閑話 風雲、急を告げる(1 )
大変お待たせいたしましたm(__)m まだしばらく忙しいため、不定期が続きますが、これからもよろしくお願いします(・ω・)ノシ
Side 優香
武器を決める、そう言われた時、私は本当はとても恐ろしかったのです。武器は誰かを傷つけるものだと、師であるお祖父様に常々言われていましたから。
でも、私はこの世界を救うために召喚されたので、武器を持つ事は仕方ない事なのでしょう。話し合いが出来る方なら、勇者を召喚する必要はないのですから。
「こちらが剣が置いてある部屋になります」
その声が響いて、辺りを見渡すと、いつの間にか目的の部屋についていたようです。私とした事が、考え方をしていたために気がつかなかったようです。気を付けなければいけませんね。
「俺は大剣を使うんだが、どこにあるんだ?」
一緒に来た翔太君は、すぐに目的の場所に案内されていきました。
さて、私はどうしましょう? 女の私は翔太君のように大きな剣を使う事は出来ませんし、私の戦い方には合わないでしょう。私はスピードで相手を翻弄するような戦い方をします。とすると、私はレイピアの様に細い剣を使う必要があるのですが、命懸けの戦いをするこちらでは不利になる事もあります。
「どうしましょう?」
考えていると、翔太君がホクホク顔で戻ってきました。どうやら思ったより考えていたようです。まだ実感がないのかもしれません。
「あれ? まだ決めてなかったのか?」
驚いている翔太君には悪いですが、私にだって悩みはあります。
ん? 翔太君に相談すればいいではないですか!!
「防御が心配なら、盾か二刀流にでもしたらどうだ?」
言われてハッとしました。私はスピードタイプです。今までやってきた剣道でもそれは発揮されています。しかし盾を持てばスピードタイプにとっては大変かもしれません。ならば答えはひとつです。
「細剣は何処にありますか?」
連れて来てくれた女性の聖霊さんに聞くと、案内してくれました。しかし、本物の剣は竹刀よりもずっしりと重いのです。私に二刀流は出来るのでしょうか?
「こちらになります」
案内された所には、一目見ても分かる程に立派な剣達が所狭しと置いてありました。恐る恐る触る私を、聖霊さんは微笑ましいのか、笑みがとても優しいです。
「あら?」
ふと、ある剣が、どうしてか気になりました。近づいてみると、美しい細工のされた二振りの剣。触れてみると、私でも振れるくらい軽いのです。右の剣は銀色に青い宝石がついたシンプルながら持ち手に細かい細工のしてある美しい剣。左のあるのは、金色に紅い宝石が付き、こちらには剣の柄に美しい花の飾りがついていて、シンプルに見えるのにも関わらず、目が離せない何かがあります。
決めました! 私はこの子達にします!!
こうして私達は、武器を決めて、最初の場所に戻って他の方を待っていたのですが、戻って来た咲希ちゃんに驚きました。
「咲希ちゃん………」
思わず呼んだ彼女の名前ですが、声が震えて仕方ありませんでした。咲希ちゃんから、先程まで感じなかった何かと、そして後ろにいる人から感じる何かが凄かったからです。私が契約した二人もビックリしたのか、固まってしまいました。
「咲希さん……」
和磨君もビックリしたようです。彼の後ろにいるご老人姿の聖霊さんは、興味があるのか咲希ちゃんを観察するように見ていました。
「お前、彼が何者か気付いてないのか?」
翔太君も声が少し硬かったです。多分、気付いたのでしょう。咲希ちゃんが契約した彼の強さを。後ろにいた翔太君の契約した聖霊は……思わずお姉様と呼びたくなるような美しい女性の方でした。姿を見たのは初めてですが、何故か分かりませんが嫌な感じはしませんでした。
「お嬢さん、気付いていないようだから教えてあげるわ、彼はね、この空間で一番強い聖霊なのよ? それを選ぶなんて、本当に凄いわ!」
その言葉で咲希ちゃんは固まってしまいました。勿論、私も驚いていますが、私の契約した二人、ソールとムーンがくっついて来たので、何とか声には出さずにすみました。可愛い双子の二人を、私は妹の様に感じます。元の世界では兄が二人いましたが、私をこんなふうに思ったのかもしれません。
「さて、出るか」
出ようとした所に、咲希ちゃんからストップがかかりました。どうしたんでしょうか?
