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第10話 馬車の中は修羅場です?

新キャラ登場!

また出てくるかは、分かりません(笑)


ガッタンゴットンという、やや心配になる音を出し、カッポカッポと規則正しい振動を感じながら、あたし達は今、馬車の中にいます。ええ、本日未明から、ずっとです。

勿論、4頭仕立ての豪華な馬車の中ですよ。


「まさか、いきなり実戦とはね〜」


ボソリと呟いたのは、まんまあたし達の現在の心境である。


「まあ、行きながら、昨日に続いて色々と教えてくれるそうだし、何とかなる……と思う」


弱冠、希望的観測が和磨君から出たけど、場合によるかもね。


「俺は感覚さえ戻ればいいけど、お前等は大丈夫か?」


おや? 翔太が真面目だ。まあ、あんたは二回目だからね、余裕があるよね。


「私は、剣は何とかなるけど、魔法は習わないと分かんないし…………」


とは優香ちゃん。確かに昨夜、あたしの部屋の隣から、素振りの音が響いてきたから、もしかしてとは思ったけど。やっぱりやってたか。


「咲希、お前は戦えんの?」


翔太が真面目って、何か違和感ありまくりだわー。


「んーと、多分、大丈夫かな? あたしは魔法だけだし、遠距離タイプだからね〜、それより和磨君の方が大丈夫? 槍の経験ないでしょう?」


あたしは、ね。まだ遠距離だからいいんだけど、和磨君は微妙な感じタイプだからね。あたしより危険かも。


「槍なら、薙刀を部活でやってたから、ある程度は使えるよ、昨日も少しやったし」


あらま、経験者でしたか!

でもね、模擬戦と実戦は違うのよ?

そんな変な緊張した空気の中、勿論、この馬車での時間を潰すはずもなく、あたし達と一緒に、今回の講師役に選ばれたジュヴィアン・ロワール神官さんと、魔術師のブラオ・アズラクさん。

今回、ジュヴィアンさんになったのは、前回の二の舞にならないようにするため、らしい。まあ、鼻血神官を寄越されたら、こっちも無理がある。腕は問題ないらしいけど、ね。


「サキ様、お話も宜しいのですが、着く迄には、こちらの本全てに目を通しておいて下さいね」


そう言って鬼畜発言で注意している人が、今回あたし達の魔術の先生をしてくれるブラオ・アズラクさん。紫の魔術師の服を来ているんだけど、40歳くらいの普通のおじ様が来ました。今回は急遽きまったため、上級系までなら問題なく教えられる彼に決まったそうだ。そのまま優香ちゃんの魔術の先生は続けるそうだけど。

そしてあたし達、特にあたしと和磨君はサポートも含むため、魔術の本を渡され、今現在、いや、訂正しよう。朝からずっと読まされている。

休憩なく………。鬼でしょ、ホント!


ちなみに文字は驚いた事に、日本語だったため、セーフだった。なんでもこの世界の共通文字らしく、他にも文字はあるらしいんだけど、この国では日本語を使っているんだって。


「大丈夫です、あと3時間くらい貰えれば全部読めますよ」


そしてあたしが読んでいるのは、魔術書の中の本。中には中級レベルの魔法が詳しく解説付きで書かれている。さっきまでは、倍以上の厚さの初級編を読んでいたけど、読み終わってしまった。


「僕も同じくらいの時間を貰えれば、何とか行けます、少し実際に使って試してみたいですけど…………」


和磨君は、あたしとは別で聖魔術の本を三冊、渡されていた。但し、厚みが違う。あたしの持ってる中級と同じ厚さの本が三冊。

いいな……。


「………お前等、よく平気でそんだけの本を読めるな……」


呆れている翔太には悪いが、君は初級編だけしか読んでないよね? 優香ちゃんは中級まで読んで辞めたけどさ。ついさっきまで読んでたんだけど、二人は先程終了。理由は何とかノルマをこなしたから。いいよねー、ノルマが少ない人は………。あたしが一番ノルマが多いんだけどね? あたしだけ、昨日の夜から勉強してるし(笑)


