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閑話 翔太と優香の国境戦( 6)

次回は3月15日の予定です。ま、間に合わなかったらごめんなさい(__;)


Side:翔太



血の臭いに誘われ、現れた無数の魔物達。勿論、種類はバラバラだが、目が赤くなってる時点で、操られて理性が無いのが、丸分かりだ。

俺一人で、既に4桁の敵を倒したが、まだ居るとか……………。マジで、どうすっか?


「おいっ! 双子! 魔物は後、どんぐらい、この辺に居るんだ!??」


一応、双子は把握してたらしい。俺も戦いながらだからな。怒鳴ってしまったのは、後で謝るからな?


「「後、500程です!」」


えっ? マジで?

まだそんなに居るのかよっ!? 俺、結構な数を倒したよな? スザリオン王子も、かなりの数を倒していたから、終わりが近いと思っていたのに………………。どんだけ集めたんだよっ! 魔族の野郎!!


「チッ、めんどーだなっ!」


目の前に来た牛みたいな魔物を、剣の側面で叩き、タタラを踏んだところを一刀両断する。相変わらず、切れ味の良い事で。


「フリーレン! まだ行けるか?」


いくら切れ味抜群でも、宿る聖霊に聞くのは、既にクセになっている。


『あら、まだまだ行けるわよ? 主こそ、動きが鈍って来てるわよ?』


うるせー! 仕方ねーだろ、こっちは人間なんだから、疲れくらい溜まるんだよ!


「このままだとヤベーな」


既に体力的に限界な奴等もいる。いつまでも、ちんたら狩りをしてる訳にはいかないだろ?


「優香ッ! 大技出せるか!?」


少し離れていたが、無事に聞こえたらしい。俺の魔力は、さっきの大技で、三分の一まで減ってるからな。だから、この場で頼めるのは、優香だけなんだよ。


「分かった! 少しだけ時間を稼いでっ!」


「了解っ!」


『『『おうっ!』』』


優香の魔力が動き始めた。魔物達も気付いたのか、優香に向かってやがる。勿論、俺達で華麗に倒してやったがな!


「行くよ!『(ライティング)の(・)浄化風(ホーリーネス)!!』」


優香の呪文は、彼女を中心に、浄化の光が波紋のように広がる物だ。光の上級呪文………だったと記憶している。俺、まだ中級しか使えねーんだけど……………。咲希しかり、和磨しかり、優香も含めて。何気に俺の周りに、優等生ばかり居るのは、気のせいか?


「お〜、スゲー眺めだぜっ!」


目の前では、優香の呪文の効果が現れて、正気に戻ったらしい、一部の魔物が撤退を始めている。残りは、多分、直撃だったのか、そのまま倒れた奴等もいた。

………………倒れた奴等、危険指定を受けてる奴等ばっかりなの、気のせいかな?

いや、気付かなかった事にしよう。うん、そうしよう! 面倒だ。


「ショータ様、あと一息です!」


レイヴァンの奴、イキイキしてんなぁ。おかしいだろ? こいつこんなキャラだっけか? 天然ボケはどこ行ったよ!?


「ショータ様、先程の攻撃で半数に数は減りました!」


「残りはユーカ様の攻撃が届いて無かったようです!」


「「どうしますか!?」」


双子や、ハモラないでくれ。まあ、半数って200程。間違いなく、回復が優先だな。最後に無茶は駄目だ。

回復を広範囲で出来る奴等は、数人で、後ろで怪我人を相手にしてるが、さっきの優香の魔法で、少し余裕が出来たようだ。


「おいっ! 誰か広範囲の回復魔法をかけてくれ! 僅かな余裕を逃すな!」


俺の怒声に近い掛け声に、後ろの皆はビックリしたらしいが、それなりの広範囲回復魔法をかけてくれた。この場では、最適な判断だぜ。


「さあて、残りの討伐もやるぞ!」





『『『おぉぉぉぉぉ―――――――!!』』』





余裕の出来た騎士達も、黙々と魔物達を狩っていく。スゲーよ、こいつら…………。プロだけあって、次から次へと無駄無く狩っていく姿に、称賛しか出てこねぇよ。


「ショータ様っ! ヤバいのが出てきました!」


俺も黙々と狩っていたら、何故か緊急事態の言葉が、レイヴァンから来る。おいおい……………、一難去ってまた一難かよ。泣くぞ、こんちくしょ〜〜〜〜!!


「ショータ様、あれランクBのジャイアントギガンテスです!」


「あれは危険ですよ!?」


双子が騒ぎまくってるが、手元はきっちりと魔物を狩っている……………。器用だな、色々な意味で。


「ランクBか、なるべくランクBとかの上位個体を狙ったつもりだったが、こいつは逃がしちまってたか…………」


俺とスザリオン王子で高位ランク持ちを、早々消していたんだがなぁ。こいつは下のランクと行動していたから、逃しちまったようだ。


「優香! まだ行けるか?」


声をかければ、颯爽と来た優香。あっさり敵を倒す辺り………、た、たくましい事で。俺も決めたいもんだ、格好良く。


「勿論☆ 話も聞こえてたよ、あれを倒せばいいんだよね?」


「あぁ、そうだ」


しかし、ジャイアントギガンテス……………でけーなぁ。背丈はビル5階くらいあるだろうか? おかしい、この大きさなら、遠目でも確認出来たはずなんだがな? 見逃すなんてあるか?


