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第113話 魔物さん、ご登場です☆

次回は、9月14日更新です。

どうも〜☆ 皆さんのアイドル、咲希ちゃんです〜って、痛い、痛いから!? もう………、ちょっとしたお茶目なジョークなのに。真に受けなくても……………。

って、一人芝居は置いといて。もう、いいや。

今現在、あたしはお空の旅を無事に終了させて、エルフの国の王都へ到着しましたよ〜☆ でも、不思議な事に、王城内は何やら騒がしいご様子で。

一体全体、何が起きてるの!? 誰か、説明プリーズ!!


「サキ様!」


あれ、今、あたしを呼ぶ声が? どこからかと辺りを見回したら、居たよ。見知った姿が。


「ルカさん?」


そこには、此方に走ってくるルカさんのお姿が。いや、それはいいんだけど……………何故に、タスキ姿の動きやすい姿なのかな?? エルフの服は基本的に優雅な感じの物が多い。勿論、動きやすさも重要視されているから、素敵なんだけど。明らかにルカさんのソレは、戦闘前提な訳で。

あれ? イヤナヨカンガスルナ〜……………。


「只今、帰りました〜…………で、何事ですか?」


明らかに厳戒体制ですよね!? あたし達の固まり方を気にも止めず、ルカさん、スパーンと答えましたとも。超、大真面目に。


「王城に、見たことも無い、巨大な魔物が出たんです!!」


え゛? いやいや、だって今、空から来たけど見えなかったよ!?

あたしの表情から察したらしいルカさんは、ご丁寧に説明してくれました。


「見えないのは、当たり前です! 今現在、大広間に居ますもの」


あぁ、あそこなら確かに、天井が高かったなぁ。何て、ルイさんが納得してますがね!? それはヤバイ事とか、認識してますよね!?


「フランツ様は!? 無事ですか!」


流石に、自国の王子が何かあったら、色々ヤバイです、はい。あたし、国賓の一人ですが、フランツ様の護衛の意味もあるんだけど!? でもね? トーマ様が居るから、式神様を付けてなかったのよ。だって怖いし。


「はい、陛下とフランツ殿下は、会議室に居たので問題ありません」


それには本当に、心からホッとしたわ。トーマ様に睨まれるのは、ごめんだもの。


「フランツ様は、今は別館に避難して頂きましたので、ご安心下さいませ」


あら、ならば、あたしが取る行動は一つよね?


「では、魔物は今は誰が相手を?」


これも気になっていたわ。でも、何でルカさんは、大変いい笑顔なのかな!? それも、背中から般若が見える……………ま、まさかね!?


「……………あぁ、大丈夫ですわぁ、今現在は三流のプライドお馬鹿達が、相手をしてますから」


ん……………? ルカさん、今、何と仰いました!? 何だか凄い毒舌を聞いたような。それ、同族の方に言っていいの!?


「あぁ、あの部隊か」


納得しているルイさんには悪いけど、こっちにも説明してもらえません? 置いてきぼりなんですが、こちら人間サイドは。

あたしらの視線に気付いたルイさんは、ようやく説明してくれたわ。


「お恥ずかしながら、我が国にもプライドが高いお馬鹿な者達だけがいる、お飾り部隊がありましてね………………それが今、魔物退治に繰り出されているんですよ」


ニヤリと口元を笑顔に変えたルイさん、あぁ…………嫌いなんだね。その人達の話をしているルイさん、凄い不機嫌なんだもん。地雷踏んだかと思ったよ。


「そ、ソウデスカ……………」


何処にでもいるんだね〜。使えないと言われる方々は。

うちのクラリオン王国にも、暫定第6部隊あるけど、あそこは今、翔太が張り切っているからね〜。お飾り坊っちゃんしか居なかった、第5部隊を無事に改心させたからね。その実績があるから、暫定組を任されたらしいけど。

………………毎日、野郎共の悲鳴を聞かされる、此方の身にもなってくれや。訓練場が、魔導師の職場の近くだからさぁ。はぁ………。


「サキ様?」


ユリーさんに呼ばれて、はたと我に返る。どうやら、いつの間にか考え事をしてたみたいね。


「あ、ごめんごめん……………ところで、その例の部隊は、まだ保つの?」


なんかさぁ、ゆかいなお馬鹿部隊が、長時間保ちそうに無いんだよね?


「あぁ、もう少し保つかと…………、何せ陛下の勅命ですから」


此方もニッコリと笑うルカさん。あ、あれ? 何か背中に般若が見える………………き、気のせい、うん。あたしは何も見ていない!!


「あの部隊はお飾りでしたから、困っていましてね〜…………陛下もようやく動かれましたか」


しみじみと語るルイさん。それに頷くルカさんも、二人共に怖いよ? 本当に、何をやらかしたのよ、その部隊は!