「まだ防具とか決めてないでしょ!」
『『『あっ……!』』』
忘れていました。まだ武器以外決めていませんでした。咲希ちゃんの色々とビックリ発言で忘れていました。
「どれにしようかな〜♪」
素敵なものが沢山ある空間。咲希ちゃんは、ローブを選び始めましたが、杖の聖霊さんはあまり役に立ってはいないようです。
「咲希ちゃん、これは?」
私が手にしたのは、女性向けのローブと中の青のブラウスとスカートがセットになったローブです。色は可愛らしい顔立ちの咲希ちゃんに似合う青色。銀色の刺繍が美しいのと、胸元の大きな青いリボンが、咲希ちゃんにはとてもお似合いです。あ、ローブと上着、スカートの裾にはヒラヒラがついていますが、可愛いだけで嫌な感じはしません。
「? 綺麗……ね、似合うかな?」
こくこく
思わずそうなるくらい似合っています! 隣では杖の聖霊さんが私以上に首を振っています。そうですよね、咲希ちゃんにとても似合っていますから。
隣では翔太君が白金色の立派な鎧一式を。
和磨君は短いローブと軽装の鎧。動きやすそうなシャツやズボンを選んでいました。色は全てエメラルドグリーンです。
さて、私はスピードタイプですから、軽装を選ばないといけません。私は薄い桃色の軽い鎧と、間接を守るサポーターを着ける事に決め、他にも必要と思われる物を選びました。
皆のが決めるのが終わると、部屋を出ました。
しかし、そこで待っていた二人に、一日入っていた事を教えられた時は、本当に驚きました。
そういう事は早く行って下さい!
部屋に戻ってからしばらくして、夕食に呼ばれました。
私の案内された部屋は、花をイメージしたそうで、とても可愛い部屋でした。
咲希ちゃんの案内された部屋は、水をイメージしたそうで、青いローブを選んだ咲希ちゃんには、とてもお似合いでした。
和磨君は大人びた印象と、落ち着いた印象から、几帳面な感じのするシックな部屋で色は深緑色で統一されていました。
しかし何故か翔太君がとても派手な部屋に案内されたのには驚きました。本人もビックリしたみたいで、口が開いていましたが、咲希ちゃんは華麗にスルーしていました。私には出来そうもありませんね。
「エリー様、お呼び下さいまして、ありがとうございます」
いきなりの挨拶にビックリしました。そうです、この夕食には王族であるエリー様が呼んで下さったのです。挨拶をするのは当然です。私も慌てて頭を下げます。和磨君は、落ち着いていました。見習わなければなりませんね。
でも翔太君、肉で放心が治るとかいいのですか? いえ、いいと言う事にしておきましょう。
「あれ? 優香ちゃんは?」
「ゆ、優香さん?」
「大丈夫か?」
「っ!? は、はいっ!」
皆さんの視線が私に集中します。穴があったら入りたいです……。実を言えば、私はこういう席で食べた事がなかったのです。家で食べるのは和食ばかりでしたから、洋食を食べた事が殆ど無かったです。不安です、作法などが……。
いよいよ、食事が始まりました。予想以上に洋食は手強かったのです。見よう見まねで、何とか食べました。これから毎日、洋食なのですね。和食が懐かしいです………。
他の皆さんは、綺麗に食べていました。一番綺麗なのは翔太君でした。凄いです。まさか、食べる事がこんなに絵になるとは思いませんでした。
「サキ、何か入り用がありましたら、すぐに行って下さいね?」
エリー様が言った言葉は、とても心がこもっていました。本当に優しい方々ばかりですね。気遣いが嬉しいです。
そうして和んできた、その時。
バンッ!
「大変です!」
大慌ての兵士さんが入って来ました。何か起きたようです。
「西部、オーヴェストの町でドラゴンの目撃情報が出ました!」
どうやら、国の一大事のようです。
どうも、大変お待たせいたしました。秋月です。
今回は優香ちゃん視点を出してみました! いかがでしたでしょうか? 優香ちゃん、以外としっかりしています。
秋月は只今、忙しすぎて目が回りそうです。冗談抜きで、あり得ません。何ですか、これは。秋月は来年は余裕が出来ると喜んでいたのに……。まさか、まさか、期限もうけるなんて、誰が考えますか!!Σ( ̄□ ̄;)
ゴッホン、話題がそれました。
来年過ぎから、また平常運転できるように頑張ります。
感想・誤字脱字ありましたら、いつでもお待ちしております。