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第107話 エルフの国は森沢山!?

次回は8月3日更新です。


あたし咲希ちゃん、今現在、ポカーンとしてるの♪


……………って言う冗談はさておき、目の前は奇跡としか言いようがない、光の扉が出来ていて。最初にあった赤い一対の銅像は、光により細かい繊細な彫刻が施され、どこか美しさと共に、神々しさすら感じてる。

辺りを見れば、まあ、うん。皆も似たり寄ったりな反応だったわ。一番反応が良いのは、やはりアンリちゃん。目をキラキラして見てるからね、微笑ましい姿だわ。


「さあ、扉が開くよ」


反対に、一番冷静沈着なのは、やはりフランツ様。場数を踏んでいるからか、いや馴れているんだろうね。率先して前に進む姿はやはり、王族だって感じるわ。


「先にエルフの皆様が行く、次が我々だから、間を空けないで行くよ」


「はい!」


綺麗な光の扉、それがゆっくりと開いて行く。予定では5分くらい歩くんだって。楽しみだよね☆

あ、順番が来た! それじゃ行ってきまーす♪



◇◇◇◇◇



着いた場所は、白い神殿みたいな場所。そこには、着いた皆さんが、ぐったりとして休んでます………………。

あ、あたしも同じく、ぐったりしてます。もう気持ち悪い……………う゛っ。和磨くんに、酔い止め頼んでおくべきだったわ……………。

何故、皆がぐったりしているのか。簡単よ、それ。

最初は美しい迄の彫刻みたいな光を楽しむ余裕があったの! でも途中から、段々と美しい迄の彫刻を見ると気持ち悪くなってきて、恐らく、魔力酔いに近いものだと思うんだけど……………。誰よ、張り切ったバカは!? お陰様で皆が気持ち悪くなって、大変な事態になってるわよ!!


「サキ様………、治癒の魔法を使うと………、楽になりますよ…………………」


自分も青い顔色なのに、ユリーさんはこっちの事ばかり。大丈夫なのかしら?


全体(オール)の(・)治癒(ヒール)!』


光の上級呪文を唱える。キラキラした光が辺りに広がり、酔った皆がホッとした顔をしたのが印象的だわ。あ、あたしも勿論、回復したわよ〜♪

………………あたし達を酔わせた輩は、見つけ次第、シメたるわ!!


「失礼しますっ!! 皆様、ご無事ですか!?」


必死な声がした方を見てみれば、数人のエルフさん達が、血相を変えて、扉らしきカーテンを開けて入ってきた。物騒な発言があったけど、何かあったのね? 服装からして、高位のエルフさんなんだろうね。人間よりも長く生きているだろうに、反応が人間みたいだよ(笑)


「…………只今、帰りました、上位官僚の皆様」


あら、ルイさん。かなり不機嫌になってる? まるで、何か言いたいけど、ここでは言えない………そんな感じに見えるわ。


「おぉ! ルイよ、無事であったか! お客人は全員おられますな!?」


高位官僚と呼ばれた、そのうちの一人が、ルイさんに話し掛けてるんだけど、慌て過ぎていて、唾が飛びまくっている。あ、ルイさんが、迷惑そう。

後半は、此方に向かって話してるから、唾が飛びまくって…………。


「だ、大丈夫です、エルフの皆さん、人間側は皆、揃っていますよ」


あら、完璧スマイルで対応するなんて、流石ね! フランツ様♪ ちょっと引きつっているけど☆ どこからか出した、ハンカチで頬をフキフキ。あたしなら、絶対にキレているわ(笑)


「ご無事で何よりです、詳しくは謁見の間にて陛下の前で、ご説明致します」


その言葉の後、皆揃って謁見の間へ。

因みに、犯罪者さん達もご一緒ですよ〜。治癒魔法かけて無いから、フラフラしてるけど、仕方ないよね☆ 自業自得、何て素敵なお言葉でしょうね〜♪ ウフフ。

で、謁見の間へ、歩いてるその間、辺りをキョロキョロしてたのは、ご愛嬌で(笑)

エルフの城は、何て言うか………森の中の、平安時代な感じの純和風な平屋建てのお屋敷、平安京の皇居みたいな場所だった。勿論、建物がそうなだけで、飾り付けは独特だけど。平安時代のお屋敷に、キラキラした水晶のシャンデリア…………、床は木目が綺麗な木だけど、ワックスをかけたみたいに、研かれているし。畳は無く、変わりに不思議な模様の絨毯が引かれていて、そこを靴を脱いで、室内ばきの靴で歩いている。和、洋、中が見事にミックスした不思議な場所だった。

着ている物は、中華な感じで、動きやすさを重視した服だね。女性はまだ華やかな感じだけど。あ、顔を隠すのは、やってないみたい。

そこで気付いたんだけど、ルイさん達と高位官僚達の服装も、ちょっと違うんだよね。ルイさん達は、煌びやかな感じだけど、高位官僚達は落ち着いた感じだし。立派なものに変わりはないんだけどね。

因みに、あたしらが居た場所は、別棟に建てられた神殿みたいな建物だったみたい。渡り廊下を歩き、本体である主殿に向かった時に分かったんだけどね。

しっかし、森の中にあるんだから、エルフの皆さんは、森の民って言葉は強ち嘘じゃないのね?

だって、木が普通に室内に生えてるのよ? まるで木を優先して作ったみたいな、そんな歪ながらも見事に調和した部分が沢山あるんだ。凄いよねー!


