しないといけませんし。何でも、私の事もありますが、ハナガラス子爵家夫人と、正妃様は親友だそうで、それもあったそうです。


「諦めろ、もう決まった事だ」


そう、この危機感を募らせ捲った両親は、お見合いをしっかりセッティングしたんです。もう決定事項で、次のパーティーは、正式なパートナーとして、出席させるつもりのようです。お揃いの服装で出れば、確かに分かりますからね。


「まあ、やはり、兄上ですからね」


こうでもしないと、鈍い兄上は気付かないでしょう。

無自覚にユリスティーナ嬢を思っていた、己の心にも。そして、家族の思いにも。


「上手く、まとまりそうですねぇ」


これなら安心して、陛下に報告出来ます。



◇◇◇◇◇



結果から言えば、お見合いは大成功で、両親は涙を流しながら喜んでいました。


「ファイ、聞いてくれ! 今日は………」


あれから1週間ですが、最近は義姉になる予定のユリスティーナ嬢との、本気の惚気話を、延々と聞かされています。


「良かったですね、本当に」


えぇ、本当に良かったです。このブラコン兄上に、素晴らしい花嫁が来るんですから。本当に良かったです。


「それでなぁ………」


だから、先程から延々と聞かされる、この惚気話ぐらい、聞いてあげますよ、兄上。素晴らしい花嫁をゲットした、その祝いとしてね?


◇◇◇◇◇



クラリオン王国、王宮、国王執務室にて―――――――。


「そうか! 見合いは上手くいったか!」


「はい、我が兄ながら、あの鈍さには本当にヒヤヒヤしました」


「ふむ、しかし安心したよ、これで問題解決だな、ユリスティーナ嬢には不憫な事をしてしまったからな」


「そうですね…………」


あの前バカ婚約者は、陛下自ら、怒りの鉄槌と、浮気相手であり、今の婚約者との婚姻を決定していました。更に辺境への移動も、追加でありました。確かそこ、浮気相手の父親が……………、いや、やめましょう。

まあ、ユリスティーナ嬢は我が兄との婚約者となりましたので、もう大丈夫でしょう。


「時にファイよ、お前の婚約だが…………」


「陛下、私はまだ、独身を楽しみたいのです、ひらにご容赦の程を………………」


「そうか? ふむ、今回の褒美は、そうだなぁ……………王家からは婚姻祝いを直接送る事は出来ないからな、後程、祝いの品を贈ろう」


こうして、無事に我が兄上の婚約騒動は、幕を閉じたのです。本当に疲れました………………。


お読み頂きまして、ありがとうございます♪

ようやく完成しました☆

では、裏話を少々。何故、子爵家に王家が絡んでいるか。ハナガラス子爵夫人が、王妃様と懇意にしていたからですが、他にもあります。この前婚約者、実は王様が見つけて来たんですよ(笑) そりゃ干渉しますよね? ファイさんのお兄さんは、優良物件なのに、ブラコン噂で未だに独身。相性も良かった(占いで)らしく、今回のお見合いが決行しました。

あれ? ちゃんと説明になってますか?? 不明な点は、作者にお問い合わせ下さいませ☆ 頑張って答えますよ〜。


さて、本日は、もう一本、投稿しております♪ どうぞ宜しくお願いしますm(__)m

題名は『掘りましょう』です。

では、また次回お会いしましょう♪

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