表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
157/292

第121話 さあ、帰りましょうか

お待たせ致しました! そしてリクエスト企画指導です!

次回は11月30日に更新します。

あの、ある意味カオスとなった刑場から、あたしとトーヤ様、ルイさんは帰って来ましたよ。王城にね。あんな場所に、長くいるもんじゃない……………。あっちこっちから聞こえる、揶揄する声とか、本当に変な空気だったし。たまに聞こえる、女性達の歓声が、尚更カオスに感じたもの!!

なんなの、エルフの皆さんや。ノリが良すぎるわ。


「は〜〜〜、変に疲れたわ」


肩をポンポンと右手で叩きつつ、城の客室へ向かう。帰る支度は、そろそろ始めなければいけないからね。


「いやー、気付けば2週間近く居たのね〜」


ここは、ゆっくり時間が流れてる気がして、予想以上に滞在が長引いている。本当は、10日程で帰るつもりだったからさぁ。


「帰ったら、リゼス様とお出かけかぁ……………、ねえ? トーヤ様から見たリゼス様って、どんな人?」


未だ廊下だし、近くに知ってる人が居れば、聞いた方がいいわよね! 特に、トーヤ様以上に敵がい心持ってるんだからさ、リゼス様は。何で、あたしだけ? って、思うけどね。他の皆には普通だったし。


「…………リゼスですか? ん〜、真面目で融通が効かず、仕事も出来ますが、敵に回したく無い人物………でしょうか? 確か………、武器も使えたはずですが、腕前は知りません」


………………おいっ!? 何か後半部分の説明、おかしいよね!?

敵に回したく無いって、武器の腕前未知数とか……………ぶっちゃけ不安しか無いんだけど!?


「いや、大丈夫ですよ? あいつはしっかりしてますし!」


トーヤ様が必死で言い募るけど、リゼス様の人となりが分からないからねぇ? どうしようかしら?


「まあ、取り敢えず、帰る準備をしてくるわ」


帰る日取りが決まったと、実はフランツ様から連絡が来たのである。3日後、それがここに居られる期限。だからもう、アン・リシャールちゃんとは、会う事もないだろう。


「でも、結果的に、シメル事が出来なかったのは、微妙だけど」


マリ・アントリちゃんは、魔族の手により攫われ、結果的には美しい心を持ったご令嬢に変わった。父親も、娘が変わった事に、かなり驚いていたけど、ね? 安定のバカ親だったわよ(笑)


「それに、罪人達もしっかりと罰して貰えるし、賠償もしてくれるし、良いことずくめよね♪」


………………あたしの、シメル以外はね?



◇◇◇◇◇


Side:フランツ


あぁ、胃が痛い…………。サキのお陰で、ここ数日は、頭痛までしてきた。

だってそうだろう!? 何で処罰が、庶民に定番、お尻ペンペンなんだっ!! 普通は違うだろっ〜〜〜〜〜!?


「サキ殿は、愉快な方ですなぁ!」


……………まさか、そう言われるなんて。それも、目の前にいる、エルフの国の王様に! 同性の僕がうっかり見とれる程の、満面の笑みを浮かべて言うんだからさ。うちのバカ勇者2号が、本当に他国で好き勝手してくれて! お陰で僕の胃は悲鳴を上げているよ!!


「アハハ………確かに愉快な性格をしてますからね…………サキは」


色々と、いっろいろと! ツッコミ満載ですが、……………今更ですかね。

ただ、気になる事が一つ。

記憶が戻ったアン・リシャール殿の事です。サキは妹のように可愛がっていましたからね〜。記憶が戻った弊害により、サキと出会った辺りからの、今までの記憶が消える…………。そう言っていた彼女、サキにとって、これほど辛い事は無いだろう。


「陛下、我々はそろそろ国に戻ります、此方はもう大丈夫なようですから」


「ふむ、お陰で黒い奴等が消えたからのぅ、ほんにサキ殿には感謝してもしきれん」


嬉しそうに陛下は仰ってますが、元はと言えば、内輪揉めです。他国にまで迷惑をかけてますがね……………、うちのバカ勇者2号は、嬉々としてそれに介入しましたが。本当に、表向きの理由である、国の者が世話になったから、国賓で遊びにいらっしゃい! って事が無ければ、ヒヤヒヤしてますよ。

………………国に帰ってからは、リゼスとサキを出さなければいけないと言うのに。私の胃に休みはあるんでしょうか?


「この処罰は、なかなか良いのぅ……………刑罰として取り入れよう!」


……………………は、い?


予想外の言葉に、私の胃が勝手にキリキリとし始めます。まさかの刑罰決定ですか。あれ、恐らくサキはノリと勢いでやったはずですよ? まあ、本人も、戦々恐々とするでしょう。あれで常識は多少ありますからね。バカ1号とも呼べる、ショータよりも安心できます。あっちは突拍子も無い事をしますからね。前の世界の王族の方が、かなり躾けたと本人が言ってましたが。その方には、本当に尊敬します。調教……もとい、躾をしたんですから。二人とも、まともな時は、大変頼りになるんですけどね。

………………たまに、本当に偶にやらかすからこそ、ヒヤッとするんです。ショータは常識はあれど、バカですから、たまにとんでもない事をやらかしますし。サキは常識がきっちりあるのに、たまに非常識な存在となり、やらかしますし。

お陰様で、私の胃が悲鳴を上げています。


「イヤー、気分がいい! さあさ、フランツ様もどうぞ、遠慮なさらずに」


私達の前には、豪華な食事があり、尚且つ、ここは刑場です! 宴会場となってますが、断じて違います!!


