特別閑話 バレンタインデーは感謝の日なのです
一日遅れのテンシロバレンタインデーです☆
次回は、22日の予定です。
今日はバレンタインデーよ♪
てな訳で、厨房を借りて作って来たわよ〜☆ 手作りチョコを♪ 勿論、皆さん義理チョコよ(笑)
さあ、皆さんに順番に渡して行くわよ〜☆
まず、廊下で発見したのは、侍従のファイさんよ!!
「ファイさ〜ん、今日はバレンタインデーなんですよ〜♪ 私達の故郷で、お礼の意味を込めて渡しているんです、いつもありがとう、ファイさん☆」
あたしが作ったチョコは、一口サイズのダイヤの形の物を箱詰めし、青い袋でラッピングをしたものなの。プレゼントを渡すと、何故かファイさんが、ガチッと固まっちゃった。え? もしかして、嫌だった?
「こっ、これを、わっ、私のために…………!? 何と、何と言っていいのか……………!!」
あ、あれ? 何だか分からないけど、感極まって号泣しちゃったんだけど!? えっ、あたし、何かやらかしちゃった!?
「サキ様! これは一生大事に致します! 我が家の家宝にします!」
何て事を、宣ってるのよ!?
「もうっ、食べて下さいよ!! これ、チョコよ!? 早く食べないと、ダメでしょう!!?」
何とか説得して、ことなきを得たわよ……………。も〜う、チョコレートは、家宝にはならないわよ!!
まったく、本気で焦ったわ…………。
いきなりこうだったから、ぐったりしつつも、ファイさんと分かれて、次に廊下で出会ったのは、側近を連れたフランツ王子ご一行様。廊下を歩いてても仕事とか、本当に忙しいのね。
よーし、日頃の感謝を込めて、フランツ王子達にもプレゼントしましょ☆
「フランツ王子、お疲れ様です!」
「やあ、サキ、どうしたの?」
不思議そうなフランツ王子と、側近の皆さん。勿論、主旨をきちんと説明した上で、渡しましたとも。
「へー、ありがとう、君の故郷では、素晴らしい風習があるね! バレンタインデーか…………、後で詳しく教えてくれ、では、急ぐので失礼するよ」
爽やかに去って行く、フランツ王子。あ、勿論、側近のリゼスさんとトーヤさんにも渡したよ? ビックリされたけどね(笑) 少しはチョコで癒されてね?
次に渡しに行ったのは、騎士団に居る翔太のところ。
「おう、咲希、何か用か?」
「えへ♪ 日頃のお礼に皆に渡してたの☆ バレンタインのチョコ」
「おー! サンキュー、咲希!」
「どういたしまして、城のコックさんに手伝って貰ったから、味は保証するわよ〜♪」
作るの大変だったんだから! コック……、いや、パティシエさんよね? マジで助かったわ。お礼に、皆さんにもチョコを渡しましたとも。とっても喜んでくれたわ。
「……………あー、生まれて初めての異性からのチョコが、咲希とか………」
「―――――あたし、キレていいかしら?」
それからすぐ、城の一角から黒煙が上がったけど、自業自得よね☆ 全く、失礼なんだから!
さてさて、次は薬室に居る和磨くんね♪
「咲希さん、どうしたの?」
薬室には、和磨くんが机に向かっていたわ。本当に真面目だよね〜。目の下に隈があるけど…………。
「今日はバレンタインデーだからね、チョコ持って来たの、はい、どうぞ、あ、勿論義理チョコよ」
「わざわざ、ありがとう、もしかして手作りかな? 嬉しいよ」
そのまま、手を休めて、包みを早速開ける和磨くん。あら、目の前で食べるの? 恥ずかしいなぁ。
「ちょうど甘い物が食べたかったんだ」
どこか嬉しそうな和磨くん。甘党だったのね? そういえば、お茶会とかすると、嬉々としてデザート食べてたわね。
チョコレートを手早く取り出すと、和磨くん、パキンといい音をだして、チョコをかじる。
「うん、美味しいよ、ありがとう、咲希さん、仕事で一週間も缶詰めだから、甘いのが染みいるよ」
……………健康的に大丈夫なの? 心配なんだけど。
まあ、とにかく和磨くんとは、和やかに時間が過ぎました。
さあ、次いってみよう〜♪
さあ、次はエリー様、行ってみよう♪
今日は、お姉さんとお茶会と聞いてるから、バラの庭園辺りにいるはずなんだけど……………。
あ、居た!
「エリー様、マリーローズ様、ご機嫌よう」
「あら、サキ?」
「ご機嫌よう、勇者サキ」
エリー様と、マリーローズ様は、色違いのお揃いのドレスで、優雅にお茶会をしてたわ。本当に仲がいい姉妹よね〜♪ あたしには弟………生意気な弟しか居なかったから、姉妹って羨ましいのよね。元婚約者には姉が居たけど、あたしはあまり、あの方が得意ではなかったから、こういうのには本当に憧れるわ。
「突然すいません、今日はあたしの故郷で、バレンタインデーという日頃の感謝を伝える日なんですよ、それでお二人にも渡したくて、お邪魔しちゃいました」
本当は事前に、エリー様の側近やお世話係に話を通しておいて、サプライズにしたんだけどね☆ その証拠に、側近やお世話係の皆さんが、花束を用意してたもの! あたしは勿論、チョコレート♪ こうして見ると、エリー様とマリーローズ様は、部下に慕われてるわよね。
「まあ! わたくし達に下さるの?」
「嬉し過ぎますわ! サキ、皆………お姉様、どうしましょう! 涙が止まりませんわ………」
あ、あら? エリー様、泣き出しちゃったわ。何かやらかした感があるんだけど、周りは微笑んでいるからいいのかな?