「アンリちゃん、記憶が戻ればいいんだけど………」


前を歩くアンリちゃんは、全くと言っていい程、知らない場所を歩いてるような感じで、記憶を取り戻した感じは無かった。


「あの様子だと、戻ってないみたいだね」


あたしの斜め前を歩くフランツ様が、ヒソッと答えてくれたんだけど、ピッタリとフランツ様に寄り添う側近のトーヤ様に、滅茶苦茶に睨まれた。

いつも思うんだけど、あたし君達に何かした!? 睨まれる覚えないんですけど!!?


「記憶関連の術でも、かけられてるのかなぁ………」


記憶が戻るように、出来る事はほとんどしたわよ? 森に連れていったり、色札を使ってみたり。森は、まったく収穫なし。お散歩して終わったもの。色札は、見せたけど、赤色に反応した以外、まったく反応なし。勿論、魔法を使ってみたけど、効果はないし。

アンリちゃんの場合、記憶の中でも思い出に関する記憶が、綺麗さっぱり消えているみたい。


「皆様、此方が謁見の間となります、くれぐれも失礼の無いように、お願い申し上げます」


そう、高位官僚の一人が、丁寧に注意事項を説明して、とうとう……………謁見の間のカーテンが開かれた。

さーて、あたしは道化なんて、やらないわよ? しっかりと、黒幕さんをシメル許可をもぎ取ってやるわ!!!


そうして入った謁見の間は、うん。人間の国に比べたら、素朴とか地味…………は、失礼か。まあ、木の香り漂う、清潔感ある、本当に謁見の為の部屋だったわけ。広さはそこそこあるし、玉座も宝石等がついて立派だし、赤い絨毯も、高級なものだろう。床はピカピカに研かれ、まるで鏡のようだし。天井から吊された、左右のタぺストリーは、エルフの国の紋章が刺繍されていて、本当に立派なものだ。ただ、人間の国と違って、煌びやかな派手さが無いだけ。逆に、数百年も玉座に居る陛下の、美しさが際立っているように、あたしは感じた。


「よう来た、クラリオン王国王子フランツ殿下、そして異国の客人たる勇者殿、護衛の皆も、よう参られた、エルフの国は皆を歓迎いたす」


そう始まった言葉は、とても威厳があり、そして、労りがこもる優しいもの。美しいとしか言いようがない、陛下の言葉に、あたしらはフランツ殿下を中心に、感謝の意を示す。


「さて、ルイよ、以下一同も、よう頑張ったな、後程、褒美を与えよう」


陛下の優しい言葉に、ルイさん達も頭を下げる。本当に、忠誠心あるからこそ、心から出来るんだよね。


「さて、アン・リシャールよ、そなたが無事で本当に良かった、記憶が無いそうだが、不自由があれば遠慮なく言うが良い」


ここに来る前に、アンリちゃんは皆から礼儀作法の特訓を受けていたから、この時の礼儀も完璧でした☆


「……………ふむ、暗殺者となった者達は、晒し者として国を回らせ、釈放せよ」


ん? 今、さらっと怖い事言ったよね!? ちょっ、陛下!? 発言出来ないからだけど、周りは固まっているからね!?


「…………畏まりました」


暗殺者さん達は、見事な捌きで、数人の兵士さん達に連行されていった。


「さて、フランツ殿下、勇者殿、信用が置ける者を連れて、我について来ておくれ、ルイ、ルカ、アン・リシャールを連れて、そなた達もだ」


おやおや、謁見は終わって、陛下はプライベートなお話をしてくれるみたい。

おねだり出来るかなー?



◇◇◇◇◇


Side:???



あの女が帰ってきた。記憶を失っているから、あいつは妃候補からは落ちるはず。

………………なのに、何であの方は、私を避けるんだろう?

最初は恥ずかしいんだと思っていたわ! でも、ここ3週間程は、顔すら見せて下さらない。ようやく、私とお話してくれていたのに………………見つかったと聞いてからは、私とのお茶会も上の空。

どうして、あの子なの?

私は家だって旧家だし、立派な一族だし、何より綺麗な白がかった緑色の髪をしてるわ。目は金色よ? あの子なんて、髪色だけでしょう? 家柄だって、美貌だって、礼儀作法だって、私が上なの。

なのに、何であの子ばかり!!


「何で死んでないのよっ!! 使えない奴らばっかり!!!」


ここは私の部屋。人間の貴族令嬢が好むような、可愛い物で揃えた、自慢の部屋よ! こんな財産もあるのに、なのに、何であの子を殺せないのよっ!!


「申し訳ございません、(ゲート)に妨害をしたのですが、やはり王族がいるが故に、防御も高く」


「そんな言い訳を聞きたいんじゃないわっっっ!!」


あの方は、私の夫になるの。私はあの方の花嫁になるって、決まっているの!!

この、ジュエリーボックスに入った物は、切り札よ。絶対に、絶対に、私こそが花嫁に選ばれるの。

だからね? アン・リシャール。

お前が居る場所なんて、何処を探しても無いのよ。だから私の邪魔をしないでっ!!



だからこそ、少女は気付かない。自分の世界に入った少女を、ただ冷たい目で見ている目がある事に。

自分が既に、目を付けられていると言う事実に、まだ、少女は気付かない。



………………破滅のカウントダウンは、もう、動き始めていた。


読了、お疲れ様でした。

ようやく、ようやく、ここまで来ましたよ! スランプの為に、本当に難産になりました…………。書きたい所まで、書いても書いても行けないんですもの。

最近、やけに忙しくて、また土日が潰れます。仕方ないのですが、来週の更新を、遅刻しないように、頑張ります。


ではまた、お会いしましょう♪

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