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特別閑話 現代のクリスマス( 4)

本日、2本目です!!

28日に新作短編小説が投稿されますので、気になる方はチェックしてみて下さいm(__)m


Side:咲希



はあ、折角のパーティーなのに、厄介事が起きてる。分かってるわよ? 当主様が言いたい事ぐらいはね? 会場の誰にも気付かせないで、祓うとか…………。中々、難易度が高いのだけれど?


「俺が結界を張る…………二人共、俺の付近から離れるなよ? 優香さんと和磨は、何か食べていればいい、絶対に目立つなよ、いいな?」


「どういう事?」


この、妙な気配を持つ青年は、天上翔太。彼の父とは、会った事があったから、すぐに分かったわ。そっくりなんだもの。


「俺の近くに、気配を完全に薄くする結界を張る、それと会場にもな」


…………………なんつー、ムチャクチャな!!


「咲希、頼むしかない、今日はあまり、お札を持ってきてないから」


「えぇ、仕方ないわね」


パーティーのお陰で、お札をあまり持てなかったから、仕方ないのよね……………。着物なら隠せたけど、今日はうちの母が張り切ってしまってドレスになったから。今日だけは恨むわよ?


「張ってちょうだい? 勇者殿」


皮肉だけは言わせてちょーだいな。楽しいパーティーで、人殺しはさせないわよ?


『守護の精霊に告ぐ、古の契約に従い、我に守護の結界を与え給え、我の姿は見えるとも、気配は消えて、世界に安らぎを与え給え!』


あらま、凄い! お札を使わないで、綺麗な結界を作成しちゃったわ! 確かに、気配が薄い。居るのに、誰も気付いてないわ!


「今のうちに、呪咀を祓え! もう一つは合図で張ってやるが、流石にこっちは長くはもたねぇーぞ」


これだけしてもらえれば、あたしらも動けるわ。助かるわ、本当に。


「竜一、呪咀はあたしが式神様で叩く! 対象者を護って!」


「了解!」


竜一とは、あうんの呼吸よ? 慣れすぎて、当たり前になっちゃったわよ。


(たつ)! (しろ)! 全力でやりなさい! 会場前で叩け!」


「…………対象者は……えー…? あいつ?」


あら、竜一が渋るなんて、珍しいわ。大抵は、仕事と割り切って、さっさと終わらせるのに。


「なあ、咲希? あいつが対象なんだけど、どうしよう?」


竜一に促されて、其方を見れば…………あー、あの方ね。


あたしらの視線に気付いたのか、天上くんも其方を見て、あー、気付いたわね。


「あれ、誰だ?」


天上くん、あれは失礼よ? あれでも、一応、由緒正しい血を引く、ボンボンなんだから。良い噂は聞かないし、うちと犬猿の仲である、下法を使う方々と仲がいい方なだけで。


「富士原家のボンボンよ、良い噂は聞かないわ」


あら、これだけで通じたみたいね? 会話の裏を読む、なんて、上流階級しかしないわよ? 勇者殿は、其方も出来るのね。


「寝覚め悪いし、簡単な守りでいいわよ? 周りに被害が出ないなら、それでいいし」


「分かった、あいつは嫌いなんだよね…………」


竜一が嫌うなんて、一体、何をしたのかしら? あのボンボンは。まあ、呪咀が来た時点で、何かしら、やらかしたんでしょうけど。


「あ、やべっ!?」


急に翔太が声を上げた瞬間、辺りが暗くなった。これ…………停電よね? 非常口のランプ以外、全て消えたわ。


「何事?」


辺りが騒めく中、翔太くんに聞けば、苦虫を潰したような表情だったわ。


「すまん、電気系統を奴等が切ったらしい」


気配でそこまで分かるとか、あり得ないわよ? あたしの式神様からも、同様の報告が来たから、嘘じゃないみたいだけど。


「翔太、光を電気の辺りに灯すこと出来ない? 室内用の結界は張らなくていいから」


竜一のいきなりな提案に、翔太くんもあたしもビックリしたわ。


「あ? 出来っけど、……………もしかして停電はここだけか?」


「竜一、停電してるの、ここだけなの?」


呆気に取られ、竜一に問えば、ウインクされた。はぁ、んな時にしないでよ!!