「あらあら、エリエンヌったら…………サキ殿、礼を言います、ありがとう、皆もよ? 本当に本当に、ありがとう!」
マリーローズ様の笑顔は、とっても素敵だったわ♪
さあ、次に行ってみよう!
次は大事な人、なんだよ? ウフフ、流石にソウ兄に渡すには、事前連絡が必要だったから、前月から連絡とって、遊びに来て貰いました〜☆ 暇だからいいって、あっさり来たソウ兄…………。あの革命的な何かが終わった後だもんね。忙しいのも、一段落ついたのかな? ……………仕事を放って来たんじゃないよね?
「これからも宜しくね、ソウ兄」
「おー! そう言えば、この時期だったな? 懐かしいや…………」
考え深いのね〜、遠くを見つめる、その背が黄昏て見えるわ。確かに、色々あったわよね〜、ソウ兄達は☆ かなり暴れたらしいし。
「チョコレートか、久しぶりに食べるわ」
「あれ? デザートで食べないの?」
こっちはたまに出てるわよ? デザートとして。まるで芸術のようなデザートが出るから、毎回楽しみなのよ〜♪
「こっちはフルーツが多いんだよ…………」
あらら。まあ、国も違うしね。仕方ないよね?
「いやー、しかし、ありがとうな、咲希! お兄ちゃんは嬉しいぞ♪」
あら、懐かしいわ。その言葉! お兄ちゃんは〜って、昔は色々話していたもの(笑)
私にとっては、大切なお兄ちゃんだからね。
「これからも宜しくね、ソウ兄☆」
さあ、次は優香ちゃん、行ってみよう〜☆
「優香ちゃ〜ん、ハッピーバレンタイン! チョコ作って来たよー!」
優香ちゃんは最近、騎士団か治療院に居るから、直ぐに見つけられたわ。
「咲希ちゃん? バレンタイン………そっか、今日だっけ? 最近、忙しかったから忘れてたよ」
照れてる優香ちゃんは可愛いけど、大丈夫なのかな? 最近は、治癒院にかかりきりだし…………。
「優香ちゃん、大丈夫? 無理してない?」
思わず言っちゃったのは、心配だから。仲間が疲労で倒れるなんて、あたしは嫌よ?
「ありがとう、咲希ちゃん、大丈夫、ちゃんと休んでるしね、治癒院の皆が止めてくれるから、安心して出来るの…………えっと、チョコレート、食べていい?」
前半、かなり気になる発言してたけど、後半のは照れてて可愛いわ〜☆
「勿論よ! 食べてもらう為に、作ったんだから!」
「ありがとう☆ チョコレート、大好きなの♪」
嬉しそうな優香ちゃん。大切に味わうように食べる姿に、違和感を感じたけど、美味しそうに食べる姿が嬉しかったわ。
さてさて、後は、あの方よね〜。
事前に今日の為に、謁見の時間を少しだけ獲得しておいたのよ(笑) バレンタインデーの為に、何でって思うかもしれないけど、こうでもしないと会えないからね…………。王様、忙しいから。
「王様、時間をありがとうございます、今日は、私の故郷でバレンタインデーと言う日なんです、日頃お世話になっている方々に、お礼や感謝の意味を込めて、お渡しするんですよ、という訳で、いつもありがとうございます! 王様」
あら、王様に渡したら、ビックリ顔の後、フニャッて顔が歪んで、泣きそう…………って、王様! 軍下の方々の前だからね!? お願いだから、マジで止めて!! こっちが睨まれるからっ!
「サキよ、ふむ、余にも渡してくれるのか…………ふむ、ワシらは、そなた達を勝手に喚んだと言うのに…………ふむ、ありがとう、勇者サキ」
あら、まだ気にしてたのね? あたしは、気にしてなかったのに〜。あたしは感謝してるのよ? またソウ兄に会えたんだから。
「気にしてませんよ、王様、私達がこの国で不自由無く、楽しく暮らせるのは陛下方のお陰ですから、だから改めて言います、迷惑をいっぱいかけてごめんなさい! でも、いつもありがとうございます、王様」
あたし達の活動が始まってから、定期的に胃薬を飲むようになったと、和磨くんから聞いてるからね。本当に、心から感謝してます。
本当に、ありがとう。
心から皆に、ハッピーバレンタイン!!
お読み頂きまして、ありがとうございます! バレンタインデー作品、楽しんで貰えましたか?
皆さんは、どなたかに渡しましたか? 秋月は、お世話になってる方々に、渡してきました☆
読者の皆様へ、感謝を込めて贈ります!
今回、テンシロの番外編を投稿しています☆ こちらは、しきみ彰様の企画参加作品です。興味のある方は、覗いてみて下さいませ♪
では、また次回、お会いしましょう!




