表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/292

第100話 会場にてハプニング発生です!?

本日は記念すべき100話の日!

次回より、リクエストを頂いたお話をアップして行きます♪ その間は、更新不定期になります。

本編は、リクエストが終わりしだい更新しますね。恐らく、6月くらいには本編へ行けるはず…………。

ようやく退室して、思わずホッとしたわ。あんな居心地悪い場所に長居はしたくないしね。

しっかし、あたしは覚えがないわよ? リゼスさんや、トーヤさんに、何であんなに睨まれるんだか。理由が分からない。

……………まあ、今、考えたところで、分かるわけ無いんだけどね。


「って、ユリーさん? 何でここに?」


執務室から出て、数歩のところで、ユリーさんが待っていてくれたみたい。勿論、服装は式典用の侍従服。色は同じなんだけど、普段よりも立派な服装になっている。


「サキ様を待っていました、王家の方より、サキ様を一人にするな、と厳命されてますから」


………………間違い無く、あの気絶が原因よね。アハハハハハ…………。マジか、原因作った、あたしが言える事じゃないけどさ? 皆さん、過保護過ぎるよ!!?


「あ、ありがとう………」


顔が引きつったのは、勘弁して下さいな。


「さあ、参りましょう」


ユリーさんの笑顔が眩しいよ。本当に女顔にしか見えないよ! それで年下とか、本当に有り得ないから!!

内心半狂乱で叫びつつ、それでもエスコートの為に、優雅に手を差し出したユリーさんに、心の内が気付かれないように、此方も優雅に笑顔を見せつつ、手を差し出す。

ユリーさんの実家は侯爵家。本人は末っ子らしいけど、教育は本物である。年下、更に背は若干ユリーさんが高いくらいだから、何か調度良いのよね。ファイさんだと、背が高いから違和感があるのよねー。変わりに、変な方々が寄って来ないから助かるけどね(汗

もう、変態はいらんわ!


「サキ様、何かありましたら、僕にも言って下さいね? これでも魔法に関しては、かなりの実力があるんですから」


ニッコリと素敵な笑顔で、こんな気遣う言葉を言われたら、流石のあたしもドキッとしたわ。頬っぺた、赤く無いわよね!?


「うん、その時はお願いね」



◇◇◇◇◇



さて、会場についたけど……………、やっぱり視線が鬱陶しいわね。殆どが、微妙に哀れみを込めた視線なんですけど……………。あれか、フランツ様が言った、お説教か! あれの所為なのか!?


「…………はあ…」


深い溜息が出てしまうのは、仕方ないわよね? それを見て、周りの人達がまた、哀れみの視線を寄越すけれど、もういいわ。変なサイクルを壊すのも面倒くさいし。


「ん?」


会場の中が何だか騒がしい。こう、ギャーッて感じでは無くて、ザワザワって感じの騒がしさ。

………………あたしらが居ない間に、何が起きた、何が!!


「あ、サキ殿!」


ん? 声がした方を見てみれば、何故かルイさんが、困った顔で近寄って来たんだけど。後ろには、ルカさんも居る。二人共に、チラチラと騒ぎの方を見ながら来てる時点で、流石に鈍いあたしも気付いた。


「ルイさん、ルカさん? 一体何が起きたのか、説明して下さいませ」


二人が困惑したように、お互いを見ながら、かなり言いにくいのか、目で会話を始める。うん、勝手にしてくれ!!


「えっと、その………」


だーかーらー! 早くしてちょーだいな?


「ルカ、私が言う――――サキ殿、実は、うちの馬鹿が酒に酔っ払いまして……………ご婦人にご迷惑をかけてしまったんです」


あちゃ〜………、それは何とも。恐らく、夫人や周りの貴族が、フォロー出来ない位の事態へ、発展してしまったんだろう。

仕方ない、事態の収集はつけないといけないものね。あたしが行くか………………。はあ〜………。

重くなる足を動かして、現場に行けば、もはや現場はカオスとしか言い様がない。


「あらら、これは一体どういう事かしら?」


まずは迷惑をかけられたご婦人。まだ年若い、彼女の着ているシルバーのドレスには、透明な液体が滴り、床にも染みを作っている。本当にやらかしたのね…………。

不幸中の幸いは、彼女が常識的な貴族であり、染みが出来にくい透明なお酒である、と言う事かな。ヒステリーを起こさず、戸惑った姿だからなんだけど。間違いなく、怒っていいの? って状態かな??

そして彼女の周りには、寄り添うようにして、彼女を守る仕草のご婦人方が数人。中には、ハンカチ等で水滴を拭き取っている、健気な方もいる。さり気なく、自分達で壁をつくるあたり、彼女は慕われた人らしい。

対して、酔っ払いエルフは、顔を赤らめた状態で、ぼけーっとして見ていた。その状況を。酒の席ではあるけど、飲み過ぎはルール違反よ? それでこんなカオスな状態をどうしろと?