「……………えっと、時間が無いし、会場に案内して貰えます?」


「「畏まりました」」


二人とも、声が重なったのは…………もう、何も言うまい。

顔が素晴らしい程の笑顔だったとしても。



◇◇◇◇◇



「……………何だこりゃ」


思わず愚痴った、あたしは仕方ないと思うんだ。だって、そんな状況なんだもの。

前方には、まあ、頑張っている、兵隊の皆様。揃いの服は確かにご立派で、何やらパッとしない皆様が、必死に魔法を放っているけれど。魔物には、さーっぱり効いてない。逆に兵隊さん達がピンチになっているもの。

………………ルイさん、ルカさんが二人揃って、冷静に傍観するくらいには、頭に来てるんだね。この部隊の彼らには。普段は温厚で冷静な二人を、ここまで苛々させるって、本当に何をやらかしたのよ、この部隊の彼らは!! お陰様で、地味にあたしとユリーさんが、ブリザードの被害にあってます。

で、その魔物は。何と何と、巨人とかスライムとかじゃなくて、何か魔物なのに、綺麗なお姉様系の魔物なのよねぇ。サラサラした青い髪に、青みがかった肌。着ているらしき服装は、何やら天女みたいな衣付きのエルフの衣装に近いもの。手には刺つきの扇子。それも両手持ち! 前のスリットから見える足は、スラリとしてて、茨が絡みついている。

……………妙なのは、大きさ。明らかに、大広間の天井に届くくらいなんだよ。どうやって入って来たんだろ? 入り口は、普通サイズだったのに。


「え〜っと、そろそろ行ってもいい?」


平然と眺めているお二人さんに聞いたら、あっさりオッケーが。え? 行っても良かったの!?


「十分、楽しめましたわ」


「いい薬になったでしょう」


………………いい性格してるわ、本当に。

呆れて二人を見れば、こちらはいい笑顔☆ 自覚ありの行動ですか、そうですか。もういいや、行こう。このやるせなさは、あの敵さんに全部ぶつけたいと思います。


「ユリーさんは、ルイさん、ルカさんと一緒に、ここにいてね〜」


「えっ!? 僕も一緒に行きますよ!」


慌てた様子で、行くと言われるけれど、気付いてるのかな? ユリーさんや、あたしは君を守れる程の余裕は無いよ?


「あー………、止めた方がいいかもね、今回は」


「何でですか!? 僕だって、貴方を守れますよ!!」


………………やっぱり理解して無かったか。


「あのね、ユリーさん? あたし、これから戦うけど、貴方を守れる程の余裕は無いの、だから、ここに居て、――――――分かった?」


これは、戦いだ。昨日のトゥーリでの戦いの最中、その対応を思い出せば一目瞭然。絶対に今回は無理だわ。


「……………分かり…ました」


渋々みたいだけど、実力とかを考えてか、素直に引き下がってくれて何より。これがファイさんだったら、心配つきの小言で済むんだけどね。……………いや、諦めたとも言えるかな? あたしに理解があるからね、ファイさん。因みに双子も理解がある。殺気に凄い反応するしね(笑)


「んじゃ、お相手してくるわ〜」


未知の相手との戦いは、心の高揚よりも、未知の敵への恐怖が勝る。それを、グッと感情で押し込めて、震えそうになる手を、ギュッと握り締める。大丈夫、あたしは陰陽師、天城咲希。最強無敵の式神を操る強者なんだから、だから大丈夫。



◇◇◇◇◇


Side:フランツ



「心配かい?」


苦笑いしつつ、近くに控えているトーヤにちらりと視線を向けました。案の定、眉間に皺を寄せたから、苛々してるのはバレバレなのですが。


「いえ、そういう訳では………」


そう言いつつ、眉間には皺がくっきりと残っています。トーヤは間違いなく、先程到着したサキ達の動向が気になっているのでしょう。もう少し、素直に言ってもらいたいですが、今は勤務中ですからね。無理でしょう。


「フフッ、無理はしなくていいよ?」


バレバレですからね、そのソワソワした態度で。とその時、室内に一人の兵の方が入って来ました。


「失礼します、陛下、大広間での魔物は今現在、青年騎士部隊と交戦中で、被害がかなり出ております……………先程、クラリオン王国の勇者サキ様が室内に入り、交戦を始めました」


………………はい?

思わず内心、固まったのは言うまでもありません。

他国の国で、何をやらかしてるんだっ!! サキッ!! ユリアス、何で止めなかったんだよ!?

一応、陛下の手前、顔には出しませんでしたが、いつもならば頭を抱えているところでした。


「あー、フランツ殿? サキ殿はどれくらいの強さなのだろうか?」


陛下に問われ、頭に思い描くのは、サキがやらかした色々な出来事。………………素直に言えない出来事でしょう、これ。


「………………そうですね、戦力だけならば、人間の国一つを単独で消せるくらいの実力を持っています」


ウソは言ってません。例え、側近のトーヤが固まっていようと、エルフ側の皆さんがトーヤ以上に顔色が悪かろうとも、です。ウソは何一つ、申していませんから。

一番早く気が付いたのは、やはり陛下でした。


「そ、それは………本当にサキ殿一人でか? 悪いが、魔力が高いくらいしか感じられなかったが」


確かに。サキは普通にしていたら、本当に礼儀正しい普通のお嬢さんですからね。ただし、暴走しなければ…………ですが。黒い部分程度ならば、陛下も見ているでしょうが。


「……………普段は無害ですからね」


そう、普段はっ! サキがキレたら、一体どうなることやら…………。想像自体が出来ませんね、怖すぎて。


「そうだ、陛下、宜しければ側近のトーヤをサキのところに行かせたいのですが、かまいませんか?」


間違いなく、暴走を止められる存在は必要でしょうから。ユリアスでは重かったようですし。


「此方は構わないが、いいのかね?」


驚いた様子の陛下に、私は精一杯の笑顔を。サキの暴走を止める為とは、流石に言えませんので。


まあ、此方はトーヤがサキの実力を見れる、良い機会を得たと言う事で、私の胃痛は…………頑張りましょう。


いつもお読み頂いて、本当にありがとうございますm(__)m 読了、お疲れ様でした。

本日は、魔物さんが登場と、フランツ様の愚痴り。愚痴りたくなりますよねぇ〜…………。サキちゃんの本気、ようやく出せます☆


では、次回、またお会いしましょう〜♪

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