さて、何であたし達がこんな状態で勉強をしているかと言えば、話は前日の夕食にまで遡る。


◇◇◇◇◇


―――回想中。


「な、ドラゴンじゃと……!?ふむ」


王様の驚愕の顔と、まわりの空気から何か起きたとは思ったんだけど、いかんせん、あたし達は状況が全く分からないのだ。


「おーさま、何があったんだ?」


ようやく機嫌を直した翔太に聞かれても、珍しく返答が無かった。王様、あまりの事にフリーズしてるわ。


「僕から説明しましょう」


代わりに王子様が教えてくれた。うん、本当に助かるわ。情報が何にもない状態なんだもの。


「毎年、秋になると山籠りをするために一部のドラゴン達はオーヴェストの町の先にあるガラー山に行くんです、そして春になると餌を探して降りてくるっていう習性があるんですが…」


「何が問題なんですか?」


優香ちゃんはこれだけでは、分からなかったらしい。ごめん、あたしも言いたい事が分からない。てへ♪


「冬を越すのに、普通は餌を食べてお腹いっぱいにしてから、山籠りをするでしょう? 同じく春は一切たべてないから、お腹がすいてるんですよ」


「あっ、そっか!」


優香ちゃん、感嘆するだけでは駄目ですよ。


「つまり餌を食べてないから、狂暴になってるって事かな?」


さすが和磨君、頭の回転がはやいねー。


「その通りです、今の季節は春………ドラゴンが一番狂暴になる季節なんです」


へー、今の季節は春だったんだ。


「ちなみにドラゴンの餌とは?」


和磨君、何だか目がキラキラしてますよ。何で?


「肉であれば何でも……」


あっ、殿下が目を反らした。何かあるわね、あたし達に対して言えない何かが。


「隠すのか?」


翔太から短いけど、何か重い響きの言葉が投げ掛けられる。貫禄ってやつか?


「奴らは人も食べるんですよ…………下級のドラゴン種や、暴走している時などに、上位種は滅多に聞いた事はありませんが」


いきなり人食いドラゴンですか。それも、これから行くオーヴェストの町に出るドラゴンは下級種のドラゴンである事が判明。

しかし何故か和磨君の目のキラキラが消えない。


「あの、殿下、宜しければ………ゴニョゴニョ」


後半、何か言ってたみたいだけど、ひそひそ話になってしまって、残念ながらあたしには聞こえなかった。そこにエリー様から、質問が入る。


「お兄様、ギルドの者達には?」


和磨君の話はすぐに終わったらしく、エリー様の質問に淡々と応えていく。


「無理だろう、この前、ギルドランクSSのサンドラ様も他国へ出てしまったし………騎士団を出すしかないな」


「下級種でもドラゴンですわよ!? 魔法騎士団を出さなくて宜しいのですか?」


えー、何やら専門用語まじりの、殿下VSエリー様の対決が勃発中です。

ちなみにギルドは全世界にあって、身元保証から犯罪対策、魔物狩りにお手伝いまで幅広く仕事をしている皆様が知ってる便利屋である。ランクは上から、SSS、SS、S、AA、A、BB、B、C、D、E、まであり、Cランクに上がると一人前と言われるそうだ。魔物狩りが出来るのはDランクから。初めての場合は、ギルドから講師役を付けてもらえるそうで、安心して仕事が出来るそうだ。


「あのさ、俺達も行きたいんだけど、ダメか?」


………………


…………


……


『『『 …はっ(えっ)?』』』


翔太、あんた、今の話を聞いてなかったの?


「初心者が行ける「大丈夫ですよ!」わけ……えっ?」


おい、殿下。君は、君はあたし達を殺す気か!?


「マジか!」


こらそこっ! 変にキラキラした目は辞めなさい!!


「ええ、きっちり勉強するなら、ですけど」


今、ちょっとホッとした。あー、きっちりしてるわ。確かにいきなりは有り得ないし。あたし達は戦い初心者。いきなり戦闘に出せる訳がない。殿下、ありがとう。あたし達の命は今、あなたに救われましたよ!


「例の物をここにっ!」


何やら殿下が、召使に指示を出している。あれ? 何かおかしいよね? 何で皆さん、そんな事前に知ってたように動くんですか?

5分も立たないうちに、あたし達の前には、机が用意され、そこにはとんでもない厚さの、本の山。


「…………あの、殿下? これは、いったい…」


青ざめるあたし達に対して(主に翔太)、何故か殿下は爽やか過ぎる程の笑顔で告げたのだ。


「勿論、勇者様方のための勉強道具です、一度にやれとは申しませんが、基礎基本くらいはたたき込んで下さいね、さもないと……」


「さもないと?」


翔太、頼むから聞くな。これは聞いたらダメな奴よ!