「ドータ! やっぱりお前か!?」


頭を抱えたルイさんに、視線をやれば、申し訳ないとばかりに、頭を下げていた。被害者らしいご婦人に。


「申し訳ありません、ご婦人………こいつは酒を飲むと、気が大らかになり、いつも騒ぎを起こすのです……………今日は飲まないように言っておいたのですが」


あらら…………。一応、念は押していたらしいけど、進められて飲んだみたいね。一部の男性貴族が、バツの悪い顔してるし。


「ご婦人………確か、ルミット伯爵夫人でしたね? お顔色も悪いようですし、別室にて休まれたら如何かしら? このままでは、風邪をひかれてしまうわ」


彼女は戸惑った様子だったけど、あたしと周りに促され、礼をして別室へ向かった。エスコートは旦那様かな? 周りの婦人方も、どこかホッとした様子だし。


「あ、エリー様」


近くにいたエリー様を発見! ナイスタイミング♪


「あら、サキ、どうしましたの?」


キョトンとしたエリー様に、あたしは、とあるお願い事をしなくては。あのままでは、ルミット伯爵夫人が可哀想だもの。


「ルミット伯爵夫人に、替えのドレスをお願いしたいのです、騒ぎを大きくしないために、我慢して下さったんですもの、お願いできますか?」


恐らく、騒ぎになり、両国間に溝が出来たら大変と、騒がないように押さえてくれたんだろう。そうでなければ、もっと大事になっていたろうしね。

それにエリー様が出れば、両国間には溝が確実に出来てしまう。だから、王族であるエリー様も動けなかったのかな。


「分かりましたわ、お任せ下さいな♪」


素敵な笑顔で了承してくれました! では、元凶様に説教の一つでも……………はあ〜!!???


「…………えっと、ルカさん? ルイさんは?」


あたしが見た先に、元凶が居ない! 近くのルカさんに問えば、何故か視線をそらしながら、とある方向へ人差し指を向けていた。


「うわぁ〜………」


その先には、元凶様と、もう一人。激怒した姿のルイさん…………。おかしいな、背中に夜叉が見えるんだけど…………。

そんな夜叉を背負ったルイさんに、耳を引っ張られながら、元凶様が運ばれていた。いや、引きずられていた、が正解かも。あまりの剣幕に、誰も二人に話かけないのが、その証拠かも。

激怒したルイさん、こえぇ〜…………。まあ、あたしの出番が無くて良かったわ。

恐らく、出るに出れなかったんだろうしね。皆が硬直状態だったし。

……………あれ? って事は、あたしは利用されたわけ!?


「本当に、踏んだり蹴ったりだわ」


そう思ったのも、仕方ないかもしれない。本当に、今日は色々ありすぎだから!

喉かわいたかも。近くの執事さんから、ジュースを貰う。流石にお酒は飲めないからね。あ、さっぱりしてて美味しい♪


「――――――………」


ほへ? 何だろう、今、確かに何か聞こえた気が…………。


「アン・リシャール様っ!!」


今度は、ハッキリ聞こえたわ! アンリちゃんに、何かあった!?


「誰かっ! 誰かっ!! アン・リシャール様がっ!!」


慌てて声のした方へ行けば、人だかりが出来ていた。人を押しやり、何とか到着。そこには気を失ってグッタリした、アンリちゃんの姿が!


「アンリちゃん!? どうしたのよ!?」


混乱した様子の、若い年に見える女性のエルフさんが、アンリちゃんの近くにいて、グッタリしたアンリちゃんに、必死で呼び掛けている。


「アン・リシャール様! アン・リシャール様!!」


ダメね、あのエルフの女性、混乱していて、話が聞けないわ。


「失礼、一体何があったんです?」


近くにいた、事態を見ていたらしい、年若い男性貴族に聞いてみる。ただ、何故かビビられたけどね(汗

どんだけ恐れられてるんだろ…………あたし。


「そ、その、あ、あれを見た瞬間、急に倒れてしまって…………」

そう言って、指差した先にあったのは、キラキラ輝く氷の彫像。此方では魔法で長時間保存出来るから、豪華に見せると言う意味でよく使われている。モデルは騎士と令嬢ね。騎士は雄々しく剣を奮い、令嬢は祈りを捧げている。よくある構図なんだけど?


「これで気を失って…………?」


アンリちゃんは、これの一体何で気を失ったわけ?? 分からない、分からないよ!


誰か、あたしに教えて下さい。アンリちゃんは、この氷の彫像の何に、反応したの??


………………本当に、踏んだり蹴ったりだわ!



◇◇◇◇◇


Side:???


チッ、もう少しだったと言うのに……………。まさか本人に気付かれ、人がこんなに集まってくるとは。エルフの里ならば、上手く行ったものを!


「仕方あるまい…………かくなる上は」


あの方より賜った、アレを使うしかあるまい。


………………せめて、安らかなる死を贈ろうぞ。アン・リシャール。

あの方に睨まれた己を呪え。我は、安らかなる死を、与えるに過ぎないのだから。



◇◇◇◇◇


Side:アン


コワイ、コワイのがいるの。


サキおねーちゃんは、とーってもあたたかいの。アンリって、なまえをつけてくれて、かわいがってくれるの。

ショータおにーちゃんは、とーってもおもしろいの。いつもバカやるから、サキおねーちゃんにおこられるの。

カーマおにーちゃんは、あたまがいいの。それにやさしいの。オカシくれたの。

ユーカおねーちゃんは、こわいの。おねーちゃんはあかいから、こわいの。でもね? ユーカおねーちゃん、いつもこまったかおをするの。さみしそうなの。


でもね、みんなはやさしいの。

アンリをまもってくれる騎士さまなの。


でも、でもね?

アンリをむかえにきたエルフはちがうの。やさしいひともいたけど、コワイひともたくさんいたの。

アンリ、かえりたくないよ。

いつまでも、あたたかいばしょにいたいよ……………。

サキおねーちゃんや皆といっしょにいたいよ。


かみさま、アンリ、かえらないとダメですか?


読了、お疲れ様でしたm(__)m

お話は、ようやくここまで来ました。ユリーさん、ちょっと格好良い(笑) サキちゃんはまーったく気付いて無いみたいだけど(汗


さて、前書きでも書きました、リクエスト企画のお話を、次回からアップして行きます。その間は不定期更新になりますので、ご了承くださいね。

リクエストお話は、4本あります。お楽しみに♪


本編、水曜日のお昼更新は、6月からかな??


それでは次回、お会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