「あ、ありがとうございます、陛下」


何とか、取り繕っていますが、顔が引きつりそうです。まあ、頂いた料理はあっさりしていて、大変胃に優しいのが、助かるのですが。


さて、サキはこのまま帰るつもりなんでしょうか?



◇◇◇◇◇



あの刑罰執行から、既に2日が経過してます。あたし達一向は、明日、(ゲート)を使って帰るつもりなんだけど……………、まさかさぁ。お土産が問題になるとは、流石に思わなかったのよねぇ。


「まさか、霊薬に使う薬草を頂けるとは、思ってませんでした」


霊薬は、とある薬草を使って作るんだけど、森限定で生えているから、冒険者に頼む事が多いのよ。森は魔物がいるからね。和磨くんの手伝いで、たまに薬室に行くから、覚えちゃったわ。乾燥も使えるから、今回、乾燥した薬草を大量に貰えたの。

そう、こちらのお土産は全然問題無かったんだけど、もう一つのお土産が、大問題になったのよ。


「でも、此方のお土産は、どうしましょうか?」


あたしの前には、フランツ様と、トーヤ様、ユリーさんがいるの。皆は完全に、戸惑っているけどね?


「まさか、トゥーリの卵を頂くとは……………」


トーヤ様、それ同感。エルフ側がね、人間の国に居ないのだから、と言う理由で卵をくれると言ってくれたんだけど………………。


「あたし、ヒマリ達が居るから、貰っても世話出来ないわよ?」


そう、あたしら勇者は世話が出来ないのよ!


「いや、貰うのは、我々王族だよ」


………………さいですかい。微妙に要らない、このやり取り。何だか時間を無駄にした気がするわ。


「何個頂くつもりなんですか?」


念のため、そう聞いたら、3個とのお答えが。確かに仲間が居ないと、可哀想だからね。


「良いと思いますよ? あたし達は、世話まではいけないけどね、お手伝いくらいなら、してあげるわよ」


それくらいはね、してあげるけど。あー、ヒマリ思い出しちゃったわ! 会いたいわ、ヒマリ……………。最近、会えてないし。


「明日、帰国しますし、忘れ物は絶対に無いようにしましょう」


フランツ様の言葉で、この場はお開きになりました。



◇◇◇◇◇



次の日、あたし達一向は、あの最初の部屋に来ていた。美しい神殿は、あの日と変わらず、神秘的に静寂を保っていた。


「サキ、良かったのかい?」


フランツ様の言葉は、嫌でも分かったわ。アン・リシャールちゃんの事だよね、間違いなく。気にしてくれてるんだと思う。


「はい、いいんです」


だって、記憶が無い彼女が、あたしに会っても意味が無いでしょう。あたしは、もう大丈夫だから………………。


「サ…」


「サキおねえちゃんっ!」


フランツ様の言葉に被るように聞こえた声は、あたしを覚えていないはずの人の声で……………。大丈夫なはずの、あたしの心が、ドクッと鳴った気すらしたわ。それだけビックリしたの!


「アン…リ……ちゃん………?」


振り返った先に居たのは、間違いなくアンリちゃんで。何故か、着ているのは、あたしと買いに行った、可愛らしいワンピースで。驚きで強ばった顔は、それでもフニャッと表情が崩れて、笑顔になる。何処か泣きそうな、でも笑みを浮かべたあたしに、アンリちゃんが駆け寄って来て、あたしに突進した。衝撃はあったけど、嬉しさの方が多くて………………、あたしもギュッと抱き締めた。


「サキおねえちゃん、アンリ、記憶が戻ったんだよ?」


「うん、良かった、アンリちゃん」


「アンリね、ちゃんと覚えてるよ? サキおねえちゃんの事も、皆の事も」


「うん、ありがとう、アンリちゃん」


「違うの、サキおねえちゃん…………ありがとう! アンリの記憶を取り戻してくれて!」


舌足らずな話方では無いけれど、アンリちゃんは変わらない笑顔で、微笑んでくれた。


ありがとう、アンリちゃん。そして、さようなら………………。




帰りの(ゲート)の道すがら、あたしを包む視線は、とても優しかった。


読了、お疲れ様でしたm(__)m

そして読んで頂けた事、本当にありがとうございます!

………………すっかり、スランプにハマってしまいまして、お恥ずかしながら、新作ホラーを出す事になりました。

お待ち頂けて、本当に嬉しいです。


さて、毎年恒例リクエスト企画を始めます!!

・本日11月23日12時から、12月20日12時までとします。

・メッセージで送って下さい。後程、お返事とお礼小説を送らせて頂きます。メッセージ以外は、今回は受付はしません。普通の感想としてお返事致します。

・リクエスト、及び、名前出しの不可、は必ず記入して下さいね。

この3点のみです。宜しくお願いしますm(__)m というより、どなたかご参加下さい。マジで誰も居ないのは、寂しいのです(T_T)


では、リクエストを楽しみにしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