「うん、式神から連絡きた」


成る程、だから魔法で、シャンデリアの変わりにすると…………。翔太くんも気付いたみたいね。


「しゃーねぇな!『古の契約に従い、我は請う、光よ、我らに灯りを灯し給え!』」


わあ、凄い。あっさり停電が直ったかのように見えた。凄いわ、演出までするなんて☆


「まあ、深夜までは光るが、後は自然に消えるようにした、いいだろ?」


会場を見渡せば、皆はガヤガヤしていたが、自然と社交に戻ったようだ。喉元過ぎれば、熱さ忘れる。まさにそれよね(笑)


「本当に、器用ね………」


呆れてしまったのは、仕方ないと思うわ。


「まぁーな! これでも勇者してたんで、これくらいの事は出来るんだぜ?」


調子に乗りそうな人だから、程々がいいみたいね。褒めるのは。


「あら、どうやらこの呪咀、術者に還らないで、依頼人に帰るみたいよ?」


クスッと笑ったあたしに、翔太がギョッとしてたわ。ん?


「なんだよ、それ!? 胸くそわりぃー!」


…………そっか、普通はそんな反応なのね。勇者してたらしいし、こういうのには、耐性が無いのは当然ね。


「あー、下法師が使う術だよ…………、呪咀は陰陽師の専売特許って訳じゃ無いからね」


竜一はね、小さい頃から見てるから、冷めちゃってるんだよね。こういう輩に。


「大丈夫よ、呪咀はあたしが討伐するしね」


あたしの式神様は強い。この程度に負けたりしたないんだから!


「陰陽師が現代に居るとか、勇者召喚されてから、非常識になってくな、俺」


「あら、翔太くんこそ、ラノベそのままの展開じゃない! 勇者なんて☆」


「それ、秘密で頼むぞ!? 親にもばれて無いんだからさ」


「翔太、諦めた方がいいかも…………」


竜一のポツリとした言葉に、翔太くんが怪訝そうにしてる。でも、確かに諦めた方がいいかも。


「こんなチートな存在を、協会が見逃すはずないからね」


「…………協会? なんだよ、それ」


協会は、あたしら術者達の元締め、つまりは一番偉い存在だ。基本的に、仕事の発注や、術者の違法使用を取り締まっている。警察と役所を混ぜたような場所、と言えるかな?


「スカウトされるでしょうね」


マジかーって、ぼやいているけど、マジだから。


「頑張りなさい、教えるくらいはしてあげるからさ」


竜一もあたしも協会には顔が効くから、悪いようにはならないだろう。


「あ、討伐が終わったみたい」


タイミングよく、式神様から連絡が来た。ならば、結界を消しても問題ないだろう。


「翔太、終わったから、解いてくれる?」


「おう」


あっさり解けた結界に、改めて凄い術だと感心するわ。と、何かが衝突してきて、思わず息が詰まる。


「咲希ちゃん、怪我してない!? 大丈夫?」


「いきなりだったから、ビックリしたよ、大丈夫だった?」


あー、この二人が居たの忘れてた!


「うん、無事に解決したから、大丈夫だよ」


竜一、ナイスフォロー!


「悪いヤツはおっぱらったから、後はパーティーを楽しみましょう☆」


「うん!」


こうして、事件もパーティーも無事に終了したのです! 本当に、ヒヤヒヤしたわ。でも、一番ビックリしたのが、優香ちゃんが友達になったこと。

そう、あたしら5人は何故か意気投合し、連絡先を教える仲になったの!

でも、翔太が一番困ったかな? 協会に存在がばれて、見事にスカウトされ、今はバイトしてるわよ(笑) 小遣い以上の金額が入るから、かなりビビっていたけどね。勇者なのに、お金にビビる姿に、笑うしかなかったわ。




さてさて、皆様、ハッピーメリークリスマス!!

あたしらみたいに、楽しい?特別な一夜を過ごしてね☆


読了お疲れ様でした!

これにて、リクエスト話は終わりになります。ご参加、ありがとうございました〜☆

まあね、毎年、参加者居なかったらどうしようって、ヒヤヒヤしてますが、参加者が居る間は続けたいですね。


さて、現代でも結局、この4人は仲良しさんなんですね☆ プラス1人も居ますが(;^_^A この後の翔太は、どうなったんでしょうね? リクエストあったら、書いてみようかな??


では、次は28日の新作短編小説☆ 『パパ頑張っちゃうからね!』で、お会いしましょう♪

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