「命は無いでしょう」


シーーーン


辺りが一気に静かになった。ほら、言わんこっちゃない。


「さあ、夕食が終わりましたら、各々に先生を付けますので、ご安心くださいね」


ね、と一緒にウインク。うん、決まってるわ。二枚目がやると、メッチャ似合うのね。納得。


―――――回想終了。


◇◇◇◇◇


余計な所まで思い出してしまった。あの後、各々部屋に戻ると、先生役の方々がいて、勉強するはめになりました。あたしは魔法全般と弓だから、魔法使いの方と神聖魔法使いの方と弓使いの方が待ち構えていて、昨日は神聖魔法の教科書を勉強するはめに…………。ちなみに和磨君は、槍の先生と神聖魔法使い、魔法使いの方が待ち構えていたらしい。優香ちゃんは双剣使いの先生と神聖魔法使い、魔法使いの方々が待ち構えていたそうだ。翔太は剣士と魔法使いの二人のみ。課題も一番少なかったため、今は皆からの針のむしろ状態。もう少し頑張れ!


翔太バカの所為で、こんな羽目になったのよね………」


「アハハハ………」


渇いた笑みを浮かべても、許したくない。あたしも和磨君も優香ちゃんも、全部こいつの一言の所為でこうなったのだ。昨日からの勉強付け、お陰で夢の中まで勉強だったよ。


「もうすぐお昼ですから、その時の休憩で実戦といきましょうか」


マジ、ブラオさん、鬼です。鬼畜です!


「サキ様は本日中に中級呪文、ユーカ様は中級魔法及び剣を、カズマ様は中級の神聖魔法と槍の復習を、ショータ様は剣と魔法の初級を、それぞれお願いします」


ん? 一人だけおかしいよネ?


「翔太、何であんただけ初級?」


「ん? あー、オレ、魔法使えるし」


「初級だけでしょ?」


「いや、破壊級魔法がね、前の世界で覚えたやつがあるんだよ………この世界でも何故か使えるし〜、だからこっちの呪文は覚えられるけど、今回は剣を中心に…って痛い、痛いからハリセンをしまえー!」


こいつが二回目のチートって事を、思い出した瞬間だった。


とにかく、あたし達は勉強で、すでに倒れそうです。

マジでブラオさん、鬼畜だー!!



どうも、秋月です!


今回は新キャラ登場! さらに、何やらフラグを立てまくった秋月。全部、回収できるんでしょうか? 

…………不安です。


でも頑張りますよ!



サキ:こんちはー!

翔太:よっ!

サキ:今回は、あたし達がやります。

翔太:なんかさ、オレ達セットにされてる回、多くないか?

サキ:多分、使いやすいんじゃないのー?

翔太:成る程。分かりやすい扱いで………。その割にさ、作者に対する扱いが酷いような気がするんだが?

サキ:うん♪だって今日はチュドンの回だから!

翔太:うわっ! 作者の危機………次回がかける位にしてやってくれ!

サキ:もちろん♪

翔太:にしても、ブラオさん、マジで鬼だったな……。

サキ:そうよねー……。夢にまで出てくるなんて、思わなかったわ………。ブラオさん、容赦なさすぎ。

翔太:まあ、頑張れって!

サキ:そう言えば、翔太は使えるんだっけ? 魔法。

翔太:おう、使えるぜ!

サキ:チュドンしてやるー!

チュドーン

翔太:残念でした! バリアとかも覚えてんだよ!

サキ:ちっ、絶対に当ててやるわ!

翔太:……本気かよ…。

サキ:さて、冗談はおいといて。

翔太:俺はかませか!?かませなのか!?

サキ:やりましょうか、作者♪

作者:へっ? マジか!?ちょっ――!?

サキ:チュドーン!

作者:ぎゃぁぁぁ〜!


こうして作者は、チュドンの刑を執行されました、とさ。めでたし、めでたし。

って、めでたくなーい!


感想、誤字脱字、ご意見、いつでも受け付けております。ぜひぜひ、ご感想をお聞かせ下さいm(__)m

なお、甘口で下さると嬉しいです!

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