「レイヴァン! 弱点分かるか?」


初めて戦う以上、知識は必要だ。俺の魔力、まだ回復しきれてねーし、ムネリアの魔法も、今は無理だ。詠唱時間がないからな。


「弱点は目です! 後、魔法攻撃は効きません!」


………………はぁ!? 物理でこいつを倒すのかよ!?

はあ…………。

あ、背丈は言ったな。奴の姿は頭のてっぺんに巨大な短い角が生えていて、皮膚は青。服のような毛皮を着ており、手には巨大な木が、そのまま握られているんだわ。腕や足の筋肉が、太いから出来るんだろうな。

マジで物理だけは、キツいだろ!?


「なあ、優香…………物理だけで倒せるか?」


「やるしかないよ? 私達、勇者だもん」


だもんってなぁ……………。俺も腹をくくるしかねぇか。


「だな、行くぜ! 優香!」


「うん!」


かくして、戦闘の火蓋は、切って落とされた。



◇◇◇◇◇


Side:優香



ジャイアントギガンテスの相手をする事になった私達。騎士の皆さんは、周りの魔物を狩ってくれています。

この、ジャイアントギガンテスは、巨大なだけでなく、力も強く、魔法攻撃も効きません。物理のみです。ここに咲希ちゃんが居てくれたら、弓で倒せたかもしれませんが、今、私達の中には、弓を使える方はいま……。


「双子! 弓使えたよな? 弓で目を狙え!」


えっ!? ジークさんとローグさん、使えたのですか!? 私、見た事ありませんよ?


「「了解です!」」


素直に答えた辺り、本当のようです。騎士団に顔を出す翔太君だから、知っていたのかもしれませんね。

さて、私も頑張らないと!

…………………とはいえ、物理のみとなると、私ではかなり相性が悪いです。私はスピードタイプの剣士ですから、魔法を封じられてしまうと、どうしても力だけでは男性に負けてしまいます。


「優香っ! 双子が目を潰したら、そこを狙え! スピードタイプのお前なら、暴れる隙をついて攻撃できんだろ!」


翔太君、そんな事まで考えていたのですか。私の不安等、意味すらありませんね……………。


「分かりました! 全力でお相手致します」


これが終わらない限り、帰れませんからね。早く皆の顔が見たいです。アカネや、ヒマリちゃん、カイトちゃんも、親代わりの私達が居なくて、寂しがっているはずです。早く終わらせましょう!


「双子っ、やれっ!」


いつの間に用意したのか、ジークさんとローグさん、見事な弓を構えていました。後から聞いたのですが、お二人は武器マニアだそうで、大抵の武器は扱えるそうです。ただ、この時の私は、純粋に尊敬していました。だって、凄い事ですからね。


「「行きます!」」


ジークさんとローグさんは、翔太君の号令で、ジャイアントギガンテスに向かって行きます。動きが速いため、敵は動きに付いていけないようで、出鱈目に動いて二人を寄せ付けまいとしますが、二人の方が上手です。動きが単調なので、大きな隙が出来ます。


「そこだっ!」


「当たれっ!」


二人の弓から矢が放たれ、一直線に向かうのは、ジャイアントギガンテスの巨大な一つの目。二方向から放たれた矢は、見事に当たり、凄まじい咆哮のような悲鳴が上がります。


「よっしゃっ! ナイスだ、双子!」


青い血を流す目を、両手で押さえながら、暴れ回る巨大に、ヒヤヒヤします。見境無く暴れているため、逃げ遅れた魔物達が潰されたりと、見る間に地獄絵図が出来ていきます。


「うわぁ………優香、後は俺が行くからいいぞ?」


流石に、翔太君も顔が引きつっています。それ程の光景なんです。


「いえ、私が行きます」


翔太君、気付いてないようですが、魔力がかなり少なくなっています。それに、翔太君、剣技を使えば速いはずなのに、使っていません。かなり疲れているでしょう。


「一瞬で終わらせます」


私も道場の娘です。真剣も使う、そんな場所にいれば、翔太君が使っていた技の一つ、居合いぐらいなら、私も使えるんです。問題は、私は翔太君のように、離れた場所へ使えない事です。

でも、ギリギリまで近付けば…………。


「行きます!」


私だって勇者です! 負けません!


読了、お疲れ様でした。そして、お読み頂きまして、ありがとうございます♪

えー、遅くなりまして、本当に失礼しました。中々書けなくて、時間がかかってしまいました(;^_^A

次回こそは、宣言通りの日に書けるといいのですが……………。


では、またお会いしましょう♪

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